「特定の人からのメールをまとめて確認したい」「同じ会社からの連絡を一覧で見たい」そんなニーズは誰にでもあるはずです。でも、Gmailには「差出人順で並び替え」という直接的な機能がないため、困っている方も多いのではないでしょうか。
実は、Gmailでは従来のメールソフトのような単純な並び替え機能はありません。その代わり、検索機能やフィルタ機能を使って、もっと柔軟で強力な整理方法が用意されているんです。
今回は、Gmailで差出人別にメールを整理・表示する様々な方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。これを読めば、どんな大量のメールでも、差出人ごとにスッキリ整理できるようになりますよ!
1. Gmailの基本的なメール表示方法を理解しよう

まず、Gmailがどのようにメールを表示しているのかを理解することから始めましょう。これが差出人別整理の基礎になります。
Gmailの標準表示方式:
Gmailは、通常「会話ビュー」という形式でメールを表示します。これは、同じ件名のメールのやり取りを一つにまとめて表示する機能です。
- 最新のメールが上に表示
 - 同じ件名のメールは一つの会話としてまとめられる
 - 送信者と受信者の区別はアイコンで表示
 
標準的な並び順:
Gmailの標準設定では、以下の順序でメールが表示されます:
- 受信日時の新しい順(最新が上)
 - 重要度(重要マークがついたメール)
 - 未読・既読の状態
 
従来のメールソフトとの違い:
OutlookやThunderbirdのような従来のメールソフトでは、「差出人」「件名」「日付」などのカラムをクリックして並び替えできますが、Gmailにはこの機能がありません。
代わりに、Gmailでは検索とフィルタを組み合わせることで、より高度な整理が可能になっています。
2. 検索機能を使った差出人別メール表示
Gmailで差出人別にメールを整理する最も基本的な方法は、検索機能を活用することです。
基本的な差出人検索:
検索ボックスに「from:メールアドレス」と入力すると、その送信者からのメールだけが表示されます。
from:yamada@company.com
これで、yamada@company.com からのメールだけが一覧表示されます。
部分一致での検索:
メールアドレス全体を覚えていない場合は、部分一致でも検索できます。
from:yamada
from:@company.com
from:company
複数の差出人を同時検索:
複数の送信者からのメールを同時に表示したい場合は、「OR」を使います。
from:yamada@company.com OR from:tanaka@company.com
会社・ドメイン単位での検索:
同じ会社からのメールをまとめて表示:
from:@company.com
これで、company.com ドメインからのすべてのメールが表示されます。
検索結果の保存:
よく使う検索条件は、後述するフィルタ機能で保存できます。
3. フィルタ機能で差出人別の自動整理
検索だけでなく、フィルタ機能を使えば、差出人別に自動的にメールを整理できます。
フィルタ作成の基本手順:
- 検索ボックス右の「詳細検索」アイコンをクリック
 - 「From」欄に送信者のメールアドレスを入力
 - 「フィルタを作成」をクリック
 - 実行する処理を選択(ラベル付け、重要マークなど)
 - 「フィルタを作成」で完了
 
差出人別ラベルの自動付与:
特定の送信者からのメールに、自動的にラベルを付ける設定:
- フィルタ条件:「From: yamada@company.com」
 - 処理:「ラベルを付ける: 山田さん」
 - 「受信トレイをスキップ」も同時に設定可能
 
重要度の自動設定:
重要な取引先からのメールには、自動的に重要マークを付ける:
- フィルタ条件:「From: @important-client.com」
 - 処理:「重要マークを付ける」
 
フォルダ分けの自動化:
Gmailにはフォルダ機能がありませんが、ラベルとアーカイブを組み合わせることで、実質的なフォルダ分けができます:
- フィルタ条件:差出人を指定
 - 処理:「ラベルを付ける」+「受信トレイをスキップ」
 
これにより、指定した送信者からのメールは、自動的に専用ラベルに振り分けられ、受信トレイには表示されなくなります。
4. ラベル機能を活用した差出人別グループ化
ラベル機能を使って、差出人別にメールをグループ化する方法を詳しく見てみましょう。
ラベルの作成方法:
- Gmail左側の「ラベル」セクションで「+」をクリック
 - 「新しいラベルを作成」を選択
 - ラベル名を入力(例:「田中部長」「○○会社」)
 - 必要に応じて色を設定
 
