Windows 11をセットアップしていて「OneDriveを使用してファイルをバックアップ」という画面が出てきて困ったことはありませんか?勝手にファイルがクラウドに同期されるのは嫌だけど、どうやって回避すればいいのかわからないという方も多いと思います。
この記事では、OneDriveのバックアップ機能を無効にして「このPCにのみファイルを保存」する方法を、初心者の方にもわかりやすく説明します。
OneDriveの「バックアップ機能」とは?

OneDriveのバックアップ機能は、パソコンの重要なフォルダ(デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ)を自動的にクラウドに同期する機能です。
通常のバックアップとの違い
一般的な「バックアップ」は、ファイルを別の場所にコピーすることを意味しますが、OneDriveのバックアップは少し異なります。
- 通常のバックアップ:元のファイル+コピーの両方が存在
- OneDriveのバックアップ:実体はクラウドにあり、PC側はリンクのような状態
つまり、OneDriveのバックアップを有効にすると、ファイルの実体がクラウドに移動し、パソコン側はそのリンクを参照する形になります。
セットアップ時に「このPCにのみ」を選択する方法
Windows 10の場合
以前のWindows 10では、セットアップ時に選択画面が表示されていました:
- 「OneDriveを使用してファイルをバックアップ」画面が表示される
- 画面左下の小さな文字で**「このPCにのみファイルを保存する」**をクリック
- これでバックアップ機能が無効になる
Windows 11の現在の状況
重要な変化: 2024年以降の新しいWindows 11では、セットアップ時にこの選択肢が表示されなくなり、自動的にバックアップが有効になってしまいます。
以前は初期セットアップで「このPCにのみファイルを保存する」を選択できましたが、最新版では自動的にバックアップが有効化されるようになっています。
セットアップ後にバックアップを無効にする方法
既にWindows 11をセットアップ済みで、バックアップが有効になってしまった場合の対処法です。
手順1:現在の状況を確認
- タスクバー右下のOneDriveアイコン(雲マーク)をクリック
- 右上の歯車マーク「ヘルプと設定」をクリック
- 「設定」を選択
手順2:バックアップ設定を開く
- 左メニューから「同期とバックアップ」をクリック
- 「バックアップを管理」をクリック
- 現在バックアップされているフォルダが表示される
手順3:バックアップを停止
各フォルダごとに以下の操作を行います:
- デスクトップ:「バックアップを停止」をクリック
- ドキュメント:「バックアップを停止」をクリック
- ピクチャ:「バックアップを停止」をクリック
確認画面で「バックアップを停止」をクリックして完了です。
バックアップ停止後の重要な作業
ファイルの移動が必要
バックアップを停止すると、以下の現象が起きます:
- PCのフォルダが空になる:デスクトップ、ドキュメント、ピクチャフォルダからファイルが消える
- ショートカットが作成される:「ファイルの場所」というショートカットが表示される
- 実体はOneDriveに残る:ファイル自体はクラウド上のOneDriveに残っている
ファイルを戻す手順
バックアップを解除すると、OneDrive側にファイルが残り、PCにはファイルが残らないため、ファイルをPCに戻す作業が必要です。
- ショートカットをダブルクリック:「ファイルの場所」アイコンをクリック
- OneDriveが開く:ブラウザでOneDriveフォルダが表示される
- ファイルを選択:戻したいファイルやフォルダを選択
- ダウンロード:右クリックで「ダウンロード」または「コピー」を選択
- 貼り付け:ローカルのフォルダ(C:\Users\ユーザー名\デスクトップなど)に貼り付け
より簡単な移動方法
エクスプローラーを使った方法:
- エクスプローラーで「OneDrive」フォルダを開く
- 移動したいファイルを選択してコピー(Ctrl+C)
- ローカルフォルダ(C:\Users\ユーザー名\ドキュメントなど)を開く
- 貼り付け(Ctrl+V)
OneDriveの完全無効化

OneDriveを全く使いたくない場合の設定方法です。
同期の完全解除
- OneDriveの設定を開く
- 「アカウント」タブをクリック
- 「このPCからリンクを解除する」をクリック
- 確認画面で「アカウントのリンク解除」をクリック
自動起動の無効化
OneDriveがパソコン起動時に自動で立ち上がらないようにする設定:
- タスクマネージャーを開く(Ctrl+Shift+Esc)
- 「スタートアップ」タブをクリック
- 「Microsoft OneDrive」を右クリック
- 「無効にする」を選択
部分的にOneDriveを活用する方法
完全に無効にするのではなく、必要な分だけ手動でOneDriveを使いたい場合の方法です。
手動同期の設定
- バックアップ機能は無効:上記の方法でバックアップを停止
- OneDriveフォルダは残す:エクスプローラーにOneDriveフォルダは表示させる
- 必要なファイルのみコピー:共有したいファイルだけOneDriveフォルダに保存
この方法なら、重要なファイルを勝手にクラウドに同期されることなく、必要な時だけOneDriveを活用できます。
注意点とトラブル対策
容量制限について
無料のOneDriveは5GBまでしか使えません。バックアップを有効にすると、あっという間に容量オーバーになる可能性があります。
既にファイルが同期されている場合
バックアップを停止する前に、必ず外部にバックアップを取っておきましょう:
- USBメモリにコピー
- 外付けハードディスクにバックアップ
- 別のクラウドサービスにも保存
アプリケーションの設定
バックアップを停止すると、アプリによっては以前の場所に保存されたファイルを参照できなくなってエラーが表示されることがある場合があります。
特にOutlookのデータファイルなどは注意が必要です。ファイルの保存場所を再設定する必要がある場合があります。
ローカルアカウントでのセットアップ
OneDriveを完全に避けたい場合は、Windows 11のセットアップ時にローカルアカウントを使用する方法もあります。
ただし、この方法は年々難しくなっており、Microsoft Storeなどの一部機能が制限される場合があります。
まとめ:自分に合った使い方を選ぼう
OneDriveのバックアップ機能は確かに便利ですが、すべての人に適しているわけではありません。
こんな人はバックアップを無効にしよう
- プライベートなファイルをクラウドに保存したくない
- 無料の5GB容量では足りない
- 自分でバックアップ管理をしたい
- インターネット接続が不安定な環境で作業する
こんな人はバックアップを活用しよう
- ファイルの管理が苦手
- 複数のデバイスで作業する
- 自動バックアップの手軽さを重視する
- Microsoft 365を契約している(1TB使える)
最も重要なのは、OneDriveの仕組みを理解して、自分の使い方に合った設定を選択することです。一度設定すれば、後から変更することも可能なので、まずは「このPCにのみファイルを保存」から始めて、必要に応じて調整していくのがおすすめです。
どの方法を選ぶにしても、大切なファイルは必ず複数の場所にバックアップを取っておくことを忘れないでくださいね。
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