パソコンを使っていると、こんな通知を見かけませんか?
「Windows 11にアップグレードできます」 「新しいバージョンの更新プログラムがあります」 「Microsoft 365の新機能が利用可能です」
「面倒くさい」「今のままで困ってない」「失敗したら怖い」
そんな理由で、ずっと無視していませんか?
でも実は、バージョンアップを避け続けることの方が危険なんです。セキュリティの穴が放置され、新しい便利機能も使えず、いずれサポートも終了してしまいます。
今回は、Microsoftの各種バージョンアップについて、安全に、確実に、そして簡単に実行する方法を、すべてお教えします!
バージョンアップの種類と重要性

Microsoft製品の3つのアップデート
更新の種類を理解しよう:
種類 | 内容 | 頻度 | 重要度 | 例 |
---|---|---|---|---|
セキュリティ更新 | 脆弱性の修正 | 毎月 | ★★★★★ | 月例パッチ |
機能更新 | 新機能の追加 | 年2回 | ★★★☆☆ | Windows 10 22H2 |
メジャーアップグレード | 大幅な変更 | 数年に1回 | ★★★★☆ | Windows 10→11 |
なぜバージョンアップが必要?
放置するリスクがやばい:
- セキュリティリスク
- ウイルスやマルウェアの侵入
- 個人情報の流出
- ランサムウェアの被害
- 互換性の問題
- 新しいソフトが動かない
- 周辺機器が使えなくなる
- ファイルが開けない
- サポート終了
- 問題が起きても対応してもらえない
- セキュリティ更新が提供されない
- 最終的に使用不可能に
サポート期限一覧(2024年現在)
要注意の製品:
製品 | サポート終了日 | 対応 |
---|---|---|
Windows 10 | 2025年10月14日 | Windows 11への移行推奨 |
Windows 8.1 | 2023年1月10日(終了済み) | 至急アップグレード |
Office 2016 | 2025年10月14日 | Microsoft 365への移行 |
Office 2019 | 2025年10月14日 | Microsoft 365への移行 |
Internet Explorer 11 | 2022年6月15日(終了済み) | Microsoft Edge使用 |
Windows のバージョンアップ
現在のバージョン確認方法
まず自分のWindowsを確認:
- 簡単な確認方法
- Windowsキー + Pause
- またはWindowsキー + I → システム → バージョン情報
- 詳細な確認方法
- Windowsキー + R
- 「winver」と入力してEnter
- バージョンとビルド番号が表示
表示される情報の見方:
例:Windows 10 バージョン 22H2(OSビルド 19045.3693)
- Windows 10:OS名
- 22H2:2022年後期の機能更新
- 19045.3693:詳細なビルド番号
Windows 10 から Windows 11 へのアップグレード
システム要件の確認
Windows 11の最小要件:
項目 | 要件 | 確認方法 |
---|---|---|
プロセッサ | 1GHz以上、2コア以上 | タスクマネージャー→パフォーマンス |
RAM | 4GB以上(64ビット) | 設定→システム→バージョン情報 |
ストレージ | 64GB以上 | エクスプローラーでCドライブ確認 |
UEFI | UEFI対応、セキュアブート | BIOS設定で確認 |
TPM | TPM 2.0 | tpm.mscで確認 |
グラフィック | DirectX 12以上 | dxdiagで確認 |
PC正常性チェックアプリの使用
互換性を自動チェック:
- ダウンロード
- Microsoft公式サイトから「PC正常性チェック」
- 無料でダウンロード可能
- 実行
- インストール後、起動
- 「今すぐチェック」をクリック
- 結果の確認
- ✅ 対応:そのままアップグレード可能
- ❌ 非対応:理由が表示される
アップグレード手順
Windows 11への移行方法:
方法1:Windows Update経由(推奨)
手順:
1. 設定→更新とセキュリティ
2. Windows Update
3. 「Windows 11へのアップグレード」が表示
4. 「ダウンロードとインストール」
5. 約1-2時間で完了
方法2:インストールアシスタント使用
手順:
1. Microsoft公式サイトへ
2. 「Windows 11 をダウンロードする」
3. インストールアシスタントを実行
4. 指示に従って進める
方法3:USBメディア作成
手順:
1. メディア作成ツールをダウンロード
2. 8GB以上のUSBメモリを用意
