「OneDriveのファイルってパソコンのどこに保存されているの?」「保存場所を変更したいけど、どうすればいいの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?
OneDriveを使い始めたばかりの方は、ファイルがクラウドにあるのか、パソコンにあるのか、それとも両方なのか分からなくて混乱してしまうことがありますよね。また、パソコンの容量不足で保存場所を変更したい方も多いでしょう。
この記事では、OneDriveの保存場所について、基本的な仕組みから実際の確認方法、変更手順まで分かりやすく解説します。初心者の方でも安心してOneDriveを活用できるようになりますよ。
OneDriveの保存場所の基本概念

クラウドとローカルの関係
OneDriveの大きな特徴は、ファイルが「クラウド(インターネット上)」と「ローカル(パソコン内)」の両方に存在することです。
クラウド上の保存場所:
- マイクロソフトのサーバー上に保存
- インターネット経由でどこからでもアクセス可能
- 複数の端末で同じファイルを共有
- 自動バックアップ機能
ローカル(パソコン内)の保存場所:
- パソコンのハードディスク内に保存
- オフラインでもファイルにアクセス可能
- 高速でファイルを開ける
- パソコンの容量を使用
OneDriveの3つの保存モード
OneDriveには、ファイルの保存方法によって3つのモードがあります:
オンライン専用:
- クラウドにのみ保存、ローカルには「見た目」だけ
- ファイルアイコンに雲マーク(☁)が表示
- 実際のファイルサイズはほぼ0KB
- 開く際にダウンロードが必要
ローカルで利用可能:
- クラウドとローカル両方に実体が保存
- 緑のチェックマーク(✓)が表示
- オフラインでもすぐにアクセス可能
- パソコンの容量を使用
常にこのデバイス上に保持:
- 必ずローカルに保存される設定
- 白い丸に緑のチェックマークが表示
- 削除されにくい安全なモード
- 重要ファイル向けの設定
同期の仕組み
OneDriveの同期とは、クラウドとローカルのファイルを一致させる機能です。
同期のタイミング:
- ファイルの変更時に自動実行
- インターネット接続時に実行
- 定期的な間隔でチェック
- 手動での同期も可能
パソコン内でのOneDrive保存場所の確認方法
Windows標準の保存場所
デフォルトのOneDriveフォルダ:
C:\Users\[ユーザー名]\OneDrive
この場所は、OneDriveを初めて設定した際に自動的に作成されます。
エクスプローラーでの確認手順
基本的な確認方法:
- エクスプローラーを開く
- Win + E キーを押すか、フォルダアイコンをクリック
- 左側のナビゲーションペインを確認
- 「OneDrive – 個人用」または「OneDrive – [会社名]」という項目を探す
- クリックするとOneDriveフォルダが開く
- アドレスバーで場所を確認
- アドレスバーに表示されるパスが実際の保存場所
- 例:
C:\Users\太郎\OneDrive
タスクバーからの確認方法
OneDriveアイコンを使った確認:
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリック
- 右下のタスクバーにあるOneDriveアイコンを探す
- アイコンが見当たらない場合は、隠れているアイコンを確認
- 設定メニューを開く
- OneDriveアイコンを右クリック
- 「設定」を選択
- アカウントタブで場所を確認
- 「アカウント」タブをクリック
- 「OneDriveフォルダー」の場所が表示される
複数アカウントを使用している場合
個人用と仕事用の区別:
複数のOneDriveアカウントを使用している場合、それぞれ異なる場所に保存されます:
- 個人用アカウント:
C:\Users\[ユーザー名]\OneDrive
- 職場・学校アカウント:
C:\Users\[ユーザー名]\OneDrive - [組織名]
確認方法:
- エクスプローラーの左側で複数のOneDriveフォルダを確認
- それぞれクリックして実際の保存場所を確認
- タスクバーのOneDriveアイコンから複数アカウントの状況を確認
