「予定をExcelで管理したい」「紙のカレンダーみたいに見やすく作れないかな?」
そんなときに便利なのが、Excelで作るカレンダーです。
Excelカレンダーのメリット
- 予定の入力や編集が簡単
 - 色分けで用途別に管理できる
 - 月ごとのコピーや年間管理が楽
 - 印刷してオフィスや家庭で活用
 - 関数を使えば自動更新も可能
 
Excelなら市販のカレンダーにはない、自分だけのオリジナル予定表が作れます。さらに関数を使えば、月が変わっても自動的に日付が変わるカレンダーも作成可能です。
この記事では、以下の内容を初心者にもわかりやすく解説します:
- テンプレートを使った最も簡単な方法
 - 手作りカレンダーの基本的な作り方
 - 関数を使った自動更新カレンダー
 - 実用的な予定管理テクニック
 
テンプレートを使う最も簡単な方法

Excelの標準テンプレート
Excelには最初からカレンダーのテンプレートが用意されています。自分で一から作るよりもずっと早く、プロ仕様のカレンダーが作成できます。
基本的な手順
ステップ1:テンプレートの検索
- Excelを開く
 - 「ファイル」→「新規」をクリック
 - 検索ボックスに「カレンダー」と入力
 - Enterキーを押すかルーペアイコンをクリック
 
ステップ2:テンプレートの選択 様々なデザインのカレンダーが表示されるので、用途に合ったものを選択します。
ステップ3:カレンダーの作成 気に入ったテンプレートをクリックし、「作成」ボタンを押します。
主なテンプレートの種類
月間カレンダー
- シンプル月間カレンダー:基本的な月表示
 - 写真付きカレンダー:画像を挿入できるタイプ
 - 予定入力型カレンダー:各日にメモが書けるタイプ
 
年間カレンダー
- 1ページ年間カレンダー:1年を1枚で表示
 - 四半期カレンダー:3ヶ月ごとの表示
 - 学術年カレンダー:4月始まりの年間表示
 
特殊用途カレンダー
- シフト管理カレンダー:勤務管理用
 - プロジェクト管理カレンダー:タスク管理用
 - 家計簿カレンダー:支出管理機能付き
 
テンプレートのカスタマイズ
年月の変更
ほとんどのテンプレートでは、年や月を変更するだけで自動的に日付と曜日が調整されます。
変更手順
- 年や月が表示されているセルをクリック
 - 希望の年月に変更
 - 自動的に全体が更新される
 
色やデザインの変更
ホーム → セルのスタイル → 好みの色に変更
ページレイアウト → テーマ → デザインテーマの選択
手作りカレンダーの基本作成方法
シンプルな月間カレンダー
基本構造の作成
ステップ1:タイトル行の作成
A1セル:2025年7月
フォントサイズを大きくし、セルを結合して中央揃えにします。
ステップ2:曜日行の作成 A2からG2に以下を入力:
A2: 日  B2: 月  C2: 火  D2: 水  E2: 木  F2: 金  G2: 土
ステップ3:日付の配置 2025年7月の場合の配置例:
      火  水  木  金  土  日  月
                1   2   3   4   5
  6   7   8   9  10  11  12
 13  14  15  16  17  18  19
 20  21  22  23  24  25  26
 27  28  29  30  31
見た目の調整
罫線の追加
- カレンダー全体を選択
 - 「ホーム」→「罫線」→「格子」
 
色分けの設定
- 日曜日の列:薄い赤色
 - 土曜日の列:薄い青色
 - 今日の日付:黄色でハイライト
 
セルサイズの調整
- 列幅:均等に調整(推奨:幅15)
 - 行高:予定が書き込めるように調整(推奨:高さ60)
 
年間カレンダーの作成
12ヶ月分の配置
レイアウト例
1月  2月  3月  4月
5月  6月  7月  8月
9月  10月 11月 12月
各月を3列×4行で配置し、全体を見渡せるようにします。
効率的な作成方法
- 1月分のカレンダーを完成させる
 - 1月分をコピーして他の月に貼り付け
 - 各月の日付と月名を修正
 - 全体のバランスを調整
 
