パソコンの「黒い画面」って見たことありますか?
コマンドプロンプトやPowerShell…なんだか難しそうで避けていた人も多いはず。
でも、**Windows Terminal(ウィンドウズ ターミナル)**の登場で、この「黒い画面」が驚くほど使いやすく、そしてカッコよくなったんです!
複数のタブが使えたり、背景を透明にできたり、絵文字が表示できたり…まるで別物に生まれ変わりました。
今回は、このWindows Terminalについて、初心者でも「使ってみたい!」と思えるように、基本から活用方法まで分かりやすく解説します。
プログラマーじゃなくても、きっと便利に使えるはずです!
Windows Terminalとは:コマンド操作の統合環境

基本の定義
Windows Terminalとは、Microsoftが開発した新しいターミナルアプリケーションです。
2019年に登場し、Windows 11では標準搭載されています。
もっと簡単に言うと、**パソコンに文字で命令を送るための、最新の「窓口アプリ」**です。
ターミナルって何?
ターミナル = コンピュータと対話する場所
普段はマウスでクリックして操作しますが、ターミナルではキーボードで文字(コマンド)を入力して操作します。
身近な例えで理解
🏪 コンビニで例えると
- 通常の操作:セルフレジ(ボタンをタッチ)
- ターミナル:店員さんに口頭で注文
どちらでも買い物はできますが、慣れると口頭注文の方が速い場合もありますよね。
従来のツールとの関係
Windows Terminalは、これまでバラバラだった以下のツールを1つのアプリで管理できます:
- コマンドプロンプト(cmd):昔からあるコマンドツール
- PowerShell:より高機能なコマンドツール
- WSL(Linux):Windows上でLinuxを動かす環境
- Azure Cloud Shell:クラウド操作用
つまり、**すべてのコマンドツールの「統合管理アプリ」**なんです!
なぜWindows Terminalがすごいの?
従来のコマンドプロンプトの問題点
昔の黒い画面の不便な点
😞 見た目が古い
- 黒い背景に白い文字だけ
- フォントも見づらい
- カスタマイズがほぼ不可能
😞 機能が限定的
- タブが使えない(複数開くと管理が大変)
- コピペが面倒
- 日本語表示が苦手
😞 使い勝手が悪い
- ウィンドウサイズの変更が制限的
- 検索機能が貧弱
- ショートカットキーが少ない
Windows Terminalの革新的な機能
見た目のカスタマイズ
✨ テーマと配色
- 背景色や文字色を自由に変更
- 透明度の調整(背景が透けて見える!)
- 背景画像も設定可能
✨ フォントの自由度
- 好きなフォントを選べる
- プログラミング用フォントも対応
- 絵文字も表示可能 🎉
使い勝手の向上
🚀 タブ機能
- ブラウザのように複数タブで作業
- タブの分割表示も可能
- ショートカットで素早く切り替え
🚀 便利な操作
- Ctrl+C、Ctrl+Vでコピペ可能
- マウスでテキスト選択
- 検索機能(Ctrl+Shift+F)
インストール方法:3つの入手方法
方法1:Microsoft Store(一番簡単)
Windows 10/11での手順
- Microsoft Storeを開く
- スタートメニューから「Microsoft Store」
- 検索
- 「Windows Terminal」で検索
- インストール
- 「入手」または「インストール」をクリック
- 完了
- 自動でインストールされる
方法2:Windows 11なら最初から入ってる
Windows 11では標準搭載されています!
確認方法
- スタートメニューを開く
- 「terminal」と入力
- Windows Terminalが表示される
方法3:GitHubから(上級者向け)
最新版や開発版を使いたい場合:
- GitHub の Windows Terminal ページへ
- Releases から最新版をダウンロード
- インストーラーを実行
基本的な使い方:まずはここから

起動方法
3つの起動方法
- スタートメニューから
- 「Windows Terminal」をクリック
- 検索から
- Windowsキー → 「wt」と入力 → Enter
- 右クリックメニューから
- エクスプローラーで右クリック
- 「ターミナルで開く」(Windows 11)
基本操作
タブの操作
📑 新しいタブを開く
- Ctrl + Shift + T
- または「+」ボタンをクリック
📑 タブを切り替える
- Ctrl + Tab(次のタブ)
- Ctrl + Shift + Tab(前のタブ)
📑 タブを閉じる
- Ctrl + Shift + W
- またはタブの「×」をクリック
画面分割(ペイン)
🔲 画面を分割
- Alt + Shift + D:縦に分割
- Alt + Shift + -:横に分割
🔲 ペイン間の移動
- Alt + 矢印キー
よく使うコマンド例
ファイル・フォルダ操作
# 現在の場所を表示
pwd
# ファイル一覧を表示
dir(コマンドプロンプト)
ls(PowerShell)
# フォルダ移動
cd フォルダ名
# フォルダ作成
mkdir 新しいフォルダ名
# ファイルコピー
copy ファイル名 コピー先
システム情報
# IPアドレスを確認
ipconfig
# パソコンの情報
systeminfo
# ディスク容量確認
wmic logicaldisk get size,freespace,caption
カスタマイズ:自分好みに設定しよう
設定画面の開き方
- Ctrl + ,(コンマ)を押す
- または、タブバーの「∨」→「設定」
外観のカスタマイズ
配色テーマの変更
- 設定 → 配色
- 好きなテーマを選択
- Campbell(標準)
- One Half Dark(人気)
- Solarized Dark(目に優しい)
- Tango Light(明るい)
透明度の設定
- 設定 → 外観
- 「透明度を有効にする」をオン
- スライダーで透明度を調整
背景画像の設定
- プロファイル → 外観
- 背景画像のパス → 参照
- 画像を選択
- 不透明度を調整(20-30%がおすすめ)
プロファイルの管理
プロファイルとは?
使用するシェル(コマンドプロンプト、PowerShellなど)ごとの設定セットです。
デフォルトプロファイルの変更
- 設定 → スタートアップ
- 既定のプロファイル → 選択
- PowerShellがおすすめ
新しいプロファイルの追加
- 設定 → プロファイル → 新しいプロファイル
- 名前とコマンドラインを設定
- アイコンや色をカスタマイズ
便利な活用例:実際に使ってみよう
ファイル管理を効率化
大量のファイル名を一括変更
PowerShellで:
# .txtファイルすべてに日付を追加
Get-ChildItem *.txt | Rename-Item -NewName {$_.BaseName + "_2024" + $_.Extension}
特定の拡張子のファイルを検索
# 現在のフォルダ以下のすべての.pdfファイルを検索
Get-ChildItem -Recurse -Filter *.pdf
ネットワーク診断
インターネット接続の確認
# Googleに接続できるか確認
ping google.com
# 詳細な経路を確認
tracert google.com
システムメンテナンス
ディスクのクリーンアップ
# ディスククリーンアップを起動
cleanmgr
# システムファイルチェック
sfc /scannow
開発者向けの使い方
Git操作
# リポジトリのクローン
git clone https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名
# 変更をコミット
git add .
git commit -m "変更内容"
git push
npm/Node.js
# パッケージインストール
npm install
# 開発サーバー起動
npm run dev
上級テクニック