OneDriveの保存場所を変更する方法
変更前の重要な準備
データのバックアップ: 保存場所を変更する前に、必ず重要なデータをバックアップしましょう。
確認事項:
- 移動先ドライブに十分な容量があるか
- 同期が完了しているか(未同期ファイルがないか)
- 他のアプリケーションがOneDriveファイルを使用していないか
ステップバイステップの変更手順
方法1:OneDrive設定からの変更
- OneDriveの同期を停止
- タスクバーのOneDriveアイコンを右クリック
- 「設定」→「アカウント」タブ
- 「このPCのリンクを解除」をクリック
- 新しい場所でOneDriveを再設定
- OneDriveアプリを再起動
- アカウントにサインイン
- 「OneDriveフォルダーの場所を変更」をクリック
- 新しい保存場所を選択
- 同期の再開
- 設定完了後、自動的に同期が開始
- すべてのファイルのダウンロードを待つ
方法2:手動でのフォルダ移動
- OneDriveの同期を一時停止
- OneDriveアイコンから「同期を一時停止」→「24時間」
- フォルダの手動移動
- 現在のOneDriveフォルダを右クリック
- 「切り取り」を選択
- 新しい場所に「貼り付け」
- OneDriveの場所更新
- OneDrive設定で新しい場所を指定
- 同期を再開
外付けドライブへの移動
外付けハードディスクやSSDへの移動:
メリット:
- パソコンの内蔵ストレージを節約
- 大容量ファイルの保存が可能
- 複数のパソコンでの共有
注意点:
- 外付けドライブが接続されていないとエラーが発生
- USB接続の場合、転送速度が遅くなる可能性
- 外付けドライブの故障リスク
推奨設定:
D:\OneDrive (外付けドライブがDドライブの場合)
ネットワークドライブとの連携

NAS(Network Attached Storage)での運用
NASを活用したOneDrive運用:
家庭やオフィスでNASを使用している場合、OneDriveとの連携が可能です。
設定手順:
- NASをネットワークドライブとしてマッピング
- エクスプローラーで「ネットワークドライブの割り当て」
- NASのIPアドレスとフォルダパスを入力
- OneDriveの保存場所をNASに設定
- マッピングしたドライブ(例:Z:\OneDrive)を指定
- 同期設定を調整
メリット:
- 大容量ストレージの活用
- 家族やチーム内での共有
- RAID構成による冗長性
注意点:
- ネットワーク速度に依存
- NASの電源状態に注意
- セキュリティ設定の重要性
法人向けSharePointとの連携
Microsoft 365環境での活用:
SharePoint連携のメリット:
- 大容量ストレージ(1TB以上)
- 高度なセキュリティ機能
- チーム共有機能の充実
- バージョン管理機能
設定のポイント:
- SharePointライブラリとOneDriveの同期
- アクセス権限の適切な設定
- コンプライアンス要件への対応
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
OneDriveフォルダが見つからない場合:
原因と対処法:
- 同期が正しく設定されていない:OneDriveアプリの再設定
- フォルダが移動された:検索機能で「OneDrive」を検索
- アカウントの問題:サインアウト・サインインを試行
検索での確認方法:
- Win + S キーで検索を開く
- 「OneDrive」と入力
- 「OneDrive」フォルダをクリック
- プロパティで実際の場所を確認
同期エラーの対処法
「場所が利用できません」エラー:
解決手順:
- 外付けドライブの接続確認
- ドライブレターの変更チェック
- OneDriveの再起動
- 必要に応じて保存場所の再設定
権限エラーの場合:
- OneDriveフォルダを右クリック
- 「プロパティ」→「セキュリティ」タブ
- 現在のユーザーに「フルコントロール」権限があるか確認
容量不足の問題
Cドライブの容量不足解決法:
選択的同期の活用:
- OneDrive設定で「フォルダーの選択」
- 不要なフォルダの同期を停止
- 必要最小限のファイルのみローカルに保存