差出人別ラベルの命名例:
効果的なラベル名の付け方:
- 個人名:「田中部長」「山田課長」
 - 会社名:「○○商事」「△△銀行」
 - 部門別:「営業部」「経理部」
 - 重要度:「重要_顧客」「社内_連絡」
 
手動でのラベル付け:
過去のメールにも手動でラベルを付けることができます:
- 対象メールを選択(複数選択可能)
 - 「ラベル」アイコンをクリック
 - 該当するラベルを選択
 
ラベルの階層化:
関連するラベルは階層化して整理できます:
仕事関連/
├── A社
├── B社
└── 社内連絡/
    ├── 営業部
    └── 総務部
ラベル別表示:
作成したラベルをクリックすると、そのラベルが付いたメールだけが表示されます。これにより、実質的に差出人別の並び替えと同じ効果が得られます。
5. Googleワークスペースでの高度な差出人別管理
Googleワークスペース(有料版)を使用している場合、より高度な差出人別管理機能が利用できます。
マルチ受信トレイ機能:
複数の差出人からのメールを、同時に異なるセクションで表示できる機能です。
設定方法:
- 設定→「受信トレイ」タブ
 - 「受信トレイの種類」で「マルチ受信トレイ」を選択
 - セクション1:「from:@company-a.com」
 - セクション2:「from:@company-b.com」
 - セクション3:「from:yamada@important.com」
 
これにより、受信トレイが複数のセクションに分割され、それぞれに指定した差出人からのメールが表示されます。
優先トレイ機能:
重要な差出人からのメールを、自動的に優先トレイに表示する機能:
- 設定→「受信トレイ」→「優先トレイ」
 - 重要な差出人からのメールを「重要」として学習
 - 「重要で未読」「スター付き」などでセクション分け
 
高度な検索演算子:
ワークスペース版では、より複雑な検索条件を設定できます:
from:(@company.com OR @partner.com) has:attachment
(company.com または partner.com からの添付ファイル付きメール)
6. スマホ版Gmailでの差出人別表示方法
スマホやタブレットでGmailを使用する場合の、差出人別表示方法をご紹介します。
モバイルアプリでの検索:
- Gmailアプリの上部にある検索ボックスをタップ
 - 「from:メールアドレス」を入力
 - 検索結果が差出人別に表示される
 
ラベルでの絞り込み:
- 左上のハンバーガーメニュー(≡)をタップ
 - 該当するラベルを選択
 - そのラベルが付いたメールのみ表示
 
モバイル版の制限事項:
- 複雑な検索条件の入力がやや困難
 - フィルタの詳細設定はPC版から行う必要
 - マルチ受信トレイ機能は利用不可
 
効率的なモバイル利用のコツ:
- よく使う検索条件はPC版でフィルタとして保存
 - 重要な差出人は連絡先に登録してアイコン表示
 - 通知設定で重要な差出人からのメールを優先
 
7. 差出人別表示の応用テクニック
より高度な差出人別表示テクニックをご紹介します。
時期別×差出人別の組み合わせ:
特定の期間の特定の差出人からのメールを表示:
from:yamada@company.com after:2024/1/1 before:2024/3/31
添付ファイル付きメールの差出人別表示:
from:@company.com has:attachment
重要メールの差出人別表示:
from:@company.com is:important
未読メールの差出人別表示:
from:yamada@company.com is:unread
大容量メールの差出人別表示:
from:@company.com larger:5M
否定条件の活用:
特定の差出人を除外した表示:
-from:spam@company.com
正規表現的な検索:
from:(yamada OR tanaka OR suzuki)@company.com
カスタムタブの作成:
ブラウザのブックマーク機能を使って、よく使う差出人検索を保存:
「Gmail – 田中さんからのメール」 URL: https://mail.google.com/mail/u/0/#search/from%3Atanaka%40company.com
まとめ:差出人別整理でGmailをもっと便利に使おう
Gmailには従来のメールソフトのような単純な「差出人順並び替え」機能はありませんが、検索・フィルタ・ラベル機能を組み合わせることで、もっと柔軟で強力な差出人別整理が可能になります。
特に重要なのは、一度設定してしまえば、今後受信するメールが自動的に整理されることです。フィルタとラベルを適切に設定することで、手間をかけずに常に整理された状態を維持できます。
最初は設定が面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば従来のメールソフトよりもずっと効率的にメール管理ができるようになります。ぜひ今回ご紹介したテクニックを活用して、もっとスマートなGmail活用を始めてみてくださいね!
  
  
  
  
              
              
              
              
              

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