「Gitのバージョンって確認する必要あるの?」
実は、とても重要なんです。
新しい機能が使えなかったり、セキュリティの脆弱性があったり、チームメンバーとバージョンが違うとトラブルの原因になったり…。定期的なバージョン確認は、スムーズな開発の第一歩です。
この記事では、Git for Windowsのバージョンを確認する5つの方法から、最新版への更新方法、バージョンによる違いまで、詳しく解説していきます。
コマンドが苦手な方向けのGUI操作から、上級者向けの詳細情報取得まで、あなたに合った方法が必ず見つかります。
方法1:コマンドプロンプトで確認(最も簡単)

基本的なバージョン確認
手順:
- Windowsキー + R を押す
- 「cmd」 と入力してEnter
- 以下のコマンドを入力:
git --version
表示例:
git version 2.45.2.windows.1
表示内容の読み方
git version 2.45.2.windows.1
↑ ↑ ↑ ↑ ↑
│ │ │ │ └── Windows固有のビルド番号
│ │ │ └──────── パッチバージョン
│ │ └────────── マイナーバージョン
│ └──────────── メジャーバージョン
└──────────────────── コマンド名
バージョン番号の意味:
- メジャー(2): 大規模な変更
- マイナー(45): 新機能の追加
- パッチ(2): バグ修正
- windows.1: Windows版のリビジョン
PowerShellでの確認
PowerShellを使う場合も同じコマンドです:
# PowerShellを開く
# Windowsキー + X → Windows PowerShell
git --version
出力を見やすくする方法:
# バージョン情報を変数に格納
$gitVersion = git --version
Write-Host "インストール済みGitバージョン: $gitVersion" -ForegroundColor Green
方法2:Git Bashで詳細情報を確認
Git Bashの起動方法
3つの起動方法:
- スタートメニューから
- スタートメニュー → 「Git Bash」を検索
- 右クリックメニューから
- エクスプローラーで右クリック → 「Git Bash Here」
- ショートカットから
- デスクトップのGit Bashアイコンをダブルクリック
詳細なバージョン情報
基本バージョン:
git --version
より詳細な情報:
# Gitの実行ファイルの場所
which git
# 結果例
/mingw64/bin/git
すべての設定情報を表示:
git config --list --show-origin
これで設定ファイルの場所とバージョンに関連する設定が確認できます。
システム情報と合わせて確認
# OS情報と一緒に表示
echo "=== System Information ==="
echo "Git Version: $(git --version)"
echo "OS: $(uname -a)"
echo "Shell: $SHELL"
echo "Path to Git: $(which git)"
方法3:Git GUIで視覚的に確認
Git GUIからの確認
手順:
- Git GUIを起動
- スタートメニュー → 「Git GUI」
- メニューバーから**「Help」**をクリック
- **「About Git Gui」**を選択
表示される情報:
Git Gui version 0.21.GITGUI
git version 2.45.2.windows.1
Tcl/Tk version 8.6.12
Git GUI起動時のバージョン確認
Git GUIのコンソール出力でも確認できます:
- Git GUIを起動
- 「Repository」 → 「Git Bash」
- 開いたターミナルで
git --version
方法4:SourceTreeで確認
SourceTreeの内蔵Git確認
手順:
- SourceTreeを起動
- **「ツール」**メニューをクリック
- **「オプション」**を選択
- **「Git」**タブを開く
表示内容:
Gitバージョン
├── システムGit: 2.45.2
└── 内蔵Git: 2.39.3(SourceTree同梱版)
どちらのGitを使用中か確認
SourceTreeのターミナルから:
- SourceTreeでリポジトリを開く
- 「アクション」 → 「ターミナルで開く」
git --version
を実行
方法5:VS Codeで確認
統合ターミナルから確認
手順:
- VS Codeを起動
- Ctrl + ` でターミナルを開く
- 以下のコマンドを実行:
git --version
VS Codeの出力パネルで確認
- 「表示」 → 「出力」(Ctrl+Shift+U)
- ドロップダウンから**「Git」**を選択
- Git拡張機能の初期化ログにバージョン情報が表示
ログ例:
> git --version
git version 2.45.2.windows.1
VS CodeのGit設定確認
settings.jsonで使用中のGitパスを確認:
- Ctrl + , で設定を開く
- 検索バーに「git.path」と入力
- 設定されているGitのパスを確認
{
"git.path": "C:\\Program Files\\Git\\bin\\git.exe"
}
インストール場所とファイル構成
デフォルトのインストール場所
64ビット版:
C:\Program Files\Git\
32ビット版:
C:\Program Files (x86)\Git\
ディレクトリ構成
C:\Program Files\Git\
├── bin\ # git.exe などの実行ファイル
├── cmd\ # Windowsコマンド用のラッパー
├── mingw64\ # MinGW-w64環境
│ ├── bin\ # コンパイラツール
│ ├── lib\ # ライブラリファイル
│ └── share\ # 共有リソース
├── usr\ # Unixツール
│ ├── bin\ # bashなどのツール
│ └── share\ # ドキュメント類
└── etc\ # 設定ファイル
レジストリ情報の確認
コマンドプロンプトから:
reg query "HKLM\SOFTWARE\GitForWindows" /v CurrentVersion
PowerShellから:
Get-ItemProperty -Path "HKLM:\SOFTWARE\GitForWindows" -Name CurrentVersion
最新バージョンの確認と更新

最新バージョンの確認方法
公式サイトで確認:
- URL: https://gitforwindows.org/
- 最新版が大きく表示される
GitHubリリースページ:
- URL: https://github.com/git-for-windows/git/releases
- 詳細な変更履歴も確認可能
コマンドで確認:
# Git Bashで実行
git update-git-for-windows
このコマンドで自動的に最新版をチェックして、更新可能か教えてくれます。
Git for Windowsの更新方法
方法1:Git Bashから更新(推奨)
# 最新版の確認と更新
git update-git-for-windows
実行結果の例:
