「Wordで図形や表の色を変えたいけれど、どこから設定すればいいの?」「テキストボックスの背景色を変更したい」
Word文書を作成するとき、図形や表、テキストボックスの背景色を変更することで、視覚的に魅力的で分かりやすい文書を作成できます。しかし、要素によって設定方法が異なるため、「どこから変更すればいいのか分からない」という声をよく聞きます。
この記事では、Wordでよく使う4つの要素(図形・表・テキストボックス・文字)における塗りつぶし色の変更方法を、初心者でも分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 図形の塗りつぶし色変更方法
- 表やセルの背景色設定
- テキストボックスの色変更
- 文字のハイライト設定
- 効果的な色選択のコツと注意点
Wordの塗りつぶし機能とは

塗りつぶしの基本概念
塗りつぶしとは、図形やセルの内部を色で満たす機能です。背景色を変更することで、以下のような効果が得られます:
塗りつぶしのメリット
- 視覚的な強調効果:重要な情報を目立たせる
- 情報の分類:色分けで内容を整理
- デザイン性の向上:美しく読みやすい文書作成
- 読みやすさの改善:背景色で文字を見やすく
塗りつぶし対象となる要素
主な対象要素
- 図形:四角形、円、矢印、フローチャートなど
- 表:セル、行、列全体
- テキストボックス:文字を囲む枠
- 文字:ハイライト(蛍光ペン)機能
図形の塗りつぶし色を変更する方法
基本操作手順
図形の背景色を変更する最も基本的な方法です。
操作手順
- 対象の図形をクリックして選択
- **「図形の書式」**タブを選択
- **「図形の塗りつぶし」**をクリック
- 希望の色を選択
詳細な操作方法
図形の正しい選択方法
選択の確認ポイント
- 図形をクリックすると**周りにハンドル(小さい四角)**が表示
- 複数図形の選択はCtrlキーを押しながらクリック
- 選択すると**「図形の書式」タブ**が自動で表示
色選択のオプション
テーマカラー
- 文書全体で統一された配色
- プロフェッショナルな仕上がり
- 色の組み合わせが自動で調整
標準色
- 基本的な10色のパレット
- はっきりした色で強調効果が高い
- シンプルな資料に適している
その他の色
- より多くの色から選択可能
- RGBやHSLでの詳細指定
- コーポレートカラーなど特定色の使用
グラデーション効果の設定
美しいグラデーション効果を追加する方法です。
グラデーション設定手順
- 「図形の塗りつぶし」 → 「グラデーション」
- 既定のグラデーションから選択
- **「その他のグラデーション」**で詳細設定
カスタムグラデーション
- 開始色と終了色を個別指定
- グラデーション方向の設定
- 透明度の調整も可能
表(セル)の塗りつぶしを変更する方法
基本操作手順
表のセルや行全体の背景色を変更する方法です。
基本手順
- 対象の表またはセルを選択
- **「表のデザイン」または「レイアウト」**タブを開く
- **「塗りつぶし」または「シェーディング」**をクリック
- 希望の色を選択
セル選択の効率的な方法
選択範囲の種類
単一セル
- セル内をクリックしてカーソルを配置
- セル全体選択はセルの左端をクリック
複数セル
- 範囲をドラッグして選択
- 行全体:行の左側をクリック
- 列全体:列見出しをクリック
- 表全体:表の左上角ボタンをクリック
表のデザインタブでの設定
シェーディング機能
表の背景色を効率的に設定する方法です。
操作手順
- セル選択後**「表のデザイン」**タブ
- **「シェーディング」**ボタンをクリック
- 色を選択して適用
テーブルスタイルの活用
- 既定スタイルから選択可能
- 色の組み合わせが自動調整
- ヘッダー行や交互行の色分けも設定
実践的な表の色分けテクニック
効果的な色分けパターン
行ごとの色分け
- 奇数行と偶数行で色を変更
- データの追いやすさが大幅に向上
- 読みやすさの改善効果
重要データの強調
- 特定セルのみ色を変更
- 注意すべき数値を赤系で強調
- 達成値を緑系で表示
部門別・分類別の色分け
- カテゴリーごとに異なる色を設定
- 一目で分類を把握可能
- 情報整理の効率化
テキストボックスの塗りつぶしを変更する方法
基本操作手順
テキストボックスの背景色を変更する方法です。
基本手順
- テキストボックスをクリックして選択
- **「図形の書式」**タブを選択
- **「図形の塗りつぶし」**から色を選択
テキストボックス選択時の注意点
正しい選択方法
選択の確認
- 枠線をクリックしてテキストボックス全体を選択
- 文字編集時は内部をクリック
- 選択状態では枠線が実線で表示
- **ハンドル(調整点)**が表示される
高度な設定オプション
透明度の調整
背景を透けさせる効果的な方法です。
透明度設定手順
- 「図形の塗りつぶし」 → 「その他の塗りつぶし色」
- **「透明度」**スライダーで調整
- 背景が透けて見える効果を実現
透明度の目安
- 背景を透かす軽い印象:70-80%
- 程よい強調効果:40-60%
- しっかりとした色:0-20%
パターンとテクスチャ
パターン設定
- 「図形の塗りつぶし」 → 「パターン」
- ストライプやドットなどの模様
- **「テクスチャ」**で質感のある背景
枠線との組み合わせ
統一感のあるデザイン
- **「図形の枠線」**で枠の色も調整
- 塗りつぶし色と枠線色のバランス
- 枠線の太さやスタイルも変更可能
文字の背景色(ハイライト)を変更する方法

