「PowerPointのスライドにコピーライトを追加したいけれど、どうすれば良いの?」「他人の画像を使ったときは、どんな表示をすれば安全なの?」
プレゼンテーションや報告書に使うスライドに、著作権情報やコピーライトを適切に表示することは重要です。特に、他の人が作成したコンテンツや画像を使用する場合、コピーライトの表示が法的にも必要です。
本記事では、PowerPointでコピーライトを編集・追加する方法を分かりやすく解説し、著作権に関する基本的なルールも紹介します。この知識があれば、安心してプレゼン資料を作成・公開できるようになります。
コピーライトとは?基本的な理解

コピーライト(著作権)の基本概念
コピーライト(著作権)とは、作品を作った人がその作品に対して持つ権利のことです。これは、文章、画像、音楽、動画など、あらゆる創作物に自動的に発生します。
重要なポイント:
- 作品を作った瞬間に自動的に発生する権利
- 「©」マークがなくても著作権は存在する
- 他人の作品を無断使用すると法的問題になる可能性
PowerPointで注意が必要な場面
他人のコンテンツを使用する場合
- インターネットから取得した画像
- 書籍や雑誌からのグラフやデータ
- 他社のロゴやブランドイメージ
- 音楽や動画ファイル
よくある疑問:「無料の画像なら大丈夫?」 「フリー素材」と書かれていても、利用条件がある場合があります。商用利用の可否、クレジット表記の必要性など、必ず利用規約を確認しましょう。
PowerPointにコピーライトを追加する4つの方法
フッターでコピーライト情報を一括管理する方法
すべてのスライドに統一したコピーライト情報を表示したい場合に最適です。一度設定すれば、全スライドに自動適用されます。
具体的な手順
- 画面上部の「挿入」タブをクリック
- 「テキスト」グループの「ヘッダーとフッター」をクリック
- 表示されるダイアログボックスの「フッター」にチェックを入れる
- 下のテキストボックスにコピーライト情報を入力
- 例:「© 2025 Your Company Name. All Rights Reserved.」
- 「すべてに適用」ボタンをクリック
設定後の確認方法: 各スライドの下部にコピーライト情報が表示されているか確認してください。表示されない場合は、スライドマスターの設定を確認する必要があります。
この方法のメリット
- 全スライドで統一された表示
- 新しいスライドを追加しても自動で適用
- 後から一括で変更可能
適用例
- 会社のプレゼンテーション資料
- セミナーや講演会の配布資料
- 公開予定の教育資料
特定のスライドだけにコピーライトを追加する方法
一部のスライドにのみコピーライト情報を表示したい場合や、スライドごとに異なる著作権表記が必要な場合に使用します。
具体的な手順
- コピーライト情報を表示したいスライドを選択
- 「挿入」タブ→「テキストボックス」をクリック
- スライド上でクリックしてテキストボックスを作成
- コピーライト情報を入力(例:© 2025 著作者名)
- テキストボックスをスライド下部の適切な位置に移動
- フォントサイズや色を調整(推奨:10~12pt、グレー系の色)
レイアウトのコツ:
- スライド下部の左寄せまたは中央配置
- メインコンテンツを邪魔しない控えめなサイズ
- 背景色との十分なコントラスト確保
この方法のメリット
- スライドごとの個別対応が可能
- レイアウトの自由度が高い
- 特定の画像に対する個別の著作権表記が可能
他人の画像を使用する際の引用表記方法
他人が作成した画像、グラフ、データを使用する場合の正しい表記方法です。
引用表記の基本形式
画像の場合: 「出典:[著者名]『[タイトル]』[出版社]、[年]」 または 「Source: [Author] ([Year]). [Title]. [Website/Publication]」
Webサイトから取得した場合: 「出典:[サイト名] [URL] ([アクセス日])」
具体的な手順
- 画像の近くにテキストボックスを配置
- 小さなフォントサイズ(8~10pt)で出典情報を記載
- 画像の下部または横に配置
- 「出典:」「Source:」などの表記を統一
重要な注意点:出典表記だけでは不十分な場合 著作権者の許可が必要な場合があります。特に商用利用や公開する資料では、事前に使用許可を取ることが安全です。
コピーライトアイコンやロゴを活用する方法
視覚的にコピーライト情報を強調したい場合や、ブランドイメージを維持したい場合に効果的です。
具体的な手順
- コピーライトマーク(©)やロゴ画像を準備
- 「挿入」タブ→「画像」→「このデバイス」から画像を選択
- 挿入した画像をスライド下部の適切な位置に配置
- 画像サイズを調整(推奨:15~25px程度)
- 必要に応じて画像の横にテキストで詳細情報を追加
アイコン取得時の注意点: コピーライトマーク(©)自体にも著作権がある場合があります。フリーで使用できるアイコンサイトから取得するか、テキストで「©」記号を使用することをおすすめします。
コピーライト表記の正しい書き方
基本的な表記パターン
自分の作品の場合
- © 2025 山田太郎
- © 2025 ABC株式会社. All Rights Reserved.
