「GitHubって難しそう…黒い画面でコマンド打つんでしょ?」 「VSCodeでコード書いてるけど、GitHubとの連携がよく分からない」 「チーム開発に参加したいけど、Git操作が不安…」
大丈夫です!実はVSCodeを使えば、GitHubの操作はボタンクリックだけでできるんです。コマンドを覚える必要はありません。
この記事では、GitHubアカウントの作成から、VSCodeでのプッシュ、プルリクエストまで、実際の画面を想定しながらすべて解説します。
30分後には、あなたもGitHubでコードを管理し、世界中の開発者と協働できるようになりますよ!
そもそもGitHubとVSCodeって何?

GitHubとは
GitHub = コードの保管庫 + SNS
簡単に言うと:
- コードをクラウドに保存できるサービス
- バージョン管理ができる(過去の状態に戻せる)
- 他の人と共同開発できる
- 世界最大の開発者コミュニティ
身近な例え:
- Google ドライブのプログラマー版
- でも、ただ保存するだけじゃない
- 変更履歴が全部残る
- 複数人で同時編集しても大丈夫
VSCodeとは
Visual Studio Code = 最強の無料エディタ
特徴:
- Microsoftが作った無料のコードエディタ
- Git機能が標準搭載
- 拡張機能で機能追加し放題
- 軽くて速い
なぜVSCode × GitHubが最強なのか
理由:
- GUI操作だけで完結 – コマンド不要
- 統合されたUI – 画面切り替え不要
- リアルタイム確認 – 変更内容が一目瞭然
- 豊富な拡張機能 – さらに便利に
初期設定:30分で環境構築
Step 1:必要なソフトのインストール
1. Git をインストール
Windowsの場合:
- https://git-scm.com/ にアクセス
- 「Download for Windows」をクリック
- インストーラーを実行(基本的にデフォルト設定でOK)
Mac の場合:
# Homebrewがある場合
brew install git
# または Xcode Command Line Tools
xcode-select --install
2. VSCode をインストール
- https://code.visualstudio.com/ にアクセス
- 「Download」をクリック
- インストール実行
Step 2:GitHubアカウントの作成
- GitHubにアクセス
- https://github.com にアクセス
- 「Sign up」をクリック
- アカウント情報を入力
- Username:英数字で(後で変更可能)
- Email:普段使うメールアドレス
- Password:強固なものを
- メール認証
- 届いたメールのリンクをクリック
Step 3:VSCodeでGitの初期設定
VSCodeを開いて設定:
- ターミナルを開く
- VSCodeで `Ctrl + “ (バッククォート)
- または、メニュー → ターミナル → 新しいターミナル
- ユーザー情報を設定
git config --global user.name "あなたの名前" git config --global user.email "your-email@example.com"
※GitHubと同じメールアドレスを使用 - 設定確認
git config --list
Step 4:VSCodeとGitHubを連携
GitHub認証の設定:
- VSCodeでサインイン
- 左下のアカウントアイコンをクリック
- 「GitHubでサインイン」を選択
- ブラウザが開く → GitHubにログイン
- 認証を許可
- 確認方法
- 左下にGitHubアカウント名が表示されればOK
基本操作1:リポジトリのクローン(ダウンロード)
既存のリポジトリをVSCodeで開く
方法1:VSCodeから直接クローン
- コマンドパレットを開く
Ctrl + Shift + P
(Mac:Cmd + Shift + P
)- 「Git: Clone」と入力
- リポジトリURLを入力
- GitHubのリポジトリページでURLをコピー
- VSCodeに貼り付け
- 保存場所を選択
- 好きなフォルダを選択
- 自動的にVSCodeで開く
方法2:GitHub から直接開く
- GitHubのリポジトリページ
- 緑の「Code」ボタン
- 「Open with Visual Studio Code」を選択
フォルダ構造の理解
クローン後のフォルダ:
my-project/
├── .git/ ← Gitの管理ファイル(触らない)
├── README.md ← プロジェクトの説明
├── .gitignore ← Gitに含めないファイルの設定
└── src/ ← ソースコード
基本操作2:変更をGitHubに保存(add → commit → push)

3つのステップを理解する
Git の基本フロー:
- add(ステージング) – 変更をGitに登録する準備
- commit(コミット) – 変更を確定して記録
- push(プッシュ) – GitHubにアップロード
VSCodeでの操作方法
1. ファイルを編集
- 普通にコードを書く
- 保存する(Ctrl + S)
2. ソース管理パネルを開く
- 左サイドバーの3つ目のアイコン(分岐アイコン)
- または
Ctrl + Shift + G
3. 変更をステージング(add)
