OneNoteで作成した重要なノートを「間違えて編集されてしまった」「誰かに変更されるのが心配」といった経験はありませんか?特に、完成した資料や重要な記録、共有している文書などは、意図しない変更を防ぎたいものですよね。
そんなときに便利なのが「読み取り専用」設定です。読み取り専用にすることで、ノートの内容を見ることはできても、編集や変更ができなくなります。これにより、大切な情報を安全に保護することができるんです。
でも「OneNoteで読み取り専用にするにはどうすればいいの?」「設定方法が分からない」と悩む人も多いはず。また、状況に応じて一時的に読み取り専用にしたり、特定の人だけに編集権限を与えたりする方法も知りたいですよね。
今回は、OneNoteを読み取り専用にする様々な方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、用途に応じて適切な保護設定ができるようになって、安心してOneNoteを活用できるようになりますよ。
まずは読み取り専用設定の基本的な考え方から見ていきましょう。
読み取り専用設定の基本概念

読み取り専用とは何か
読み取り専用とは、ファイルやノートの内容を閲覧することはできるが、編集や変更ができない状態のことです。OneNoteでは、この設定により重要な情報を意図しない変更から守ることができます。
読み取り専用状態では、文字の入力、削除、フォーマットの変更、画像の追加や削除などの編集操作がすべて制限されます。ただし、ノートの内容をコピーしたり、印刷したりすることは可能です。
この機能は、最終版の資料を保護したい場合や、参考資料として長期間保存したい場合、複数の人と共有する際に内容を固定したい場合などに非常に有効です。
また、読み取り専用設定は、必要に応じて解除することも可能なため、一時的な保護手段としても活用できます。
読み取り専用が必要な場面
読み取り専用設定が特に有効なのは、以下のような場面です。
完成した報告書や提案書など、最終版として確定した文書を保護したい場合です。これにより、後から誤って内容を変更してしまうリスクを防げます。
複数の人とノートを共有する際に、閲覧のみを許可したい場合も重要な用途です。参考資料や手順書などを共有する際に、内容を変更されることなく安全に情報を提供できます。
また、重要な記録や議事録を長期保存する場合にも読み取り専用設定は効果的です。時間が経っても元の内容を確実に保持できるため、後から参照する際に安心です。
OneNoteでの実現方法の種類
OneNoteで読み取り専用を実現する方法は、いくつかのアプローチがあります。
まず、ノートブック全体の共有権限を調整する方法があります。これにより、特定のユーザーには閲覧権限のみを与えることができます。
次に、セクションやページレベルでの保護設定を活用する方法もあります。パスワード保護機能を使うことで、編集には特別な認証が必要な状態にできます。
また、エクスポート機能を使って別形式で保存し、元のノートは編集用、エクスポートしたファイルは閲覧用として使い分ける方法も効果的です。
さらに、組織内でのアクセス制御機能を活用することで、より細かな権限管理も可能になります。
この章では読み取り専用設定の基本概念をご説明しました。次の章では、具体的な設定方法について詳しく見ていきましょう。
共有権限による読み取り専用設定
ノートブック共有設定の基本
OneNoteで最も一般的な読み取り専用設定方法は、ノートブックの共有権限を調整することです。ノートブックを共有する際に、相手に「表示のみ」の権限を付与することで、実質的に読み取り専用状態にできます。
設定方法は、まずノートブック名を右クリックして「共有」または「ノートブックの共有」を選択します。共有設定画面が開いたら、共有相手のメールアドレスを入力し、権限レベルを「表示可能」または「閲覧者」に設定してください。
この方法により、共有された相手はノートブックの内容をすべて閲覧できますが、編集や変更を行うことはできません。また、共有されたノートブックには「読み取り専用」であることが明確に表示されるため、利用者にも分かりやすくなっています。
権限設定は後から変更することも可能なので、必要に応じて編集権限を追加したり、アクセス権限を取り消したりすることもできます。
個別ユーザーの権限管理
