Wordで文書作成に集中したいとき、「余計なメニューやツールバーを非表示にして、全画面表示で作業できたら…」と思ったことはありませんか?
画面をスッキリさせることで、誤操作を防いだり、集中力を高めたりする効果があります。
この記事では、Wordで全画面に近い表示にする方法と、その活用シーンをわかりやすく解説します。プレゼン準備や集中作業にぜひ活用してください。この技術を覚えると、どんな環境でも快適に文書作成に集中できるようになります。
全画面表示とは何か・なぜ必要なのか

全画面表示の基本概念
全画面表示とは、文書の内容以外の要素(メニュー、ツールバー、サイドバーなど)を画面から隠し、文書に最大限のスペースを確保する表示方法です。
全画面表示のメリット
集中力の向上
- 視覚的な邪魔がない:余計な要素に目が向かない
- 没入感の向上:文書作成に集中できる
- 注意散漫の防止:メニューなどに気を取られない
- 創作活動の支援:文章を書くことだけに専念
作業効率の向上
- 画面スペースの最大活用:表示領域が広がる
- 誤操作の防止:不要なボタンを押さない
- 視線移動の減少:目の疲労軽減
- ページ全体の把握:レイアウトが見やすい
特定用途での効果
- プレゼンテーション:相手に見せるときの見た目向上
- 読み上げ:音読や発表時の集中
- 校正作業:文章の流れに集中
- 長時間作業:疲労軽減効果
どんな場面で活用するか
創作・執筆活動
- 小説・エッセイ:創作に没頭したい
- ブログ記事:アイデアを形にする
- 論文・レポート:長時間の執筆作業
- 日記・メモ:思考を整理する
ビジネス用途
- 報告書作成:データ分析に集中
- 企画書作成:アイデア出しと構成
- 議事録作成:内容の整理に専念
- プレゼン準備:ストーリー構築
学習・教育
- 授業ノート:講義内容の記録
- 読書感想文:感想をまとめる
- 研究メモ:調査内容の整理
- 試験勉強:要点のまとめ
Wordの表示モード系統の理解
現在のWordで利用可能な表示方法
従来の「全画面閲覧表示」について
以前のWordには「全画面閲覧表示」という機能がありましたが、最近のバージョン(Microsoft 365やWord 2019以降)では名称や操作が変更されています。
現在使える表示モード
集中モード(フォーカスモード):
- 最も全画面に近い表示
- ワンクリックで切り替え可能
- 文章作成に最適化
リボンの折りたたみ:
- メニューバーを隠す
- 必要時にタブをクリックで表示
- 部分的な画面拡張
ナビゲーション非表示:
- サイドバーを隠す
- 画面左右の幅を最大化
- カスタマイズ性が高い
ステータスバー非表示:
- 下部の情報表示を隠す
- わずかな画面領域の拡張
- 細かい調整に有効
集中モード(フォーカスモード)の活用
基本的な使用方法
集中モードの開始手順
- 「表示」タブをクリック
- 「集中モード」(または「フォーカス」)ボタンを選択
- 画面が自動的に切り替わる
- 文書中央に表示され、余計な要素が消える
集中モードの特徴
表示される要素:
- 文書の本文のみ
- ページの余白部分
- 必要最小限の編集機能
非表示になる要素:
- リボンメニュー
- ナビゲーションウィンドウ
- ステータスバー
- タブ切り替え
集中モード中の操作
基本的な編集操作
- 文字入力:通常通り可能
- 基本的な書式設定:太字、斜体など
- コピー&ペースト:ショートカットキー使用
- 保存:Ctrl+Sで通常通り
一時的なメニュー表示
- 画面上部にマウスを移動
- 一時的にメニューが表示される
- 必要な操作を実行
- 再び文書に戻ると非表示
集中モードの終了
方法1:ESCキー
- ESCキーを押すだけで通常表示に戻る
方法2:メニューから終了
- 画面上部のメニュー→「集中モードの終了」
カスタム全画面表示の作成
リボンの手動折りたたみ
リボン折りたたみの手順
- リボン右上の「^」アイコンをクリック
- リボンが折りたたまれる
- タブ名のみが表示される
- 必要時にタブをクリックでメニュー表示
ショートカットキーでの操作
- Ctrl + F1:リボンの折りたたみ切り替え
- 素早い操作が可能
- 作業中の頻繁な切り替えに便利
ナビゲーションウィンドウの非表示
非表示の手順
- 「表示」タブをクリック
- **「ナビゲーションウィンドウ」**のチェックを外す
- 左側のサイドバーが非表示になる
- 水平方向の画面領域が拡大
ナビゲーション表示のメリット・デメリット
表示のメリット:
- 長い文書での移動が簡単
- 見出し構造の把握
- 検索機能の活用
非表示のメリット:
- 画面領域の拡大
- 視覚的なシンプルさ
- 集中力の向上
その他の表示要素の調整
ルーラーの非表示
- 「表示」タブ→**「ルーラー」**のチェックを外す
- 上下のルーラーが非表示
- わずかな領域拡大
ステータスバーのカスタマイズ
- 下部のステータスバーを右クリック
- 表示項目の選択
- 不要な情報を非表示
- 最小限の情報のみ表示
グリッド線の非表示
- 「表示」タブ→**「グリッド線」**のチェックを外す
- 画面がよりスッキリ
- 文書のみに集中
高度な表示カスタマイズ
ショートカットキーの活用
覚えておくべきキー操作
Windows:
- Ctrl + F1:リボン折りたたみ切り替え
- F11:全画面表示(一部のバージョン)
- Ctrl + F:ナビゲーション表示切り替え
- Alt + W, F:集中モードへの切り替え
Mac:
- Command + Control + F:フルスクリーン表示
- Command + Option + R:ルーラー表示切り替え
- Command + F:検索(ナビゲーション)
