Microsoft Wordを使っていて、「この機能が使えない」「画面の表示が違う」と感じたことはありませんか?
それはWordのバージョンの違いによるものかもしれません。
バージョンによって使える機能や操作手順が異なるため、サポートを受ける際やトラブル解決時には自分のWordのバージョンを確認することが重要です。
この記事では、Wordのバージョンを簡単に確認する方法と、その情報の活用ポイントをわかりやすくご紹介します。この知識を身につけると、Wordのトラブルを素早く解決できるようになります。
Wordのバージョンとは何か

バージョンの基本概念
Wordのバージョンとは、ソフトウェアの「版」や「世代」のことです。マイクロソフトは定期的にWordを更新し、新しい機能を追加したり、問題を修正したりしています。
バージョンの種類と特徴
主要なWordバージョン
Microsoft 365(旧Office 365):
- 最新版:常に更新される
- サブスクリプション方式
- クラウド機能が充実
- 毎月新機能が追加
Word 2021:
- 買い切り版の最新
- 一度購入すれば永続利用
- 主要機能は網羅
- セキュリティ更新のみ
Word 2019:
- 2018年リリース
- 安定した動作
- 多くの企業で採用
- 基本機能は十分
Word 2016:
- まだ現役で使用中
- 基本的な機能は完備
- 新機能は制限的
- サポート終了予定あり
Word 2013以前:
- 古いバージョン
- セキュリティリスクあり
- 互換性に問題
- 早急な更新推奨
なぜバージョン確認が必要なのか
機能の違い
- 新機能の有無:AIライティング、リアルタイム共同編集
- 操作方法の違い:メニューの配置や操作手順
- ファイル形式の対応:新しい.docx形式など
- セキュリティ機能:マクロ制限、保護機能
互換性の問題
- ファイル共有時:相手が開けない場合がある
- テンプレート使用時:対応していない機能
- フォント表示:一部フォントが表示されない
- レイアウト崩れ:バージョン間での表示差
サポート対応
- 問い合わせ時の必須情報:正確な案内のため
- トラブル解決の効率化:原因特定が早くなる
- 更新の必要性判断:セキュリティ対策の確認
- ライセンス管理:法的な利用確認
基本的なバージョン確認方法
Windows版Wordでの確認手順
ステップ1:Wordを起動
- Wordアプリケーションを開く
- 新規文書または既存ファイルどちらでもOK
- 完全に読み込まれるまで待つ
ステップ2:ファイルメニューを開く
- 画面左上の「ファイル」タブをクリック
- バックステージビューが表示される
- 左側のメニューを確認
ステップ3:アカウント情報を表示
- 左側メニューから**「アカウント」**をクリック
- 右側に製品情報が表示される
- 「製品情報」セクションを確認
ステップ4:詳細情報の確認
基本情報の確認:
- 製品名:「Microsoft 365」「Word 2021」など
- ライセンス状態:「アクティブ」「試用版」など
- 更新状況:「最新」「更新保留中」など
詳細情報の確認:
- **「Wordのバージョン情報」**ボタンをクリック
- 詳細なバージョン番号が表示される
- ビット数(32bit/64bit)も確認可能
Mac版Wordでの確認手順
基本的な操作
- Wordを起動
- **メニューバーの「Word」**をクリック
- **「Wordについて」**を選択
- バージョン情報ダイアログが表示される
表示される情報
- 製品名とバージョン
- ビルド番号
- ライセンス情報
- システム要件の確認
オンライン版(Word for the Web)の確認
ブラウザ版の特徴
- 常に最新版:自動更新される
- バージョン番号:実質的に意味がない
- 機能制限:デスクトップ版より機能が少ない
確認方法
- 右上の設定メニュー(歯車アイコン)
- 「Word for the Webについて」
- 現在の機能レベルを確認
詳細なバージョン情報の読み方
バージョン番号の構成
表示例の解説
「バージョン 2406(ビルド 17726.20126)クイック実行」
2406:
- リリース年月を表す
- 24年6月版という意味
- 更新頻度の目安
17726.20126:
- 詳細なビルド番号
- 修正やパッチの識別
- サポート時に重要
クイック実行:
- インストール方式
- 迅速な更新が可能
- Microsoft 365の標準
ライセンス形態の確認
サブスクリプション版
Microsoft 365 Personal:
- 個人向けサブスクリプション
- 1TB OneDriveストレージ付き
- 常に最新機能利用可能
Microsoft 365 Family:
- 家族向け(最大6人)
- 複数デバイスで利用可能
- 共有機能が充実
Microsoft 365 Business:
- 企業向けプラン
- 管理機能付き
- セキュリティ強化
永続ライセンス版
Word 2021:
- 一回購入で永続利用
- 大きな機能更新なし
- セキュリティ更新のみ
Word 2019:
- 前世代の永続版
- 基本機能は十分
- サポート期間に注意
バージョン別の主要機能比較

