新しいWindows PCを手に入れた時、こんな疑問を持ちませんか?
「最初に何を設定すればいいの?」 「不要なアプリは削除していいの?」 「セキュリティは大丈夫?」 「もっと速く動作させる方法は?」
実は、初期設定の良し悪しで、PCの快適さは大きく変わります。
この記事では、Windows 11/10の初期設定を「必須設定」「推奨設定」「カスタマイズ」の3段階に分けて、購入直後からプロ仕様にカスタマイズするまで、完全ガイドします!
初回起動時の設定(OOBE)

Out-Of-Box Experience の流れ
Windows 11の初回セットアップ:
1. 地域の選択
→ 日本
2. キーボードレイアウト
→ Microsoft IME
→ 必要なら英語キーボードも追加
3. ネットワーク接続
→ Wi-Fi または 有線LAN
※オフライン設定は後述
4. Windows Update
→ 重要な更新を自動ダウンロード
5. ライセンス条項
→ 同意する
6. デバイス名の設定
→ 分かりやすい名前を設定
例:DESKTOP-HOME、LAPTOP-WORK
7. Microsoftアカウント
→ サインインまたは作成
※ローカルアカウントは後述
ローカルアカウントで設定する方法
Windows 11 Pro/Enterprise:
1. ネットワーク接続画面で
Shift + F10 → コマンドプロンプト起動
2. 以下のコマンドを実行:
oobe\bypassnro
3. PCが再起動
4. 「インターネットに接続していません」を選択
5. 「制限された設定で続行」
6. ローカルアカウント作成
Windows 11 Home(22H2以降):
方法1:偽のメールアドレス
1. Microsoftアカウント画面で
no@thankyou.com など存在しないアドレス
2. パスワードも適当に入力
3. エラー後、ローカルアカウント作成可能
方法2:コマンドで強制
1. Shift + F10
2. taskkill /f /im oobenetworkconnectionflow.exe
3. ローカルアカウント画面が表示
必須設定:最初の30分でやるべきこと
1. Windows Update 実行
設定手順:
1. 設定 → Windows Update
2. 「更新プログラムのチェック」
3. すべての更新をインストール
4. 再起動
確認項目:
□ Windows本体の更新
□ ドライバーの更新
□ Microsoft Store アプリの更新
□ オプションの更新プログラム
2. ウイルス対策の確認
Windows セキュリティの設定:
1. 設定 → プライバシーとセキュリティ
2. Windows セキュリティ → 開く
確認項目:
✅ ウイルスと脅威の防止:有効
✅ アカウントの保護:設定済み
✅ ファイアウォール:有効
✅ アプリとブラウザーコントロール:有効
✅ デバイスセキュリティ:問題なし
3. バックアップ設定
OneDrive 自動バックアップ:
1. OneDrive 設定を開く
2. バックアップ → バックアップを管理
3. 重要なフォルダーを選択:
□ デスクトップ
□ ドキュメント
□ 画像
ファイル履歴の有効化:
1. 設定 → Windows Update → 詳細オプション
2. 「その他のオプション」
3. 「ファイル履歴」→ 有効化
4. 外付けドライブまたはネットワークドライブ指定
4. 回復ドライブの作成
手順:
1. コントロールパネル → 回復
2. 「回復ドライブの作成」
3. USBメモリ(16GB以上)を挿入
4. 「システムファイルを回復ドライブにバックアップ」にチェック
5. 作成開始(30分~1時間)
5. 基本的なプライバシー設定
設定 → プライバシーとセキュリティ:
必須確認項目:
□ 位置情報:必要なアプリのみ許可
□ カメラ:信頼できるアプリのみ
□ マイク:同上
□ 診断とフィードバック:基本
□ アクティビティ履歴:オフ推奨
推奨設定:快適な環境を作る
システム設定の最適化
ディスプレイ設定
設定 → システム → ディスプレイ:
□ 明るさ:環境に合わせて調整
□ 夜間モード:スケジュール設定
□ 拡大縮小:125%(高DPI)または100%
□ 解像度:推奨値(通常は最大)
□ リフレッシュレート:最大値に設定
電源設定
デスクトップPC:
設定 → システム → 電源とバッテリー:
電源モード:最適なパフォーマンス
追加設定:
