新しいMacを買ったら英語表示だった、アプリが文字化けする、日本語が入力できない…
Macを使い始めたときや、アプリをインストールしたときに、こんな日本語表示のトラブルに遭遇することがあります。
でも安心してください。Macの日本語環境は、正しく設定すればとても快適に使えます。WindowsからMacに乗り換えた方も、初めてパソコンを使う方も、この記事を読めば日本語表示の問題はすべて解決できるはずです。
システム設定から文字化け対策、便利な日本語入力まで、順番に分かりやすく説明していきます。
Macを日本語表示にする基本設定

システム全体を日本語にする方法
Macを買ったばかり、または何かの拍子に英語表示になってしまった場合の設定方法です。
macOS Ventura以降(2022年〜)の場合:
- Appleメニュー(りんごマーク)をクリック
- 「System Settings」(システム設定)を選択
- 左側のメニューから「General」(一般)をクリック
- 「Language & Region」(言語と地域)を選択
- 「Preferred Languages」の「+」ボタンをクリック
- 「日本語」を選んで「Add」(追加)
- 「Use Japanese」(日本語を使用)を選択
- Macを再起動
macOS Monterey以前の場合:
- 「System Preferences」(システム環境設定)を開く
- 「Language & Region」(言語と地域)をクリック
- 左側の言語リストで「日本語」を一番上にドラッグ
- 再起動を促すメッセージが出たら「Restart Now」
地域設定も日本にする
言語だけでなく、地域設定も重要です。これにより、日付や時刻、通貨の表示が日本式になります。
- 「言語と地域」設定を開く
- 「地域」を「日本」に設定
- カレンダーを「西暦(グレゴリオ暦)」に設定
- 「時刻の書式」を24時間表示にする場合はチェック
これで、日付が「2024年12月25日」のような形式で表示されるようになります。
日本語入力の設定と使い方
日本語入力の基本設定
Macには最初から優秀な日本語入力システムが入っています。
入力ソースの確認:
- 「システム設定」→「キーボード」を開く
- 「入力ソース」をクリック
- 以下が追加されているか確認:
- 日本語 – ローマ字入力
- 日本語 – かな入力(必要な場合)
- ABC(英語入力用)
入力切り替えの方法:
- 英数・かなキー: JISキーボードの場合、専用キーで切り替え
- Control + スペース: すべてのキーボードで使える
- Caps Lock: USキーボードでは、これで切り替え可能
- 地球儀キー(🌐): 新しいMacBookのキーボード
ライブ変換を使いこなす
macOS Big Sur以降では「ライブ変換」という機能があります。
ライブ変換とは: 文章を入力していくと、自動的に適切な漢字に変換してくれる機能です。スペースキーを押す必要がありません。
設定方法:
- メニューバーの「あ」または「A」をクリック
- 「ライブ変換」にチェックを入れる
慣れると非常に便利ですが、最初は違和感があるかもしれません。オフにしたい場合は、チェックを外してください。
よく使う単語を登録する
頻繁に使う専門用語や固有名詞は、ユーザー辞書に登録しておくと便利です。
- 「システム設定」→「キーボード」
- 「ユーザ辞書」をクリック
- 「+」ボタンで新規追加
- 「入力」に読み方、「変換」に表示したい文字を入力
例:
- 入力:「じゅうしょ」→ 変換:「〒123-4567 東京都◯◯区…」
- 入力:「めーる」→ 変換:「your-email@example.com」
文字化けの原因と解決方法
なぜ文字化けが起こるのか
文字化けは、文字コードの不一致が原因です。
コンピューターは文字を数字で管理しています。この数字と文字の対応表(文字コード)が、送信側と受信側で違うと、文字化けが発生します。
主な文字コード:
- UTF-8: 現在の標準。世界中の文字を扱える
- Shift-JIS: 日本で昔から使われている
- EUC-JP: Unix系で使われることがある
Webサイトが文字化けする場合
Safariでの対処法:
- 「表示」メニューを開く
- 「テキストエンコーディング」を選択
- 「日本語(Shift JIS)」や「Unicode(UTF-8)」を試す
最近のサイトはほとんどUTF-8なので、これで解決することが多いです。
Chromeでの対処法:
残念ながら、最新のChromeでは文字コード変更機能が削除されました。拡張機能「Charset」などを使う必要があります。
メールが文字化けする場合
Apple Mailでの設定:
- 「メール」→「設定」を開く