- 変更されたファイルが表示される
- ファイル名の横の「+」をクリック
- または、「すべての変更をステージ」をクリック
4. コミット(commit)
- メッセージ欄に変更内容を入力
- 例:「ログイン機能を追加」
- ✓(チェックマーク)をクリック
5. プッシュ(push)
- 「変更の同期」をクリック
- または、「…」→「プッシュ」
コミットメッセージの書き方
良い例:
feat: ユーザー認証機能を追加
fix: ログインエラーを修正
docs: READMEを更新
style: コードフォーマットを統一
悪い例:
更新
修正
変更
test
基本操作3:最新版を取得(pull)
他の人の変更を取り込む
プル(pull)が必要な場面:
- チーム開発で他の人が更新した時
- 別のPCで作業した後
- GitHubで直接編集した後
VSCodeでの操作:
- ソース管理パネルを開く
Ctrl + Shift + G
- プルを実行
- 「…」メニュー → 「プル」
- または、同期ボタン(🔄)をクリック
- 競合が発生した場合
- VSCodeが自動的に検出
- マージエディタで解決(後述)
ブランチ操作:並行開発の基本
ブランチとは?
ブランチ = 作業の枝分かれ
例えるなら:
- main(メイン) = 完成品の本
- feature(機能) = 下書きノート
- 下書きで試して、良ければ本に反映
VSCodeでブランチを作成
新しいブランチの作成:
- 左下のブランチ名をクリック
- 現在のブランチが表示されている
- 「新しいブランチの作成」を選択
- ブランチ名を入力
- 例:
feature/login-page
- 自動的に切り替わる
- 左下の表示が新しいブランチ名に
ブランチの切り替え
方法1:ステータスバーから
- 左下のブランチ名をクリック
- 切り替えたいブランチを選択
方法2:コマンドパレットから
Ctrl + Shift + P
- 「Git: Checkout to…」
- ブランチを選択
ブランチのマージ
VSCodeでのマージ:
- mainブランチに切り替え
- コマンドパレット → 「Git: Merge Branch」
- マージしたいブランチを選択
- 競合があれば解決
プルリクエスト(PR)の作成と管理
プルリクエストとは?
PR = コードレビューのお願い
- 「このコードをmainに入れてもいい?」という提案
- チームメンバーがレビュー
- OKなら本番に反映
GitHub Pull Requests拡張機能
インストール:
- VSCodeの拡張機能タブ
- 「GitHub Pull Requests」を検索
- インストール
使い方:
- PRの作成
- サイドバーのGitHubアイコン
- 「Create Pull Request」
- タイトルと説明を入力
- PRのレビュー
- PR一覧から選択
- コード差分を確認
- コメントを追加
- マージ
- レビューOKなら「Merge」
- ブランチを削除
便利な拡張機能10選

必須の拡張機能
1. GitLens
- 誰がいつコードを書いたか表示
- 履歴を詳細に確認
- Blameビューで責任者が分かる
2. GitHub Pull Requests and Issues
- VSCode内でPR作成・レビュー
- Issue管理も可能
3. Git Graph
- ブランチを視覚的に表示
- コミット履歴をグラフで確認
あると便利な拡張機能
4. GitHub Copilot
- AIがコード補完
- コメントから関数生成
5. Git History
- ファイルの変更履歴
- 特定時点のコードを確認
6. GitHub Actions
- CI/CDの状態確認
- ワークフロー管理
7. TODO Highlight
- TODOコメントを強調表示
- FIXMEも目立つ
8. Markdown All in One
- README作成が楽に
- プレビュー機能付き
9. Live Share
- リアルタイム共同編集
- ペアプログラミング
10. GitHub Theme
- GitHubっぽい見た目に
- ダークモードも完備
よくあるトラブルと解決法
トラブル1:プッシュできない
エラー: rejected
原因と解決:
- リモートが更新されている
- 先にプル(pull)する
- その後プッシュ
- 権限がない
- リポジトリの権限確認
- Collaboratorに追加してもらう
トラブル2:コンフリクト(競合)発生
VSCodeでの解決:
- 競合ファイルを開く
- 色付きで表示される
- 解決方法を選択
- 「現在の変更を取り込む」
- 「入力側の変更を取り込む」
- 「両方の変更を取り込む」
- 手動で編集
- マークを削除
<<<<<<< HEAD 自分の変更 ======= 他の人の変更 >>>>>>> branch-name
- ステージング → コミット
トラブル3:間違えてコミットした
直前のコミットを取り消し:
# コミットを取り消し(ファイルは残る)
git reset --soft HEAD~1
# 完全に取り消し(危険)
git reset --hard HEAD~1
VSCodeでは:
- ソース管理 → 「…」→ 「最後のコミットを元に戻す」
トラブル4:.gitignoreが効かない
すでに追跡されているファイルの場合:
# キャッシュをクリア
git rm -r --cached .