1. コントロールパネル → 電源オプション
2. 「高パフォーマンス」選択
3. プラン設定の変更:
- ディスプレイオフ:なし
- スリープ:なし
ノートPC:
バランス設定:
- バッテリー駆動:バランス
- 電源接続時:最適なパフォーマンス
- 画面の明るさ:自動調整
スタートアップの最適化
設定 → アプリ → スタートアップ:
無効化推奨:
□ Spotify(必要時に手動起動)
□ Skype(同上)
□ Steam(同上)
□ Adobe Creative Cloud(重い)
□ 各種アップデーター
有効推奨:
☑ セキュリティソフト
☑ クラウドストレージ(OneDrive等)
☑ 必須の常駐ツール
不要なアプリの削除
Windows 11 プリインストールアプリ:
削除可能なアプリ:
- Candy Crush などのゲーム
- Disney+、Spotify(使わない場合)
- Xbox 関連(ゲームしない場合)
- 3D ビューアー、ペイント3D
- Groove ミュージック
- 映画&テレビ
削除方法:
1. 設定 → アプリ → インストールされているアプリ
2. 不要なアプリの「...」→ アンインストール
または PowerShell(管理者):
Get-AppxPackage *CandyCrush* | Remove-AppxPackage
通知の最適化
設定 → システム → 通知:
推奨設定:
□ 通知:オン(ただし厳選)
□ 通知バナー:オン
□ ロック画面に通知:プライベート非表示
□ サウンド:重要なものだけ
アプリごとの設定:
- メール:オン
- カレンダー:オン
- SNS:オフ(集中力のため)
- ゲーム:オフ
セキュリティ強化設定

Windows Hello 設定
設定 → アカウント → サインインオプション:
優先順位:
1. Windows Hello 顔認証(対応PC)
2. Windows Hello 指紋認証
3. Windows Hello PIN(最低限)
4. パスワード(非推奨)
PIN設定のコツ:
- 6桁以上
- 連続/繰り返し数字は避ける
- 定期的に変更
BitLocker 設定(Pro版以上)
手順:
1. コントロールパネル → BitLocker ドライブ暗号化
2. 「BitLocker を有効にする」
3. 回復キーの保存先を選択:
- Microsoftアカウント(推奨)
- USBメモリ
- ファイルとして保存
- 印刷
4. 暗号化の範囲:
- 新規PC:使用領域のみ
- 既存PC:ドライブ全体
5. 暗号化モード:
- 新しい暗号化モード(Windows 10 1511以降)
ファイアウォール詳細設定
Windows Defender ファイアウォール:
確認項目:
□ プライベートネットワーク:有効
□ パブリックネットワーク:有効
□ 通知設定:有効
詳細設定:
1. 「詳細設定」をクリック
2. 受信/送信規則の確認
3. 不審なルールは無効化
パフォーマンス最適化
視覚効果の調整
手順:
1. システムの詳細設定 → パフォーマンス
2. 「パフォーマンスを優先する」
3. 以下は有効のまま:
□ スクリーンフォントの縁を滑らかにする
□ ドラッグ中にウィンドウの内容を表示
□ デスクトップのアイコン名に影を付ける
仮想メモリの最適化
推奨設定:
1. システムの詳細設定 → パフォーマンス → 詳細設定
2. 仮想メモリ → 変更
SSD搭載PC:
- 自動管理:オフ
- カスタムサイズ:
初期:RAM × 1.5
最大:RAM × 3
HDD搭載PC:
- 自動管理:オン(推奨)
高速スタートアップの設定
有効化(推奨):
1. 電源オプション → 電源ボタンの動作
2. 「高速スタートアップを有効にする」にチェック
無効化が必要な場合:
- デュアルブート環境
- 古いハードウェア
- ドライバーの問題がある場合
ストレージセンサー設定
設定 → システム → ストレージ → ストレージセンサー:
推奨設定:
☑ ストレージセンサーを実行:オン
☑ 一時ファイルの削除:毎週
☑ ごみ箱のファイル:30日後に削除
☑ ダウンロードフォルダー:変更なし(手動管理)
カスタマイズ設定
エクスプローラーの設定
表示タブ → オプション:
全般タブ:
□ クイックアクセスに最近使用したファイル:オフ
□ クイックアクセスに頻繁に使用するフォルダー:オン
表示タブ:
☑ 隠しファイル、フォルダーを表示
☑ 拡張子を表示
☑ 保護されたOSファイルは非表示(推奨)
