「中古PCを買ったけど、ライセンスは正規品?」 「Officeが突然『ライセンスのない製品』と表示された…」 「会社のPC、ちゃんとライセンス管理できてる?」 「Windows 11にアップグレードできる?」
こんな不安や疑問を持っていませんか?
実は、Microsoftのライセンス確認は、複数の方法があって、それぞれ表示される情報が違うんです。正しく確認しないと、後で大きなトラブルになることも。
この記事では、Windows・Officeのライセンス確認方法について、コマンドからGUIまで、すべての方法を分かりやすく解説します。
特に「ライセンスの状態が心配」「監査対策をしたい」「中古PC購入を検討」という方は、この記事でライセンスの全てが分かるようになります!
📋 Windowsライセンスの確認方法

方法1:設定画面から確認(最も簡単)
Windows 11/10共通の手順:
- 設定を開く
- Windowsキー + I
- またはスタート → 設定
- システム → バージョン情報(Windows 11)
- またはシステム → 詳細情報(Windows 10)
- 「Windowsの仕様」セクション確認
エディション:Windows 11 Pro バージョン:23H2 インストール日:2024/01/15 OSビルド:22631.3155
- 「デバイスの仕様」で認証状態確認
- 「Windowsはライセンス認証されています」
- または問題がある場合はエラー表示
方法2:コントロールパネルから確認
詳細情報を見る:
- コントロールパネルを開く
- Windowsキー + R → 「control」
- システムとセキュリティ → システム
- Windows のライセンス認証セクション
表示例: Windows はライセンス認証されています プロダクトID:00330-80000-00000-AA123
方法3:コマンドプロンプトで詳細確認
最も詳しい情報を取得:
基本コマンド:
slmgr /dli
表示内容:
- ライセンスの状態
- 部分的なプロダクトキー
- ライセンスの種類
詳細コマンド:
slmgr /dlv
表示内容:
- 完全なライセンス情報
- ライセンス認証ID
- インストールID
- 有効期限(該当する場合)
プロダクトキー確認:
wmic path softwarelicensingservice get OA3xOriginalProductKey
※OEMライセンスの場合のみ表示
方法4:PowerShellで確認
より詳細な情報:
Get-CimInstance -ClassName SoftwareLicensingProduct | Where-Object {$_.Name -like "Windows*" -and $_.LicenseStatus -eq 1} | Select-Object Name, Description, LicenseStatus, PartialProductKey
ライセンスタイプ確認:
(Get-WmiObject -query 'select * from SoftwareLicensingService').OA3xOriginalProductKey
🏷️ Windowsライセンスの種類を理解
ライセンスタイプの確認と特徴
コマンドで種類を確認:
slmgr /dli
表示される種類と意味:
種類 | 表示名 | 特徴 | 譲渡 |
---|---|---|---|
OEM | OEM_DM channel | PC付属 | 不可 |
リテール | RETAIL channel | 単体購入 | 可能 |
ボリューム | VOLUME_KMSCLIENT | 企業向け | 不可 |
デジタル | デジタルライセンス | オンライン認証 | アカウント依存 |
MAK | VOLUME_MAK | 大量ライセンス | 企業内のみ |
デジタルライセンスとプロダクトキーの違い
デジタルライセンス:
- Windows 10以降の新方式
- ハードウェアに紐付け
- プロダクトキー不要
- Microsoftアカウントと連携
プロダクトキー:
- 25文字の英数字
- XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX形式
- 手動入力必要
- 紛失リスクあり
確認方法:
slmgr /dlv
「説明」欄で確認可能
💼 Microsoft Officeライセンスの確認方法
Office 2021/2019の確認方法
方法1:Officeアプリから確認
- 任意のOfficeアプリを開く(Word、Excel等)
- ファイル → アカウント
- 製品情報セクション確認
Microsoft Office Professional Plus 2021ライセンス認証された製品またはMicrosoft 365 Apps for enterpriseサブスクリプション製品
Office 365/Microsoft 365の確認
サブスクリプション状態確認:
- Office アプリ → ファイル → アカウント
- サブスクリプションの管理クリック
- ブラウザでアカウントページ表示
- 有効期限
- プラン名
- 支払い状況
コマンドで確認:
cd "C:\Program Files\Microsoft Office\Office16"
cscript ospp.vbs /dstatus
表示内容:
- ライセンスの状態
- プロダクトキーの下5桁
- ライセンスの種類
複数バージョンの確認
インストール済みOffice一覧:
Get-WmiObject -Class Win32_Product | Where-Object {$_.Name -like "*Office*" -or $_.Name -like "*365*"} | Select-Object Name, Version
🔍 ライセンスキーの確認方法
インストール済みのプロダクトキーを調べる
注意:セキュリティ上、完全なキーは表示されません
部分キー確認(下5桁):
slmgr /dli
レジストリから確認(上級者向け):
警告:レジストリ編集は慎重に!
