「ゲームがカクカクして快適にプレイできない…」 「グラフィックは綺麗にしたいけど、FPSも確保したい」 「設定項目が多すぎて、何を変更すればいいか分からない」
PCゲーマーなら誰もが悩む、グラフィック設定の最適化。
実は、適切な設定をすれば、見た目をほとんど犠牲にせずにFPSを大幅に向上させることができるんです。逆に、よく分からずに設定していると、無駄に重くなったり、せっかくの高性能PCの力を発揮できなかったりします。
この記事では、Steamでのグラフィック設定について、基本から応用まですべてを解説します。Steam自体の設定から、ゲーム内設定、そしてNVIDIA/AMDの最適化まで、これを読めばあなたのゲーム環境が劇的に改善するはずです!
Steamクライアントの基本設定

Steam自体のパフォーマンス設定
まずはSteamクライアント自体を軽くしましょう。
設定手順:
- Steam→設定
- 「インターフェース」タブ
- 以下の設定を調整:
推奨設定:
□ GPUアクセラレーションレンダリングを有効化(低スペックPCはオフ)
□ DirectWriteを有効化(テキスト表示を改善)
□ 低帯域幅モード(回線が遅い場合)
□ ハードウェアビデオデコードを有効化
Steamオーバーレイの最適化
オーバーレイは便利ですが、FPSに影響します。
設定方法:
- 設定→「ゲーム中」
- 「ゲーム中にSteamオーバーレイを有効化」
パフォーマンス重視の設定:
- 競技系FPS:オーバーレイを無効化
- カジュアルゲーム:有効でOK
- 配信時:選択的に有効化
FPSカウンターの表示
パフォーマンスを確認するため、FPS表示を有効化しましょう。
設定:
- 設定→「ゲーム中」
- 「ゲーム中のフレームレート表示」
- 表示位置を選択(左上推奨)
- 「高コントラスト」で見やすく
ゲーム起動オプションでの最適化
よく使う起動オプション
Steamの起動オプションで、ゲームのパフォーマンスを改善できます。
設定方法:
- ライブラリでゲームを右クリック
- プロパティ→起動オプション
汎用的な起動オプション:
# 基本的な最適化
-high -novid -nojoy -threads 4
# 詳細な設定
-high # 優先度を高に設定
-novid # 起動時のムービーをスキップ
-nojoy # ジョイスティック無効化
-threads 4 # CPUスレッド数指定
-nod3d9ex # DirectX 9Ex無効化
-console # 開発者コンソール有効化
ゲーム別の推奨設定
CS:GO / CS2:
-high -threads 8 -novid +fps_max 0 -nojoy +cl_forcepreload 1
Apex Legends:
-high -novid +fps_max unlimited -preload
DOTA 2:
-high -console -novid -dx11 +fps_max 240
解像度とアスペクト比の設定
解像度の選び方
ネイティブ解像度 vs 下げた解像度:
解像度 | FPS影響 | 画質 | 推奨用途 |
---|---|---|---|
1920×1080 (FHD) | 標準 | 良好 | バランス型 |
2560×1440 (QHD) | -30% | 優秀 | 高性能PC |
3840×2160 (4K) | -60% | 最高 | 最高性能PC |
1600×900 | +20% | 普通 | 低スペックPC |
1280×720 | +40% | 低い | 競技重視 |
解像度スケーリング
多くのゲームで、内部解像度を調整できます。
設定例:
- 100%:ネイティブ解像度(標準)
- 75%:パフォーマンス向上(見た目は若干劣化)
- 50%:大幅なFPS向上(画質は大きく劣化)
- 125%:スーパーサンプリング(高画質だが重い)
アスペクト比とストレッチ解像度
競技ゲーマー向け設定:
4:3ストレッチ(1280×960)
- メリット:敵が横に太く見える
- デメリット:視野角が狭い
- 使用例:CS:GOプロ選手
16:10(1680×1050)
- バランス型
- 若干のFPS向上
グラフィック詳細設定の解説
各設定項目の影響度
重い設定(FPSへの影響大):
1. 影(Shadow)
- FPS影響:★★★★★
- 見た目影響:★★★☆☆
