コードをプッシュしようとしたら、突然現れる「500 Internal Server Error」の文字。
「さっきまで使えてたのに…」 「締切が迫ってるのに…」 「私のコードが消えた!?」
こんな不安を感じたことはありませんか?
大丈夫です。あなたのコードは無事です。
500エラーは、GitHubのサーバー側で一時的に問題が発生していることを示すエラーです。この記事では、500エラーが発生した時の対処法から、エラーを回避するための予防策まで、実践的な解決方法を詳しく解説していきます。
500エラーとは?サーバーからのSOS信号

HTTPステータスコード500の意味
500 Internal Server Errorは、「サーバー内部でエラーが発生した」ことを示すHTTPステータスコードです。
重要なポイント:
- あなたのせいではありません
- サーバー側(GitHub側)の問題
- 一時的な障害であることがほとんど
- データが失われることは基本的にない
よく見るGitHubの500エラー画面
GitHubでは、以下のような表示が出ることがあります:
Unicorn! (500)
This page is taking way too long to load.
Sorry about that. Please try refreshing and contact us if the problem persists.
または、シンプルに:
500 - Internal Server Error
Something went wrong on our end.
ユニコーンのイラストが表示されることもあり、これはGitHubの特徴的なエラーページです。
他のエラーコードとの違い
よく遭遇するHTTPエラーコード:
エラーコード | 意味 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|---|
400 | Bad Request | リクエストが不正 | 入力内容を確認 |
401 | Unauthorized | 認証が必要 | ログインし直す |
403 | Forbidden | アクセス権限なし | 権限を確認 |
404 | Not Found | ページが存在しない | URLを確認 |
500 | Internal Server Error | サーバー側の問題 | 待つか別の方法を試す |
502 | Bad Gateway | サーバー間の通信エラー | しばらく待つ |
503 | Service Unavailable | サービス利用不可 | メンテナンス中か確認 |
GitHubで500エラーが発生する主な原因
1. サーバーの過負荷
状況:
- 多くのユーザーが同時アクセス
- 大規模なリポジトリへの集中アクセス
- CI/CDによる大量の自動処理
発生しやすいタイミング:
月曜日の朝(週の始まり)
リリース前の金曜日
大規模カンファレンス開催時
人気プロジェクトの重大アップデート時
2. GitHubのシステムメンテナンス
計画メンテナンス:
- 事前に告知される(通常)
- 深夜や週末に実施されることが多い
- 機能追加やセキュリティアップデート
緊急メンテナンス:
- 予告なく実施
- セキュリティ上の問題への対応
- 重大なバグの修正
3. 特定の機能の不具合
よく影響を受ける機能:
- Actions(CI/CD)
- Pages(静的サイトホスティング)
- API(プログラムからのアクセス)
- Packages(パッケージレジストリ)
- Large File Storage(LFS)
4. データベースの問題
GitHubの巨大なデータベースで問題が発生:
- インデックスの再構築
- レプリケーションの遅延
- デッドロック
- クエリのタイムアウト
5. 外部サービスとの連携エラー
- 認証プロバイダー(OAuth)
- CDN(コンテンツ配信ネットワーク)
- DNS(ドメイン名解決)
- 決済システム(有料プラン関連)
即効性のある対処法:今すぐ試すべき10の方法
1. ページをリロードする(F5 または Cmd+R)
なぜ効果的? 一時的な通信エラーの可能性があるため
試し方:
- Windows/Linux:
F5
またはCtrl + R
- Mac:
Cmd + R
- ブラウザの更新ボタンをクリック
2. 強制リロード(キャッシュクリア)
手順:
- Windows/Linux:
Ctrl + Shift + R
- Mac:
Cmd + Shift + R
- Chrome:
Ctrl + F5
これにより、ブラウザのキャッシュを無視して最新のページを取得します。
3. 別のブラウザやシークレットモードで試す
シークレット/プライベートモードの開き方:
Chrome: Ctrl+Shift+N (Mac: Cmd+Shift+N)
Firefox: Ctrl+Shift+P (Mac: Cmd+Shift+P)
Safari: Cmd+Shift+N
Edge: Ctrl+Shift+N
拡張機能やCookieの影響を排除できます。
4. GitHubステータスページを確認
GitHubステータスページ: https://www.githubstatus.com/
確認すべき項目:
- 現在のシステムステータス
- 過去のインシデント履歴
- メンテナンススケジュール
- 影響を受けているサービス
ステータスの見方:
🟢 Operational - 正常動作中
🟡 Degraded Performance - パフォーマンス低下
🟠 Partial Outage - 部分的な障害
🔴 Major Outage - 大規模障害
5. 時間をおいて再試行
推奨待機時間:
- 1回目: 30秒後
- 2回目: 2分後
- 3回目: 5分後
- 4回目: 15分後
この間隔は「指数バックオフ」と呼ばれる手法です。
6. 別のアクセス方法を試す
Web以外のアクセス方法:
Git CLI(コマンドライン):
# HTTPSの代わりにSSHを使用
git remote set-url origin git@github.com:username/repo.git
# または、異なるプロトコルを試す
git clone https://github.com/username/repo.git # HTTPS
git clone git@github.com:username/repo.git # SSH
GitHub CLI:
# GitHub CLIをインストール
gh repo clone username/repo
# APIの状態を確認
gh api /rate_limit
7. VPNやプロキシの設定を確認
確認ポイント:
- VPNを使用中 → 一時的に無効化
- 企業プロキシ → IT部門に確認
- ファイアウォール → 設定を確認
8. DNSキャッシュをクリア
Windows:
ipconfig /flushdns
Mac:
sudo dscacheutil -flushcache