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SoftwareProtectionPlatform
→ BackupProductKeyDefault
サードパーティツール使用
推奨ツール(自己責任):
- ProduKey(NirSoft)
- Belarc Advisor
- ShowKeyPlus
使用上の注意:
- 公式サイトからダウンロード
- ウイルススキャン実施
- 企業PCでは使用禁止の場合も
🔧 ライセンス認証のトラブルシューティング

よくあるエラーと対処法
エラー 0xC004F074
原因:KMSサーバーに接続できない
対処:
slmgr /skms kms.server.com:1688
slmgr /ato
エラー 0xC004C008
原因:プロダクトキーが既に使用されている
対処:
・別のキーを使用
・Microsoftサポートに連絡
・電話認証を試す
エラー 0xC004F050
原因:プロダクトキーが無効
対処:
・入力ミスを確認
・正しいエディション用か確認
ライセンス認証の再実行
手動で再認証:
# 管理者権限で実行
slmgr /ipk XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX # キー入力
slmgr /ato # 認証実行
電話認証:
slui 4
国選択 → 電話番号表示 → 確認ID入力
ライセンスのリセット
完全リセット(最終手段):
slmgr /upk # プロダクトキー削除
slmgr /cpky # レジストリからキー削除
slmgr /rearm # 評価期間リセット
# 再起動後、新しいキーで認証
🏢 企業でのライセンス管理
ボリュームライセンスの確認
KMSクライアントの確認:
slmgr /dlv
確認項目:
- Name: Windows, KMS client
- KMS server
- Activation Interval
MAKライセンスの確認:
slmgr /dli
残り回数の確認:
slmgr /dlv
VAMT(Volume Activation Management Tool)
一括管理ツール:
- 複数PCのライセンス状態確認
- プロダクトキー管理
- 認証状態レポート
- オフライン認証
基本的な使い方:
- VAMTインストール
- Active Directory連携
- コンピューター追加
- ライセンス状態収集
- レポート生成
📊 ライセンスコンプライアンス
監査への準備
必要な情報の収集:
# ライセンス情報エクスポート
Get-CimInstance SoftwareLicensingProduct | Where-Object {$_.LicenseStatus -eq 1} | Export-Csv -Path "C:\LicenseInfo.csv"
記録すべき項目:
- PC名/資産番号
- Windowsエディション
- プロダクトキー(下5桁)
- 認証日
- ライセンスタイプ
- 購入証明書
ライセンス違反のリスク
違反した場合の影響:
- 🚫 機能制限
- ⚠️ 警告表示
- 💰 罰金(企業)
- ⚖️ 法的措置
- 🔒 サポート対象外
確認チェックリスト:
- [ ] 全PCのライセンス状態
- [ ] プロダクトキーの管理
- [ ] 購入証明書の保管
- [ ] 使用数と購入数の一致
- [ ] 譲渡・移管の記録
🔄 ライセンスの移行と譲渡
別のPCへの移行
リテール版の移行手順:
- 旧PCでライセンス削除
slmgr /upk
- 新PCでプロダクトキー入力
slmgr /ipk XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXXslmgr /ato
デジタルライセンスの移行:
- Microsoftアカウントでサインイン
- 「デバイスの管理」から移行
- 旧PCを削除、新PCで認証
ライセンスの譲渡可否
ライセンス種類 | 譲渡可否 | 条件 |
---|---|---|
OEM | ❌ 不可 | PC本体と一体 |
リテール | ✅ 可能 | 完全アンインストール必要 |