- Copyright 2025 Your Name. All Rights Reserved.
複数年にわたる場合
- © 2023-2025 会社名
- © 2024, 2025 著作者名
他人の作品を引用する場合
- 出典:田中花子『プレゼンテーションの技術』XYZ出版、2024
- Source: John Smith (2025). “Data Analysis Methods”
- 画像提供:©フォトライブラリー(許可済み)
表記する場所の基本ルール
推奨される配置場所
- スライドの下部:最も一般的で目立ちすぎない
- 画像の近く:特定の画像に対する著作権表記
- タイトルスライド:資料全体の著作権表記
避けるべき配置
- メインコンテンツと重なる場所
- 読みにくい小さすぎる文字
- 目立ちすぎる色や装飾
著作権に関する重要な注意点
使用前に確認すべきこと
ライセンスの種類を理解する
- パブリックドメイン:自由に使用可能
- クリエイティブ・コモンズ:条件付きで使用可能
- 商用フリー:商用利用可能だが条件がある場合も
- ロイヤリティフリー:一度支払えば制限なく使用可能
よくある誤解:「ネットにある画像は自由に使える」 インターネット上にある画像も著作権で保護されています。「フリー」と書かれていても、利用規約を必ず確認してください。
安全な画像の取得先
- 有料素材サイト:Shutterstock、Getty Images など
- 無料素材サイト:Unsplash、Pixabay、Pexels など
- 政府機関の資料:多くが自由利用可能
- 自社で撮影した画像:最も安全
法的リスクを避けるためのチェックリスト
使用前の確認項目
- [ ] 著作権者は明確か
- [ ] 使用許可は得られているか
- [ ] 商用利用は可能か
- [ ] クレジット表記は必要か
- [ ] 改変は許可されているか
公開前の最終確認
- [ ] すべての画像の出典は記載されているか
- [ ] 自社のコピーライト情報は正確か
- [ ] 第三者の権利を侵害していないか
- [ ] 利用規約に違反していないか
トラブル時の対処方法

著作権侵害の指摘を受けた場合
即座に行うべき対応
- 使用を即座に停止:問題の画像や文章の使用を中止
- 事実確認:指摘内容が正当かどうか確認
- 謝罪と対応:侵害が事実なら速やかに謝罪
- 再発防止策の検討:今後同様の問題を防ぐ仕組み作り
予防的な対策
- 使用記録の管理:どこから取得した素材かを記録
- 定期的なチェック:使用している素材の権利状況を確認
- 社内教育:著作権に関する基本知識の共有
よくあるトラブル事例と対策
事例1:「フリー素材」サイトの画像を使ったら請求が来た
原因: サイトの利用規約を確認せずに使用 対策: 必ず利用規約を読み、商用利用の可否を確認
事例2:スクリーンショットに他社のロゴが写り込んだ
原因: 意図しない第三者の著作物の使用 対策: スクリーンショット前に画面内容を確認、必要に応じてロゴ部分を加工
まとめ
PowerPointでコピーライトを適切に管理することは、法的リスクを避け、プロフェッショナルな資料を作成するために不可欠です。
主要なポイント:
- フッター機能を使えば全スライドに一括でコピーライト情報を追加可能
- 個別のテキストボックスで特定のスライドや画像に対応
- 正しい表記形式(©、年号、著作者名)を使用
- 他人のコンテンツ使用時は必ず出典を明記し、可能であれば許可を取得
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