「PDFファイルが大きすぎてメールで送れない…」そんな経験はありませんか?特にMacを使っている方なら、実は身近なアプリで簡単にPDFのサイズを小さくできるんです。今回は、無料でできる方法から本格的なツールまで、様々な圧縮方法をご紹介します。
なぜPDFのファイルサイズが大きくなるの?

まず、PDFが重くなる理由を知っておきましょう。
主な原因
- 高画質な写真や画像がたくさん含まれている
- ページ数が多い
- フォントの埋め込み情報が多い
- スキャンした文書の解像度が高い
例えば、デジカメで撮った写真をそのままPDFにすると、1枚で数MBになることも珍しくありません。そんな写真が10枚あれば、あっという間に数十MBの巨大ファイルになってしまいます。
この章のポイントは、PDFの容量が大きくなる理由を理解することで、適切な圧縮方法を選べるようになることです。次の章では、Macに最初から入っているアプリを使った方法を見ていきましょう。
Macの「プレビュー」で無料圧縮する方法
Macユーザーなら誰でも使える「プレビュー」アプリ。実はこれだけでPDFの圧縮ができるんです。
手順
- 圧縮したいPDFをプレビューで開く
- メニューバーの「ファイル」→「エクスポート」を選択
- フォーマットは「PDF」のまま
- 「Quartzフィルタ」から「Reduce File Size」を選択
- 保存場所を指定して「保存」をクリック
実際の効果 4.3MBのファイルが958KBまで小さくなった例もあります。約5分の1のサイズになるのは驚きですよね。
注意点
- 圧縮すると、PDFの品質がオリジナルよりも低下する場合があります
- 文字中心のPDFより、画像が多いPDFで効果が高い
- 元ファイルは別途保存しておくのがおすすめ
この方法は完全無料で、特別なソフトのインストールも不要です。次の章では、さらに細かく圧縮設定を調整できる方法をご紹介します。
オンラインツールで手軽に圧縮
「プレビューでうまくいかなかった」「もう少し細かく設定したい」という方には、オンラインツールがおすすめです。
代表的なサービス
Adobe Acrobat オンラインツール
- 最大2GB(2,000MB)までのPDFファイルが可能
- 3段階の圧縮レベルから選択可能
- 圧縮後のファイルサイズを事前に確認できる
- 完全無料で利用可能
iLovePDF
- 最も高い圧縮率から低圧縮まで選択可能
- ドラッグ&ドロップで簡単操作
- 複数ファイルの一括処理にも対応
使用方法(Adobe Acrobat オンラインツールの例)
- ブラウザでAdobe Acrobat オンラインツールにアクセス
- 「ファイルを選択」またはドラッグ&ドロップでPDFをアップロード
- 圧縮レベルを「高」「中」「低」から選択
- 処理完了後、圧縮されたファイルをダウンロード
メリット・デメリット
- メリット:ソフトのインストール不要、様々な圧縮オプション
- デメリット:インターネット接続が必要、機密文書には不向き
オンラインツールは手軽さが魅力ですが、重要な文書を扱う際はセキュリティに注意が必要です。次の章では、より本格的な専用ソフトについて説明します。
専用ソフトで本格的な圧縮
頻繁にPDFを扱う方や、より細かい設定で圧縮したい場合は、専用ソフトの利用を検討しましょう。
Adobe Acrobat Pro DC
- プロ仕様の圧縮機能
- 「PDFの最適化」ツールで詳細設定が可能
- 複数ファイルの一括処理対応
- 月額制サブスクリプション
PDF Expert
- 数回のクリックでPDFを圧縮することができます
- Mac、iPad、iPhone対応
- 圧縮度合いを選択可能
- 圧縮後のファイルサイズを事前表示
UPDF
- AI搭載のPDF編集ツール
- 圧縮以外の編集機能も充実
