「印刷画面にXPS Document Writerが表示されない」 「間違えて削除してしまった」 「Windows 11でXPS Document Writerはどこにある?」
Microsoft XPS Document Writerは、どんなアプリからでもXPS形式の電子文書を作成できる仮想プリンターです。PDFの代替として使えて、実は結構便利な機能なんです。
でも、Windows 10以降では初期状態で無効になっていたり、誤って削除してしまうことも。この記事では、XPS Document Writerのインストール・再インストール方法から、使い方、トラブル解決まで完全解説します。
- XPS Document Writerとは?基本を理解しよう
- 【Windows 11】XPS Document Writerのインストール方法
- 【Windows 10】XPS Document Writerのインストール方法
- XPS Document Writerが表示されない時の対処法
- XPS Document Writerの削除方法
- XPS Document Writerの使い方
- トラブルシューティング
- XPS Document Writerの活用例
- XPS vs PDF:どちらを使うべき?
- Windows バージョン別対応表
- よくある質問と回答
- まとめ:XPS Document Writerを必要に応じて活用しよう
XPS Document Writerとは?基本を理解しよう

XPSって何?PDFとの違い
XPS(XML Paper Specification)の特徴:
- Microsoftが開発した電子文書フォーマット
- Windows標準で対応(追加ソフト不要)
- レイアウトが崩れない
- デジタル署名対応
- ファイルサイズが小さい
PDFとの比較:
項目 | XPS | |
---|---|---|
開発元 | Microsoft | Adobe |
Windows対応 | 標準対応 | リーダー必要 |
普及度 | 低い | 非常に高い |
ファイルサイズ | 小さい | やや大きい |
編集 | 困難 | ツール多数 |
互換性 | Windows中心 | 全OS対応 |
XPS Document Writerの用途
こんな時に便利:
- Webページを保存したい
- メールを証拠として保管
- 見積書や請求書の控え
- レイアウトを崩さず保存
- 印刷プレビューの代わり
- ペーパーレス化
なぜ最初から入っていない?
Windows 10 バージョン1803以降、XPS関連機能はオプション機能に変更されました。
理由:
- PDFの普及でXPSの需要減少
- ストレージ容量の節約
- セキュリティの向上
- 必要な人だけインストール
【Windows 11】XPS Document Writerのインストール方法
方法1:Windowsの機能から追加(推奨)
手順:
- 設定を開く
- スタートボタンを右クリック
- 「設定」を選択
- またはWindows + I キー
- アプリ設定へ移動
- 左メニューから「アプリ」
- 「オプション機能」をクリック
- 機能の追加
- 「機能を追加」ボタンをクリック
- 検索ボックスに「XPS」と入力
- XPSビューアーをインストール
- 「XPSビューアー」にチェック
- 「インストール」をクリック
- 約50MBのダウンロード
- 完了確認
- インストール完了まで待つ
- PCの再起動(推奨)
方法2:コントロールパネルから追加
- コントロールパネルを開く
- Windows + R キー
- 「control」と入力してEnter
- プログラムと機能
- 「プログラム」をクリック
- 「Windowsの機能の有効化または無効化」
- 機能を有効化
- リストから探す:
- 「Microsoft Print to PDF」の下あたり
- 「Microsoft XPS Document Writer」にチェック
- 「OK」をクリック
- リストから探す:
- 適用と再起動
- 変更の適用を待つ
- 必要に応じて再起動
方法3:PowerShellでインストール(上級者向け)
管理者権限でPowerShellを実行:
# XPS Document Writerの有効化
Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName "Printing-XPSServices-Features" -All
# XPSビューアーの追加
Add-WindowsCapability -Online -Name "XPS.Viewer~~~~0.0.1.0"
【Windows 10】XPS Document Writerのインストール方法
バージョン別の対応方法
Windows 10 バージョン1803以降:
- 設定アプリから追加
- 設定→アプリ→アプリと機能
- 「オプション機能」をクリック
- 「機能の追加」→「XPS」で検索
- インストール
Windows 10 バージョン1709以前:
- 通常は標準でインストール済み
- プリンター一覧に表示されているはず
- ない場合は「Windowsの機能」から有効化
プリンターとして追加する方法
XPSビューアーはあるのに、プリンターリストに表示されない場合:
- 設定を開く
- 設定→デバイス→プリンターとスキャナー
- プリンターの追加
- 「プリンターまたはスキャナーを追加」
- しばらく待つ
- 手動追加
- 「プリンターが一覧にない場合」
- 「ローカルプリンターまたはネットワークプリンターを手動で追加」
- ポートの選択
- 「既存のポートを使用」
- 「XPSPort:」を選択(なければ「FILE:」)
- ドライバーの選択
- 製造元:「Microsoft」
- プリンター:「Microsoft XPS Document Writer」
- 「次へ」→完了
XPS Document Writerが表示されない時の対処法