複数の人とノートブックを共有する場合、ユーザーごとに異なる権限を設定することができます。たとえば、チームリーダーには編集権限を与え、メンバーには閲覧権限のみを与えるといった使い分けが可能です。
権限の種類には「編集可能」「表示可能」があり、さらに細かく「共有可能」「共有不可」といった設定も選択できます。これにより、情報の拡散を制御しながら、必要な人には適切なアクセス権限を提供できます。
ユーザーの追加や削除、権限の変更は、ノートブックの所有者がいつでも実行できます。組織の変更や プロジェクトの進行に合わせて、柔軟に権限を調整することが重要です。
また、一時的にアクセス権限を停止したい場合は、ユーザーを削除することなく権限を「アクセス不可」に変更することも可能です。
リンク共有での読み取り専用
ノートブックを不特定多数の人と共有したい場合は、リンク共有機能が便利です。共有リンクを生成する際に「表示のみ」の権限を設定することで、リンクを知っている人は誰でも閲覧できるが編集はできない状態にできます。
リンク共有の設定では「組織内のユーザー」「特定のユーザー」「リンクを知っている全員」といった公開範囲も選択できます。用途に応じて適切な公開範囲を設定することが重要です。
セキュリティを重視する場合は、リンクにパスワードを設定したり、有効期限を定めたりすることも可能です。これにより、より安全に読み取り専用のノートブックを共有できます。
リンクは後から無効化することもできるため、共有が不要になった時点で適切にアクセスを制限することも忘れずに行いましょう。
この章では共有権限による読み取り専用設定をご紹介しました。次の章では、パスワード保護を使った方法について説明していきますね。
パスワード保護による読み取り専用
セクション保護の設定方法
OneNoteでは、セクション単位でパスワード保護を設定することができます。これにより、特定のセクションを読み取り専用に近い状態にすることが可能です。
セクション保護を設定するには、保護したいセクションタブを右クリックして「このセクションをパスワードで保護」を選択します。パスワード設定画面が表示されるので、安全なパスワードを入力して設定を完了してください。
パスワード保護されたセクションは、パスワードを入力しない限り内容を閲覧することができません。パスワードを入力すると一定時間は編集可能になりますが、時間が経過すると再度ロックされるため、実質的な読み取り専用効果が得られます。
この方法は、機密性の高い情報を含むセクションを保護する際に特に有効です。また、個人的なメモや重要な記録を他の人から保護したい場合にも活用できます。
パスワードの管理と運用
パスワード保護を効果的に活用するには、適切なパスワード管理が重要です。パスワードは推測されにくく、十分な長さのものを設定することをおすすめします。
複数のセクションを保護する場合、同じパスワードを使い回すのではなく、セクションごとに異なるパスワードを設定することで、セキュリティレベルを高めることができます。
パスワードを忘れてしまった場合の復旧手段は限られているため、安全な場所にパスワードを記録しておくことも大切です。パスワード管理ツールを活用することをおすすめします。
組織でパスワード保護を活用する場合は、パスワードの共有方法や管理ポリシーを事前に決めておくことが重要です。
自動ロック機能の活用
パスワード保護されたセクションには、自動ロック機能があります。一定時間操作がないと、自動的にセクションがロックされて、再度パスワードの入力が必要になります。
自動ロックの時間間隔は調整することができます。「ファイル」メニューから「オプション」を選択し、「詳細設定」でロック時間を変更できます。セキュリティレベルに応じて適切な時間を設定しましょう。
短時間でロックされるように設定すれば、他の人がパソコンを使った際に内容を見られるリスクを最小限に抑えることができます。一方、作業効率を重視する場合は、やや長めの時間に設定することも可能です。
この機能により、意図しない閲覧や編集を防ぎながら、必要な時にはスムーズにアクセスできるバランスの取れた保護が実現できます。
制限事項と注意点
パスワード保護には、いくつかの制限事項があることも理解しておく必要があります。
まず、パスワード保護はセクション単位でのみ設定可能で、個別のページを保護することはできません。より細かな保護が必要な場合は、ページを別セクションに移動する必要があります。
