朝、いつものようにMacの電源ボタンを押したのに、画面が真っ暗のまま…。 そんな経験をすると、誰でも焦ってしまいますよね。
「大切なデータは大丈夫かな?」 「修理に出さないといけないの?」 「高額な修理代がかかるのでは?」
こんな不安が頭をよぎるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。 実は、Macが起動しないトラブルの多くは、自分で解決できることが多いんです。
この記事では、Macが起動しない時に試すべき対処法を、簡単なものから順番にご紹介していきます。 専門知識がなくても大丈夫。一つずつ、落ち着いて試してみましょう。
1. まず最初に確認!電源まわりの3つのチェックポイント

📌 チェック1:電源ケーブルはしっかり接続されていますか?
意外と見落としがちなのが、電源ケーブルの接続です。
MacBookの場合:
- 充電ケーブルが本体にきちんと差し込まれているか確認
- アダプターがコンセントにしっかり接続されているかチェック
- ケーブルに損傷がないか目視で確認してみる
iMacやMac miniの場合:
- 電源ケーブルが本体の背面にしっかり接続されているか
- コンセント側の接続も確認
- 電源タップを使っている場合は、タップのスイッチがONになっているか
📌 チェック2:バッテリーの充電状態を確認
MacBookの場合、バッテリーが完全に空になっていると、充電を始めてもすぐには起動しません。
対処法:
- 充電ケーブルを接続して、最低でも10分〜15分待つ
- 充電中のランプやインジケーターを確認
- それでも反応がない場合は、別の充電器があれば試してみる
📌 チェック3:外部機器をすべて取り外してみる
USBメモリ、外付けハードディスク、プリンターなど、接続している機器が原因で起動しないことがあります。
試してみること:
- マウスとキーボード以外のすべての機器を取り外す
- この状態で電源ボタンを押してみる
- 起動したら、機器を一つずつ接続して原因を特定
2. 症状別の対処法:あなたのMacはどのタイプ?
🖥️ 症状A:電源ボタンを押しても全く反応がない
音も光もない、完全に無反応の場合
この場合は、SMC(システム管理コントローラー)のリセットが効果的です。
SMCリセットの方法(Intel Mac):
- Macの電源を切る(反応がなくても電源ボタンを10秒長押し)
- 電源ケーブルを接続
- 「Shift + Control + Option」キーと電源ボタンを同時に10秒間押し続ける
- すべてのキーを離す
- 通常通り電源ボタンを押して起動
SMCリセットの方法(Apple Silicon Mac):
- Macの電源を切る
- 30秒待つ
- 電源ボタンを押して起動
🖥️ 症状B:起動音は鳴るけど画面が真っ暗
ファンの音や起動音は聞こえるのに、画面に何も表示されない場合
これは、ディスプレイの問題か、システムの読み込みエラーの可能性があります。
対処法:
- NVRAM/PRAMリセットを試す
- 電源を入れた直後に「Option + Command + P + R」を同時に押し続ける
- 起動音が2回鳴るまで(約20秒)押し続ける
- キーを離して通常起動を待つ
- セーフモードで起動してみる
- 電源ボタンを押した直後に「Shift」キーを押し続ける
- Appleロゴが表示されたら離す
- 起動に時間がかかりますが、じっくり待ちましょう
🖥️ 症状C:リンゴマークは出るけど、その先に進まない
Appleロゴや進行状況バーで止まってしまう場合
システムファイルの問題や、アップデートの失敗が原因かもしれません。
リカバリーモードを使った対処法:
- 電源を入れた直後に「Command + R」を押し続ける
- macOSユーティリティ画面が表示されるまで待つ
- 「ディスクユーティリティ」を選択
- 起動ディスクを選んで「First Aid」を実行
- エラーが修復されたら再起動
3. 基本のリセット方法:これで8割は解決!

