「インターネットがない場所でもOneDriveのファイルを使いたい」「重要なファイルは必ずパソコンに保存しておきたい」
そんな悩みを解決してくれるのが、OneDriveの「このデバイス上で常に保持する」機能です。この設定を使えば、指定したファイルやフォルダを常にパソコンのハードディスクに保存し、ネット環境がなくても安心して作業できるようになります。
この記事では、この便利な機能の使い方から、効果的な活用方法、注意すべきポイントまで、初心者の方でも分かりやすく解説していきます。設定方法も画面の操作手順を含めて詳しく説明するので、この記事を読み終わる頃には、OneDriveをもっと便利に使えるようになりますよ。
「このデバイス上で常に保持する」とは?

基本的な仕組み
OneDriveには「オンデマンド」という機能があり、通常はファイルの情報だけをパソコンに表示し、実際のファイルはクラウド上に保存されています。でも「このデバイス上で常に保持する」を設定すると、そのファイルは常にパソコンのハードディスクにも保存されるようになります。
分かりやすい例: 図書館の本のように考えてみてください。通常のOneDriveは「目録だけを手元に置いて、必要な時に図書館から本を借りてくる」状態です。「常に保持する」設定は「重要な本は自分の本棚にも置いておく」ような状態になります。
従来の同期との違い
以前のOneDriveは、すべてのファイルをパソコンに保存していました。でも現在は、より賢い管理ができるようになっています。
3つの保存状態:
- オンラインのみ:クラウドにだけ保存(雲アイコン)
- このデバイス上で常に保持:クラウドとパソコン両方に保存(緑のチェックマーク)
- ローカルで利用可能:最近使ったファイルを一時的に保存(緑の円アイコン)
ファイル・フォルダごとの設定方法
エクスプローラーでの操作手順
最も簡単な設定方法をご紹介します。
手順1:対象ファイルを選択
- エクスプローラーでOneDriveフォルダを開く
- 常に保持したいファイルまたはフォルダを右クリック
- メニューを確認する
手順2:設定の変更
- 右クリックメニューから「常にこのデバイス上に保持する」を選択
- ファイルのアイコンが変わることを確認
- ダウンロードが開始される(大きなファイルの場合)
アイコンの見分け方:
- 雲マーク:オンラインのみ
- 緑のチェックマーク:常に保持
- 緑の円:ローカルで利用可能
OneDrive設定からの一括変更
複数のファイルを一度に設定したい場合:
一括設定の手順:
- OneDriveアイコン(タスクバーの雲マーク)をクリック
- 設定(歯車マーク)→「設定」を選択
- 「アカウント」タブで「フォルダーの選択」をクリック
- 常に保持したいフォルダにチェックを入れる
- 「OK」をクリック
この方法なら、フォルダ全体を一度に設定できるので効率的です。
効果的な活用シーン
仕事での活用例
出張や外出時の安心感:
- 重要なプレゼン資料
- 契約書や重要書類
- よく参照するマニュアル
- 緊急時の連絡先リスト
具体的な活用例: 明日は重要なプレゼンがあります。会場のWi-Fiが不安定かもしれないので、プレゼン資料フォルダを「常に保持」に設定しておけば、ネット環境に関係なく安心して発表できますね。
プライベートでの活用例
旅行や移動中の利用:
- 旅行の予約確認書
- 地図や観光ガイド
- 緊急時の保険証書
- 家族の写真や動画
学習や趣味での活用:
- 資格試験の参考資料
- 趣味の作品や設計図
- 音楽や動画ファイル
- 電子書籍やPDFファイル
ストレージ容量の管理
容量使用量の確認方法
「常に保持」を多用すると、パソコンの容量を圧迫する可能性があります。
使用量の確認手順:
- OneDriveアイコンをクリック
- 「その他」→「設定」を選択
- 「アカウント」タブで使用量を確認
- 必要に応じて「記憶域センサー」で自動クリーンアップを設定
容量管理のコツ:
- 定期的に不要ファイルを「オンラインのみ」に変更
- 大きなファイルは本当に必要な時だけ保持
- 古いファイルは適切にアーカイブ
容量不足の対処法
パソコンの容量が不足した場合の対応:
immediate解決策:
- 一時的にファイルを「オンラインのみ」に変更
- 不要なローカルファイルを削除
- ディスククリーンアップを実行
長期的な解決策:
- ハードディスクの増設やSSDへの交換
- 外付けストレージの活用
- クラウドストレージプランのアップグレード
パフォーマンスの最適化
同期設定の調整
OneDriveの動作を軽くするための設定:
ネットワーク設定の最適化:
- OneDrive設定の「ネットワーク」タブを開く
- アップロード・ダウンロード速度を調整
- 「従量制課金接続」での同期を制御
- オフィス時間外の同期スケジュールを設定
CPU使用率の軽減:
- 大量のファイル同期は夜間に実行
- リアルタイム同期の一時停止
