WordPressでブログやサイトを運営していると、「もう少しデザイン性を高めたい」「重要な部分を目立たせたい」と思うことがありますよね。
そんな時に役立つのが「枠線(ボーダー)」機能です。枠線を上手に使うことで、文章を読みやすくしたり、重要な情報を際立たせたり、サイト全体の印象をガラリと変えることができます。
特に最新のWordPressでは、プログラミング知識がなくても簡単に美しい枠線を設定できるようになりました。ブロックエディタ(Gutenberg)の機能を使えば、クリック操作だけでプロ並みのデザインが実現できます。
この記事では、WordPressで枠線を設定する様々な方法を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
WordPressの枠線設定基本操作

ブロックエディタでの枠線追加
現在のWordPressでは、「ブロックエディタ」という編集画面が標準となっています。
枠線を追加したいブロック(段落、見出し、画像など)を選択すると、右側に「ブロック設定」パネルが表示されます。この中にある「ボーダー」の項目から、簡単に枠線の設定ができます。
「ボーダー」セクションで、線の太さ、色、スタイル(実線、破線、点線など)を自由に選択できます。変更は即座にプレビューに反映されるので、納得いくまで調整してみてください。
枠線の種類と特徴
WordPressで設定できる枠線には、いくつかの種類があります。
実線(solid)は最もスタンダードで、どんなコンテンツにも合わせやすい枠線です。破線(dashed)は少しカジュアルな印象を与え、点線(dotted)は可愛らしい雰囲気を演出できます。
二重線(double)は重要度の高い情報に使用すると効果的で、groove や ridge といった立体的な枠線も選択できます。コンテンツの内容や目的に応じて、適切なスタイルを選びましょう。
色の選択と組み合わせ
枠線の色選択は、サイト全体のデザインとの調和を考えることが重要です。
基本的には、サイトのテーマカラーと合わせるか、コンテンツの内容に応じた色を選択します。注意を引きたい場合は赤やオレンジ、落ち着いた印象にしたい場合はグレーや紺色が効果的です。
カラーパレットから選択するだけでなく、カラーコード(#FF0000など)を直接入力することで、より細かな色調整も可能です。
特定ブロックへの枠線適用方法
段落ブロックの枠線設定
最も頻繁に使用されるのが、段落ブロックへの枠線設定です。
枠線を追加したい段落をクリックして選択し、右側の設定パネルから「ボーダー」セクションを探してください。「幅」で線の太さを調整し、「色」でお好みの色を選択します。
また、「すべての辺」ではなく「カスタム」を選択することで、上下左右のうち特定の辺のみに枠線を設定することも可能です。例えば、左側だけに縦線を入れることで、引用文のような見た目を作ることができます。
見出しブロックの装飾
見出しに枠線を追加することで、より目立つデザインにできます。
見出しブロックを選択して、同様にボーダー設定を行います。見出しの場合は、下線のみを追加するスタイルが人気です。これにより、見出しとコンテンツの境界が明確になり、読みやすさが向上します。
太めの線を使用することで存在感を増したり、テーマカラーを使用することでサイトの統一感を演出したりできます。
画像ブロックの縁取り
画像に枠線を追加することで、写真をより際立たせることができます。
画像ブロックを選択し、ボーダー設定で薄いグレーの実線を追加するのが一般的です。これにより、白い背景に溶け込みがちな画像もはっきりと表示されるようになります。
アート系のサイトでは、太めの枠線や特殊な色を使用することで、ギャラリーのような雰囲気を演出することも可能です。
グループブロックでの一括設定
複数のブロックをまとめて枠線で囲みたい場合は、「グループブロック」を活用しましょう。
対象となるブロックを選択し、ブロック追加ボタンから「グループ」を選択して、選択したブロックをグループ化します。その後、グループブロック全体に対して枠線設定を行うことで、複数のコンテンツを一つの枠で囲むことができます。
この方法は、関連する情報をまとめて表示したい時や、重要なお知らせを目立たせたい時に特に効果的です。
テーマファイルでの高度な枠線カスタマイズ
CSSでの詳細制御
より高度な枠線デザインを実現したい場合は、CSSを使用した方法もあります。
WordPressの「外観」→「テーマエディター」からstyle.cssファイルを編集するか、「外観」→「カスタマイズ」→「追加CSS」からカスタムCSSを追加できます。
例えば、「border-radius」プロパティを使用することで角丸の枠線を作ったり、「box-shadow」を組み合わせることで影付きの枠線を実現したりできます。
クラス名を使った一括適用
特定のデザインを複数の場所で使いまわしたい場合は、CSSクラスを作成しましょう。
.my-border {
border: 2px solid #3498db;
border-radius: 5px;
padding: 15px;
background-color: #f8f9fa;
}
このようなCSSを追加することで、ブロックの「高度な設定」で「追加CSSクラス」に「my-border」と入力するだけで、統一されたデザインの枠線を適用できます。
疑似要素を使った装飾
CSSの疑似要素(::before、::after)を使用することで、より創造的な枠線デザインが可能になります。
例えば、枠線の角にアイコンを配置したり、グラデーションを使った複雑な境界線を作成したりできます。ただし、この方法は中級者以上向けのテクニックなので、基本的な操作に慣れてから挑戦することをおすすめします。
プラグインを活用した枠線機能拡張

Advanced Gutenberg
「Advanced Gutenberg」プラグインを使用することで、標準のブロックエディタにはない高度な枠線機能を利用できます。
このプラグインでは、影付きの枠線、グラデーション境界線、アニメーション効果など、より豊富なオプションが提供されています。インストール後は、各ブロックの設定パネルに新しいオプションが追加されます。
特に、ボックスシャドウの細かな調整や、複数の枠線を重ねる機能などは、プロフェッショナルなデザインを実現する際に重宝します。
Ultimate Addons for Gutenberg