関数を使った自動更新カレンダー
基本的な関数の活用
DATE関数で日付を生成
基本構文
=DATE(年, 月, 日)
使用例
=DATE(2025, 7, 1)  ' 2025年7月1日
WEEKDAY関数で曜日を計算
基本構文
=WEEKDAY(日付, 種類)
使用例
=WEEKDAY(DATE(2025,7,1), 1)  ' 日曜日=1の場合
TEXT関数で表示形式を調整
曜日の表示
=TEXT(DATE(2025,7,1), "aaa")   ' 火
=TEXT(DATE(2025,7,1), "aaaa")  ' 火曜日
自動更新カレンダーの作成
年月入力セルの設定
A1セルに年を入力
A1: 2025
B1セルに月を入力
B1: 7
月初日の計算
C1セルに月初日を設定
=DATE(A1, B1, 1)
カレンダーグリッドの作成
1日目の位置を計算
=WEEKDAY(C1, 1)  ' 1日の曜日を取得
各日付の自動計算 各セルに以下のような数式を設定:
=IF(ROW()-2)*7+COLUMN()-WEEKDAY($C$1,1)+1<=DAY(EOMONTH($C$1,0)),
   (ROW()-2)*7+COLUMN()-WEEKDAY($C$1,1)+1, "")
より簡単な自動更新方法
日付の連続入力
- 月初日をひとつのセルに入力
 - 翌日を隣のセルに入力
 - 2つのセルを選択してドラッグで連続入力
 - 月末まで自動で日付が入力される
 
祝日の自動表示
祝日リストの作成
祝日マスターの作成 別シートに祝日リストを作成:
A列: 日付        B列: 祝日名
2025/1/1       元日
2025/1/13      成人の日
2025/2/11      建国記念の日
...
祝日の自動判定
祝日チェック数式
=IF(COUNTIF(祝日リスト!A:A, カレンダーの日付セル)>0, "祝", "")
条件付き書式での色分け
祝日の自動色分け
- カレンダー範囲を選択
 - 「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」
 - 数式:
=COUNTIF(祝日リスト!A:A, セル参照)>0 - 背景色を赤に設定
 
実用的な予定管理テクニック

色分けによる分類管理
基本的な色分けルール
用途別の色分け例
- 仕事関連:青色
 - プライベート:ピンク色
 - 家族行事:緑色
 - 健康管理:オレンジ色
 - 重要な予定:赤色
 
条件付き書式による自動色分け
キーワードによる自動色分け
- カレンダー範囲を選択
 - 条件付き書式で以下のルールを設定:
 
' 仕事関連(「会議」「打合せ」を含む場合)
=OR(ISNUMBER(SEARCH("会議",セル)),ISNUMBER(SEARCH("打合せ",セル)))
' プライベート(「遊び」「買い物」を含む場合)
=OR(ISNUMBER(SEARCH("遊び",セル)),ISNUMBER(SEARCH("買い物",セル)))
データベース形式での予定管理
予定リストの作成
別シートに予定データベースを作成
A列: 日付     B列: 時間   C列: 予定内容   D列: 分類   E列: 場所
2025/7/15   10:00     会議           仕事      会議室A
2025/7/20   14:00     歯医者         個人      山田歯科
VLOOKUP関数での予定表示
カレンダーでの予定自動表示
=IFERROR(VLOOKUP(カレンダーの日付, 予定DB!A:E, 3, FALSE), "")
フィルター機能の活用
データの絞り込み表示
特定カテゴリのみ表示
- 予定データベースでオートフィルターを設定
 - 分類列で「仕事」のみを選択
 - 仕事関連の予定のみが表示される
 
期間指定での表示
今月の予定のみ表示
=AND(月(A2)=指定月, 年(A2)=指定年)
高度なカレンダー機能
マクロによる月送り機能
前月・次月ボタンの作成
VBAコード例
Sub NextMonth()
    Range("B1").Value = Range("B1").Value + 1
    If Range("B1").Value > 12 Then
        Range("A1").Value = Range("A1").Value + 1
        Range("B1").Value = 1
    End If
End Sub
Sub PrevMonth()
    Range("B1").Value = Range("B1").Value - 1
    If Range("B1").Value < 1 Then
        Range("A1").Value = Range("A1").Value - 1
        Range("B1").Value = 12
    End If
End Sub
週番号の表示
ISO週番号の計算
週番号表示数式
=WEEKNUM(日付, 21)  ' ISO週番号
年をまたぐ週の処理
年末年始の週番号調整
=IF(MONTH(日付)=1 AND WEEKNUM(日付,21)>50, 
   WEEKNUM(日付,21)-52, WEEKNUM(日付,21))
複数人のスケジュール管理
チーム用カレンダーの作成
構成例
      田中    佐藤    鈴木
7/15  会議    外出    休暇
7/16  研修    会議    出張
共有カレンダーのルール
色分けルール例
- 在席:白色
 - 会議:青色
 - 外出:黄色
 - 休暇:グレー色
 - 出張:オレンジ色
 