🔧 方法1:強制終了と再起動
まずは最もシンプルな方法から。
- 電源ボタンを10秒間押し続けて強制終了
- 5秒待つ
- 再度電源ボタンを押して起動
🔧 方法2:セーフモードでの起動と修復
セーフモードは、最小限のシステムだけで起動する特別なモードです。
セーフモードの利点:
- 不要な機能拡張を読み込まない
- システムの自動修復が行われる
- 問題の原因を特定しやすい
手順:
- Macの電源を完全に切る
- 電源ボタンを押す
- すぐに「Shift」キーを押し続ける
- ログイン画面が表示されたら離す
セーフモードで起動できたら、そのまま通常の再起動を行ってみてください。 多くの場合、これだけで問題が解決します。
🔧 方法3:リカバリーモードからの修復
より深刻な問題の場合は、リカバリーモードを使います。
Intel Macの場合:
- 「Command + R」:通常のリカバリーモード
- 「Option + Command + R」:インターネットリカバリー(最新のmacOSをインストール)
- 「Shift + Option + Command + R」:お使いのMacに最初に搭載されていたmacOSをインストール
Apple Silicon Macの場合:
- 電源ボタンを押し続ける
- 「オプションを読み込み中」と表示されるまで待つ
- 「オプション」を選択して「続ける」をクリック
4. それでも解決しない場合の次のステップ
💡 ハードウェア診断を実行する
Macには、ハードウェアの問題を検出する診断機能が搭載されています。
Apple Diagnosticsの実行方法(2013年以降のMac):
- Macの電源を切る
- 電源を入れた直後に「D」キーを押し続ける
- 言語選択画面が表示されたら離す
- 診断が自動的に開始される
エラーコードが表示された場合は、そのコードをメモして、Appleサポートに連絡する際に伝えましょう。
💡 ターゲットディスクモードでデータを救出
別のMacがある場合、ターゲットディスクモードを使ってデータを取り出すことができます。
手順:
- 問題のあるMacと正常なMacをケーブルで接続
- 問題のあるMacの電源を入れた直後に「T」キーを押し続ける
- 画面にThunderboltやUSBのアイコンが表示される
- 正常なMacで外付けドライブとして認識される
5. 大切なデータは大丈夫?バックアップの重要性
📁 現在のデータについて
起動しないMacでも、多くの場合データは無事です。 上記の方法で起動できれば、すぐにバックアップを取りましょう。
Time Machineでバックアップする方法:
- 外付けハードディスクを接続
- システム設定→Time Machine
- 「バックアップディスクを選択」
- 自動バックアップをONに
📁 今後のために:3-2-1ルール
データを守るための基本ルールです。
- 3つのコピーを持つ(オリジナル + バックアップ2つ)
- 2種類の異なるメディアに保存(Mac本体 + 外付けHDD + クラウドなど)
- 1つは別の場所に保管(クラウドストレージなど)
6. プロが教える!起動トラブルを防ぐ5つの習慣
✅ 1. 定期的なmacOSアップデート
最新のセキュリティパッチやバグ修正が含まれています。 ただし、メジャーアップデートは少し様子を見てからでもOK。
✅ 2. ストレージの空き容量を15%以上確保
Macは起動時に一時ファイルを作成します。 空き容量が少ないと、起動に失敗することがあります。
確認方法: Appleメニュー → このMacについて → 詳細情報 → ストレージ設定
✅ 3. 月に1回は完全シャットダウン
普段はスリープで済ませがちですが、定期的な再起動でシステムがリフレッシュされます。
✅ 4. サードパーティ製アプリは信頼できるものだけ
App Store以外からダウンロードしたアプリが原因で起動しなくなることも。 必ず信頼できる開発元のものを選びましょう。
✅ 5. 異常を感じたらすぐに対処
「最近起動が遅い」「たまにフリーズする」 こんな前兆を見逃さず、早めにメンテナンスを。
7. いつ修理に出すべき?判断の目安
🔴 すぐにAppleサポートに連絡すべき症状
- 物理的な損傷がある(落下、水濡れなど)
- 焦げ臭いにおいがする
- 異常な音(カチカチ、ピーピーなど)が継続的にする
- Apple Diagnosticsで特定のエラーコードが表示される
🟡 様子を見ながら判断する症状
- 特定のアプリを使用した時だけ問題が起きる
- 週に1回程度の頻度で起動に失敗する
- セーフモードでは問題なく動作する
🟢 自分で対処可能な症状
- 今回初めて起動しなくなった
- リセット系の対処で改善が見られる
- ソフトウェアアップデート後の不具合
まとめ:落ち着いて、順番に試してみましょう
Macが起動しないトラブルは、確かに焦ってしまいます。 でも、今回ご紹介した方法を順番に試せば、多くの場合は解決できるはずです。
おさらい:対処法の優先順位
- 電源関連の確認(ケーブル、バッテリー、外部機器)
- 基本的なリセット(強制再起動、SMC、NVRAM)
- 特殊な起動モード(セーフモード、リカバリーモード)
- ハードウェア診断
- Appleサポートへの相談
そして何より大切なのは、日頃からのバックアップです。 今回無事に起動できたら、すぐにTime Machineを設定することをおすすめします。
トラブルは突然やってきますが、準備と知識があれば怖くありません。 この記事が、あなたのMacトラブル解決の助けになれば幸いです。
💡 最後のアドバイス
もし自分で解決できない場合は、無理をせずAppleサポートに連絡しましょう。 オンラインチャットや電話サポートは無料で利用できます。
Appleサポート連絡先:
- 電話:0120-993-993
- オンライン:support.apple.com
あなたのMacが無事に起動することを願っています!
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