「Ultimate Addons for Gutenberg」も、枠線機能を大幅に拡張してくれるプラグインです。
このプラグインの特徴は、リアルタイムプレビュー機能と直感的な操作性です。設定を変更するとすぐに結果が確認できるので、理想的なデザインを素早く見つけることができます。
また、レスポンシブ対応の設定も簡単で、スマートフォンとパソコンで異なる枠線デザインを適用することも可能です。
Kadence Blocks
「Kadence Blocks」は、特にレイアウト関連の機能が充実したプラグインです。
枠線機能についても、角丸の詳細設定、複雑なパターンの境界線、ホバーエフェクトなど、標準機能では実現できない高度なデザインが可能になります。
さらに、カラーパレットの管理機能により、サイト全体で統一された色使いを維持しやすくなっています。
レスポンシブ対応の枠線デザイン
デバイス別の表示調整
現代のWebサイトでは、スマートフォン、タブレット、パソコンなど、様々なデバイスで適切に表示される必要があります。
WordPressのブロックエディタでは、デバイス別のプレビュー機能を使用して、異なる画面サイズでの見え方を確認できます。枠線の太さや余白の調整により、どのデバイスでも美しく表示されるよう調整しましょう。
特に、スマートフォンでは画面が小さいため、太すぎる枠線は圧迫感を与える可能性があります。
ブレイクポイントでの調整
CSSメディアクエリを使用することで、画面サイズに応じて枠線のスタイルを自動的に変更できます。
/* デスクトップ */
.responsive-border {
border: 3px solid #333;
}
/* タブレット */
@media (max-width: 768px) {
.responsive-border {
border: 2px solid #333;
}
}
/* スマートフォン */
@media (max-width: 480px) {
.responsive-border {
border: 1px solid #333;
}
}
このような設定により、デバイスの画面サイズに最適化された枠線を自動で表示できます。
タッチデバイス対応
スマートフォンやタブレットなどのタッチデバイスでは、枠線を含むデザイン要素がユーザーの操作に影響することがあります。
特に、枠線で囲まれた領域がボタンやリンクのように見える場合は、ユーザーが誤ってタップしてしまう可能性があります。デザインの美しさと使いやすさのバランスを考慮した設計を心がけましょう。
トラブルシューティング
枠線が表示されない場合
枠線の設定を行ったにも関わらず表示されない場合は、いくつかの原因が考えられます。
まず、テーマのCSSが枠線設定を上書きしている可能性があります。ブラウザの開発者ツールを使用して、実際に適用されているCSSを確認してみてください。
また、キャッシュプラグインを使用している場合は、キャッシュをクリアすることで問題が解決する場合があります。
テーマとの競合問題
使用しているWordPressテーマが独自の枠線スタイルを持っている場合、設定した枠線と競合することがあります。
この場合は、テーマのカスタマイザーや設定ページで、競合する要素を無効にするか、CSSの詳細度を上げて設定を優先させる必要があります。
「!important」宣言を使用することで強制的に適用することも可能ですが、これは最後の手段として考えてください。
パフォーマンスへの影響
複雑な枠線デザインや多数のCSSルールは、サイトの読み込み速度に影響を与える可能性があります。
特に、ボックスシャドウやグラデーションなどの視覚効果は、処理負荷が高くなりがちです。デザインの美しさとパフォーマンスのバランスを考慮し、必要以上に複雑な設定は避けるようにしましょう。
定期的にサイトの読み込み速度をチェックして、問題がないか確認することをおすすめします。
枠線デザインのベストプラクティス
統一感のあるデザイン
サイト全体で一貫性のある枠線デザインを心がけることが重要です。
同じページ内で異なるスタイルの枠線を多用すると、統一感が失われて見た目が悪くなります。2〜3種類程度の基本パターンを決めて、それを一貫して使用することをおすすめします。
色についても、サイトのテーマカラーに合わせることで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
読みやすさを優先
枠線の目的は、コンテンツを見やすくすることです。
装飾性を重視しすぎて、肝心のテキストが読みにくくなっては本末転倒です。特に、背景色と枠線の色のコントラストには注意を払い、十分な視認性を確保しましょう。
また、枠線内の余白(padding)も適切に設定することで、窮屈感のない読みやすいレイアウトを実現できます。
アクセシビリティへの配慮
枠線デザインを考える際は、すべてのユーザーにとって使いやすいサイトになるよう配慮することが大切です。
色覚に障害のある方でも区別できるよう、色だけでなく線の太さやスタイルでも情報を伝えるようにしましょう。また、スクリーンリーダーを使用している方のために、適切なHTMLの構造を維持することも重要です。
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)の基準を参考にして、アクセシブルなデザインを心がけてください。
まとめ:WordPressの枠線で魅力的なサイトを作ろう
WordPressの枠線機能を活用することで、サイトの見た目を大幅に改善し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
基本的なブロックエディタの機能から始めて、慣れてきたらCSSやプラグインを使った高度なカスタマイズにも挑戦してみてください。重要なのは、装飾のための装飾ではなく、コンテンツをより魅力的に、読みやすく見せるためのツールとして枠線を活用することです。
統一感のあるデザイン、読みやすさ、アクセシビリティに配慮しながら、あなたのサイトに最適な枠線デザインを見つけてください。適切に設定された枠線は、訪問者にとって快適な読書体験を提供し、サイトの印象を大きく向上させてくれるでしょう。
今日から早速、WordPressの枠線機能を使って、より魅力的なサイト作りを始めてみてくださいね。
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