基本中の基本:セーブデータは通常消えません

Steamゲームをアンインストールしても、90%以上のケースでセーブデータは自動的に保護されています。これは、セーブデータとゲーム本体が別々の場所に保存されているためです。
ただし、正しい知識と準備があれば、残りの10%のリスクも回避できます。
セーブデータが守られる仕組み
Steamは「ゲーム本体」と「セーブデータ」を賢く分離しています。
ゲーム本体はC:\Program Files (x86)\Steam\steamapps
に保存されます。一方、セーブデータは主に以下の3つの安全な場所に分散保存されているんです。
Windows環境での主要保存場所
- Documentsフォルダ
C:\Users\[ユーザー名]\Documents\My Games\[ゲーム名]
- 多くのゲームが採用する標準的な場所
- AppDataフォルダ
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\[ゲーム名]
- 隠しフォルダ内の安全な場所
- Steam Cloudサーバー
- インターネット上のSteamサーバーに自動バックアップ
- 対応ゲームのみ利用可能
この仕組みにより、ゲームをアンインストールしても、別の場所にあるセーブデータは影響を受けません。
再インストール時には、以前の続きからプレイを再開できます。
Steam Cloudが最強の味方:自動バックアップシステム

Steam Cloud対応の確認方法
Steam Cloudは2024年現在、33,500以上のゲームで利用可能な自動バックアップシステムです。
対応しているか確認する手順:
- Steamライブラリでゲームを右クリック
- 「プロパティ」→「一般」タブを開く
- 「Steam Cloudでゲームセーブを保持」のチェックボックスが表示されていれば対応
Steam Cloud対応ゲームは、プレイ終了後に自動的にセーブデータをオンラインサーバーにアップロードします。
PC故障やアンインストール後も、同じSteamアカウントでログインすれば自動的にデータが復元されるんです。
Dynamic Sync:2024年の革新的機能
Steam Deckユーザー向けに導入されたDynamic Sync機能により、ゲームプレイ中でもリアルタイムでクラウド同期が可能になりました。
Steam Deckを一時停止した瞬間に同期が開始され、別のPCで即座に続きをプレイできます。
アンインストール前の完璧な準備:3ステップ方式
ステップ1:セーブデータの場所を特定する
PCGamingWiki(pcgamingwiki.com)でゲーム名を検索すると、そのゲームのセーブデータの正確な保存場所が確認できます。
これは最も信頼性の高い情報源です。
手動で探す場合は、エクスプローラーのアドレスバーに以下を入力してください。
%USERPROFILE%\Documents\My Games\
→ Enterキー%LOCALAPPDATA%
→ Enterキー%APPDATA%
→ Enterキー
各フォルダ内でゲーム名や開発会社名のフォルダを探します。
ステップ2:手動バックアップを作成
重要なゲームのセーブデータは、外付けドライブやGoogleドライブなどのクラウドストレージに手動でコピーしておきます。
基本操作:
- フォルダを右クリック
- 「コピー」を選択
- バックアップ先で「貼り付け」
日付付きフォルダ名(例:Skyrim_Save_2024_12_01
)で管理すると、複数のバックアップを整理しやすくなります。
ステップ3:Steam Cloud同期を確認


確認手順:
- Steam設定→「クラウド」を開く
- 「Steamクラウドを有効にする(対応するアプリケーションでSteam Cloudの同期を有効にする)」にチェック
- ゲーム終了後、「Steam Cloud: 最新の状態」と表示されるまで待機
推奨バックアップツール:自動化で安心を手に入れる
GameSave Manager(初心者向け)
19,000以上のゲームに対応する定番ツールです。
特徴:
- 初回起動時に自動的にPC内のセーブデータを検出
- ワンクリックでバックアップ可能
- DropBoxとの連携機能により、クラウドへの自動アップロードも可能
Ludusavi(上級者向け)
2025年最新版(0.29.1)はGameSave Managerより10倍高速で動作します。
特徴:
- Steam、GOG、Epic Games、Heroicなど複数のプラットフォームに対応
- コマンドライン操作でスクリプト化も可能
- 高速処理で大量のゲームも効率的にバックアップ
トラブルシューティング:セーブデータが消えたときの対処法