git add .
git commit -m "gitignoreを適用"
実践!初めてのリポジトリ作成
ローカルからGitHubへ
Step 1:VSCodeで新規プロジェクト
- 新しいフォルダを作成
- VSCodeで開く
Step 2:Gitリポジトリを初期化
- ソース管理パネル
- 「リポジトリを初期化」
Step 3:GitHubに公開
- ソース管理パネルの「…」
- 「GitHubに公開」
- リポジトリ名を入力
- Public/Privateを選択
Step 4:確認
- GitHubでリポジトリが作成される
- 自動的にリモート設定完了
チーム開発のベストプラクティス

ブランチ戦略
Git Flow:
main
:本番環境develop
:開発環境feature/*
:機能開発hotfix/*
:緊急修正
コミットルール
良いコミットの条件:
- 小さく頻繁に – 1機能1コミット
- 意味のある単位 – 後で見て分かる
- テスト済み – 動くコードのみ
- メッセージは明確に – 何を変更したか
コードレビューのマナー
レビュアー:
- 建設的なコメント
- 良い点も褒める
- 代替案を提示
レビュイー:
- 小さいPRを心がける
- 説明を充実させる
- フィードバックに感謝
セキュリティの注意点
絶対にコミットしてはいけないもの
危険なファイル:
- パスワード
- APIキー
- 秘密鍵
- 個人情報
.env
ファイル
.gitignoreに追加:
# 環境変数
.env
.env.local
# 秘密鍵
*.pem
*.key
# 設定ファイル
config.json
secrets.yml
もし間違えてプッシュしたら
緊急対応:
- すぐにAPIキーを無効化
- リポジトリをPrivateに
- 履歴から完全削除(BFG Repo-Cleaner使用)
- 新しいキーを発行
よくある質問
Q1:GitとGitHubの違いは?
A:
- Git:バージョン管理システム(ツール)
- GitHub:Gitを使ったWebサービス
- 例:Git = メールシステム、GitHub = Gmail
Q2:PrivateとPublicどっちがいい?
A:
- Private:仕事、未完成、秘密のプロジェクト
- Public:ポートフォリオ、OSS、学習記録
- 後から変更可能
Q3:コミットは英語じゃないとダメ?
A:
- チームのルールに従う
- OSSなら英語推奨
- 個人なら日本語OK
- 統一することが大事
Q4:mainとmasterの違いは?
A:
- 同じ役割(デフォルトブランチ)
- 2020年からmain推奨
- 既存のmasterはそのままでOK
Q5:フォークとクローンの違いは?
A:
- Fork:GitHub上でコピー(自分のリポジトリになる)
- Clone:ローカルにダウンロード
- OSSに貢献するならFork→Clone
まとめ
VSCodeとGitHubの組み合わせで、プロのような開発環境が無料で手に入ります!
今日から始める3ステップ:
- 環境構築を完了する(30分)
- Git、VSCode、GitHubアカウント
- VSCodeとGitHubの連携
- 練習用リポジトリを作る(10分)
- READMEだけでもOK
- コミット、プッシュを体験
- 毎日コミットする(5分)
- 小さな変更でもOK
- 習慣化が大事
最初は戸惑うかもしれませんが、1週間も使えば自然に操作できるようになります。
GitHubは開発者の履歴書とも言われます。今日から始めて、あなたの成長記録を残していきましょう!
コマンドを覚える必要はありません。VSCodeのボタンをクリックするだけ。さあ、世界中の開発者の仲間入りです!
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