「会社でWindows 100台分買うんだけど、家電量販店で100個買うの?」
実は、そんな必要はないんです!
企業や組織がたくさんのパソコンでWindowsを使う時、ボリュームライセンスという特別な購入方法があります。これを使えば、コストも手間も大幅に削減できるんですよ。
個人では聞き慣れない言葉かもしれませんが、実は多くの企業が利用している重要な仕組み。この記事を読めば、ボリュームライセンスの全体像がスッキリ理解できます!
ボリュームライセンスって何?基本をわかりやすく解説

一言で説明すると
ボリュームライセンスとは、企業や組織向けの”まとめ買い”ライセンスのことです。
家電量販店で売っているWindowsのパッケージを100個買うのではなく、1つの契約で複数のパソコンにインストールできる権利を購入する仕組みなんです。
通常のライセンス(リテール版)との違い
【通常のライセンス(個人向け)】
- 1つのライセンス = 1台のPC
- パッケージやプロダクトキーが個別
- 店頭やオンラインで購入
- 価格は定価
【ボリュームライセンス(企業向け)】
- 1つの契約 = 複数台のPC
- 管理用のマスターキー1つ
- Microsoftと直接契約(または販売代理店経由)
- 数量に応じた割引あり
たとえば、50台のパソコンにWindowsをインストールする場合、通常なら50個の箱を開けて、50回プロダクトキーを入力する必要があります。でもボリュームライセンスなら、1つのキーですべて完了!
なぜボリュームライセンスが必要?5つの大きなメリット
1. コストの大幅削減
【価格の違い(目安)】
- Windows 11 Pro 通常版:約30,000円 × 50台 = 150万円
- ボリュームライセンス:約20,000円 × 50台 = 100万円
- 差額:約50万円の節約!
台数が増えれば増えるほど、割引率も上がります。
2. 管理が圧倒的に楽
【通常版の管理】
- プロダクトキーを50個管理
- どのPCにどのキーを使ったか記録
- 紛失リスクが高い
【ボリュームライセンスの管理】
- マスターキー1つで全PC管理
- オンラインで使用状況を確認
- ライセンスの移行も簡単
3. 再インストールが簡単
パソコンが故障してWindowsを再インストールする時も、同じマスターキーを使えばOK。個別のプロダクトキーを探す必要がありません。
4. ダウングレード権がある
Windows 11のライセンスでWindows 10を使いたい場合、ボリュームライセンスならダウングレード権が付いています。
古いソフトウェアとの互換性を保ちたい企業には必須の機能ですね。
5. 柔軟なライセンス移行
社員が退職してPCが不要になった場合、そのライセンスを新入社員のPCに移すことも可能。無駄がありません。
ボリュームライセンスの種類と選び方
Open License(オープンライセンス)
【特徴】
- 最小購入数:5ライセンス〜
- 中小企業向け
- 買い切り型
- 最も手軽に始められる
【こんな企業におすすめ】
- 社員数5〜250人程度
- 初めてボリュームライセンスを導入
- シンプルな管理を求める
Select Plus(セレクトプラス)
【特徴】
- 最小購入数:500ポイント相当〜
- 中堅〜大企業向け
- 3年間の契約期間
- ボリューム割引が大きい
【こんな企業におすすめ】
- 社員数250〜5,000人
- 定期的にライセンスを追加購入
- より大きな割引を求める
Enterprise Agreement(EA)
【特徴】
- 最小購入数:500デバイス〜
- 大企業向け
- 3年契約のサブスクリプション型
- 最大の割引率
【こんな企業におすすめ】
- 社員数5,000人以上
- 全社的なIT戦略がある
- 予算の平準化を求める
実際の導入例:どんな場面で使われている?

