PowerPointでプレゼンを作っていると、「ファイルサイズが重すぎる!」「容量がいっぱいで保存できない!」なんて経験ありませんか?実は、その原因の多くがバージョン履歴の蓄積なんです。
PowerPointには、作業中の変更を自動で記録する機能があります。これは便利な反面、どんどんファイルが重くなってしまう原因でもあるんですね。今回は、そんなバージョン履歴を削除して、ファイルをスッキリ軽くする方法を分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、重いPowerPointファイルから解放されて、快適に作業できるようになりますよ。
バージョン履歴とは?なぜ削除が必要なのか

バージョン履歴の仕組み
バージョン履歴とは、PowerPointが自動的に保存する「作業の記録」のことです。スライドを編集するたびに、以前の状態がファイル内に残されているんですね。
具体例を挙げると、こんな感じです:
- 最初にスライドを作成(バージョン1)
- テキストを追加(バージョン2)
- 画像を挿入(バージョン3)
- レイアウトを変更(バージョン4)
このように、編集のたびに新しいバージョンが作られていきます。
削除が必要な理由
バージョン履歴を放置していると、こんな問題が起こります:
ファイルサイズの肥大化 10MBだったファイルが、いつの間にか100MBを超えることも珍しくありません。メールで送れなくなったり、クラウドストレージの容量を圧迫したりする原因になるんです。
動作の重さ ファイルが重くなると、PowerPointの起動や保存に時間がかかるようになります。プレゼン当日に「開かない!」なんてトラブルは避けたいですよね。
共有時の不便さ チームでファイルを共有する際、重いファイルはアップロードやダウンロードに時間がかかってしまいます。
これらの問題を解決するためにも、定期的なバージョン履歴の削除は重要なメンテナンス作業といえるでしょう。
Microsoft 365版PowerPointでの削除方法
オンライン版での手順
Microsoft 365のオンライン版PowerPointでは、比較的簡単にバージョン履歴を管理できます。
手順1:ファイル情報を開く PowerPointオンラインでファイルを開いたら、画面右上のファイル名をクリックします。すると、ファイル情報パネルが表示されるんです。
手順2:バージョン履歴にアクセス 「バージョン履歴」または「以前のバージョン」という項目を探してクリックしてください。これまでの編集履歴が一覧で表示されます。
手順3:不要なバージョンを削除 削除したいバージョンにマウスを合わせると、「削除」ボタンが表示されます。ただし、最新版は削除できないので注意が必要ですね。
デスクトップ版での詳細手順
デスクトップ版のPowerPointでは、少し手順が異なります。
方法1:ファイルタブから削除
- 「ファイル」タブをクリック
- 「情報」を選択
- 「バージョンの管理」または「以前のバージョン」を探す
- 削除したいバージョンを右クリックして「削除」を選択
方法2:プロパティから一括削除
- 「ファイル」→「情報」→「プロパティ」→「詳細プロパティ」
- 「全般」タブで「個人情報を削除する」にチェック
- 「OK」をクリック
この方法だと、バージョン履歴だけでなく、作成者情報なども一緒に削除されます。
OneDriveとSharePointでの管理方法
OneDriveでのバージョン履歴削除
OneDriveに保存されているPowerPointファイルの場合、ウェブブラウザから直接管理できるんです。
手順の流れ
- OneDriveのウェブサイトにアクセス
- 対象のPowerPointファイルを右クリック
- 「バージョン履歴」を選択
- 不要なバージョンの「削除」ボタンをクリック
OneDriveの場合、削除したバージョンは30日間はゴミ箱に残るので、間違って削除してしまっても復元できます。安心ですね。
SharePointでの企業向け管理
企業でSharePointを使っている場合は、管理者権限によって操作が制限されることがあります。
一般ユーザーができること
- 自分が作成したファイルのバージョン履歴表示
- 最新版以外のバージョン削除(権限がある場合)
管理者ができること
- 全ファイルのバージョン履歴管理
- バージョン保持期間の設定