また、パスワード保護されたセクションは、モバイルアプリでは一部機能が制限される場合があります。主にデスクトップ版での利用を前提とした機能であることを理解しておきましょう。
検索機能についても、パスワード保護されたセクションがロック状態の時は、そのセクション内のコンテンツは検索対象から除外されます。
共有ノートブックでパスワード保護を使用する場合は、パスワードを知らないユーザーはそのセクションにアクセスできなくなることも考慮する必要があります。
この章ではパスワード保護による方法をお伝えしました。次の章では、別の形式でエクスポートする方法について説明していきましょう。
エクスポート機能を活用した読み取り専用化
PDF形式でのエクスポート
OneNoteの内容をPDF形式でエクスポートすることで、確実に読み取り専用の文書を作成できます。PDFは編集が困難な形式であるため、内容の改変を防ぎながら情報を共有するのに最適です。
PDF エクスポートを行うには、「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択し、エクスポート形式として「PDF」を指定します。エクスポート範囲も選択できるため、ノートブック全体、特定のセクション、個別のページなど、必要な部分だけを選択して出力できます。
PDF形式の利点は、OneNoteがインストールされていない環境でも閲覧できることです。また、レイアウトが保持されるため、元のノートのデザインや構成をそのまま維持できます。
さらに、PDFにはパスワード保護機能もあるため、より高いセキュリティレベルで文書を保護することも可能です。
Word文書としてのエクスポート
Word文書形式でエクスポートすることも、読み取り専用文書を作成する有効な方法です。Word文書は編集可能な形式ですが、文書の保護機能を使うことで読み取り専用にできます。
OneNoteからWordにエクスポートする際は、「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択し、形式として「Word文書」を指定します。エクスポートされたWord文書を開いて、「校閲」タブから「文書の保護」を選択し、「編集の制限」を設定します。
この方法の利点は、必要に応じて保護を解除して編集できることです。また、Word の高度な書式設定や印刷機能を活用できるため、正式な文書として配布する場合に適しています。
Word文書として保存することで、OneNote以外の環境でも確実に閲覧できるため、互換性の面でも優れています。
画像形式での保存
特定のページを画像形式で保存することも、簡単に読み取り専用化する方法の一つです。画像は基本的に編集が困難であるため、内容の保護に効果的です。
OneNoteでは、ページやセクションを画像形式でエクスポートすることができます。「ファイル」メニューの「エクスポート」から、形式として「画像」を選択してください。
画像形式の利点は、ファイルサイズが小さく、あらゆるデバイスで閲覧できることです。また、SNSやチャットアプリなどで簡単に共有することも可能です。
ただし、画像形式では文字の検索ができなくなることや、印刷時に画質が劣化する可能性があることは理解しておく必要があります。
エクスポート時の注意点
エクスポート機能を活用する際は、いくつかの注意点があります。
まず、エクスポートしたファイルは、元のOneNoteとは独立した別ファイルになるため、元のノートを変更してもエクスポートしたファイルには反映されません。内容を更新した場合は、再度エクスポートする必要があります。
また、OneNoteの一部の機能(音声録音、動画、インタラクティブな要素など)は、エクスポート時に失われる場合があります。これらの要素が重要な場合は、エクスポート前に代替手段を検討してください。
ファイル容量についても注意が必要です。画像を多く含むノートをエクスポートする場合、ファイルサイズが大きくなることがあります。共有方法や保存場所の容量制限を考慮して、適切な形式を選択しましょう。
エクスポートしたファイルのセキュリティ管理も重要です。読み取り専用にしたからといって安心せず、適切なアクセス制御や保存場所の管理を行うことが大切です。
この章ではエクスポート機能を活用した方法をご紹介しました。次の章では、より高度な保護機能について説明していきます。
高度な保護機能
組織レベルでのアクセス制御