Linux:
sudo systemctl restart systemd-resolved
9. 別のネットワークから接続
- モバイルホットスポットを使用
- 別のWi-Fiネットワークに切り替え
- 有線/無線を切り替え
10. APIレート制限を確認
# 認証なしの場合(1時間60リクエスト)
curl -I https://api.github.com/users/octocat
# ヘッダーを確認
X-RateLimit-Limit: 60
X-RateLimit-Remaining: 56
X-RateLimit-Reset: 1372700873
Git操作中の500エラー対処法
プッシュ時のエラー
エラーメッセージ例:
error: RPC failed; HTTP 500 curl 22 The requested URL returned error: 500
fatal: the remote end hung up unexpectedly
対処法1: バッファサイズを増やす
git config --global http.postBuffer 524288000 # 500MB
対処法2: 分割してプッシュ
# 大きなコミットを小さく分割
git reset HEAD~1 # 最後のコミットを取り消し
git add -p # 対話的に部分追加
git commit -m "Part 1"
git push
対処法3: SSHに切り替え
# HTTPSからSSHへ
git remote set-url origin git@github.com:username/repo.git
クローン時のエラー
浅いクローンを試す:
# 履歴を限定してクローン
git clone --depth 1 https://github.com/username/repo.git
# 後から履歴を取得
cd repo
git fetch --unshallow
特定のブランチのみクローン:
git clone -b main --single-branch https://github.com/username/repo.git
プル/フェッチ時のエラー
# タイムアウトを延長
git config --global http.lowSpeedLimit 0
git config --global http.lowSpeedTime 999999
# 圧縮を無効化(一時的)
git config --global core.compression 0
GitHub Actions/CI-CDでの500エラー

ワークフローの対策
リトライ機能を実装:
name: Build with Retry
on: [push]
jobs:
build:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v3
- name: Build with retry
uses: nick-invision/retry@v2
with:
timeout_minutes: 10
max_attempts: 3
retry_wait_seconds: 30
command: |
npm install
npm run build
条件付き再実行:
- name: Deploy
id: deploy
continue-on-error: true
run: |
./deploy.sh
- name: Retry Deploy on Failure
if: steps.deploy.outcome == 'failure'
run: |
sleep 60
./deploy.sh
キャッシュの活用
- name: Cache dependencies
uses: actions/cache@v3
with:
path: ~/.npm
key: ${{ runner.os }}-node-${{ hashFiles('**/package-lock.json') }}
restore-keys: |
${{ runner.os }}-node-
予防策:500エラーを回避するベストプラクティス
1. ローカルバックアップの習慣化
自動バックアップスクリプト:
#!/bin/bash
# backup.sh
BACKUP_DIR="$HOME/github-backups/$(date +%Y%m%d)"
mkdir -p "$BACKUP_DIR"
for repo in $(gh repo list --limit 100 --json name -q '.[].name'); do
git clone --mirror "git@github.com:username/$repo.git" "$BACKUP_DIR/$repo.git"
done
2. 分散型の開発環境
複数のリモートリポジトリを設定:
# GitHubとGitLabの両方を設定
git remote add github https://github.com/username/repo.git
git remote add gitlab https://gitlab.com/username/repo.git
# 両方にプッシュ
git push github main
git push gitlab main
3. Git LFSの適切な使用
大きなファイルは別管理:
# Git LFSをセットアップ
git lfs track "*.psd"
git lfs track "*.zip"
git add .gitattributes
4. APIレート制限への対策
認証トークンの使用:
# Personal Access Tokenを設定
export GITHUB_TOKEN="your-token-here"
# レート制限の確認
curl -H "Authorization: token $GITHUB_TOKEN" \
https://api.github.com/rate_limit
5. 非同期処理とキューイング
// リトライ機能付きのAPI呼び出し
async function githubApiCall(url, retries = 3) {
for (let i = 0; i < retries; i++) {
try {
const response = await fetch(url);
if (response.status === 500) {
await new Promise(resolve => setTimeout(resolve, 2 ** i * 1000));
continue;
}
return await response.json();
} catch (error) {
if (i === retries - 1) throw error;
}
}
}
代替手段:GitHubが使えない時の緊急対策
1. ローカルでの作業継続
# ローカルブランチで作業を継続
git checkout -b emergency-work
git add .