即座に試すべき3つの復旧方法
方法1:Steam Cloudから手動ダウンロード
- ブラウザで
https://store.steampowered.com/account/remotestorage
にアクセス - 該当ゲームの「Show Files」をクリック
- 「Download」でクラウドセーブを取得
方法2:ローカルの別場所を確認
以下の順番で確認してください。
- Documentsフォルダ
- AppDataフォルダ
- ゲームインストールフォルダ
ファイル名が変更されている可能性もあるため、更新日時で判断します。
方法3:ゴミ箱から復元
誤って削除した場合の対処:
- Windowsのゴミ箱を確認
- 該当ファイルを右クリック
- 「復元」で元の場所に戻す
Steam Cloud同期エラーの解決
「Steam Cloud Error: Out of Date」エラーが表示された場合、必ず新しい方のセーブデータを選択します。「Launch Anyway」は選ばないよう注意してください。最新の進行が失われる可能性があります。
同期が失敗する場合の対処法:
- Steamを管理者権限で実行(右クリック→「管理者として実行」)
- ファイアウォールやウイルス対策ソフトの例外設定にSteamを追加
ゲーム別の特別な注意点

MOD使用ゲーム(Skyrim、Fallout等)
MODを導入したゲームは特別な管理が必要です。
重要なポイント:
- MOD導入前に必ずバニラ(MODなし)セーブを作成
- 別フォルダに保管しておく
- Mod Organizer 2使用時は、プロファイル別にセーブフォルダが作成される
- バックアップ時は全プロファイルを対象にする
2024年のFallout 4アップデート後の変更点:
旧保存場所: Documents\My Games\Fallout4\Saves
新保存場所: Steam\userdata\[SteamID]\377160\ac\WinMyDocuments\My Games\Fallout4\Saves
両方の場所を確認してください。
大型ゲーム(Cyberpunk 2077、GTA V等)
Cyberpunk 2077
Steam Cloud非対応(2024年現在)のため、手動バックアップが必須です。
保存場所: C:\Users\[ユーザー名]\Saved Games\CD Projekt Red\Cyberpunk 2077
GTA V
保存場所: %USERPROFILE%\Documents\Rockstar Games\GTA V\Profiles
オンライン進行はSocial Clubアカウントに紐付けされています。
OS別の管理方法:Windows以外でも安心
macOSでの管理
セーブデータは主に~/Library/Application Support/
内に保存されます。
アクセス方法:
- Finderを開く
- 「Shift + Cmd + G」でパス入力画面を開く
- パスを直接入力してアクセス
(Libraryフォルダは隠しフォルダのため、この方法でアクセスします)
Linux/Steam Deckでの管理
保存場所:
ネイティブLinuxゲーム: ~/.local/share/[ゲーム名]
Windows用ゲーム(Proton使用): ~/.local/share/Steam/steamapps/compatdata/[アプリID]/pfx/drive_c/users/steamuser/
Steam DeckのDynamic Sync機能により、サスペンド時も自動同期が継続されます。デスクトップPCとのシームレスな連携が可能です。
2024-2025年の最新機能と今後の展望
Steam Families機能の活用
Family SharingとFamily Viewが統合された新機能により、以下が可能になりました。
- 家族間でゲームライブラリを共有
- セーブデータは個別に管理
- それぞれの進行状況を保持
AIによる将来の可能性
2024年から2025年にかけて、Steam上のAI使用ゲームが681%増加しています。
将来的に期待される機能:
- AIによるセーブデータの自動整理
- バックアップ推奨の提案
- 破損データの自動修復
最強の保護戦略:3-2-1ルール
データ保護の専門家が推奨する3-2-1ルールを適用しましょう。
3-2-1ルールの内容
- 3つのコピー
- オリジナル
- バックアップ1
- バックアップ2
- 2つの異なる媒体
- PC内蔵ドライブ
- 外付けドライブまたはクラウド
- 1つのオフサイト保存
- クラウドストレージ
- または別の場所の物理メディア
この戦略により、ハードウェア故障、誤操作、災害などあらゆるリスクから大切なセーブデータを守ることができます。
まとめ:セーブデータ保護の鉄則
Steamアンインストール時のセーブデータ管理は、基本を理解すれば決して難しくありません。
最も効果的な方法は、Steam Cloudの活用と定期的な手動バックアップの組み合わせです。
重要なポイント
- アンインストール前にセーブデータの場所を確認
- バックアップを作成する
- Steam Cloud対応ゲームでは必ず同期を有効にする
これらの基本を守れば、数十時間、数百時間かけた大切なゲーム進行を確実に保護できます。
技術は日々進化していますが、「バックアップは複数の方法で」という原則は変わりません。この記事の方法を実践すれば、安心してSteamゲームの管理ができるようになるでしょう。
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