MicrosoftグローバルIP完全ガイド|AzureのパブリックアドレスとMicrosoft 365のIP管理

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「AzureのVMに外部からアクセスしたいけど、IPアドレスがよく分からない」 「Microsoft 365を使うのに、どのIPを許可すればいいの?」 「グローバルIPって高いんじゃない?料金が心配…」 「セキュリティ的に大丈夫なの?」

こんな疑問や不安、ありませんか?

実は、MicrosoftのグローバルIP管理を理解すれば、クラウドサービスがもっと便利に、安全に使えるようになるんです!

Azureの仮想マシンに固定IPを割り当てたり、ファイアウォールでMicrosoft 365を適切に許可したり… すべてグローバルIPの知識で解決できます。

この記事を読めば、MicrosoftのグローバルIPを完全に理解して、実務で活用できるようになりますよ!


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  1. グローバルIPアドレスの基本を理解しよう
    1. グローバルIPとプライベートIPの違い
    2. なぜグローバルIPが必要?
  2. Azure のグローバルIP(パブリックIP)管理
    1. パブリックIPアドレスの種類
    2. パブリックIPの作成と割り当て
    3. 仮想マシンへの割り当て
  3. Microsoft 365のIPアドレス範囲
    1. なぜMicrosoft 365のIP範囲を知る必要がある?
    2. IP範囲の確認方法
    3. 主要サービスのIP範囲
  4. Azureサービスの送信IPアドレス
    1. Azure App ServiceのアウトバウンドIP
    2. Azure FunctionsのIPアドレス
  5. セキュリティベストプラクティス
    1. ネットワークセキュリティグループ(NSG)の設定
    2. Azure Firewallの活用
  6. 料金体系と最適化
    1. パブリックIPの料金
    2. コスト削減の方法
  7. トラブルシューティング
    1. よくある問題と解決方法
  8. 実践例:WebサーバーをグローバルIPで公開
    1. 手順を追って設定
  9. IPアドレス管理の自動化
    1. Azure Resource Manager(ARM)テンプレート
    2. PowerShellでの一括管理
  10. よくある質問(FAQ)
    1. Q1: IPv6は使える?
    2. Q2: 1つのVMに複数のパブリックIPを割り当てられる?
    3. Q3: オンプレミスの固定IPをAzureで使える?
    4. Q4: Microsoft 365のIP範囲はどのくらいの頻度で変わる?
    5. Q5: パブリックIPなしでインターネットアクセスできる?
  11. 監視とログ分析
    1. Azure Monitorでの監視
    2. Log Analyticsでの分析
  12. まとめ:グローバルIPを使いこなして、クラウドを最大活用!

グローバルIPアドレスの基本を理解しよう

グローバルIPとプライベートIPの違い

まず基本から押さえましょう。

グローバルIPアドレス(パブリックIP):

  • インターネット上で一意のアドレス
  • 世界中からアクセス可能
  • 例:20.194.XX.XX(Azure)
  • ISPやクラウド事業者が管理

プライベートIPアドレス:

  • 内部ネットワークのみで使用
  • 例:10.0.0.X、192.168.X.X
  • 外部から直接アクセス不可
  • 組織内で自由に割り当て

なぜグローバルIPが必要?

クラウド時代には欠かせない理由があります。

必要になる場面:

  • Webサーバーの公開
  • リモートアクセス(RDP、SSH)
  • VPN接続の確立
  • API サービスの提供
  • メール送信(送信元の信頼性)

Azure のグローバルIP(パブリックIP)管理

パブリックIPアドレスの種類

Azureでは2種類のパブリックIPが利用できます。

🔄 動的(Dynamic)IP:

  • VMの起動時に自動割り当て
  • 停止すると解放される
  • コストが安い
  • 開発・テスト環境向き

🔒 静的(Static)IP:

  • 固定のIPアドレス
  • VMを停止しても保持
  • DNSと紐づけやすい
  • 本番環境向き

パブリックIPの作成と割り当て

Azure PortalでパブリックIPを作成する手順です。

作成手順:

  1. Azure Portalにサインイン
  2. 「リソースの作成」をクリック
  3. 「パブリックIPアドレス」を検索
  4. 「作成」をクリック

設定項目:

名前: my-public-ip
IPバージョン: IPv4
SKU: Standard
階層: Regional
割り当て: 静的
アイドルタイムアウト: 4分
DNSラベル: myapp-server(任意)
  1. リソースグループとリージョンを選択
  2. 「確認および作成」→「作成」

仮想マシンへの割り当て

作成したパブリックIPをVMに割り当てます。

割り当て方法:

新規VM作成時:

  1. VM作成画面の「ネットワーク」タブ
  2. 「パブリックIP」で新規作成または既存を選択
  3. 静的/動的を選択

既存VMへの追加:

  1. VMの「ネットワーク」設定
  2. 「ネットワークインターフェイス」を選択
  3. 「IP構成」→「追加」
  4. パブリックIPを関連付け

Microsoft 365のIPアドレス範囲

なぜMicrosoft 365のIP範囲を知る必要がある?