- Windows、Mac、iOS、Android対応
- 無料体験版あり
選び方のポイント
- 使用頻度:たまに使うなら無料ツール、頻繁に使うなら有料ソフト
- 機能の豊富さ:圧縮だけか、編集機能も必要か
- セキュリティ:機密文書を扱う場合は信頼できるソフトを選択
専用ソフトは高機能ですが、コストがかかります。次の章では、用途に応じた使い分けのコツをお伝えします。
用途別おすすめ圧縮方法
どの方法を使うべきか迷ったときは、用途に応じて選択しましょう。
メール添付用(1〜5MB程度まで圧縮したい) → プレビューアプリまたはオンラインツール
- 手軽で十分な圧縮効果
- 多少の画質低下は許容範囲
プレゼンテーション用(画質重視) → Adobe Acrobat オンラインツール(中程度の圧縮)
- 画質と容量のバランスが良い
- 画質を保ったままPDFファイルを圧縮できる
アーカイブ用(長期保存) → 専用ソフトで低圧縮設定
- 元の品質をできるだけ維持
- 必要に応じて複数のバージョン保存
大量ファイル処理 → 専用ソフトの一括処理機能
- 作業効率が大幅向上
- 統一された設定で処理可能
圧縮できない場合の対処法
- ファイル分割:大きなPDFを複数のファイルに分ける
- ファイル転送サービス:Dropbox、Google Driveなどを活用
- 画像の事前圧縮:PDF作成前に画像サイズを調整
この使い分けを理解しておけば、どんな場面でも適切な圧縮方法を選択できます。最後に、作業時の注意点を確認しましょう。
圧縮時の注意点とよくある失敗
PDF圧縮を行う際に気をつけたいポイントをまとめました。
必ず守りたい注意点
元ファイルのバックアップ
- 圧縮前に必ず元ファイルをコピー保存
- 上書き保存は避ける
- 「○○_compressed」などの名前をつけて区別
用途に応じた圧縮レベル
- 印刷用:低圧縮(高画質)
- Web表示用:中程度の圧縮
- メール添付用:高圧縮でも可
よくある失敗例
「逆にファイルサイズが大きくなった」
- 原因:元々最適化されていたPDFを再圧縮
- 対策:他の圧縮方法を試す、または諦める
「文字が読めなくなった」
- 原因:圧縮レベルが高すぎる
- 対策:圧縮レベルを下げて再実行
「パスワード付きPDFが圧縮できない」
- 原因:多くのツールは暗号化PDFに対応していない
- 対策:一旦パスワードを解除してから圧縮
品質チェックのポイント
- 文字の鮮明さ:特に小さな文字は要注意
- 画像の品質:グラフや図表の見やすさ
- 印刷結果:印刷予定がある場合は必ず試し印刷
セキュリティへの配慮
- 機密文書はオンラインツールを避ける
- 圧縮後にメタデータが残っていないか確認
- 必要に応じて再暗号化
これらの注意点を守れば、安全で効果的なPDF圧縮ができます。
まとめ
MacでPDFを圧縮する方法は、無料のプレビューアプリから本格的な専用ソフトまで様々な選択肢があります。
今すぐ試せる方法
- プレビューアプリで「Reduce File Size」フィルタを使用
- Adobe Acrobat オンラインツールで圧縮レベルを選択
- 必要に応じて専用ソフトの導入を検討
選び方の基本
- たまに使う:プレビューアプリやオンラインツール
- 頻繁に使う:専用ソフトの導入
- 機密文書:オフラインで処理できるツール
PDFの圧縮は、メール送信の成功率向上や、ストレージ容量の節約など、日常業務の効率化に直結する重要なスキルです。まずは手軽なプレビューアプリから試して、必要に応じてより高機能なツールを検討してみてください。
適切な方法を選択すれば、品質を保ちながら大幅なファイルサイズ削減が可能です。今回紹介した方法を活用して、快適なMacライフを送ってくださいね。
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