【釣鐘をかぶった一つ目の巨人】那智山の鬼とは?千本の矢での退治伝説をやさしく解説!

神話・歴史・伝承

和歌山県の那智山に、身長9メートルもある一つ目の鬼がいたって知っていますか?

しかもこの鬼、大きな釣鐘を頭にかぶって矢を防ぐという、とんでもない防御力を持っていたんです。

999本の矢を撃っても倒せなかった鬼が、最後の1本でついに…。

この記事では、和歌山県那智山に伝わる知恵と勇気の退治伝説について詳しくご紹介します。

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那智山の鬼ってどんな妖怪なの?

那智山の鬼は、和歌山県の那智山に住んでいたとされる一つ目の巨大な鬼です。

身長は約9メートル(三丈)もあり、山から下りてきては村人や役人を襲う恐ろしい存在でした。最大の特徴は、大きな釣鐘を頭にかぶって矢を防ぐという独特な防御方法。この賢い戦術のせいで、なかなか退治できなかったんです。

最終的には、狩場刑部左衛門(かりばぎょうぶざえもん)という武士の知恵と勇気によって退治されました。

伝承

那智山の鬼退治は、知恵比べの物語でもあります。

鬼の脅威

昔、那智山に恐ろしい一つ目の鬼が住み着きました。

村人たちを襲い、農作物を奪い、人々は恐怖に怯える日々。困り果てた新宮の殿様は、古座奥に住む狩場刑部左衛門という弓の名手に退治を命じます。

千本の矢の準備

刑部左衛門は、なんと3年もかけて準備をしました。

蓬(よもぎ)の矢を1000本も作ったんです。普通の矢じゃダメだと考えたんでしょうね。蓬には魔除けの力があるといわれていますから。

釣鐘の防御

いよいよ対決の時。

刑部左衛門が矢を放つと、鬼は大きな釣鐘を頭からかぶって防ぎます。カーン、カーンと音を立てて矢が弾かれ、999本もの矢が全て無駄になってしまいました。

知恵の勝利

999本目の矢を撃ち終えた刑部左衛門は、地面にひれ伏して言います。

「もう矢が尽きた…」

鬼は勝利を確信し、これ見よがしに釣鐘を脱ぎ捨てて襲いかかってきました。しかし、これこそが刑部左衛門の作戦!隠し持っていた1000本目の矢を鬼の眉間に突き刺し、見事に退治したのです。

その後の褒美

殿様から褒美を聞かれた刑部左衛門の願いは、意外なものでした。

「那智谷の木の実を永久に拾える権利をください」

以来、年に一度、古座奥から那智へやってきて、木の実狩りを楽しんだといいます。

今も色川の川原には、鬼が隠れたという岩が残っているそうです。

まとめ

那智山の鬼は、知恵と勇気で退治された一つ目の巨人です。

那智山の鬼の重要ポイント

  • 身長約9メートルの一つ目の巨人
  • 釣鐘を頭にかぶって矢を防ぐ知恵
  • 3年かけて作った1000本の蓬の矢
  • 999本撃って油断させる作戦
  • 刑部左衛門の知恵の勝利

この物語は、力だけでなく知恵と忍耐の大切さを教えてくれます。

和歌山県を訪れる機会があれば、那智山や色川の川原で、この伝説に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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