「Macの調子が悪いから初期化したい」 「売却前にデータを完全に消去したい」 「クリーンインストールで快適な環境に戻したい」
Macの初期化を検討している理由は様々ですよね。
でも、ちょっと待って!初期化は簡単にできますが、準備不足で行うと取り返しのつかないことになる可能性があります。大切な写真、仕事のファイル、アプリの設定…すべて消えてしまうんです。
この記事では、Mac初期化の前に必ず確認すべき注意点から、データのバックアップ方法、初期化の手順、そして初期化後の設定まで、失敗しないための完全ガイドをお届けします。
後悔しないために、この記事を最後まで読んでから初期化を実行してくださいね。
初期化前の重要な注意点チェックリスト

絶対に確認すべき10項目
初期化を始める前に、必ずこのチェックリストを確認してください。
チェックリスト:
- [ ] Time Machineバックアップは最新か
- [ ] iCloudの同期は完了しているか
- [ ] Apple IDとパスワードを覚えているか
- [ ] FileVaultの暗号化を解除したか
- [ ] Adobe製品などの認証解除は済んでいるか
- [ ] 写真ライブラリの完全バックアップはあるか
- [ ] 書類フォルダの重要ファイルを保存したか
- [ ] アプリのライセンスキーをメモしたか
- [ ] ブラウザのブックマークをエクスポートしたか
- [ ] メールのアーカイブを作成したか
一つでも「いいえ」がある場合は、初期化を待って準備を整えましょう。
なぜこんなに準備が必要なの?
初期化すると消えるもの:
- すべてのファイルとフォルダ
- インストールしたアプリケーション
- システム設定とカスタマイズ
- ユーザーアカウント情報
- Wi-Fiパスワードなどの保存情報
文字通り「工場出荷時」の状態に戻るので、購入時と同じまっさらな状態になります。
バックアップ方法:3つのアプローチ
方法1:Time Machine(最も確実)
Time Machineは、Macの完全バックアップを作成する最も確実な方法です。
必要なもの:
- Mac本体の容量の1.5〜2倍の外付けHDD/SSD
- 数時間の時間(初回バックアップ)
手順:
- 外付けドライブを接続
- システム設定→Time Machine
- 「バックアップディスクを選択」
- ドライブを選択して「ディスクを使用」
- 「今すぐバックアップを作成」
初回は時間がかかりますが、システム全体を復元できる最も安全な方法です。
方法2:iCloudバックアップ(手軽だが容量制限あり)
iCloudを使えば、重要なデータを自動でバックアップできます。
iCloudで同期されるもの:
- 写真(iCloud写真を有効にしている場合)
- 書類(iCloud Drive使用時)
- デスクトップとダウンロード
- メモ、リマインダー、カレンダー
- Safari のブックマーク
確認方法:
- システム設定→Apple ID→iCloud
- 各項目の同期状態を確認
- 「iCloudの容量」で使用状況をチェック
無料プランは5GBまでなので、有料プランへのアップグレードも検討しましょう。
方法3:手動バックアップ(選択的だが確実)
特に重要なファイルだけを手動でバックアップする方法です。
バックアップすべきフォルダ:
- ホーム→書類
- ホーム→デスクトップ
- ホーム→ダウンロード
- ホーム→ピクチャ(写真ライブラリ)
- ホーム→ムービー
外付けドライブやクラウドストレージにコピーしておきましょう。
初期化の種類と選び方
macOSを再インストール(データは残す)
こんな時に選ぶ:
- システムの不具合を解決したい
- OSだけをクリーンにしたい
- 個人データは残したい
これは厳密には「初期化」ではなく、OSの上書きインストールです。
すべてのコンテンツと設定を消去(完全初期化)
こんな時に選ぶ:
- Macを売却・譲渡する
- 完全にクリーンな状態にしたい
- 深刻な問題を解決したい
macOS Monterey以降では、iPhone のような簡単な初期化が可能になりました。
ディスクユーティリティで消去(従来の方法)
こんな時に選ぶ:
- 古いmacOSを使用している
- より細かい制御が必要
- パーティション構成を変更したい
リカバリーモードから実行する、従来からある確実な方法です。
macOS別の初期化手順
macOS Monterey以降の初期化
最新のmacOSでは、とても簡単に初期化できます。
手順:
- システム設定を開く
- 「一般」→「転送またはリセット」
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」
- 管理者パスワードを入力
- Apple IDでサインアウト
- 「続ける」→「続ける」→「消去」
約30分〜1時間で完了します。
macOS Big Sur以前の初期化
リカバリーモードを使用します。
Intel Mac の手順:
- Macを再起動
- Command + R を押し続ける
- Appleロゴが表示されたら離す
- macOSユーティリティが起動
- ディスクユーティリティを選択
- 「Macintosh HD」を選択→「消去」
- macOSを再インストール
Apple Silicon Mac(M1/M2/M3)の手順:
- Macをシャットダウン
- 電源ボタンを長押し
- 「オプション」→「続ける」
- 以降はIntel Macと同じ
売却・譲渡前の追加注意点