原因1:機能が無効になっている
確認と解決方法:
- Windowsの機能を確認
- コントロールパネル→プログラム
- 「Windowsの機能の有効化または無効化」
- リストを確認
- 必要な機能にチェック
- 「印刷とドキュメントサービス」を展開
- 「XPSサービス」にチェック
- 「XPSビューアー」も確認
- サービスの確認
- Windows + R →「services.msc」
- 「Print Spooler」が実行中か確認
- 停止している場合は開始
原因2:プリンタードライバーの問題
ドライバーの再インストール:
- デバイスマネージャーを開く
- Windows + X → デバイスマネージャー
- プリンターを確認
- 「プリントキュー」を展開
- XPS Document Writerを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」
- 再スキャン
- 操作→「ハードウェア変更のスキャン」
- 自動的に再インストール
原因3:レジストリの問題
レジストリの修復:(注意:バックアップ推奨)
- レジストリエディタを開く
- Windows + R →「regedit」
- 該当キーを確認
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Print\Printers
- XPS Document Writerキーを確認
- キーが存在するか
- 値が正しいか
XPS Document Writerの削除方法
一時的に非表示にする
プリンターリストから隠したいだけの場合:
- プリンター設定を開く
- 設定→デバイス→プリンターとスキャナー
- XPS Document Writerを選択
- クリックして「管理」
- プリンターのプロパティ
- 「詳細設定」タブ
- 「利用可能時間」を設定
- または共有設定で制限
完全に削除する方法
Windows 11/10の場合:
- オプション機能から削除
- 設定→アプリ→オプション機能
- インストール済み機能
- 「XPSビューアー」を選択
- 「アンインストール」
- Windowsの機能から無効化
- コントロールパネル
- Windowsの機能の有効化または無効化
- 「XPS」関連のチェックを外す
- PowerShellで削除
Remove-WindowsCapability -Online -Name "XPS.Viewer~~~~0.0.1.0"
XPS Document Writerの使い方
基本的な使用方法
任意のアプリからXPSファイルを作成:
- 印刷ダイアログを開く
- Ctrl + P
- またはファイル→印刷
- プリンターを選択
- 「Microsoft XPS Document Writer」を選択
- プロパティで設定調整(必要に応じて)
- 印刷実行
- 「印刷」または「OK」をクリック
- 保存先を指定
- ファイル名を入力
- 「保存」
XPSファイルの閲覧方法
Windows標準ビューアー:
- ダブルクリックで自動的に開く
- XPSビューアーが起動
- 拡大・縮小・印刷が可能
Microsoft Edgeで開く:
- XPSファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」
- ブラウザ内で表示
代替ビューアー:
- Windows 10/11の「リーダー」アプリ
- サードパーティ製XPSビューアー
- オンラインXPSビューアー
XPSからPDFへの変換
方法1:印刷経由で変換
- XPSファイルを開く
- Ctrl + P で印刷
- 「Microsoft Print to PDF」を選択
- PDFとして保存
方法2:オンライン変換ツール
- 各種変換サイトを利用
- ドラッグ&ドロップで変換
- プライバシーに注意
トラブルシューティング

エラー:「プリンターへの接続に失敗しました」
解決方法:
- Print Spoolerサービスを再起動
net stop spooler net start spooler
- 一時ファイルをクリア
- C:\Windows\System32\spool\PRINTERS
- フォルダ内のファイルを削除
- プリンターを再追加
- 一度削除してから再インストール
エラー:「XPSファイルを開けません」
対処法:
- XPSビューアーの確認
- オプション機能でインストール状態確認
- 必要に応じて再インストール
- ファイルの関連付け
- XPSファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」
- 「別のプログラムを選択」
- XPSビューアーを選択して「常に使う」
- ファイルの破損確認
- 別のXPSファイルが開けるか確認
- 元のアプリから再作成
印刷ダイアログに表示されない
チェックポイント:
- デバイスとプリンター確認
- コントロールパネル→デバイスとプリンター
- XPS Document Writerがあるか
- 既定のプリンターに設定
- 右クリック→「通常使うプリンターに設定」
- プリンターの表示設定
- 一部のアプリは設定で表示/非表示切り替え
- アプリ側の印刷設定を確認
XPS Document Writerの活用例
ビジネスでの活用
電子保存での利用:
- 見積書・請求書の控え
- 契約書の電子保管
- メールの証拠保全
- Webページの保存
メリット:
- 改ざん防止
- レイアウト保持
- 軽量ファイル
- Windows標準対応
個人利用での活用
便利な使い方:
- Webページの完全保存
- オンラインショッピングの注文確認
- 重要な情報ページ
- 期間限定の告知
- 印刷プレビュー代わり
- 実際に印刷する前の確認
- レイアウトチェック
- ページ数の確認
- アーカイブ作成
- 年賀状の控え
- 作成した文書の保管
- スクリーンショットの代替
XPS vs PDF:どちらを使うべき?