3. ツールでUSBメディア作成
4. USBから起動してインストール
Windows Update の実行方法
定期的な更新の確認:
- 手動で確認
- 設定→更新とセキュリティ
- 「更新プログラムのチェック」
- 自動更新の設定
- アクティブ時間の設定
- 再起動のスケジュール
- 更新の一時停止(最大35日)
- トラブル時の対処
- Windows Updateトラブルシューティング
- 更新履歴から問題のある更新を削除
- クリーンブートで実行
Microsoft Office のバージョンアップ
Office 製品の種類と違い
現在の主なOffice製品:
製品 | 特徴 | 価格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
Microsoft 365 | サブスク、常に最新 | 月1,284円〜 | ★★★★★ |
Office 2021 | 買い切り、機能固定 | 32,784円〜 | ★★★☆☆ |
Office 2019 | 旧バージョン | サポート終了間近 | ★☆☆☆☆ |
Office Online | 無料、機能制限 | 0円 | ★★★☆☆ |
Microsoft 365 の更新
自動更新が基本:
- 更新の確認
- Officeアプリを開く(Word、Excelなど)
- ファイル→アカウント
- 「Office更新プログラム」
- 手動更新
- 「今すぐ更新」をクリック
- バックグラウンドで更新
- アプリの再起動で適用
- 更新チャネルの選択
- 最新チャネル(月1回)
- 月次エンタープライズ(月1回、企業向け)
- 半期エンタープライズ(年2回)
買い切り版Officeのアップグレード
Office 2016/2019から2021へ:
- 購入方法
- Microsoft Store
- 家電量販店
- オンラインショップ
- インストール手順
1. office.comにアクセス 2. Microsoftアカウントでサインイン 3. プロダクトキーを入力 4. ダウンロード開始 5. 既存Officeは自動的に置き換え
- データの移行
- 設定は自動的に引き継ぎ
- カスタムテンプレートは手動コピー
- アドインの再インストールが必要な場合も
その他のMicrosoft製品のアップデート

Microsoft Edge
最新版への更新:
- 自動更新の確認
- 設定メニュー(…)→ヘルプとフィードバック
- 「Microsoft Edgeについて」
- 自動的に更新チェック
- 手動更新
- 更新がある場合は「再起動」ボタン
- ブラウザを再起動して適用
Microsoft Teams
個人用とビジネス用で異なる:
個人用Teams:
- Microsoft Storeから自動更新
- またはアプリ内で更新通知
ビジネス用Teams:
- IT管理者が管理
- 自動的にバックグラウンド更新
OneDrive
同期クライアントの更新:
- タスクトレイのOneDriveアイコン
- 設定→バージョン情報
- 自動更新が有効か確認
バージョンアップ前の準備と注意点
必須の事前準備
失敗しないための5つの準備:
- バックアップ
- 重要ファイルを外部メディアに
- システムイメージの作成
- OneDriveやGoogleドライブに保存
- 空き容量の確保
- Windows 11:最低20GB
- 一時ファイルの削除
- ディスククリーンアップ実行
- 互換性チェック
- 使用中のソフトが対応しているか
- 周辺機器のドライバー確認
- セキュリティソフトの対応状況
- 時間の確保
- 大型アップデート:1-3時間
- 通常の更新:30分-1時間
- 作業中断を避ける
- 電源確保
- ノートPCは電源接続必須
- UPS(無停電電源装置)があれば使用
- 途中で電源が切れると故障の原因
リスクを最小限にする方法
安全にアップデートするコツ:
- 復元ポイントの作成
手順: 1. システムのプロパティ 2. システムの保護タブ 3. 「作成」ボタン 4. 名前を付けて保存
- クリーンブートで実行
- 余計なソフトを無効化
- msconfig で設定
- 競合を防ぐ
- 段階的な更新
- いきなり大型更新しない
- 小さな更新から順番に
- 問題があれば即座に対処
トラブルシューティング
よくあるエラーと対処法
エラーコード別対処法:
エラーコード | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
0x80070002 | ファイルが見つからない | Windows Updateのリセット |
0x80073712 | コンポーネントの破損 | DISMコマンドで修復 |
0x800F0922 | 接続エラー | VPNを切断、ファイアウォール確認 |