必ず行うべきセキュリティ対策
個人情報を完全に削除:
- FileVault を無効化(暗号化解除)
- iCloudからサインアウト
- iTunes の認証解除
- Bluetooth デバイスの登録解除
- 「Macを探す」を無効化
これらを忘れると、新しい所有者が使えない場合があります。
FileVault の解除方法
暗号化されたままだと初期化に時間がかかります。
手順:
- システム設定→プライバシーとセキュリティ
- FileVault
- 「オフにする」をクリック
- パスワードを入力
- 復号化完了まで待つ(数時間かかる場合も)
各種サービスの認証解除
忘れがちな認証解除:
- Adobe Creative Cloud
- Microsoft Office
- Dropbox
- Google Drive
- 音楽制作ソフト(Logic Pro、Cubaseなど)
- 開発環境(Xcode、VS Code の設定)
ライセンス数に制限があるソフトは、必ず認証解除しましょう。
初期化でよくあるトラブルと対処法
初期化が進まない・フリーズする
対処法:
- 30分以上待つ(処理に時間がかかる場合がある)
- 強制終了して再度実行
- セーフモードで起動してから初期化
- インターネットリカバリーを使用
「ディスクがロックされています」エラー
解決方法:
- ディスクユーティリティで「マウント解除」
- FileVaultが有効なら解除
- リカバリーモードから再実行
- 別のユーザーアカウントから試す
Apple IDのパスワードを忘れた
対処法:
- iforgot.apple.com にアクセス
- Apple IDを入力
- パスワードリセット方法を選択
- 新しいパスワードを設定
事前にパスワードを確認しておくことが重要です。
初期化後の設定と復元
初期設定の流れ
セットアップアシスタント:
- 言語と地域を選択
- Wi-Fiに接続
- Apple IDでサインイン
- 利用規約に同意
- コンピュータアカウント作成
- iCloudの設定
約15〜30分で基本設定が完了します。
Time Machineからの復元
復元手順:
- 移行アシスタントを起動
- 「Mac、Time Machineバックアップ、または起動ディスクから」
- Time Machineバックアップを選択
- バックアップディスクを選択
- 復元したい項目を選択
- 転送開始
全データの復元には数時間かかることがあります。
必須アプリの再インストール
優先的にインストールすべきアプリ:
- ウイルス対策ソフト
- ブラウザ(Chrome、Firefox など)
- オフィススイート
- クラウドストレージアプリ
- コミュニケーションツール(Slack、Zoomなど)
App Storeの「購入済み」から簡単に再ダウンロードできます。
OSのバージョンと互換性の注意
古いアプリケーションの互換性
確認すべきこと:
- 32bitアプリはmacOS Catalina以降で動作しない
- PowerPCアプリは使用不可
- 古いプリンタードライバーの対応状況
- 専門的なソフトウェアの動作要件
重要なアプリは、事前に最新OSでの動作を確認しましょう。
ダウングレードはできる?
新しいOSから古いOSへの変更は、初期化が必要です。
注意点:
- Time Machineバックアップは使えない
- データの手動移行が必要
- セキュリティリスクが増加
- Apple のサポート対象外
特別な理由がない限り、最新OSの使用をおすすめします。
よくある質問と回答
Q: 初期化にかかる時間は?
A: 通常1〜3時間程度。ただし、容量やMacの性能により異なります。Time Machineからの完全復元は、データ量によっては6時間以上かかることもあります。
Q: 初期化してもAppleCareは継続される?
A: はい、AppleCareは本体に紐づいているので、初期化しても継続されます。保証期間も変わりません。
Q: 初期化すれば完全に新品同様になる?
A: ソフトウェア的には新品同様になりますが、ハードウェアの劣化(バッテリー、SSDの書き込み回数など)は改善されません。
Q: iPhoneのバックアップも消える?
A: Mac本体に保存されているiPhoneのバックアップは消えます。重要な場合は、事前に別の場所にコピーしておきましょう。
Q: Boot CampのWindowsはどうなる?
A: Boot Campパーティションも削除されます。Windowsのライセンスキーを控えて、必要なデータをバックアップしてください。
まとめ:準備万端で安全な初期化を
Mac の初期化は、正しく行えばMacのパフォーマンスを回復させる素晴らしい方法です。
初期化成功のポイント:
- バックアップは2重3重に取る
- パスワード類は事前に確認
- 時間に余裕を持って実行
- 重要なデータは手動でも保存
- 初期化後の計画も立てておく
最重要事項: 何よりも大切なのは「バックアップ」です。Time Machineバックアップさえあれば、最悪の場合でも元の状態に戻せます。
初期化は確かに手間がかかりますが、その分、まっさらな状態から始められる爽快感があります。この記事を参考に、しっかり準備をして、安全に初期化を実行してください。
新しく生まれ変わったMacで、快適なデジタルライフを楽しんでくださいね!
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