XPSを選ぶべき場合
XPSが適している状況:
- Windows環境のみで完結
- ファイルサイズを小さくしたい
- 改ざん防止を重視
- 追加ソフトをインストールしたくない
PDFを選ぶべき場合
PDFが適している状況:
- 他のOSユーザーと共有
- 編集や加工が必要
- 電子署名を使用
- 広く配布する文書
使い分けのコツ
推奨する使い分け:
- 社内文書:XPS(Windows環境なら)
- 社外共有:PDF(互換性重視)
- 一時保存:XPS(軽量)
- 長期保存:PDF(将来性)
Windows バージョン別対応表
対応状況一覧
Windowsバージョン | XPS Document Writer | インストール方法 |
---|---|---|
Windows 11 | オプション | 設定→オプション機能 |
Windows 10 (1803以降) | オプション | 設定→オプション機能 |
Windows 10 (1709以前) | 標準搭載 | 初期インストール済み |
Windows 8/8.1 | 標準搭載 | 初期インストール済み |
Windows 7 | 標準搭載 | 初期インストール済み |
Windows Vista | 標準搭載 | 初期インストール済み |
今後の展望
Microsoftの方針:
- PDFへの移行を推進
- XPSは維持されるが積極開発なし
- レガシーサポートとして継続
- 新機能追加は期待薄
よくある質問と回答
Q1:XPS Document WriterとMicrosoft Print to PDFの違いは?
A: XPS Document Writerは.xps形式、Microsoft Print to PDFは.pdf形式で保存します。PDFの方が汎用性が高く、他のOSでも開けます。XPSはWindows専用ですが、ファイルサイズが小さく、Windows環境では扱いやすいです。
Q2:XPSファイルをMacやスマホで開くには?
A: Macではサードパーティ製のXPSビューアーアプリが必要です。スマホの場合、AndroidではXPSビューアーアプリ、iPhoneではPDFに変換してから閲覧することをお勧めします。
Q3:XPS Document Writerをデフォルトプリンターにしない方が良い?
A: はい、通常の印刷時に毎回ファイル保存ダイアログが出て不便なので、物理プリンターをデフォルトにすることをお勧めします。XPSは必要な時だけ選択して使用しましょう。
Q4:XPSファイルは編集できる?
A: 基本的に編集は困難です。XPSは最終形式として設計されているため、編集が必要な場合は元のファイルから作り直すか、PDFに変換してPDF編集ツールを使用することをお勧めします。
Q5:XPS Document Writerが遅い・フリーズする場合は?
A: Print Spoolerサービスの再起動、プリンタードライバーの更新、一時ファイルのクリア、またはWindowsアップデートの確認を行ってください。大きなファイルの場合は処理に時間がかかることがあります。
まとめ:XPS Document Writerを必要に応じて活用しよう
Microsoft XPS Document Writerは、Windows環境での電子文書作成に便利なツールです。
押さえておきたいポイント:
- インストールは簡単
- Windows 11/10ではオプション機能から追加
- 数クリックで完了
- 無料で利用可能
- 用途を選んで使用
- Windows環境内での文書保存
- 印刷イメージの確認
- 軽量な電子文書作成
- PDFとの使い分け
- 汎用性ならPDF
- Windows限定ならXPS
- 両方使えると便利
- トラブルは解決可能
- ほとんどの問題は再インストールで解決
- サービスの再起動も有効
- 最悪でも手動追加できる
PDFが主流の現在でも、XPS Document WriterにはWindows環境ならではの利点があります。必要に応じてインストールして、便利に活用してください!
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