Excel(エクセル)の作業を何時間もかけてやったのに、うっかり保存しないで閉じてしまった!
落ち着いてください。まずは以下を今すぐ試してみてください:
即座に実行する手順
- PCを再起動しない(重要!)
- Excelを開く
- 「ファイル」→「情報」を確認
- 「保存されていないブックの回復」があるかチェック
あります? ない? 大丈夫です。この記事で段階的に解決方法を説明します。
はじめに

「ファイルを閉じるとき、保存しないを押しちゃった…」
そんなとき、頭が真っ白になりますよね。
こんな状況で困っていませんか?
- 長時間の作業データが一瞬で消えた
- 重要な表やグラフが全部なくなった
- 明日の会議資料が完成直前だったのに…
- 同じミスを二度と繰り返したくない
- 自動保存の設定がよくわからない
でもあきらめるのはまだ早いです。Excelには自動的にデータを残す機能があり、状況によっては復元できます。
この記事では、以下の内容を緊急度順に解説します:
- 今すぐできる復元方法(成功率高)
- 隠れた場所から探す方法(成功率中)
- 最終手段の復元方法(成功率低)
- 二度と失わないための予防策
【方法1】自動回復ファイルから復元(成功率:高)
Excelの情報画面から確認
Excelには「自動回復(オートリカバリ)」機能があり、一定間隔でデータを自動保存しています。
手順
ステップ1:Excelを開く
- 何でもいいので、Excelアプリケーションを起動
ステップ2:情報画面を確認
- 「ファイル」タブをクリック
- 「情報」をクリック
- 右側の画面で「保存されていないブックの回復」を探す
ステップ3:ファイルを復元
- 該当するファイルがあればクリック
- Excelで開かれる
- すぐに「名前を付けて保存」で正式に保存
表示される可能性がある場所
パターンA:情報画面に表示
- 「保存されていないブックの回復」
- 「最近のファイル」の下部
パターンB:起動時に表示
- Excel起動時に「ドキュメントの回復」ウィンドウが表示
- 自動保存されたファイルが一覧表示
「開く」メニューから確認
手順
ステップ1:開くメニューにアクセス
- 「ファイル」→「開く」をクリック
- 最近使用したファイル一覧を確認
ステップ2:保存されていないブックを探す
- 一番下にある「保存されていないブックの回復」をクリック
- 自動回復フォルダが開く
- 拡張子が
.xlsbや~$で始まるファイルを探す
ステップ3:ファイルを開いて保存
- 該当ファイルをダブルクリック
- 内容を確認
- 正しいファイルなら「名前を付けて保存」
【方法2】自動回復フォルダを直接確認(成功率:中)
Windowsでの標準的な保存場所
アクセス方法
ステップ1:フォルダパスを直接入力
- Windows キー + R を押す
- 「ファイル名を指定して実行」が開く
- 以下のパスを入力:
%USERPROFILE%\AppData\Local\Microsoft\Office\UnsavedFiles
- 「OK」をクリック
探すべきファイル
ファイルの特徴
- 拡張子:
.xlsb、.xlsx - ファイル名:数字や記号の組み合わせ
- 更新日時:作業していた時刻に近い
確認方法
- 更新日時でソート
- 作業していた時間に近いファイルをチェック
- ダブルクリックで開いて内容確認
その他の保存場所
別の可能性がある場所
場所1:一時フォルダ
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Temp
場所2:Officeの回復フォルダ
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Excel
場所3:Excelの設定で確認
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」
- 「自動回復ファイルの場所」をチェック
- 表示されたパスを確認
【方法3】最終手段の復元方法(成功率:低)
システムの復元ポイントを利用
Windows 10/11での手順
ステップ1:システムの復元を開く
- スタートボタンを右クリック
- 「システム」を選択
- 「システムの保護」をクリック
- 「システムの復元」ボタンをクリック
ステップ2:復元ポイントを選択
- 作業前の日時の復元ポイントを選択
- 「影響を受けるプログラムの検出」で確認
- 「次へ」→「完了」
注意点
- システム全体が以前の状態に戻る
- 他のファイルやプログラムにも影響
- 最後の手段として使用
ファイル履歴機能(Windows)
有効になっている場合の復元
手順
- 作業していたフォルダを開く
- リボンの「履歴」ボタンをクリック
- 以前のバージョンを探す