git commit -m "Work during GitHub outage"
# GitHub復旧後にプッシュ
git push -u origin emergency-work
2. 他のGitホスティングサービス
主要な代替サービス:
サービス | 特徴 | 無料プラン |
---|---|---|
GitLab | CI/CD統合、DevOps機能充実 | 無制限のプライベートリポジトリ |
Bitbucket | Atlassian製品との連携 | 5ユーザーまで無料 |
Gitea | 軽量、セルフホスト可能 | 完全無料(セルフホスト) |
Codeberg | 非営利、プライバシー重視 | 完全無料 |
3. ローカルGitサーバーの構築
# 簡易Gitサーバーの作成
mkdir /tmp/git-server
cd /tmp/git-server
git init --bare my-project.git
# クライアント側
git remote add local file:///tmp/git-server/my-project.git
git push local main
トラブルシューティングチェックリスト
🔍 基本チェック項目
- [ ] GitHubステータスページを確認した
- [ ] ブラウザをリロードした
- [ ] 別のブラウザで試した
- [ ] ネットワーク接続を確認した
- [ ] VPN/プロキシを無効化した
- [ ] 時間をおいて再試行した
🛠️ Git操作のチェック
- [ ] SSHとHTTPSの両方を試した
- [ ] git configの設定を確認した
- [ ] リポジトリサイズを確認した
- [ ] 認証情報を更新した
- [ ] Git CLIのバージョンを確認した
📊 詳細な診断
- [ ] ネットワークトレースを実行した
- [ ] DNSの解決を確認した
- [ ] ファイアウォールログを確認した
- [ ] APIレート制限を確認した
- [ ] エラーログを収集した
よくある質問(FAQ)
Q1: 500エラーでデータは失われますか?
A: いいえ、500エラーでデータが失われることは基本的にありません。GitHubは冗長性の高いシステムで、データは複数の場所にバックアップされています。
Q2: どのくらい待てば復旧しますか?
A: 多くの場合、数分から1時間以内に復旧します。大規模障害の場合でも、GitHubは通常24時間以内に解決します。進捗はステータスページで確認できます。
Q3: 有料プランなら500エラーは少ない?
A: 残念ながら、500エラーはサーバー側の問題なので、無料・有料プランに関係なく発生します。ただし、有料プランではサポートへの問い合わせが可能です。
Q4: 500エラーが頻繁に発生する場合は?
A: 以下を確認してください:
- 特定のリポジトリでのみ発生 → リポジトリサイズや構造の問題
- 特定の時間帯に発生 → ネットワークやプロキシの問題
- 特定の操作で発生 → Gitの設定や使い方の問題
Q5: GitHub Supportに連絡すべき?
A: 以下の場合は連絡を検討:
- 24時間以上続く
- 特定のアカウント/リポジトリのみ影響
- データの不整合を発見
- 課金に関する問題
まとめ:500エラーは怖くない
GitHub 500エラーは確かに作業を中断させる厄介な問題ですが、適切な対処法を知っていれば恐れる必要はありません。
重要なポイント:
✅ 500エラーはGitHub側の一時的な問題
- あなたのコードは安全
- 多くの場合、自動的に復旧
✅ すぐに試せる対処法がある
- ページのリロード
- 時間をおいて再試行
- 別のアクセス方法を試す
✅ 予防策で影響を最小限に
- 定期的なバックアップ
- 複数のリモートリポジトリ
- 適切なエラーハンドリング
✅ 代替手段を準備しておく
- ローカルでの作業継続
- 他のGitサービスの活用
- チームとの連携方法
開発者にとってGitHubは欠かせないツールです。だからこそ、障害時の対処法を知り、冷静に対応できるようにしておくことが大切です。
この記事で紹介した方法を覚えておけば、次に500エラーに遭遇しても、落ち着いて対処できるはずです。
Happy Coding! 🚀
関連リソース:
- GitHub Status – リアルタイムステータス
- GitHub Community Forum – コミュニティサポート
- Git Documentation – Git公式ドキュメント
- GitHub Support – 公式サポート
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