タスクバーのカスタマイズ
Windows 11:
設定 → 個人用設定 → タスクバー:
□ 配置:中央 または 左
□ 検索:アイコンのみ
□ タスクビュー:使用する場合のみ表示
□ ウィジェット:オフ(不要な場合)
□ チャット:オフ(Teams不使用なら)
システムトレイアイコン:
必要最小限のみ表示
スタートメニューの整理
おすすめ設定:
1. 不要なピン留めを解除
2. よく使うアプリをピン留め
3. フォルダーをグループ化
レイアウト変更(Windows 11):
設定 → 個人用設定 → スタート
「その他のピン留め」または「おすすめ多め」
ショートカットキーの設定
便利なショートカット追加:
よく使うアプリのショートカット作成:
1. デスクトップにショートカット作成
2. 右クリック → プロパティ
3. ショートカットキー設定(Ctrl+Alt+文字)
例:
- Ctrl+Alt+C:電卓
- Ctrl+Alt+N:メモ帳
- Ctrl+Alt+T:ターミナル
開発者向け設定
開発者モード有効化
設定 → プライバシーとセキュリティ → 開発者向け:
□ 開発者モード:オン
□ デバイスポータル:必要に応じて
□ Device Discovery:オン(リモートデバッグ時)
Windows Subsystem for Linux (WSL)
インストール手順:
1. PowerShell(管理者)
2. wsl --install
3. 再起動
4. Ubuntu等のディストリビューション選択
Windows Terminal 設定
推奨設定:
- デフォルトプロファイル:PowerShell 7
- 配色:One Half Dark
- フォント:Cascadia Code
- 透明度:90%
メーカー別の注意点
プリインストールソフトの扱い
削除してもよいもの:
□ メーカー独自のアップデーター(Windows Update で十分)
□ 試用版セキュリティソフト(Windows Defenderで十分)
□ 各種体験版ソフト
□ メーカー製の重複機能アプリ
残すべきもの:
☑ 電源管理ツール(ノートPC)
☑ ファンコントロール
☑ ドライバー管理ツール
☑ リカバリーツール
初期設定チェックリスト

必須項目(30分)
- [ ] Windows Update 完了
- [ ] ウイルス対策確認
- [ ] 基本的なプライバシー設定
- [ ] Microsoft/ローカルアカウント設定
- [ ] 回復ドライブ作成
推奨項目(1時間)
- [ ] 不要アプリの削除
- [ ] スタートアップ最適化
- [ ] 電源設定
- [ ] Windows Hello 設定
- [ ] バックアップ設定
カスタマイズ(お好みで)
- [ ] タスクバー配置
- [ ] スタートメニュー整理
- [ ] エクスプローラー設定
- [ ] 視覚効果調整
- [ ] ショートカット設定
トラブルシューティング
設定が保存されない
対処法:
1. 管理者権限で実行
2. ユーザープロファイルの修復
3. sfc /scannow 実行
4. 新規ユーザーアカウント作成
動作が重い
確認項目:
□ Windows Update 実行中でないか
□ ウイルススキャン中でないか
□ インデックス作成中でないか
□ OneDrive同期中でないか
□ スタートアップアプリが多すぎないか
まとめ:快適なWindows環境を作るために
初期設定は、快適なPC環境の土台作りです。
段階的なアプローチ:
✅ Day 1(必須)
- セキュリティ確保
- アップデート実行
- バックアップ設定
✅ Day 2-3(推奨)
- パフォーマンス最適化
- 不要なものを削除
- 使いやすくカスタマイズ
✅ Day 4以降(応用)
- 細かい調整
- 自分好みに最適化
- 定期メンテナンス
成功のポイント:
- 焦らず段階的に設定
- 重要な設定は必ずバックアップ
- 定期的な見直しとメンテナンス
この記事を参考に、あなただけの最適なWindows環境を構築してください!
Enjoy Your New Windows! 💻✨
設定バックアップのヒント:
:: 設定エクスポート
reg export HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion backup_settings.reg
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