- 同期対象フォルダの絞り込み
バックグラウンド処理の管理
効率的な同期のために:
- 作業中は重要なファイルのみ同期
- 休憩時間に大きなファイルをダウンロード
- システムリソースの監視と調整
OneDriveが重いと感じる場合は、これらの設定を見直してみてください。
セキュリティ上の考慮事項

ローカル保存のリスク
ファイルをパソコンに保存することで生じるセキュリティリスク:
主なリスク:
- パソコンの盗難や紛失による情報漏洩
- マルウェアによるファイル改ざん
- 無許可でのファイルアクセス
- ハードディスク故障によるデータ消失
セキュリティ対策
推奨する対策:
- BitLockerによるディスク暗号化
- 定期的なウイルススキャン
- 強固なWindowsパスワード設定
- 自動ロック画面の設定
機密ファイルの取り扱い:
- 特に重要なファイルは「オンラインのみ」で管理
- アクセス権限の厳格な管理
- 定期的なアクセスログの確認
モバイルデバイスでの設定
スマートフォンでの「オフライン保持」
スマートフォンやタブレットでも同様の機能が利用できます。
iPhone/iPadでの設定:
- OneDriveアプリを開く
- 保持したいファイルを長押し
- 「オフラインで利用可能にする」を選択
- ダウンロード完了を確認
Androidでの設定:
- 対象ファイルの「…」メニューをタップ
- 「オフラインで利用可能にする」を選択
- ストレージ使用量を確認
モバイルでの注意点:
- バッテリー消費の増加
- データ通信量の使用
- ストレージ容量の圧迫
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1:ファイルがダウンロードされない
原因と対処法:
- ネットワーク接続の確認
- OneDriveアプリの再起動
- 容量不足の解消
- 同期の手動実行
確認手順:
- インターネット接続をテスト
- OneDriveの状態アイコンを確認
- エラーメッセージの内容を記録
- 必要に応じてサポートに問い合わせ
問題2:同期が途中で止まる
対処法:
- OneDriveを一時停止してから再開
- パソコンの再起動
- ウイルス対策ソフトの除外設定
- OneDriveのリセット(最終手段)
問題3:アイコンが正しく表示されない
解決方法:
- エクスプローラーの表示更新(F5キー)
- OneDriveアイコンオーバーレイの再設定
- レジストリエディタでの修復(上級者向け)
予防的メンテナンス
定期的に行うべき作業:
- 不要ファイルの「オンラインのみ」への変更
- 容量使用量の確認と最適化
- OneDriveアプリのアップデート
- バックアップの動作確認
月次チェックリスト:
- [ ] ローカル容量の使用状況確認
- [ ] 同期エラーの有無確認
- [ ] セキュリティ設定の見直し
- [ ] 不要ファイルの整理
応用テクニックと活用事例
業務効率化のための活用
プロジェクト管理での活用:
- 進行中プロジェクトのファイルは「常に保持」
- 完了プロジェクトは「オンラインのみ」
- 緊急時対応資料は常にローカル保存
チーム連携での活用:
- 共有ファイルの重要度に応じた設定
- 各メンバーの役割に応じたローカル保存
- バージョン管理との連携
個人利用での工夫
学習効率の向上:
- 現在学習中の資料は「常に保持」
- 参考資料は必要に応じてダウンロード
- 復習用ファイルの効率的な管理
クリエイティブ作業での活用:
- 制作中のプロジェクトファイル
- よく使うテンプレートやリソース
- インスピレーション素材の管理
まとめ
OneDriveの「このデバイス上で常に保持する」機能は、オンラインとオフラインの利便性を両立させる素晴らしい機能です。
重要なポイント:
- 用途に応じた適切な設定選択
- ストレージ容量の効率的な管理
- セキュリティリスクへの適切な対応
- 定期的なメンテナンスと見直し
活用のコツ:
- 本当に必要なファイルだけを厳選して保持
- 容量とパフォーマンスのバランスを考慮
- セキュリティ対策を忘れずに実施
- 定期的な設定見直しで最適化を継続
使い分けの指針:
- 常に保持:緊急時や外出先で必要なファイル
- ローカルで利用可能:最近使ったファイル(自動管理)
- オンラインのみ:アーカイブや参考資料
この機能を上手に活用することで、インターネット環境に左右されない安定した作業環境を構築できます。最初は設定が少し面倒に感じるかもしれませんが、一度適切に設定すれば、日々の作業効率が大幅に向上します。
あなたの働き方や生活スタイルに合わせて、最適なOneDriveの活用方法を見つけてください。オンラインとオフラインの良いとこ取りで、より快適で生産的なデジタルライフを実現してくださいね!
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