ハイライト機能の基本
文字に直接マーカーペンのような効果を付ける機能です。
基本操作手順
- 対象の文字を選択
- **「ホーム」タブの「蛍光ペンの色」**をクリック
- 希望の色を選択
ハイライトの特徴と用途
塗りつぶしとの違い
ハイライトの特徴
- 文字に直接色を付ける機能
- マーカーペンで線を引いた効果
- 文字の形に合わせて色が付く
主な利用場面
- 重要なキーワードの強調
- 校閲やチェック作業
- 学習資料でのマーキング
- 文書レビュー時の印付け
効果的な文字選択方法
選択テクニック
基本的な選択方法
- マウスドラッグで範囲選択
- 単語の場合はダブルクリック
- 段落全体はトリプルクリック
- 文書全体はCtrl + A
ハイライトの管理
色の変更と削除
ハイライト削除方法
- ハイライトされた文字を選択
- 「蛍光ペンの色」 → 「色なし」
- すべてのハイライトを一括削除も可能
高度な色設定テクニック
カスタムカラーの作成
より精密な色指定を行う方法です。
RGB値での指定
詳細色設定手順
- 「その他の色」 → 「ユーザー設定」
- **R(赤)、G(緑)、B(青)**の値を入力
- 0-255の範囲で詳細指定
16進カラーコードの活用
- Webデザインと同じ色指定方法
- #FFFFFFのような形式
- 正確な色の再現が可能
効果的な配色の基本理論
色の組み合わせルール
安全な配色パターン
- 類似色:隣接する色相での組み合わせ
- 補色:正反対の色でのコントラスト
- 単色:明度や彩度を変えた同系色
読みやすさを考慮した配色
- 背景色と文字色のコントラスト
- 薄い背景には濃い文字
- 濃い背景には明るい文字
テーマカラーの効果的活用
文書全体の統一
テーマカラー設定
- **「デザイン」**タブ → 「配色」
- テーマカラーを選択
- すべての要素で色が統一
カスタムテーマの作成
- 独自の配色テーマを作成
- 会社のブランドカラーを反映
- 複数の文書で一貫性を保持
よくあるトラブルと解決方法
色が思った通りに表示されない問題
画面表示と印刷の違い
原因と対処法
- モニター設定:色温度や明度の調整
- 印刷設定:カラー印刷の確認
- 用紙の種類:印刷用紙による色の変化
色の統一が難しい場合
効率的な色管理方法
- テーマカラーの活用で自動統一
- スタイル機能での一括管理
- カラーパレットの統一使用
透明度設定がうまくいかない
解決方法
- オブジェクトが正しく選択されているか確認
- 「図形の書式」タブが表示されているか確認
- 透明度スライダーの正確な操作
実践的な活用例
ビジネス文書での効果的な色使い
プレゼン資料の配色
要素別の推奨色
- タイトル:企業色やテーマカラー
- 重要ポイント:赤やオレンジで強調
- 補足情報:グレーや薄い色で控えめに
- データ部分:青系で信頼感を演出
報告書での情報分類
色による情報分類
- 成果・達成:緑系でポジティブに
- 注意・課題:黄色系で注意喚起
- リスク・問題:赤系で警告
- 参考情報:青系で客観的に
教育資料での活用
学習効果を高める色使い
効果的な色分け
- 重要概念:濃い背景色で強調
- 例題・練習:薄い色で区別
- 注意点:赤系で警告
- 補足説明:グレー系で控えめに
マーケティング資料での活用
視覚的インパクトの創出
ブランドイメージの統一
- 企業カラーの一貫使用
- 季節感のある配色選択
- ターゲット層に合わせた色選択
- 競合他社との差別化
色選択の心理効果と活用法

色が与える印象
基本色の心理効果
主要色の印象
- 赤:情熱、緊急性、注意、エネルギー
- 青:信頼、安定、冷静、プロフェッショナル
- 緑:安心、自然、成長、安全
- 黄:注意、明るさ、活発、警告
- オレンジ:暖かさ、親しみ、エネルギー
避けるべき配色
注意が必要な組み合わせ
- 赤と緑の隣接(色覚障害への配慮)
- 明度の近い色同士
- 過度に多くの色の使用
- チカチカする組み合わせ
まとめ
Wordでの塗りつぶし色変更は、要素の種類に応じて適切な方法を選択することが重要です。図形、表、テキストボックス、文字それぞれに最適な設定方法があります。
重要なポイント
基本操作のマスター
- 各要素の正しい選択方法を理解
- 適切なタブ・メニューの選択
- 色の組み合わせやコントラストへの配慮
効果的な色使い
- 文書全体の統一感を保つ
- 読み手のことを考えた色選択
- 目的に応じた適切な強調
実践的な活用
- テーマカラーを基本とした色選択
- 少ない色数での効果的な表現
- 印刷時の見た目も考慮した設定
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