ケース1:スタートアップ企業(社員20名)
【導入前の課題】
- Windows Pro を個別購入していた
- ライセンス管理がバラバラ
- コストが予想以上に高い
【ボリュームライセンス導入後】
- Open License 20ライセンスを購入
- 約30%のコスト削減
- 管理工数が1/10に
ケース2:学校法人(PC 500台)
【導入前の課題】
- 年度ごとにPCを増設
- 予算申請が複雑
- 教育機関向け割引を活用できていない
【ボリュームライセンス導入後】
- アカデミック向けSelect Plus導入
- 通常の半額以下で購入
- 3年間の予算を固定化
ケース3:製造業(社員3,000名)
【特殊な要件】
- Windows 10を使い続ける必要がある
- 工場の機械制御ソフトとの互換性重視
【ボリュームライセンスの活用】
- Windows 11のEA契約
- ダウングレード権でWindows 10を使用
- 将来的な移行も保証
ボリュームライセンスの注意点とデメリット
1. 最小購入数の制限
Open Licenseでも最低5ライセンスから。4台以下の企業では利用できません。
2. 初期投資が必要
まとめて購入するため、初期費用は高くなります。長期的にはお得でも、資金繰りには注意が必要です。
3. 契約管理の責任
【管理すべき項目】
- ライセンス数と使用数の把握
- 契約更新時期の管理
- コンプライアンス(法令順守)の確保
適切に管理しないと、ライセンス違反になるリスクがあります。
4. 個人では購入できない
フリーランスや個人事業主は対象外。法人または団体のみが購入可能です。
よくある質問:みんなが知りたいこと
Q:今使っているWindowsをボリュームライセンスに変更できる?
A:アップグレード用ライセンスを購入すれば可能です
既存のWindows(OEM版やリテール版)に対して、ボリュームライセンスのアップグレード権を購入することで移行できます。
Q:在宅勤務の社員のPCにも使える?
A:はい、使用できます
ボリュームライセンスは「組織が所有するデバイス」に対して有効なので、会社支給のPCなら在宅勤務でも問題ありません。
Q:MacにWindowsを入れる場合も使える?
A:仮想環境での使用も可能です
Boot CampやParallels Desktopなどで使用する場合も、ボリュームライセンスが適用できます。
Q:ライセンスが余ったらどうなる?
A:将来の新規PCで使用可能
購入したライセンスは組織の資産として保持されるので、新しいPCを購入した際に使用できます。
Q:Office製品も一緒に買える?
A:はい、セットで購入可能です
Windows + Office のセット購入で、さらに割引が適用される場合があります。
導入の流れ:実際に購入するまでのステップ
ステップ1:必要ライセンス数の確認
現在のPC台数と、今後1〜3年の増加予定を含めて計算します。
ステップ2:販売代理店に相談
Microsoftの認定パートナーに連絡。複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
ステップ3:契約プログラムの選択
企業規模と予算に応じて、最適なプログラムを選びます。
ステップ4:契約と支払い
契約書にサインして、支払いを完了。
ステップ5:ライセンス認証
マスターキーを使って、各PCでライセンス認証を行います。
【期間の目安】
- 相談から契約まで:約2〜4週間
- 契約から利用開始:即日〜1週間
まとめ:ボリュームライセンスを検討すべきタイミング
ボリュームライセンスは、企業のIT管理を劇的に改善する仕組みです。
【導入を検討すべきタイミング】
- PCが5台以上になった時
- 最小購入数をクリア
- 管理の手間が増え始める
- 年間のIT予算を計画する時
- コスト削減効果が明確に
- 予算の見通しが立てやすい
- 社員が増える予定がある時
- 将来分も含めて購入
- スケールメリットを最大化
【最初の一歩】
- まずは現在のライセンス状況を整理
- Microsoft認定パートナーに相談
- 見積もりを比較検討
個別購入と比べて30〜50%のコスト削減も珍しくありません。さらに管理の手間も大幅に削減できるので、IT担当者の負担も軽くなります。
5台以上のWindowsPCを管理している企業なら、ボリュームライセンスは必ず検討する価値があります。賢く活用して、コストも手間も削減しましょう!
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