カスタムショートカットの設定
- 「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」
- 「ショートカットキー:ユーザー設定」
- よく使う機能にショートカット割り当て
- 効率的な操作環境の構築
表示プロファイルの作成
用途別表示設定の保存
執筆用設定:
- 集中モード
- フォント:游明朝、12pt
- 行間:1.5行
- ページ幅:70%
編集用設定:
- リボン表示
- ナビゲーション表示
- ルーラー表示
- 変更履歴表示
プレゼン用設定:
- 集中モード
- ズーム:150%
- フォント:大きめサイズ
- 高コントラスト
マクロを使った自動化
表示切り替えマクロの作成
Sub FullScreenMode()
' リボンを折りたたみ
CommandBars("Ribbon").Height = 0
' ナビゲーションを非表示
ActiveWindow.DocumentMap = False
' ステータスバーを非表示
Application.DisplayStatusBar = False
End Sub
ワンクリック切り替えの実現
- マクロボタンをクイックアクセスツールバーに追加
- ワンクリックで全画面モードに切り替え
- 復元マクロも準備
用途別の最適表示設定

創作・執筆向け設定
小説・エッセイ執筆
推奨設定:
- 集中モード有効
- フォント:游明朝または游ゴシック
- 文字サイズ:12pt
- 行間:1.5行
- ページ幅:60-70%
追加カスタマイズ:
- 文字数カウント:ステータスバーで確認
- 自動保存:頻繁に設定
- バックアップ:定期的に作成
学術論文・レポート
推奨設定:
- 集中モード(作成時)
- 通常表示(編集・校正時)
- 見出しナビゲーション:有効
- 参考文献:別ウィンドウで表示
ビジネス文書向け設定
報告書・企画書作成
推奨設定:
- 段階的な表示切り替え
- アウトライン表示:構成時
- 集中モード:執筆時
- 印刷レイアウト:最終確認時
プレゼン資料作成
推奨設定:
- 集中モード
- 大きめフォント(14pt以上)
- 高ズーム率(120-150%)
- カラー表示:有効
読み・校正向け設定
校正・推敲作業
推奨設定:
- 通常表示(変更履歴確認)
- 集中モード(読み通し)
- コメント表示:有効
- 行番号表示:有効
音読・発表練習
推奨設定:
- 集中モード
- 大きめフォント(16pt以上)
- 高コントラスト表示
- ページ区切り:明確化
よくある問題と解決方法
問題1:集中モードで編集機能が制限される
症状
- 複雑な書式設定ができない
- 図形や表の挿入が困難
- 高度な機能にアクセスできない
解決方法
- 一時的にメニュー表示:画面上部にマウス移動
- 必要な操作を実行後、再び文書に戻る
- 頻繁に使う機能はショートカットキーを覚える
- 複雑な作業時は通常表示に切り替え
問題2:画面が小さくて見づらい
原因
- 画面解像度の問題
- フォントサイズが小さい
- ズーム設定が適切でない
解決方法
- ズーム機能の活用:Ctrl++で拡大
- フォントサイズの調整
- 表示倍率の最適化(100-150%)
- 外部モニターの活用検討
問題3:元の表示に戻せない
よくある困りごと
- ESCキーが効かない
- メニューが見つからない
- 設定が保存されない
解決方法
- Alt + Tabでウィンドウ切り替え
- F11キーで全画面解除(一部環境)
- Wordの再起動
- 設定のリセット
効率的な作業環境の構築
複数モニター環境での活用
デュアルモニター設定
- メインモニター:Word全画面表示
- サブモニター:参考資料、ブラウザ
- 効率的な情報収集と文書作成の両立
縦置きモニターの活用
- 縦長表示:文書の流れが見やすい
- ページ全体:A4サイズを画面いっぱいに
- スクロール減少:読みやすさ向上
作業時間管理との組み合わせ
ポモドーロテクニックとの連携
- 25分間:集中モードで執筆
- 5分間:通常表示で見直し
- 集中と確認のメリハリをつける
時間帯別の表示設定
朝(創作時間):
- 集中モード
- 最小限の表示要素
- 自然光活用
昼(編集時間):
- 通常表示
- 全機能活用
- 詳細な調整作業
夜(校正時間):
- 読みやすさ重視
- 目に優しい設定
- 明度調整
まとめ
Wordには「全画面表示」という名前の機能はありませんが、「集中モード」やツールバーの非表示設定で、同様の効果が得られます。
基本的な方法
- 集中モードで一気にスッキリした表示
- リボンやサイドバーの個別非表示でカスタム表示
- ショートカットキーで効率的な切り替え
効果的な活用のポイント
- 用途に応じた表示設定の使い分け
- 創作・編集・校正での最適化
- 複数モニター環境での活用
- 時間管理手法との組み合わせ
作業効率向上のコツ
- よく使う切り替えはショートカットキーで
- マクロを活用した自動化
- 用途別プロファイルの作成
- 定期的な設定見直し
環境構築の重要性
- 画面サイズに応じた最適化
- 照明環境との調和
- 長時間作業での疲労軽減
- 集中力向上のための工夫
環境を整えるだけで、作業効率や集中力は大きく向上します。
この技術を身につけることで、どんな文書作成でも快適に集中して取り組むことができるようになります。自分の作業スタイルに合った表示設定を見つけて、より効率的で創造的な文書作成を実現してください。
まずは集中モードから試してみて、徐々に自分好みのカスタマイズを追加していくことをおすすめします。
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