Microsoft 365を組織で利用している場合、管理者による高度なアクセス制御機能を活用できます。これにより、個人レベルでの設定を超えた、組織全体のセキュリティポリシーに基づいた保護が可能になります。
組織レベルでの制御では、特定のユーザーグループに対してノートブックの作成や編集権限を制限したり、外部ユーザーとの共有を禁止したりすることができます。また、機密度ラベルを設定することで、文書の重要度に応じた保護レベルを自動的に適用することも可能です。
条件付きアクセス機能を使用すると、特定の場所からのアクセスや特定のデバイスからのアクセスのみを許可するといった細かな制御もできます。これにより、セキュリティリスクを最小限に抑えながら、必要なユーザーには適切なアクセス権限を提供できます。
データ損失防止(DLP)機能と組み合わせることで、機密情報を含むノートブックの外部共有を自動的に制限することも可能です。
Information Rights Management (IRM)
IRM機能を活用することで、より高度な権利管理が可能になります。この機能により、文書の閲覧期限、印刷制限、コピー制限などの詳細な権利を設定できます。
IRM を設定したノートブックは、指定された期間を過ぎると自動的にアクセスできなくなります。また、印刷やスクリーンショットの取得を制限することで、情報の不正な拡散を防ぐことも可能です。
この機能は、特に機密性の高い情報を扱う場合や、一定期間後に確実にアクセスを遮断したい場合に有効です。ただし、IRM機能の利用には対応するライセンスが必要な場合があります。
ユーザーアクティビティの監視
Microsoft 365の監査ログ機能を活用することで、ノートブックへのアクセス状況や編集履歴を追跡できます。これにより、誰がいつどのような操作を行ったかを詳細に把握することが可能になります。
監査ログでは、ファイルの閲覧、ダウンロード、編集、共有などの操作が記録されます。これらの情報を定期的に確認することで、不正なアクセスや意図しない操作を早期に発見できます。
また、アラート機能を設定することで、特定の操作が行われた際に自動的に通知を受け取ることも可能です。これにより、リアルタイムでのセキュリティ監視が実現できます。
バックアップと復旧機能
読み取り専用設定と併せて、適切なバックアップ体制を構築することも重要です。OneNoteは自動的にバージョン履歴を保持していますが、より確実な保護のためには定期的なバックアップが推奨されます。
Microsoft 365 のバックアップ機能や、サードパーティのバックアップソリューションを活用することで、万が一の事態に備えることができます。また、削除されたノートブックの復旧機能も利用できます。
バックアップデータ自体も適切に保護する必要があるため、バックアップ先のセキュリティ設定も忘れずに確認しておきましょう。
コンプライアンス対応
組織によっては、法的要件やコンプライアンス基準に基づいた文書管理が必要な場合があります。OneNoteでは、これらの要件に対応するための機能も提供されています。
リーガルホールド機能により、法的な保存要件がある文書を確実に保護できます。また、保存ポリシーを設定することで、文書の自動削除や長期保存を適切に管理することも可能です。
これらの機能を活用することで、読み取り専用設定と併せて、より包括的な文書保護体制を構築できます。
この章では高度な保護機能をお伝えしました。次の章では、実際の活用シーンについて具体的に見ていきましょう。
用途別活用例
完成資料の保護
プロジェクトの完成報告書や提案書など、最終版として確定した資料を保護する場合の活用例です。
まず、編集用のノートブックとは別に「最終版」専用のノートブックを作成します。完成した資料をこのノートブックにコピーしてから、共有権限を「閲覧のみ」に設定することで、内容の変更を防げます。
さらにセキュリティを高めたい場合は、PDF形式でエクスポートして、元のOneNoteファイルは管理者のみがアクセスできる場所に保管します。PDF版を関係者に配布することで、確実に読み取り専用での共有が実現できます。
バージョン管理も重要な要素です。「v1.0」「v2.0」といったバージョン番号をファイル名に含めることで、どれが最新版かを明確にできます。また、更新履歴も記録しておくことで、変更の経緯を追跡できます。
参考資料としての共有