0xC1900101 | ドライバーの問題 | 古いドライバーの更新 |
0x80240034 | ダウンロード失敗 | 時間を置いて再試行 |
Windows Updateが失敗する場合
段階的な対処法:
- 基本的な対処
- PCを再起動
- 時間を置いて再試行
- ネットワーク接続確認
- トラブルシューティング
設定→更新とセキュリティ→トラブルシューティング →追加のトラブルシューティング→Windows Update
- コマンドで修復
# 管理者権限でコマンドプロンプト sfc /scannow DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 手動リセット
net stop wuauserv net stop bits ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old net start wuauserv net start bits
アップグレード後の不具合
よくある問題と解決策:
問題1:動作が遅くなった
- インデックスの再構築を待つ(24-48時間)
- 不要なスタートアップを無効化
- ドライバーの更新
問題2:ソフトが動かない
- 互換モードで実行
- 最新版に更新
- 代替ソフトを検討
問題3:設定が消えた
- Windows.oldフォルダから復元
- バックアップから復元
- 手動で再設定
ダウングレード(元に戻す)方法

Windows 11 から 10 に戻す
10日以内なら簡単:
- 設定から戻す
設定→システム→回復 →「復元」または「Windows 10に戻す」 →理由を選択して続行
- 10日を過ぎた場合
- クリーンインストールが必要
- データのバックアップ必須
- プロダクトキーの確認
Office の旧バージョンに戻す
Microsoft 365の場合:
- Office Deployment Toolを使用
- 特定バージョンを指定してインストール
- 更新を一時的に停止
企業・組織でのバージョンアップ
計画的な展開
企業での注意点:
- テスト環境での検証
- 一部のPCで先行テスト
- 業務アプリの動作確認
- ユーザー教育の準備
- 段階的展開
- IT部門→一般部門の順
- 問題があれば即座に停止
- フィードバックの収集
- WSUS/SCCMの活用
- 更新を集中管理
- 承認後に配信
- 帯域幅の最適化
よくある質問(FAQ)
Q1:アップデートは全部適用すべき?
A:セキュリティ更新は必須、機能更新は選択可
- セキュリティ更新:必ず適用
- 品質更新:基本的に適用推奨
- 機能更新:環境に応じて判断
- ドライバー更新:問題なければ保留可
Q2:自動更新を無効にできる?
A:可能だが推奨しません
- Windows 10 Pro/11 Proはグループポリシーで制御可能
- Homeエディションは一時停止のみ
- セキュリティリスクが高まるため非推奨
Q3:更新にどれくらい時間がかかる?
A:更新の種類による
- 月例更新:10-30分
- 機能更新:1-2時間
- メジャーアップグレード:2-4時間
- PCスペックやネット速度で変動
Q4:更新中に電源を切ったらどうなる?
A:システムが破損する可能性大
- 起動しなくなる可能性
- 自動修復で復旧することも
- 最悪の場合、初期化が必要
Q5:会社のPCを勝手にアップデートしていい?
A:IT部門に必ず確認
- 企業ポリシーに従う
- 勝手な更新は禁止の場合が多い
- 業務システムに影響する可能性
まとめ:バージョンアップを味方につけよう
Microsoftのバージョンアップは、面倒に感じるかもしれませんが、あなたのデジタルライフを守り、より便利にするための重要な作業です。
押さえておくべきポイント:
- 🔒 セキュリティ更新は必須(放置は危険)
- 📅 サポート期限を意識(特にWindows 10は2025年まで)
- 💾 バックアップは絶対(失敗しても安心)
- ⏰ 時間に余裕を持って(慌てると失敗する)
- 🔄 定期的な更新習慣(溜めずにこまめに)
今すぐやるべきこと:
- 現在のバージョンを確認
- 重要なデータをバックアップ
- 保留中の更新を適用
- Windows 11への移行を検討(Windows 10ユーザー)
最後に: バージョンアップは、新しい服に着替えるようなもの。最初は違和感があっても、すぐに慣れて、前より快適になります。恐れずに、計画的に、そして確実に実行していきましょう。
この記事を参考に、安心してバージョンアップを進めてください。もし困ったことがあれば、Microsoftサポートも活用してくださいね!
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