- 「作成」タブをクリック
- 「メッセージのフォーマット」を「標準テキスト」に
- 送信メッセージのエンコーディングを確認
受信メールが文字化けする場合:
- メッセージを選択
- 「メッセージ」→「テキストエンコーディング」
- 適切なエンコーディングを選択
テキストファイルが文字化けする場合
テキストエディットでの対処:
- ファイルを開く際に「ファイル」→「開く」を選択
- 「オプションを表示」をクリック
- 「エンコーディング」で適切なものを選択
- まず「日本語(Shift JIS)」を試す
- ダメなら「日本語(EUC)」
- それでもダメなら「Unicode(UTF-8)」
Visual Studio Codeを使う方法:
開発者向けエディタですが、文字コード自動判定が優秀です。
- VS Codeでファイルを開く
- 右下の文字コード表示をクリック
- 「エンコード付きで再度開く」を選択
- 適切なエンコーディングを選ぶ
アプリケーションを日本語化する

海外製アプリを日本語で使う
多くのアプリは、システムの言語設定に従いますが、英語のままのこともあります。
個別アプリの言語設定:
- 「システム設定」→「一般」→「言語と地域」
- 下部の「アプリケーション」セクション
- 「+」ボタンでアプリを追加
- 言語を「日本語」に設定
アプリ内で設定する場合:
多くのアプリは設定内に言語オプションがあります:
- Preferences/Settings → Language → Japanese
- 環境設定 → 言語 → 日本語
Microsoft Officeの日本語設定
言語パックのインストール:
- 任意のOfficeアプリを開く(Word、Excelなど)
- メニューから「ヘルプ」→「更新プログラムのチェック」
- Microsoft AutoUpdateが開く
- 言語パックがあればインストール
表示言語の変更:
- Officeアプリの「環境設定」を開く
- 「言語とリージョン」を選択
- 「表示言語」を「日本語」に設定
- アプリを再起動
Adobe Creative Cloudの日本語化
- Creative Cloudデスクトップアプリを開く
- 右上のアカウントアイコン→「環境設定」
- 「アプリ」→「インストール言語」
- 「日本語」を選択
- 各アプリを再インストール
既にインストール済みのアプリは、言語パックの追加インストールで対応できる場合もあります。
ターミナルで日本語を使う
ターミナルの日本語表示設定
開発者やパワーユーザーは、ターミナルで日本語を扱うことがあります。
基本設定:
- ターミナルを開く
- 「ターミナル」→「設定」
- 「プロファイル」→「詳細」タブ
- 「テキスト」セクションで以下を確認:
- 「Unicode(UTF-8)」が選択されている
- 「非ASCII文字をエスケープ」のチェックを外す
文字化けを防ぐ環境変数
ターミナルで以下のコマンドを実行:
# 現在の設定を確認
echo $LANG
# 日本語UTF-8に設定
export LANG=ja_JP.UTF-8
export LC_ALL=ja_JP.UTF-8
永続的に設定する場合は、.zshrc
または.bash_profile
に追加:
echo 'export LANG=ja_JP.UTF-8' >> ~/.zshrc
echo 'export LC_ALL=ja_JP.UTF-8' >> ~/.zshrc
SSHで接続先の日本語が化ける場合
- ターミナルの設定でUTF-8を確認
- 接続時に文字コードを指定:
# 接続先もUTF-8の場合
ssh user@server
# 接続先の設定を確認
locale
接続先がShift-JISの場合は、iTerm2など、より高機能なターミナルアプリの使用を検討してください。
フォントに関する設定
日本語フォントを追加する
Macには最初から美しい日本語フォントが入っていますが、追加することもできます。
Font Bookでフォントを管理:
- 「アプリケーション」→「Font Book」を開く
- 「ファイル」→「フォントを追加」
- インストールしたいフォントファイルを選択
システムフォントの種類:
- ヒラギノ角ゴ/明朝: macOS標準の美しいフォント
- 游ゴシック/明朝: Windows/Macで共通のフォント
- Osaka: 昔からあるシステムフォント
Webページの日本語フォントを変更
Safariの場合:
- 「Safari」→「設定」
- 「詳細」タブ
- 「アクセシビリティ」の「Webサイトで独自のスタイルシートを使用しない」にチェック
ただし、これはWebサイトのデザインが崩れる可能性があります。
より細かく制御したい場合:
CSSを使った独自スタイルシートを作成し、Safariの設定で適用できます。
トラブルシューティング

特定のアプリだけ日本語入力できない
解決方法:
- アプリを完全に終了(Command + Q)
- アプリを再起動
- それでもダメなら、以下を確認:
- システム設定 → プライバシーとセキュリティ → アクセシビリティ
- 該当アプリにチェックが入っているか確認
日本語変換の候補がおかしい
変換学習をリセット:
- 「システム設定」→「キーボード」
- 「入力ソース」→「日本語」を選択
- 「変換学習」→「リセット」
外部キーボードで日本語切り替えができない
キーボードの種類を設定:
- 「システム設定」→「キーボード」
- 「キーボードの種類を変更」
- 指示に従ってキーを押す
- JIS/ANSI/ISOから適切なものを選択
PDFの日本語が表示されない
フォントが埋め込まれていない場合:
- Adobe Acrobat Readerをインストール
- PDFをAcrobat Readerで開く
- それでもダメなら、フォントパックをインストール
便利な日本語入力Tips
記号や特殊文字の入力
よく使う記号の入力方法:
- 「」(かぎかっこ): 「かっこ」と入力して変換
- ・(中黒): 「なかぐろ」と入力
- 〜(波ダッシュ): 「から」と入力して変換
- ○△□: 「まる」「さんかく」「しかく」
- ①②③: 「いち」「に」「さん」で変換候補に出る
絵文字を簡単に入力
方法1:絵文字ビューアを使う
- Control + Command + スペース
- 絵文字パレットが開く
方法2:日本語で変換
- 「はーと」→ ❤️
- 「ほし」→ ⭐
- 「にこにこ」→ 😊
日付や時刻を素早く入力
今日の日付:
- 「きょう」と入力 → 「2024年12月25日」などに変換
現在時刻:
- 「いま」と入力 → 「15:30」などに変換
その他:
- 「きのう」→ 昨日の日付
- 「あした」→ 明日の日付
- 「らいしゅう」→ 来週の日付
多言語環境での使い方
複数言語を切り替えて使う
英語と日本語以外も使う場合の設定です。
入力ソースの追加:
- 「キーボード」設定で「+」ボタン
- 使いたい言語を追加
- メニューバーに言語切り替えアイコンが表示される
ショートカットの設定:
- 「キーボード」→「キーボードショートカット」
- 「入力ソース」を選択
- 各言語に個別のショートカットを割り当て
言語ごとにアプリを使い分ける
仕事用アプリは英語、プライベートは日本語など、使い分けが可能です。
- 「言語と地域」設定
- アプリケーションごとに言語を設定
- アプリが起動時に指定言語で表示される
よくある質問
Q: Macを買ったら最初から日本語設定されている?
A: Apple Storeや日本の販売店で購入した場合、通常は日本語設定済みです。海外で購入したり、中古品の場合は英語設定のことがあります。
Q: WindowsからMacに乗り換えたけど、日本語入力が違う
A: 基本的な仕組みは同じですが、以下が主な違いです:
- 変換・無変換キーの代わりに、英数・かなキーを使用
- ライブ変換という自動変換機能がある
- ファンクションキーでのカタカナ変換(F7)なども使える
Q: iPhoneとMacで日本語入力を同期できる?
A: ユーザー辞書は iCloud 経由で同期されます。「システム設定」→「Apple ID」→「iCloud」で「キーボード」がオンになっていることを確認してください。
Q: 古いアプリが文字化けする
A: 32ビットアプリなど、古いアプリは最新のmacOSで動作しない場合があります。アプリのアップデートを確認するか、代替アプリを検討してください。
まとめ:快適な日本語環境を手に入れよう!
Macの日本語表示設定について、基本から応用まで解説してきました。
押さえておくべきポイント:
- システム設定で言語を日本語に – これが全ての基本
- 文字コードはUTF-8が標準 – 文字化けしたら文字コードを確認
- 日本語入力は練習あるのみ – ライブ変換など便利機能を活用
- アプリごとの設定も可能 – 必要に応じて個別設定
- トラブルは必ず解決できる – 慌てずに原因を特定
最初は戸惑うかもしれませんが、Macの日本語環境は非常に洗練されています。
特に、美しい日本語フォントと、賢い日本語変換は、一度慣れると手放せなくなるはずです。この記事を参考に、あなたのMacを完璧な日本語環境にカスタマイズしてください。
何か分からないことがあれば、Appleのサポートも日本語で丁寧に対応してくれます。快適な日本語Mac生活を楽しんでください!
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