企業のネットワークセキュリティに必須です。

知っておくべき理由:

  • ファイアウォールの設定
  • プロキシサーバーの除外設定
  • ネットワーク帯域の最適化
  • セキュリティ監視の効率化
  • トラブルシューティング

IP範囲の確認方法

Microsoft 365のIPアドレスは定期的に更新されます。

確認方法1:公式Webサイト

  1. aka.ms/o365endpoints にアクセス
  2. 「Worldwide」を選択
  3. JSON形式でダウンロード

確認方法2:PowerShell

# Microsoft 365 エンドポイントを取得
$endpoints = Invoke-RestMethod -Uri "https://endpoints.office.com/endpoints/worldwide?clientrequestid=b10c5ed1-bad1-445f-b386-b919946339a7"

# IP範囲を表示
$endpoints | Where-Object {$_.ips} | Select-Object serviceArea, ips

主要サービスのIP範囲

サービスごとに異なるIP範囲があります。

Exchange Online:

  • 送信: 40.92.0.0/15, 40.107.0.0/16
  • 受信: 別途MXレコードで確認

SharePoint Online / OneDrive:

  • 13.107.136.0/22
  • 40.108.128.0/17
  • リージョンによって異なる

Teams:

  • 13.107.64.0/18
  • 52.112.0.0/14
  • 52.122.0.0/15

Azureサービスの送信IPアドレス

Azure App ServiceのアウトバウンドIP

App Serviceから外部への通信時のIPアドレスです。

確認方法:

  1. App Serviceリソースを開く
  2. 「プロパティ」を選択
  3. 「送信IPアドレス」を確認

複数のIPが表示されます(ロードバランサーのため)。

PowerShellでの確認:

# App Serviceの送信IP確認
$app = Get-AzWebApp -ResourceGroupName "myRG" -Name "myapp"
$app.OutboundIpAddresses

Azure FunctionsのIPアドレス

関数アプリの送信IPも重要です。

固定IPが必要な場合:

  1. NAT Gatewayを使用
  2. VNet統合を設定
  3. 静的パブリックIPを割り当て

セキュリティベストプラクティス

ネットワークセキュリティグループ(NSG)の設定

パブリックIPへのアクセスを制限しましょう。

推奨設定:

# SSH/RDPアクセスの制限
優先度: 100
名前: Allow-SSH-From-Office
ソース: 特定のIPアドレス(会社のIP)
プロトコル: TCP
ポート: 22 (SSH) / 3389 (RDP)
アクション: 許可

# その他すべて拒否
優先度: 4096
名前: Deny-All
ソース: Any
プロトコル: Any
ポート: Any
アクション: 拒否

Azure Firewallの活用

より高度なセキュリティが必要な場合。

Azure Firewallの利点:

  • 完全管理型ファイアウォール
  • FQDN(ドメイン名)での制御
  • 脅威インテリジェンス
  • 一元的なログ管理

料金体系と最適化

パブリックIPの料金

コストを理解して適切に管理しましょう。

料金体系(2024年現在の目安):

静的IPアドレス:

  • Basic SKU: 約0.5円/時間
  • Standard SKU: 約0.6円/時間
  • 月額: 約400-500円

データ転送料金:

  • 送信(アウトバウンド): 最初の5GBまで無料
  • 5GB~10TB: 約14円/GB
  • 受信(インバウンド): 無料

コスト削減の方法

無駄なコストを削減するテクニック。

削減方法:

  1. 使わない時はVMを停止(割り当て解除)
  2. 開発環境は動的IPを使用
  3. Azure Bastionでパブリック IP削減
  4. Load Balancerで複数VMを1つのIPに
  5. 不要なIPは即削除

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法

問題1:パブリックIPでアクセスできない

確認事項:

  • NSGで該当ポートが許可されているか
  • VMのファイアウォール設定
  • サービスが正しく起動しているか
  • DNSの伝播待ち(最大48時間)

問題2:IPアドレスが変わってしまった

解決策:

  • 静的IPに変更
  • Azure DNS使用
  • Dynamic DNSサービス利用

問題3:Microsoft 365に接続できない

確認事項:

  • 最新のIP範囲を確認
  • プロキシ設定の除外
  • SSL検査の除外設定
  • ExpressRouteの設定確認

実践例:WebサーバーをグローバルIPで公開

手順を追って設定

実際にWebサーバーを公開する例です。

1. VMの作成:

# Azure CLIでVM作成
az vm create \
  --resource-group myRG \
  --name myWebServer \
  --image UbuntuLTS \
  --public-ip-address myPublicIP \
  --public-ip-address-allocation static

2. Webサーバーのインストール:

# Apache/Nginxインストール
sudo apt update
sudo apt install nginx -y
sudo systemctl start nginx

3. NSGでHTTP/HTTPS許可:

# ポート80/443を開放
az vm open-port --port 80 --resource-group myRG --name myWebServer
az vm open-port --port 443 --resource-group myRG --name myWebServer --priority 901

4. DNS設定:

  • ドメインのAレコードをパブリックIPに向ける
  • Azure DNSゾーンも利用可能

IPアドレス管理の自動化

Azure Resource Manager(ARM)テンプレート

インフラのコード化で管理を効率化。

ARMテンプレート例:

{
  "type": "Microsoft.Network/publicIPAddresses",
  "apiVersion": "2020-11-01",
  "name": "[parameters('publicIPName')]",
  "location": "[parameters('location')]",
  "sku": {
    "name": "Standard"
  },
  "properties": {
    "publicIPAllocationMethod": "Static",
    "dnsSettings": {
      "domainNameLabel": "[parameters('dnsLabel')]"
    }
  }
}

PowerShellでの一括管理

複数のIPを効率的に管理。

# すべてのパブリックIPを取得
$publicIPs = Get-AzPublicIpAddress

# 未使用のIPを検出
$unusedIPs = $publicIPs | Where-Object {$_.IpConfiguration -eq $null}

# 未使用IPを削除
$unusedIPs | Remove-AzPublicIpAddress -Force

よくある質問(FAQ)

Q1: IPv6は使える?

A: はい、AzureではIPv6もサポートしています。デュアルスタック構成も可能です。

Q2: 1つのVMに複数のパブリックIPを割り当てられる?

A: はい、複数のネットワークインターフェイスまたはIP構成を使用して可能です。

Q3: オンプレミスの固定IPをAzureで使える?

A: いいえ、AzureのIPアドレス範囲から割り当てられます。BYOIP(Bring Your Own IP)は限定的にサポート。

Q4: Microsoft 365のIP範囲はどのくらいの頻度で変わる?

A: 月に1-2回程度更新されます。RSSフィードで更新通知を受け取れます。

Q5: パブリックIPなしでインターネットアクセスできる?

A: はい、NAT GatewayやAzure Firewallを経由すれば可能です。


監視とログ分析

Azure Monitorでの監視

IPアドレスの使用状況を監視しましょう。

監視項目:

  • DDoS攻撃の検知
  • データ転送量
  • 接続数
  • パケットドロップ率

アラート設定例:

メトリック: DDoS攻撃の可能性
しきい値: 1より大きい
期間: 5分
アクション: メール通知

Log Analyticsでの分析

詳細なログ分析で問題を早期発見。

クエリ例:

// 過去24時間の接続元IPトップ10
AzureDiagnostics
| where TimeGenerated > ago(24h)
| where ResourceType == "PUBLICIPADDRESSES"
| summarize count() by CallerIpAddress
| top 10 by count_

まとめ:グローバルIPを使いこなして、クラウドを最大活用!

MicrosoftのグローバルIP管理について、基本から実践まで解説してきました。

この記事のポイント: ✅ Azureでは静的/動的パブリックIPが選択可能 ✅ Microsoft 365のIP範囲は定期的に確認が必要 ✅ NSGとAzure Firewallで適切なセキュリティ対策 ✅ コスト最適化で月額料金を削減 ✅ 自動化で効率的な管理を実現

今すぐやるべきこと:

  1. 現在のパブリックIP使用状況を確認
  2. 不要なIPアドレスを削除
  3. NSGのルールを見直し
  4. Microsoft 365のIP範囲を最新化
  5. 監視アラートを設定

最後にアドバイス: グローバルIPは「クラウドへの入り口」です。 適切に管理すれば、セキュアで効率的なクラウド環境が構築できます。

料金を気にして避けがちですが、必要な場所には投資する価値があります。 この記事を参考に、最適なIP管理を実現してください!

セキュリティとコストのバランスを取りながら、クラウドのメリットを最大限に活用しましょう!

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