「プログラムの一覧を見たら、Microsoft Visual C++が10個以上ある…」 「2005、2008、2010、2012…なんでこんなにたくさん?」 「容量を空けたいから削除したいけど、大丈夫?」 「アンインストールしたらパソコンが動かなくなる?」
パソコンの容量を整理しようとして、こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、これらを安易に削除すると、普段使っているソフトが突然動かなくなる可能性があるんです。でも、場合によっては削除できるものもあります。
今回は、Microsoft Visual C++とは何か、削除するとどうなるのか、どれなら削除してもいいのか、すべての疑問に答えます!
そもそもMicrosoft Visual C++って何?なぜこんなにたくさんあるの?

Visual C++再配布可能パッケージの正体
簡単に言うと: *ソフトを動かすための「部品集」みたいなものです。
例えるなら:
- ソフト = 車
- Visual C++ = エンジンやタイヤなどの共通部品
多くのソフトがこの「共通部品」を使って動いているんです。
なぜ複数のバージョンが必要?
それぞれのソフトが、作られた時代の部品を必要とするから!
例えば:
- 2010年に作られたソフト → Visual C++ 2010が必要
- 2015年に作られたソフト → Visual C++ 2015が必要
- 2022年に作られたソフト → Visual C++ 2022が必要
だから、古いバージョンも新しいバージョンも、全部必要なんです。
よく見るバージョンの一覧
プログラム一覧でよく見かけるもの:
Microsoft Visual C++ 2005 Redistributable
Microsoft Visual C++ 2008 Redistributable
Microsoft Visual C++ 2010 Redistributable
Microsoft Visual C++ 2012 Redistributable
Microsoft Visual C++ 2013 Redistributable
Microsoft Visual C++ 2015-2022 Redistributable
x86とx64の違い:
- x86:32ビット版のソフト用
- x64:64ビット版のソフト用
64ビットWindowsなら、両方必要になることが多いです。
削除するとどうなる?起こりうる5つの問題

問題1:ソフトが起動しなくなる
最も多い症状:
- 「○○.dllが見つかりません」エラー
- 「MSVCP○○.dllが見つからないため…」
- 「VCRUNTIME○○.dllが見つかりません」
影響を受けやすいソフト:
- ゲーム(特にSteamのゲーム)
- Adobe製品(Photoshop、Premiere等)
- 動画編集ソフト
- 3Dソフト
- プログラミング関連ツール
問題2:ソフトの一部機能が使えなくなる
- 特定の機能だけエラー
- プラグインが動作しない
- エフェクトが適用できない
問題3:Windows Updateでエラー
Visual C++が不足していると、Windows Updateが失敗することもあります。
問題4:新しいソフトがインストールできない
インストール時に「Visual C++が必要です」というエラーが出ます。
問題5:システムが不安定になる
最悪の場合、Windowsの動作自体が不安定になる可能性も。
どれなら削除してもいい?安全な判断基準
基本原則:削除しない方が安全!
容量を確認してみましょう:
- 各Visual C++:約10〜50MB程度
- 全部合わせても:500MB以下
500MBは:
- 写真100枚分程度
- 動画1本分程度
- Windows全体の0.5%以下
この程度なら、削除するリスクの方が大きいです。
それでも削除したい場合の判断基準
比較的安全に削除できる可能性があるもの:
- 重複しているもの
- 同じバージョンのx86とx64で、片方しか使わない場合
- ただし、判断が難しいので推奨しません
- 明らかに使っていないバージョン
- 例:ゲームをしない人のゲーム用Visual C++
- でも、どれがどのソフト用か判断は困難
絶対に削除してはいけないもの:
- 最新バージョン(2015-2022)
- Windowsのシステムフォルダ内のもの
- 「Microsoft Visual Studio」本体(開発環境)
プロの判断方法
使用中のVisual C++を確認する方法:
- Process Explorer(Microsoft公式ツール)を使用
- 起動中のソフトが使っているDLLを確認
- どのVisual C++が必要か判明
でも、これは上級者向けの方法です。
【推奨】削除せずに容量を確保する賢い方法
もっと効果的な容量節約術
削除すべき優先順位:
- ディスククリーンアップ(10GB以上空く可能性)
- Windowsキー + R → cleanmgr
- システムファイルのクリーンアップ
- Windows.oldフォルダ削除
- 一時ファイルの削除(数GB)
- %temp%フォルダの中身
- ブラウザのキャッシュ
- ダウンロードフォルダの整理
- 不要なソフトのアンインストール
- 使っていないゲーム
- 試用版ソフト
- プリインストールソフト
- 大容量ファイルの移動
- 動画ファイル
- 音楽ファイル
- 古い写真
これらの方が、Visual C++削除より100倍効果的です!
ストレージセンサーの活用
Windows 10/11の便利機能:
- 設定→システム→記憶域
- 「ストレージセンサー」をオン
- 自動的に不要ファイルを削除
Visual C++は削除対象になりません(重要だから)。
どうしても削除してしまった場合の復旧方法