チーム内で参照用の資料を共有する場合の活用例を見てみましょう。
業務マニュアルや手順書などを共有する際は、リンク共有機能を活用して「閲覧のみ」の権限を設定します。これにより、チームメンバーは必要な時にいつでも最新の情報を確認できますが、内容を変更することはできません。
定期的に内容を更新する必要がある参考資料の場合は、編集権限を特定の担当者に限定します。更新担当者は内容を編集でき、その他のメンバーは閲覧のみという運用が効果的です。
アクセス解析機能がある場合は、どのページがよく閲覧されているかを把握することで、チームにとって重要な情報を特定し、より使いやすい構成に改善していくことも可能です。
会議資料の配布
会議で使用する資料を事前配布する場合の活用例です。
会議の数日前に、参加者に対して議題や資料を「閲覧のみ」権限で共有します。これにより、参加者は事前に内容を確認できますが、資料を変更される心配がありません。
会議中は編集権限を持つ司会者が、討議内容や決定事項をリアルタイムで追記していきます。会議後は再び「閲覧のみ」に設定を戻すことで、議事録として内容を固定できます。
複数の会議で同じフォーマットを使用する場合は、テンプレートとして読み取り専用のノートブックを作成しておき、必要に応じてコピーして使用することも効率的です。
学習資料の管理
教育や研修目的で学習資料を管理する場合の活用例もご紹介します。
講師は教材を「閲覧のみ」権限で受講者に共有し、受講者は自分専用のノートブックに学習メモを取るという使い分けが効果的です。これにより、正式な教材内容を保持しながら、個人的な学習記録も管理できます。
試験対策資料や重要な参考文献については、パスワード保護機能を活用して、特定の受講者のみがアクセスできるようにすることも可能です。
また、学習の進捗に応じて段階的に資料を公開していく場合は、セクションごとに異なるアクセス権限を設定することで、適切なタイミングでの情報提供が実現できます。
長期保存資料の管理
重要な記録を長期間保存する場合の活用例です。
年次報告書や重要な契約関連資料などは、作成完了後に読み取り専用設定を行い、さらにPDF形式でもエクスポートしておくことで、二重の保護を実現できます。
定期的なアクセス権限の見直しも重要です。組織の変更や人事異動に合わせて、アクセス権限を更新することで、適切なセキュリティレベルを維持できます。
アーカイブ用の専用ノートブックを作成し、年度別や プロジェクト別に整理することで、後から必要な資料を効率的に見つけることができます。
この章では様々な活用例をご紹介しました。次の章では、よくある問題とその解決方法についてお伝えします。
トラブルシューティング
権限設定が反映されない場合
共有権限を変更したのに、設定が反映されない場合があります。この問題の主な原因と解決方法を確認してみましょう。
まず、設定変更後に十分な時間が経過しているかを確認してください。権限の変更がすべてのデバイスに反映されるまでには、数分から数十分かかる場合があります。
次に、対象ユーザーがOneNoteを再起動しているかを確認します。権限変更が反映されるには、アプリケーションの再起動が必要な場合があります。また、Web版を使用している場合は、ブラウザの更新を試してみてください。
同期の問題が原因の場合もあります。ノートブックの同期状況を確認し、必要に応じて手動同期を実行してください。同期が完了してから権限設定を確認することが重要です。
それでも問題が解決しない場合は、一度共有設定を削除してから再設定してみてください。また、Microsoftアカウントの認証状況も確認が必要です。
読み取り専用が解除できない場合
設定した読み取り専用状態が解除できない場合の対処法です。
まず、ノートブックの所有者権限を持っているかを確認してください。読み取り専用設定の変更は、基本的にノートブックの所有者のみが実行できます。
パスワード保護が原因の場合は、正しいパスワードを入力しているかを確認します。パスワードを忘れてしまった場合の復旧は困難なため、事前のパスワード管理が重要です。
組織レベルでの制限がかかっている場合は、個人での設定変更ができない可能性があります。この場合は、システム管理者に相談して、必要な権限の変更を依頼してください。
複数のデバイスで同じノートブックにアクセスしている場合は、すべてのデバイスで設定が同期されるまで時間がかかることがあります。