ボリューム | ❌ 不可 | 組織内のみ |
アップグレード | △ 条件付き | 元のライセンス含む |
💡 便利なツールとコマンド集

ライセンス確認コマンド一覧
# Windows ライセンス
slmgr /dli # 基本情報
slmgr /dlv # 詳細情報
slmgr /xpr # 有効期限
slmgr /ato # 認証実行
slmgr /upk # キー削除
# Office ライセンス
cd "C:\Program Files\Microsoft Office\Office16"
cscript ospp.vbs /dstatus # 状態確認
cscript ospp.vbs /unpkey:XXXXX # キー削除
cscript ospp.vbs /inpkey:XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX # キー入力
PowerShellスクリプト
全ライセンス情報取得:
# システム情報とライセンスをまとめて取得
$computer = Get-WmiObject Win32_ComputerSystem
$os = Get-WmiObject Win32_OperatingSystem
$license = Get-WmiObject SoftwareLicensingProduct | Where-Object {$_.LicenseStatus -eq 1}
Write-Host "コンピューター名: $($computer.Name)"
Write-Host "OS: $($os.Caption)"
Write-Host "ライセンス状態: $($license.LicenseStatus)"
Write-Host "プロダクトキー: $($license.PartialProductKey)"
❓ よくある質問
Q1. プロダクトキーを忘れた場合は?
A. 完全な復元は困難ですが:
- デジタルライセンスなら不要
- OEMならPCに貼付シール確認
- 購入履歴から確認(Microsoft Store)
- サポートに連絡(購入証明必要)
Q2. 「ライセンスのない製品」と表示される
A. 対処法:
- インターネット接続確認
- 日時設定確認
- ライセンス再認証
- Officeの修復実行
- 最終手段:再インストール
Q3. 中古PCのライセンスは使える?
A.
- OEM版:PC本体に付属なのでOK
- リテール版:前所有者の削除証明必要
- ボリューム版:基本的にNG
必ず正規ライセンスか確認!
Q4. Windows 7/8のキーでWindows 10/11は?
A.
- 無償アップグレード期間は終了
- でも実際はまだ認証される場合が多い
- 公式には新規購入推奨
- デジタルライセンスに変換される
Q5. 仮想環境でのライセンスは?
A.
- リテール版:1台のみ(物理or仮想)
- OEM版:仮想環境NG
- ボリューム版:契約次第
- Microsoft 365:5台まで
まとめ:ライセンス確認は定期的に!トラブル防止の第一歩
長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ライセンス確認のポイント:
- 📋 複数の方法で確認(GUI、コマンド、PowerShell)
- 🏷️ ライセンス種類を理解(OEM、リテール、ボリューム)
- 🔍 定期的なチェックで問題早期発見
- 💼 記録と管理でコンプライアンス対策
- 🔧 トラブル時の対処法を事前に把握
今すぐやるべきこと:
- ✅ 現在のライセンス状態確認(slmgr /dli)
- ✅ ライセンスタイプの把握
- ✅ プロダクトキーの記録(安全な場所に)
- ✅ 購入証明書の保管
- ✅ 定期確認スケジュール設定
ライセンス管理の鉄則:
確認 × 記録 × 定期チェック = 安心・安全
ライセンスは、ソフトウェアを使う「権利証」。
正しく管理すれば、監査も怖くありません。
今すぐ確認して、クリーンな環境を維持しましょう!
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