Microsoft 365の特別機能
AI機能
- Microsoft Copilot:AI による文書作成支援
- デザインアイデア:自動レイアウト提案
- スマート検索:文書内容に関連した情報検索
共同作業機能
- リアルタイム共同編集:複数人での同時編集
- コメントと提案:効率的なレビュー機能
- バージョン履歴:変更履歴の詳細管理
永続ライセンス版の制限
Word 2021の制限
- Copilotなし:AI機能は利用不可
- 一部のテンプレート:最新テンプレートは制限
- クラウド機能:基本的な同期のみ
Word 2019の制限
- リアルタイム共同編集:機能が限定的
- 新しいグラフ種類:最新のグラフは非対応
- アクセシビリティ:最新の支援機能なし
古いバージョンの問題点
Word 2016以前の課題
- セキュリティリスク:最新の脅威に対応困難
- ファイル互換性:新しい.docx機能に非対応
- サポート終了:公式サポートが終了済み
実用的な活用方法
トラブル解決での活用
サポート問い合わせ時
- 正確なバージョン情報を伝える
- 具体的な症状と合わせて報告
- 解決策の提案を適切に受けられる
機能が使えない場合
- バージョンの機能一覧で対応確認
- 必要に応じて更新を検討
- 代替手段を探す
ファイル共有での活用
送信前のチェック
- 相手のバージョンを確認
- 互換性を考慮したファイル形式
- 機能の調整(必要に応じて)
受信時のトラブル対応
- 自分のバージョンで開けるか確認
- 互換表示で内容確認
- 必要に応じて形式変換
組織での管理
企業環境での活用
- 全社的なバージョン統一
- ライセンス管理の効率化
- セキュリティポリシーの適用
教育現場での活用
- 学生のバージョン確認
- 課題提出形式の統一
- サポート対応の効率化
よくある問題と解決方法
問題1:バージョン情報が表示されない
古いWordの場合
Word 2010以前:
- 「ファイル」→「ヘルプ」で確認
- 「Microsoft Wordのバージョン情報」をクリック
Word 2007:
- Officeボタン→「Wordのオプション」
- 「リソース」でバージョン確認
表示されない原因
- 権限不足:管理者権限が必要な場合
- 破損したインストール:再インストールが必要
- ネットワーク問題:オンライン認証の失敗
問題2:ライセンス状態がおかしい
よくある状態
「ライセンスのない製品」:
- アクティベーションが未完了
- ライセンス期限切れ
- 別のアカウントでアクティブ化
「試用版」表示:
- 正規版なのに試用版と表示
- アクティベーション失敗
- ライセンスの重複
解決方法
- アクティベーションの再実行
- マイクロソフトアカウントの確認
- ライセンス購入証明の確認
- サポートへの問い合わせ
問題3:バージョンが古すぎる
セキュリティリスク
- マルウェア感染の危険性
- データ漏洩のリスク
- システム不安定の可能性
対処法
- 最新バージョンへの更新
- Microsoft 365への移行検討
- セキュリティソフトでの補完
バージョン更新の判断基準
更新すべき場合
緊急度が高いケース
- セキュリティサポート終了
- 重要な機能が使えない
- ファイル互換性問題
- 動作が不安定
検討すべきケース
- 新機能が魅力的
- 効率化が期待できる
- 組織の標準化
- 長期的なコスト削減
更新しなくても良い場合
現状維持で十分なケース
- 基本機能で満足
- 安定動作している
- コスト面での制約
- 学習コストを避けたい
まとめ
Wordのバージョン確認は、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな作業やサポート対応を実現する基本スキルです。
基本的な確認方法
- 「ファイル」→「アカウント」で製品情報を確認
- 詳細情報は「Wordのバージョン情報」で取得
- Mac版は「Word」→「Wordについて」
活用のポイント
- サポート問い合わせ時の必須情報
- ファイル共有時の互換性確認
- 機能制限の理解と対策
- セキュリティ状態の把握
バージョン管理のコツ
- 定期的なバージョン確認
- 組織内での統一検討
- セキュリティ更新の重視
- 必要に応じたアップグレード
トラブル対応
- 古いバージョンでの確認方法
- ライセンス問題の解決手順
- 互換性問題への対策
- サポート活用の効率化
作業環境を把握することで、他のユーザーとの連携や機能選択にも役立ちます。
この知識を身につけることで、Wordをより安全かつ効率的に使用できるようになります。定期的にバージョンを確認し、必要に応じてアップデートを検討することで、常に最適な環境でWordを活用してください。
技術の進歩に合わせて、自分の使用環境も適切に管理していくことが、長期的な生産性向上につながります。


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