印刷とレイアウト調整
印刷設定の最適化
ページ設定
基本設定
- 「ページレイアウト」→「ページ設定」
 - 用紙サイズ:A4またはA3
 - 印刷の向き:横向き(月間カレンダーの場合)
 - 余白:狭めに設定
 
印刷範囲の指定
カレンダー部分のみ印刷
- カレンダー範囲を選択
 - 「ページレイアウト」→「印刷範囲」→「印刷範囲の設定」
 
ヘッダー・フッターの設定
有用な情報の追加
- ヘッダー:会社名、部署名
 - フッター:印刷日時、ページ番号
 
モバイル対応
Excel Onlineでの編集
クラウド活用の利点
- どこからでもアクセス可能
 - 複数人での同時編集
 - 自動保存機能
 
スマートフォンでの表示最適化
モバイル表示のコツ
- セルサイズを大きめに設定
 - フォントサイズを調整
 - 色分けを明確にする
 
よくある問題と解決法
日付の自動更新がうまくいかない
原因と対処法
原因1:セルの書式が文字列
- 対処法:セルの書式を「日付」に変更
 
原因2:数式の参照エラー
- 対処法:絶対参照($マーク)を適切に使用
 
原因3:関数の引数が間違い
- 対処法:DATE関数の年、月、日の順序を確認
 
印刷時にレイアウトが崩れる
対処法
ページ区切りの調整
- 「表示」→「改ページプレビュー」
 - 青い線をドラッグして調整
 
スケールの調整
- 「ページレイアウト」→「拡大縮小印刷」
 - 「次のページ数に合わせて印刷」を選択
 
祝日が正しく表示されない
祝日データの更新
最新の祝日情報の取得
- 内閣府の祝日データを参照
 - 年度切り替え時の更新を忘れずに
 
振替休日の処理
=IF(WEEKDAY(祝日)=1, 祝日+1, 祝日)  ' 日曜日の場合は月曜日に振替
よくある質問(Q&A)
Q. カレンダーに写真を入れることはできますか?
A. はい、可能です。
方法1:背景画像として設定
- 「ページレイアウト」→「背景」
 - 好きな画像を選択
 
方法2:各月に個別の画像
- 「挿入」→「画像」
 - 画像を挿入後、サイズと位置を調整
 
Q. 複数年のカレンダーを一度に作りたい
A. 効率的な方法があります:
テンプレート活用法
- 1年分のカレンダーを完成させる
 - シート全体をコピー
 - 年の部分のみを変更
 - 必要な年数分繰り返し
 
Q. 他の人と共有して使いたい
A. 複数の共有方法があります:
OneDrive/SharePointでの共有
- ファイルをクラウドに保存
 - 共有リンクを作成
 - 編集権限を設定
 
Googleドライブでの共有
- ExcelファイルをGoogleドライブにアップロード
 - Googleスプレッドシートとして開く
 - 共有設定を行う
 
Q. スマートフォンでも使いやすくしたい
A. モバイル対応のコツがあります:
レイアウト調整
- セルを大きめに設定
 - フォントサイズを12pt以上
 - 色分けを明確にする
 
Excel Mobileアプリの活用
- タッチ操作に最適化
 - オフラインでも編集可能
 
まとめ
Excelでのカレンダー作成は、用途とスキルレベルに応じて様々な方法が選択できます:
レベル別のアプローチ
- 初心者:テンプレートの活用から始める
 - 中級者:手作りカレンダーで自由度を高める
 - 上級者:関数やマクロで自動化を実現
 
用途別の活用法
- 個人用:シンプルな月間カレンダー
 - 家族用:色分けによる複数人管理
 - ビジネス用:プロジェクト管理やシフト表
 - チーム用:共有カレンダーでの情報共有
 
成功のポイント
- 目的の明確化:何のためのカレンダーかを明確にする
 - 段階的な改善:基本形から始めて徐々に機能を追加
 - 継続的な更新:定期的なメンテナンスで正確性を保つ
 - 使いやすさの重視:複雑すぎる機能は避ける
 
  
  
  
  
              
              
              
              
              

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