ショートカットキーを極める
必須ショートカット
- Ctrl + Shift + T:新規タブ
- Ctrl + Shift + 数字:特定のタブへ移動
- Alt + Enter:全画面モード
- Ctrl + Shift + F:検索
- Ctrl + =:文字を大きく
- Ctrl + –:文字を小さく
Windows Terminal特有の機能
コマンドパレット
Ctrl + Shift + P で開く万能メニュー。 すべての機能にアクセス可能!
JSON設定ファイル
上級者は settings.json を直接編集:
{
"defaultProfile": "{guid}",
"theme": "dark",
"profiles": {
"defaults": {
"fontFace": "Cascadia Code",
"fontSize": 12
}
}
}
WSLとの連携
LinuxをWindows上で使う
- WSLをインストール
- Windows TerminalでUbuntuタブを開く
- Linuxコマンドが使える!
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
文字化けする
対処法:
- プロファイル設定 → エンコード
- 「UTF-8」に変更
起動が遅い
対処法:
- スタートアップのプロファイル数を減らす
- 不要な拡張機能を無効化
コマンドが認識されない
対処法:
- PowerShellタブで実行してみる
- 管理者権限で起動する
他のターミナルとの比較
Windows Terminal vs コマンドプロンプト
機能 | Windows Terminal | コマンドプロンプト |
---|---|---|
タブ機能 | ◯ | × |
カスタマイズ | ◯ | △ |
Unicode対応 | ◯ | △ |
GPU アクセラレーション | ◯ | × |
複数シェル統合 | ◯ | × |
Windows Terminal vs 他社製ターミナル
ConEmu、Hyper、Cmder との比較
Windows Terminalの利点:
- Microsoft公式(安心)
- Windows統合が優秀
- 無料
- 定期的なアップデート
よくある質問
Q1. プログラマーじゃなくても使える?
A. もちろん使えます!
ファイル管理、ネットワーク診断、システム設定など、一般ユーザーでも便利な機能がたくさんあります。
Q2. コマンドプロンプトとPowerShellどっちを使うべき?
A. PowerShellがおすすめです。
より多機能で、現代的なコマンドが使えます。 ただし、古いバッチファイルを動かす時はコマンドプロンプトが必要な場合も。
Q3. 間違えて危険なコマンドを実行しないか心配…
A. 基本的なルールを守れば大丈夫:
- 知らないコマンドは実行しない
- 管理者権限は必要な時だけ
- 重要なファイルは事前にバックアップ
Q4. Mac のターミナルとは違う?
A. 基本的な考え方は同じですが、コマンドが異なります。
- Mac/Linux:bashやzshがメイン
- Windows:PowerShellがメイン
WSLを使えばLinuxコマンドも使えます!
まとめ:Windows Terminalで作業効率アップ!
今回はWindows Terminalについて詳しく解説しました。
押さえておきたいポイント
📌 Windows Terminalとは
- Microsoftの最新ターミナルアプリ
- 複数のシェルを統合管理
- Windows 11では標準搭載
📌 従来との違い
- タブ機能で複数作業が快適
- 見た目を自由にカスタマイズ
- コピペなど操作性が大幅向上
📌 基本操作
- Ctrl + Shift + T:新規タブ
- Alt + Shift + D:画面分割
- Ctrl + ,:設定画面
📌 便利な使い方
- ファイルの一括処理
- ネットワーク診断
- システムメンテナンス
- 開発環境として
📌 カスタマイズ
- テーマや配色を変更
- 背景画像や透明度設定
- フォントやサイズ調整
Windows Terminalは、見た目は「黒い画面」でも、中身は最新技術が詰まった強力なツールです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、使い始めると「マウスでポチポチ」より速く作業できることに気づくはずです。
まずは簡単なファイル操作から始めて、徐々に慣れていきましょう。
きっと、あなたのパソコンライフがもっと効率的で楽しくなりますよ!
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