- 推奨:低〜中
2. アンチエイリアシング(AA)
- FPS影響:★★★★☆
- 見た目影響:★★★★☆
- 推奨:FXAA or TAA
3. アンビエントオクルージョン(AO)
- FPS影響:★★★★☆
- 見た目影響:★★★☆☆
- 推奨:オフ〜SSAO
中程度の設定
4. テクスチャ品質
- FPS影響:★★☆☆☆(VRAM依存)
- 見た目影響:★★★★★
- 推奨:高(VRAM 4GB以上)
5. エフェクト品質
- FPS影響:★★★☆☆
- 見た目影響:★★★☆☆
- 推奨:中
6. ポストプロセッシング
- FPS影響:★★★☆☆
- 見た目影響:★★☆☆☆
- 推奨:低〜中
軽い設定
7. 異方性フィルタリング(AF)
- FPS影響:★☆☆☆☆
- 見た目影響:★★★★☆
- 推奨:16x(最高)
8. 垂直同期(V-Sync)
- FPS影響:入力遅延あり
- 推奨:オフ(競技)/オン(画面ちらつき防止)
プリセット別の推奨構成

低スペックPC向け設定
目標:60FPS確保
解像度:1280×720 or 1600×900
レンダースケール:75-85%
テクスチャ:中
影:低 or オフ
アンチエイリアシング:オフ or FXAA
エフェクト:低
ポストプロセス:オフ
アンビエントオクルージョン:オフ
モーションブラー:オフ
被写界深度:オフ
ミドルスペックPC向け設定
目標:100FPS以上
解像度:1920×1080
レンダースケール:100%
テクスチャ:高
影:中
アンチエイリアシング:TAA
エフェクト:中
ポストプロセス:中
アンビエントオクルージョン:SSAO
モーションブラー:オフ
被写界深度:オフ
ハイエンドPC向け設定
目標:144FPS以上維持
解像度:2560×1440
レンダースケール:100%
テクスチャ:最高
影:高
アンチエイリアシング:TAA or DLAA
エフェクト:高
ポストプロセス:高
アンビエントオクルージョン:HBAO+
モーションブラー:好み
被写界深度:好み
レイトレーシング:オン(RTX 3070以上)
NVIDIA設定での最適化
NVIDIAコントロールパネル
3D設定の管理:
画質重視の設定:
- アンチエイリアシング - モード:アプリケーション設定を優先
- テクスチャフィルタリング - 品質:高品質
- 電源管理モード:最適電力優先
パフォーマンス重視の設定:
- アンチエイリアシング - モード:オフ
- テクスチャフィルタリング - 品質:パフォーマンス
- 電源管理モード:パフォーマンス最大化を優先
- 低遅延モード:ウルトラ
- シェーダーキャッシュサイズ:無制限
NVIDIA GeForce Experience
自動最適化:
- GeForce Experienceを起動
- ゲームタブを選択
- 最適化したいゲームを選択
- 「最適化」をクリック
カスタマイズ:
- スライダーで品質とパフォーマンスのバランス調整
- 解像度やフレームレートターゲットを指定
DLSS/FSRの活用
DLSS(NVIDIA):
DLSS品質モード:
- パフォーマンス向上:20-30%
- 画質低下:ほぼなし
DLSSバランス:
- パフォーマンス向上:40-50%
- 画質低下:わずか
DLSSパフォーマンス:
- パフォーマンス向上:60-100%
- 画質低下:やや目立つ
FSR(AMD/全GPU):
FSR 2.0 品質:元解像度の67%
FSR 2.0 バランス:元解像度の59%
FSR 2.0 パフォーマンス:元解像度の50%
FSR 2.0 ウルトラパフォーマンス:元解像度の33%
AMD設定での最適化
AMD Radeon Software
グラフィック設定:
グローバル設定:
- アンチラグ:有効
- Radeon Chill:有効(FPS範囲設定)
- Radeon Boost:有効(動的解像度)
- イメージシャープニング:50-80%
ゲーム別プロファイル
競技系FPS用:
- アンチラグ:有効
- 垂直同期:オフ
- フレームレート目標制御:無効
- テクスチャフィルタリング品質:パフォーマンス
RPG/アドベンチャー用:
- アンチラグ:無効
- 垂直同期:Radeon Enhanced Sync
- フレームレート目標制御:60FPS
- テクスチャフィルタリング品質:高
モニター設定との連携
リフレッシュレートの設定