症状別の対処法
「○○.dllが見つかりません」エラーが出た場合:
- どのバージョンが必要か確認
- エラーメッセージのDLL名をメモ
- 「MSVCP140.dll」→ 2015-2022が必要
- 「MSVCP120.dll」→ 2013が必要
- 「MSVCP110.dll」→ 2012が必要
- 必要なバージョンを再インストール
Microsoft公式サイトからダウンロード
最新版(2015-2022)のダウンロード:
- Microsoft公式サイトにアクセス
- 「Visual C++ Redistributable」で検索
- 必ず公式サイトから
- 自分のWindowsに合わせて選択
- 64ビットWindows → x64版(必須)+ x86版(推奨)
- 32ビットWindows → x86版のみ
- ダウンロードして実行
- 管理者権限で実行
- 指示に従ってインストール
全バージョン一括インストール
Visual C++ Runtimes All-in-One(非公式だが便利):
- すべてのバージョンを一度にインストール
- ただし、公式ではないので自己責任
推奨:個別に公式版をインストール
アンインストールの正しい手順(どうしても必要な場合)
安全にアンインストールする方法
事前準備:
- システムの復元ポイントを作成
- 重要なデータのバックアップ
- 使用中のソフト一覧をメモ
アンインストール手順:
- 設定→アプリ→アプリと機能
- 「Microsoft Visual C++」で検索
- 削除したいバージョンを選択
- 「アンインストール」をクリック
削除の順番(もし削除するなら):
- 最も古いバージョンから
- x86版を先に(32ビット版)
- 様子を見ながら1つずつ
アンインストール後の確認
必ずチェック:
- よく使うソフトが起動するか
- エラーメッセージが出ないか
- Windows Updateが正常に動作するか
問題が起きたら:
- すぐに再インストール
- システムの復元を実行
Visual C++のトラブルシューティング
よくあるトラブルと解決法
トラブル1:インストールできない
原因と対策:
- Windows Updateを最新に
- 既存のVisual C++を修復
- セーフモードでインストール
トラブル2:「既にインストールされています」エラー
解決方法:
- コントロールパネルから修復
- それでもダメなら一度アンインストール
- 再インストール
トラブル3:0x80070666エラー
対処法:
- 新しいバージョンが既にある
- 古いバージョンは不要
- そのままでOK
Visual C++の修復方法
破損している場合の修復:
- アプリと機能から該当バージョンを選択
- 「変更」または「詳細オプション」
- 「修復」を選択
- 完了まで待つ
プログラマー・開発者向けの情報
Visual StudioとVisual C++の違い
Visual Studio:
- 開発環境(プログラムを作るソフト)
- 数GB〜数十GBの容量
- 一般ユーザーは不要
Visual C++ Redistributable:
- 実行に必要なランタイム
- 数十MBの容量
- 一般ユーザーも必要
開発者が注意すべきこと
- 開発環境は削除してもランタイムは残す
- デバッグ版とリリース版の違いを理解
- 配布時は必要なランタイムを明記
まとめ:Visual C++は「削除しない」が正解!
Microsoft Visual C++再配布可能パッケージは、削除するリスクの方が大きいです。
覚えておくべきポイント:
✅ 基本的に削除しない
- 容量は全部で500MB程度
- 多くのソフトが依存している
- 削除してもほとんど容量は増えない
✅ 各バージョンに意味がある
- 古いバージョンも必要
- x86もx64も両方必要
- 重複に見えても実は違う
✅ 削除するとソフトが動かなくなる
- エラーメッセージが出る
- 最悪Windowsが不安定に
- 復旧に時間がかかる
✅ 容量確保は他の方法で
- ディスククリーンアップ
- 一時ファイルの削除
- 不要なソフトのアンインストール
- これらの方が100倍効果的
✅ どうしても削除した場合
- 公式サイトから再インストール
- エラーが出たらすぐ対処
- システムの復元も選択肢
最後に一言: Visual C++は、縁の下の力持ち。見えないところでたくさんのソフトを支えています。そっとしておいてあげるのが、パソコンにとって一番いいんです。
容量不足で困っているなら、他の方法を試してみてくださいね!
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