「PDFの契約書から個人情報を隠したい」「機密情報を黒塗りして共有したい」という場面はよくありますよね。
でも、Adobe Acrobat Pro は高いし、無料でできる方法はないのでしょうか?
実は、完全無料でPDFの塗りつぶし(墨消し)ができる方法がいくつもあるんです。今回は、安全で確実な無料塗りつぶし方法を分かりやすく解説していきますね。
PDF塗りつぶしの基本知識

塗りつぶしとマスキングの違い
真の塗りつぶし(墨消し)
- 元の文字が完全に削除される
- どんな方法でも復元不可能
- セキュリティ面で最も安全
上からの塗りつぶし(マスキング)
- 元の文字の上に図形を重ねただけ
- 図形を削除すると元の文字が見える
- セキュリティリスクあり
注釈による塗りつぶし
- コメント機能で文字を隠す
- 注釈を削除すると元の文字が復活
- 一時的な隠蔽にとどまる
重要な情報を隠す場合は、真の塗りつぶしを選ぶことが大切です。
Adobe Acrobat Reader(無料版)での塗りつぶし
注釈機能を使った基本的な方法
残念ながら、Adobe Acrobat Reader の無料版では、完全な墨消し機能は使えません。しかし、一時的な隠蔽なら可能です。
注釈での塗りつぶし手順
- PDFファイルを開きます
- 「ツール」→「注釈」を選択
- 「四角形ツール」または「ハイライト」を選ぶ
- 隠したい部分をドラッグして選択
- 色を黒に設定
注意点
- これは一時的な隠蔽のみ
- 注釈を削除すると元の文字が見える
- セキュリティが必要な場合は他の方法を使用
より安全な方法:印刷経由
手順
- 注釈で塗りつぶしを行う
- 「Ctrl + P」で印刷画面を開く
- プリンターで「Microsoft Print to PDF」を選択
- 印刷を実行して新しいPDFを作成
この方法なら、塗りつぶし部分が固定化されます。
Google Chromeを使った無料塗りつぶし
Chrome の印刷機能活用
基本手順
- PDFをChromeで開きます
- 画面キャプチャーツールを使用
- 画像編集ソフトで塗りつぶし
- 再度PDF化
より効率的な方法
- Chrome の「印刷」機能を使用
- 印刷プレビューで必要な部分のみ選択
- 不要な部分をカットして保存
Chrome拡張機能の活用
PDF Viewer(Chrome拡張)
- Chrome ウェブストアから拡張機能をインストール
- PDFを開いて編集モードに切り替え
- 図形ツールで塗りつぶし
- 保存を実行
ただし、セキュリティが重要な場合は専用ソフトの使用をおすすめします。
無料オンラインツールでの塗りつぶし
PDFエスケープ(PDFescape)
使用手順
- PDFescape のサイトにアクセス
- 「Free Online」を選択
- PDFファイルをアップロード
- 「Draw」ツールを選択
- 黒い四角形で隠したい部分を覆う
- 保存してダウンロード
メリット
- 完全無料
- ソフトのインストール不要
- 操作が簡単
デメリット
- ファイルがサーバーにアップロードされる
- 機密情報には不向き
- ファイルサイズ制限あり
SmallPDF
塗りつぶし手順
- SmallPDF のサイトを開く
- 「PDFを編集」を選択
- ファイルをアップロード
- 図形ツールで黒い四角を追加
- 隠したい部分に配置
- 保存してダウンロード
注意事項
- 無料版は回数制限あり
- プライバシーポリシーを確認
- 重要な文書は避ける
画像編集ソフトを使った確実な方法
GIMP(無料画像編集ソフト)
完全塗りつぶしの手順
- PDFを画像形式(PNG、JPEG)に変換
- GIMP で画像を開く
- ブラシツールまたは四角選択で塗りつぶし
- 画像を保存
- 再度PDF化(印刷機能使用)
メリット
- 完全に情報が削除される
- 復元不可能
- 高いセキュリティ
デメリット
- 画質が少し劣化する可能性
- 手間がかかる
- テキスト検索機能が失われる
Paint.NET(Windows用無料ソフト)
操作方法
- PDFのスクリーンショットを撮る
- Paint.NET で開く
- 四角形選択ツールで範囲指定
- 黒で塗りつぶし
- 保存して PDF化
この方法も確実に情報を隠せます。
スマートフォンでの無料塗りつぶし
iPhoneでの塗りつぶし方法
標準アプリ「マークアップ」使用
- PDFを「ファイル」アプリで開く
- 右上の「編集」をタップ
- 「マークアップ」を選択
- ペンツールを選んで黒色に設定
- 隠したい部分を塗りつぶし
- 「完了」をタップして保存
より確実な方法
- スクリーンショットを撮影
- 「写真」アプリで編集
- マークアップで塗りつぶし
- 印刷機能でPDF化
Androidでの塗りつぶし方法
Adobe Acrobat Reader アプリ
- アプリでPDFを開く
- 注釈ツールを選択
- 図形ツールで四角形を描画
- 黒色で塗りつぶし
- 保存を実行
画像編集アプリ活用
- PDFのスクリーンショットを撮影
- 画像編集アプリで開く
- ブラシまたは図形で塗りつぶし
- PDF変換アプリでPDF化
無料ソフトウェアでの本格的な塗りつぶし
PDFtk(コマンドラインツール)
高度なユーザー向け
- PDFtk をダウンロード・インストール
- コマンドプロンプトで操作
- 特定ページの情報を削除
- 新しいPDFとして出力
技術的な知識が必要ですが、非常に強力なツールです。
LibreOffice Draw
手順
- LibreOffice Draw でPDFを開く
- 編集モードに切り替え
- 図形ツールで黒い四角を作成
- 隠したい部分に配置
- PDFとして保存
メリット
- 完全無料
- 操作が比較的簡単
- オフィススイートなので安心
塗りつぶし作業での注意点
セキュリティ面での注意
完全削除の確認
- 塗りつぶし後、必ずテキスト選択を試す
- コピー&ペーストで情報が出ないか確認
- 別のソフトで開いて検証
メタデータの確認
- ファイルのプロパティに個人情報が残っていないか
- 作成者情報やコメントをチェック
- 必要に応じてメタデータも削除
作業効率化のコツ
バックアップの作成
- 元のファイルを必ず保存
- 作業用とは別に保管
- 間違って上書きしないよう注意
一括処理の検討
- 同じ箇所を複数ページで隠す場合
- テンプレート化できる部分を特定
- 効率的な作業順序を計画
まとめ:無料でも安全確実なPDF塗りつぶし
PDFの塗りつぶしは、無料でも十分に実用的な方法があります。
重要なポイントをもう一度整理すると:
- 真の塗りつぶしと一時的な隠蔽を区別する
- セキュリティが重要なら画像編集経由がおすすめ
- オンラインツールは機密情報を避ける
- スマートフォンでも基本的な作業は可能
- 作業後は必ず情報漏れがないか確認
用途と機密性に応じて最適な方法を選択し、安全で確実な情報管理を心がけてくださいね。無料でも、適切な手順を踏めば企業レベルのセキュリティを実現できます。
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