Git for Windows 2.45.2.windows.1 (64-bit)
Update to 2.46.0.windows.1 is available
Do you want to update? [Y/n]
方法2:手動でインストーラーをダウンロード
- 公式サイトにアクセス
- **「Download」**ボタンをクリック
- インストーラーを実行
- 既存の設定は保持される
方法3:Chocolateyを使用
# Chocolateyがインストール済みの場合
choco upgrade git
方法4:Scoopを使用
# Scoopがインストール済みの場合
scoop update git
バージョンによる主な違いと新機能
Git 2.40以降の主要な変更点
Git 2.45(2024年4月)
git status
のパフォーマンス向上- 新しいマージ戦略オプション
- セキュリティ修正
Git 2.44(2024年2月)
git rebase --update-refs
の改善- 差分表示の高速化
Git 2.43(2023年11月)
git log
の新オプション- サブモジュールの扱い改善
Windows固有の改善点
Git for Windows 2.45.x:
- Windows 11との互換性向上
- Git Credential Managerの更新
- MSYS2ランタイムの更新
- 日本語ファイル名の扱い改善
必要な最小バージョン
推奨環境:
用途 | 最小バージョン | 推奨バージョン |
---|---|---|
基本的な使用 | 2.30以上 | 最新安定版 |
GitHub連携 | 2.35以上 | 2.40以上 |
GitLab連携 | 2.33以上 | 2.40以上 |
VS Code統合 | 2.30以上 | 2.40以上 |
大規模リポジトリ | 2.37以上 | 2.45以上 |
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1:「git は認識されていません」エラー
原因: PATHが通っていない
解決方法:
# 環境変数PATHを確認
echo %PATH%
# Gitのパスを追加(管理者権限で実行)
setx PATH "%PATH%;C:\Program Files\Git\cmd" /M
問題2:複数のGitがインストールされている
確認方法:
where git
結果例:
C:\Program Files\Git\cmd\git.exe
C:\Users\username\scoop\shims\git.exe
解決: 優先したいGitのパスを環境変数PATHの先頭に配置
問題3:バージョンが古いまま
確認事項:
- ターミナルを再起動
git --version
を再実行- それでも古い場合は別のGitを参照している可能性
完全な再インストール:
# 1. 既存のGitをアンインストール
# 2. 残存ファイルを削除
Remove-Item -Path "C:\Program Files\Git" -Recurse -Force
# 3. 最新版をインストール
問題4:Git Bashが文字化けする
解決方法:
# Git Bashで実行
git config --global core.quotepath false
git config --global gui.encoding utf-8
git config --global i18n.commit.encoding utf-8
git config --global i18n.logoutputencoding utf-8
関連ツールのバージョン確認
Git Credential Manager
git credential-manager --version
Git LFS(Large File Storage)
git lfs version
関連するツールチェーン
# Git Bashで実行
echo "=== Development Tools Version ==="
echo "Git: $(git --version)"
echo "Bash: $(bash --version | head -n 1)"
echo "OpenSSH: $(ssh -V 2>&1)"
echo "OpenSSL: $(openssl version)"
echo "Curl: $(curl --version | head -n 1)"
ベストプラクティス
定期的なバージョン確認
月次チェックスクリプト:
# check-git-version.ps1
$currentVersion = git --version
$latestVersion = (Invoke-WebRequest -Uri "https://api.github.com/repos/git-for-windows/git/releases/latest" | ConvertFrom-Json).tag_name
Write-Host "現在のバージョン: $currentVersion"
Write-Host "最新バージョン: $latestVersion"
if ($currentVersion -ne $latestVersion) {
Write-Host "新しいバージョンが利用可能です!" -ForegroundColor Yellow
}
チーム開発での統一
プロジェクトごとの最小バージョン指定:
.gitversion
ファイルを作成:
minimum_version=2.40.0
チェックスクリプト:
#!/bin/bash
MIN_VERSION="2.40.0"
CURRENT_VERSION=$(git --version | grep -oE '[0-9]+\.[0-9]+\.[0-9]+')
if [ "$(printf '%s\n' "$MIN_VERSION" "$CURRENT_VERSION" | sort -V | head -n1)" != "$MIN_VERSION" ]; then
echo "Error: Git version $MIN_VERSION or higher is required"
exit 1
fi
セキュリティアップデート
重要なセキュリティ修正:
- CVE関連の修正は即座に適用
- 最低でも3ヶ月に1回は更新を確認
- LTS(長期サポート)版の利用を検討
まとめ:適切なバージョン管理で快適な開発を
Git for Windowsのバージョン確認は、安定した開発環境を維持するための基本です。
重要なポイント:
✅ 5つの確認方法をマスター
- コマンドプロンプト:
git --version
- Git Bash:詳細情報の取得
- Git GUI:視覚的な確認
- SourceTree:統合環境での確認
- VS Code:開発環境での確認
✅ 定期的な更新が重要
- セキュリティ修正
- 新機能の活用
- パフォーマンス向上
✅ チーム開発では統一を
- 最小バージョンの設定
- 更新タイミングの調整
- ドキュメント化
✅ トラブル時の対処法
- PATHの確認
- 複数インストールの管理
- 文字化け対策
定期的にバージョンを確認し、適切にアップデートすることで、より快適で安全な開発環境を維持できます。
この記事を参考に、あなたの環境に最適な確認方法を選んで、実践してみてください!
Keep your Git up to date! 🚀
参考リンク:
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