- 該当するファイルを復元
第三者製復元ソフト
有料・無料の復元ソフト
代表的なソフト
- Recuva(無料)
- PhotoRec(無料)
- R-Studio(有料)
使用上の注意
- 新しいデータ書き込みを避ける
- 成功率は状況により大きく変動
- ウイルス対策ソフトでスキャン必須
【重要】今後二度と失わないための対策
自動保存設定の最適化
自動回復間隔の短縮
設定手順
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」
- 「自動回復情報を保存する間隔」を確認
- 既定の10分を5分または2分に変更
- 「OK」をクリック
自動保存の有効化
OneDrive使用時
- ファイルをOneDriveに保存
- 自動的に「自動保存」が有効になる
- リアルタイムで変更が保存される
クラウドストレージの活用
OneDriveの設定
メリット
- リアルタイム自動保存
- バージョン履歴機能
- 複数デバイスからアクセス
- 30日間の削除ファイル復元
設定方法
- OneDriveアプリをインストール
- Microsoftアカウントでサインイン
- Excelファイルを OneDrive フォルダに保存
- 自動的に同期開始
Googleドライブの活用
特徴
- 15GBまで無料
- 自動バージョン管理
- リアルタイム共同編集
作業習慣の改善
こまめな保存の習慣化
推奨タイミング
- 重要な作業の区切りごと
- 休憩に入る前
- 電話対応の前
- 会議参加前
ショートカットキー
Ctrl + S:保存- 作業中は5〜10分に一度実行
バックアップファイルの作成
手動バックアップ
- 重要な節目で「名前を付けて保存」
- ファイル名に日時を追加
- 例:「売上表_20250716_1400.xlsx」
よくある質問と対処法
Q. PCを再起動してしまいました
A. 復元の可能性は下がりますが、まだ諦めないでください。
対処法
- 即座にExcelを開いて「情報」画面確認
- 自動回復フォルダを直接確認
- 一時ファイルフォルダもチェック
- システムの復元を検討
Q. 何時間前の作業なら復元可能?
A. 自動回復の設定と状況によります。
一般的な目安
- 2時間以内:復元可能性が高い
- 半日以内:復元可能性がある
- 1日以上:復元困難
復元率を上げるコツ
- PCを再起動しない
- 新しいファイル作成を控える
- できるだけ早く復元作業を実行
Q. 自動回復ファイルが見つからない
A. 以下の原因が考えられます。
可能性のある原因
- 自動回復機能が無効
- 保存間隔が長すぎる
- 作業時間が短すぎた
- 既に削除された
確認方法
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」
- 自動回復設定を確認
- 次回のために設定を最適化
Q. OneDriveを使っていない場合の対策
A. 他のクラウドサービスや設定変更で対応できます。
代替案
- Googleドライブの利用
- Dropboxの活用
- ローカルでの頻繁な手動保存
- 自動回復間隔の短縮設定
緊急時チェックリスト
復元作業の優先順位
【最優先】今すぐ実行
- [ ] PCの再起動を避ける
- [ ] Excelを開く
- [ ] 「ファイル」→「情報」確認
- [ ] 「保存されていないブックの回復」チェック
【次に実行】5分以内
- [ ] 「ファイル」→「開く」→「保存されていないブック」確認
- [ ] 自動回復フォルダを直接確認
- [ ] 一時フォルダをチェック
【最終手段】30分以内
- [ ] システムの復元を検討
- [ ] ファイル履歴機能の確認
- [ ] 復元ソフトの使用を検討
予防策チェックリスト
【即座に設定】
- [ ] 自動回復間隔を5分に設定
- [ ] OneDriveまたはクラウドストレージを設定
- [ ] 自動保存機能を有効化
【習慣化】
- [ ] Ctrl + S を定期実行
- [ ] 重要な区切りで手動保存
- [ ] バックアップファイルの作成
まとめ
Excelを保存しないで閉じてしまった場合の復元は、時間との勝負です。
復元の成功率を上げるポイント
- 即座に行動:PCを再起動せずにすぐ復元作業開始
- 段階的アプローチ:成功率の高い方法から順番に試行
- 冷静な判断:焦らずに手順を確実に実行
復元方法の優先順位
- 自動回復ファイル(成功率:高)
- 直接フォルダ確認(成功率:中)
- システム復元等(成功率:低)
今後の対策の重要性
- 自動保存設定の最適化
- クラウドストレージの活用
- 定期保存の習慣化


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