ファイルオンデマンドの活用:
- OneDrive設定で「ファイル オン デマンド」を有効化
- 使用頻度の低いファイルを「オンライン専用」に変更
- 必要な時だけダウンロード
モバイル端末でのOneDrive場所管理
スマートフォンでの保存場所
iPhone/Android共通の保存場所:
クラウドストレージ:
- OneDriveアプリ内でのファイル管理
- 端末の内部ストレージを使用しない
- 必要な時だけダウンロード
オフライン保存:
- 「オフラインで利用可能にする」設定
- 端末の内部ストレージに一時保存
- 自動同期で最新状態を維持
タブレットでの活用方法
iPadでのOneDrive活用:
ファイルアプリとの連携:
- iOS標準の「ファイル」アプリでOneDriveにアクセス
- 他のアプリとの連携が簡単
- ドラッグ&ドロップでファイル移動
Android タブレットでの活用:
- ファイルマネージャーアプリとの連携
- 外部ストレージ(microSD)との使い分け
- 大容量ファイルの効率的な管理
企業環境での場所管理ベストプラクティス
IT管理者向けの設定
グループポリシーでの場所制御:
企業環境では、OneDriveの保存場所を一元管理できます。
設定可能な項目:
- デフォルトのOneDriveフォルダ場所
- 保存場所変更の可否
- 外付けドライブ使用の制限
- ネットワークドライブでの同期制御
セキュリティ考慮事項
データ保護の観点:
推奨設定:
- 暗号化されたドライブへの保存
- USB外付けドライブの使用制限
- ネットワークドライブのアクセス制御
- 定期的なバックアップ戦略
コンプライアンス対応:
- データの保存場所に関する法的要件の確認
- 地理的なデータ保存制限への対応
- 監査ログの管理
- データ漏洩防止対策
効率的なファイル管理のコツ
フォルダ構成の最適化
推奨フォルダ構造:
OneDrive/
├── 01_進行中プロジェクト/
├── 02_完了プロジェクト/
├── 03_個人ファイル/
├── 04_写真・動画/
└── 05_バックアップ/
命名規則のポイント:
- 数字プレフィックスで並び順を制御
- 日付形式の統一(YYYY-MM-DD)
- スペースや特殊文字の使用を避ける
- わかりやすく短い名前を心がける
容量管理の戦略
効率的な容量使用:
大容量ファイルの管理:
- 動画ファイルは必要最小限のみローカル保存
- アーカイブファイルはオンライン専用に設定
- 重複ファイルの定期的なチェックと削除
- 圧縮可能なファイルの積極的な圧縮
定期的なメンテナンス:
- 月1回のフォルダ整理
- 不要ファイルの削除
- バックアップの見直し
- 容量使用状況の確認
まとめ
OneDriveの保存場所について、基本的な仕組みから実践的な管理方法まで詳しく解説しました。重要なポイントをおさらいしましょう:
基本的な理解:
- OneDriveはクラウドとローカル両方にファイルが存在
- 3つの保存モード(オンライン専用、ローカル利用可能、常に保持)
- 同期機能によりファイルの一致が保たれる
保存場所の確認方法:
- エクスプローラーでの確認
- タスクバーアイコンからの設定確認
- 複数アカウント使用時の区別
場所変更の手順:
- 事前のバックアップが重要
- OneDrive設定からの正式な変更手順
- 外付けドライブやNASへの移動も可能
トラブル対応:
- よくある問題の解決方法
- 同期エラーへの対処
- 容量不足の解決策
企業環境での配慮:
- セキュリティとコンプライアンス
- IT管理者による一元管理
- データ保護の重要性
効率的な管理:
- フォルダ構成の最適化
- 容量管理の戦略
- 定期的なメンテナンス
OneDriveの保存場所を正しく理解し、適切に管理することで、より効率的で安全なファイル管理が可能になります。この記事を参考に、自分の使用環境に最適な設定を見つけてくださいね。
何か不明な点がある場合は、重要なデータを扱う前に必ずバックアップを取り、企業環境では管理者に相談することをおすすめします。安全で効率的なOneDrive活用を心がけましょう。
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