共有相手が閲覧できない場合
共有設定を行ったのに、相手がノートブックを閲覧できない場合の解決方法です。
まず、共有相手のメールアドレスが正確に入力されているかを確認してください。スペルミスや不要なスペースが含まれていると、正しく共有されません。
共有相手がMicrosoftアカウントを持っているかも重要なポイントです。OneNoteの共有機能を利用するには、有効なMicrosoftアカウントが必要です。
組織外のユーザーとの共有が制限されている場合もあります。企業や学校のアカウントでは、外部共有が禁止されていることがあるため、管理者に確認してください。
共有リンクの有効期限が切れている場合や、アクセス回数制限に達している場合も閲覧できなくなります。共有設定を再確認して、必要に応じて新しいリンクを生成してください。
編集権限が残ってしまう場合
読み取り専用に設定したつもりなのに、編集権限が残ってしまう場合があります。
複数の共有方法を併用している場合、より緩い権限設定が優先されることがあります。個別のユーザー権限、グループ権限、リンク共有権限などをすべて確認して、一貫した設定になっているかをチェックしてください。
継承された権限が影響している場合もあります。上位のフォルダやノートブックからの権限継承により、意図しない編集権限が付与されていることがあります。
キャッシュの問題で古い権限情報が残っている場合は、アプリケーションの再起動やキャッシュのクリアを試してみてください。
組織のセキュリティポリシーが影響している場合は、個人レベルでの設定変更では解決できないことがあります。この場合は管理者に相談が必要です。
パスワードを忘れた場合の対処
パスワード保護されたセクションのパスワードを忘れてしまった場合の対処法です。
残念ながら、OneNoteではパスワードを忘れた場合の復旧機能は提供されていません。これはセキュリティを重視した設計のためです。
ただし、いくつかの代替手段があります。まず、パスワードを記録している場所がないかを確認してください。パスワード管理ツールやメモ帳などに記録されている可能性があります。
また、同じパスワードを他の場所でも使用している場合は、それらを参考に思い出せる可能性があります。ただし、セキュリティの観点からは、同じパスワードの使い回しは推奨されません。
最後の手段として、保護されたセクション以外の内容を新しいノートブックにコピーし、古いノートブックは削除するという方法もあります。ただし、保護されたセクションの内容は失われてしまいます。
この章ではトラブルシューティングをお伝えしました。最後に、今回の内容をまとめてみましょう。
まとめ
OneNoteを読み取り専用にする方法について、基本的な設定から高度な保護機能まで詳しく解説してきました。
最も一般的で効果的な方法は、共有権限を調整して「閲覧のみ」の権限を設定することです。この方法により、ノートブックの内容を安全に共有しながら、意図しない変更を防ぐことができます。
より高いセキュリティが必要な場合は、パスワード保護機能を活用することで、アクセス自体を制限できます。また、PDF や Word文書としてエクスポートすることで、確実に読み取り専用の文書を作成することも可能です。
組織レベルでの利用では、Microsoft 365 の高度なセキュリティ機能を活用することで、より包括的な保護体制を構築できます。IRM機能やアクティビティ監視機能などを組み合わせることで、企業レベルのセキュリティ要件にも対応できます。
用途に応じて適切な保護方法を選択することが重要です。完成資料の保護、参考資料の共有、会議資料の配布、学習資料の管理、長期保存資料の管理など、それぞれの場面に最適な設定方法があります。
トラブルが発生した場合も、原因を正しく特定して適切な対処を行うことで、多くの問題は解決できます。権限設定の反映タイミングや同期の仕組みを理解しておくことで、スムーズな運用が可能になります。
OneNoteの読み取り専用機能を効果的に活用することで、大切な情報を安全に保護しながら、必要な人と効率的に共有できるようになります。今回ご紹介した方法を参考に、自分の用途に最適な保護設定を実践してみてくださいね。適切な保護機能の活用で、より安心してOneNoteを活用していきましょう。
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