Windows設定:
- デスクトップ右クリック→ディスプレイ設定
- 詳細ディスプレイ設定
- リフレッシュレートを最大値に
確認コマンド(ゲーム内):
fps_max 0(無制限)
fps_max 144(144Hz用)
fps_max 240(240Hz用)
G-SYNC/FreeSyncの設定
G-SYNC(NVIDIA):
- NVIDIAコントロールパネル
- G-SYNCの設定
- 「G-SYNCを有効化」
- フルスクリーンモードとウィンドウモード両方
FreeSync(AMD):
- Radeon Software
- ディスプレイ設定
- AMD FreeSyncを有効化
トラブルシューティング
FPSが出ない場合
チェックリスト:
1. 電源プラン確認(高パフォーマンス)
2. GPUドライバー更新
3. Windowsゲームモード有効化
4. バックグラウンドアプリ終了
5. 温度確認(サーマルスロットリング)
6. 解像度とリフレッシュレート確認
画面のちらつき・ティアリング
対処法:
- V-Sync有効化
- G-SYNC/FreeSync使用
- FPS上限設定(モニターHz-3)
- Triple Bufferingを有効化
入力遅延の改善
設定調整:
- V-Sync:オフ
- 低遅延モード:ウルトラ(NVIDIA)
- アンチラグ:有効(AMD)
- フルスクリーンモード使用
- Windows全画面最適化:無効
人気ゲーム別の最適設定

Apex Legends
競技向け設定(144FPS目標):
- 解像度:1920×1080
- アスペクト比:16:9
- 視野角:110
- テクスチャ:低〜中
- アンチエイリアシング:なし
- 影:無効
- モデル詳細:低
VALORANT
最大FPS設定:
- 解像度:1920×1080
- グラフィック品質:低
- マテリアル:低
- テクスチャ:低
- ディテール:低
- アンチエイリアシング:なし
- 異方性フィルタリング:1x
Cyberpunk 2077
RTX 3070向けバランス設定:
- 解像度:1920×1080
- DLSS:品質
- レイトレーシング:中
- テクスチャ:高
- 影:中
- 反射:低
パフォーマンス測定ツール
便利なツール
MSI Afterburner:
- GPU/CPU使用率表示
- 温度モニタリング
- FPS表示
- 録画機能
Steam内蔵FPSカウンター:
- 設定→ゲーム中→FPS表示
FRAPS:
- FPS測定
- ベンチマーク機能
- スクリーンショット
よくある質問と回答
Q: 影の設定は本当に重要?
A: FPSへの影響が最も大きい設定の一つです。競技系では低〜オフ、シングルプレイでは中程度がおすすめです。
Q: DLSSとFSR、どちらがいい?
A: NVIDIA GPUならDLSS、AMD GPUならFSR 2.0以上を使用。画質はDLSSがやや優秀ですが、FSRは全GPUで使える利点があります。
Q: 144Hzモニターなのに144FPS出ない
A: ケーブル(DisplayPort推奨)、Windows設定、ゲーム内FPS上限、V-Sync設定を確認してください。
Q: レイトレーシングは使うべき?
A: RTX 3060Ti以上なら検討価値あり。ただし、競技系ゲームでは不要です。シングルプレイの没入感重視なら有効化を推奨。
Q: 配信しながらゲームすると重い
A: NVIDIAならNVENC、AMDならAMD VCEを使用。OBSの設定でハードウェアエンコードを選択してください。
まとめ:最適な設定で快適なゲーム体験を
グラフィック設定の最適化は、快適なゲーム体験の基本です。
設定の優先順位:
- まず解像度とFPS目標を決める
- 影とアンチエイリアシングから調整
- DLSS/FSRを活用
- 細かい設定を微調整
- 実際にプレイして確認
重要ポイント:
- 競技系:FPS優先で設定を下げる
- シングルプレイ:バランス重視
- 配信:エンコード設定も考慮
- 定期的にドライバー更新
- 温度管理も忘れずに
この記事を参考に、あなたのPC環境に最適な設定を見つけてください。美しいグラフィックと滑らかなゲームプレイの両立を目指しましょう!
Happy Gaming! 🎮
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