- 自動削除ルールの設定
もし削除できない場合は、IT部門や管理者に相談してみてください。
古いバージョンのPowerPointでの対処法
PowerPoint 2019以前での削除方法
古いバージョンのPowerPointでは、バージョン履歴の概念が少し異なります。主に「自動回復ファイル」として保存されているんですね。
自動回復ファイルの削除手順
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」
- 「自動回復ファイルの場所」を確認
- エクスプローラーでその場所を開く
- 不要な回復ファイルを手動削除
旧形式ファイル(.ppt)の場合
.ppt形式のファイルには、バージョン履歴機能がありません。代わりに、以下の方法でファイルサイズを削減できます:
画像の圧縮
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- 「ツール」→「図の圧縮」を選択
不要な要素の削除
- 使用していないスライドマスター
- 隠しスライド
- ノート部分の不要なテキスト
これらを整理するだけでも、かなりファイルサイズを小さくできますよ。
削除時の注意点とリスク管理
バックアップの重要性
バージョン履歴を削除する前に、必ずバックアップを取っておきましょう。削除は基本的に元に戻せない操作だからです。
推奨するバックアップ方法
- 別の場所にファイルをコピー
- クラウドストレージの別フォルダに保存
- USBメモリなどの外部媒体に保存
万が一の時に備えて、複数の場所にバックアップを作っておくと安心ですね。
共同編集中のファイルでの注意
チームで共同編集しているファイルのバージョン履歴を削除する際は、特に注意が必要です。
確認すべきポイント
- 他のメンバーが参照している可能性
- 重要な変更履歴が含まれていないか
- 削除の影響を受ける人への事前連絡
できれば、チーム全体で相談してから削除することをおすすめします。
復元の可能性について
一度削除したバージョン履歴は、基本的に復元できません。ただし、以下の場合は例外です:
- OneDriveのゴミ箱機能(30日間)
- SharePointの管理者による復元(設定による)
- 自動バックアップシステムがある環境
完全に削除される前に、本当に不要かどうかをしっかり確認しておきましょう。
ファイルサイズ最適化のその他の方法

画像とメディアの圧縮
バージョン履歴以外にも、ファイルサイズを大きくする要因があります。特に画像やビデオファイルは要注意ですね。
画像圧縮の手順
- 画像を選択して右クリック
- 「図の圧縮」を選択
- 「この画像のみ」または「すべての画像」を選択
- 適切な解像度を選ぶ
プレゼン用なら「Web用(96ppi)」で十分な場合が多いです。
不要なスライドマスターの削除
PowerPointには「スライドマスター」という機能があります。これが複数あると、ファイルサイズが大きくなってしまうんです。
削除方法
- 「表示」タブ→「スライドマスター」
- 使用していないマスターを選択
- 「削除」ボタンをクリック
使っているマスターかどうか分からない場合は、削除前に確認しておくと安全ですよ。
フォントの埋め込み設定見直し
特殊なフォントを使っている場合、フォント情報がファイルに埋め込まれてサイズが大きくなることがあります。
設定の確認方法
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」
- 「ファイルにフォントを埋め込む」の設定を確認
- 必要に応じて「使用している文字のみ」に変更
一般的なフォント(メイリオ、游ゴシックなど)を使えば、埋め込みは不要な場合が多いです。
まとめ
PowerPointのバージョン履歴削除は、ファイルサイズを大幅に削減できる効果的な方法です。今回ご紹介した内容をまとめると:
主なポイント
- バージョン履歴はファイル肥大化の主な原因
- Microsoft 365版とデスクトップ版で手順が異なる
- 削除前のバックアップは必須
- 共同編集ファイルは慎重に対応
その他の最適化方法
- 画像圧縮による容量削減
- 不要なスライドマスターの整理
- フォント埋め込み設定の見直し
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