Word(ワード)で文書を作っていて、「この資料をB5で印刷したい」「年賀状をはがきサイズで作りたい」「A3の大きな用紙に印刷したい」と思ったことはありませんか。
普段はA4サイズで文書を作ることが多いですが、用途によって適切な用紙サイズは変わります。例えば、持ち運びしやすい小冊子を作るならB5、お客様への案内状なら少し小さめのB5、年賀状や挨拶状ならはがきサイズが適しています。
でも、「用紙サイズの変更って難しそう」「やり方がわからない」と感じている人も多いはずです。実は、Wordの用紙サイズ変更はとても簡単で、数クリックでできてしまいます。
この記事では、Wordで用紙サイズを変更する方法を、初心者の方でもわかるように詳しく説明します。基本的な変更方法から、一部のページだけサイズを変える応用技術まで、幅広くカバーします。
適切な用紙サイズを選んで、目的に合った美しい文書を作れるようになりましょう。
用紙サイズの基礎知識

よく使われる用紙サイズ
まず、どんな用紙サイズがあるのかを理解しておきましょう。
日本でよく使われるサイズ
A4(210×297mm)
- 最も一般的なサイズ
- ビジネス文書、レポート、コピー用紙の標準
- 学校や会社で最もよく使われる
A3(297×420mm)
- A4の2倍の大きさ
- ポスター、大きな図表、新聞などに使用
- プレゼン資料の印刷にも適している
B5(182×257mm)
- A4より一回り小さいサイズ
- 雑誌、パンフレット、小冊子に適している
- 持ち運びしやすく、読みやすいサイズ
B4(257×364mm)
- B5の2倍の大きさ
- 新聞、大判の雑誌、図面などに使用
はがき(100×148mm)
- 年賀状、暑中見舞い、案内状などに使用
- 郵便はがきの標準サイズ
海外でよく使われるサイズ
レター(8.5×11インチ ≈ 216×279mm)
- アメリカ、カナダの標準サイズ
- A4より少し幅が広く、高さが低い
リーガル(8.5×14インチ ≈ 216×356mm)
- アメリカの法的文書で使用
- レターより長いサイズ
用紙サイズを変更する理由
見た目と読みやすさの改善
小さい用紙(B5、はがき)のメリット
- 手に取りやすく、読みやすい
- 親しみやすい印象を与える
- 郵送費用を抑えられる
大きい用紙(A3、B4)のメリット
- 迫力のあるレイアウトが可能
- 図表やグラフを大きく表示できる
- プレゼンテーションで見やすい
用途に応じた最適化
学校での使い分け
- レポート:A4
- 文化祭のポスター:A3
- 部活動の案内:B5
- 卒業文集:B5
仕事での使い分け
- 企画書:A4
- プレゼン資料:A3またはA4
- パンフレット:B5
- 名刺:名刺サイズ(91×55mm)
基本的な用紙サイズ変更方法
手順1:レイアウトタブにアクセス
- Wordを開きます
- 用紙サイズを変更したい文書を開いてください
- 「レイアウト」タブをクリックします
- Wordの上部にあるタブの中から「レイアウト」を選択してください
- 「ページ設定」グループを確認します
- 「レイアウト」タブの左側にある「ページ設定」というグループを見つけてください
手順2:サイズの選択
- 「サイズ」ボタンをクリックします
- 「ページ設定」グループの中にある「サイズ」というボタンをクリックしてください
- ドロップダウンメニューが表示されます
- よく使われる用紙サイズの一覧が表示されます
- 希望するサイズを選択します
- リストから適切なサイズをクリックしてください
利用可能な標準サイズ
Wordのメニューには、以下のような用紙サイズが用意されています:
- A3:297 × 420 mm
- A4:210 × 297 mm
- A5:148 × 210 mm
- B4:257 × 364 mm
- B5:182 × 257 mm
- はがき:100 × 148 mm
- レター:8.5 × 11 インチ
- リーガル:8.5 × 14 インチ
変更後の確認
- 文書の表示を確認します
- 用紙サイズが変更されると、文書の表示も変わります
- レイアウトの調整が必要かチェックします
- 文字や画像の配置が適切かどうか確認してください
- 印刷プレビューで最終確認します
- 「ファイル」→「印刷」で、実際の印刷イメージを確認できます
カスタムサイズの設定方法
標準サイズにない場合の対処法
特殊な用紙サイズや、独自のサイズが必要な場合は、カスタムサイズを設定できます。
カスタムサイズ設定の手順
- 「サイズ」メニューを開きます
- 「レイアウト」→「サイズ」をクリックしてください
- 「その他の用紙サイズ」を選択します
- ドロップダウンメニューの一番下にある項目です
- 「ページ設定」ダイアログボックスが開きます
- 「用紙」タブを確認します
- 複数のタブがある場合は、「用紙」タブを選択してください
- 用紙サイズを「ユーザー定義」に変更します
- 「用紙サイズ」の欄で「ユーザー定義」を選択してください
- 幅と高さを入力します
- 幅:用紙の横の長さをcmまたはmmで入力
- 高さ:用紙の縦の長さをcmまたはmmで入力
- 「OK」をクリックして設定を保存します
カスタムサイズの活用例
名刺サイズ(91×55mm)
- 幅:9.1cm
- 高さ:5.5cm
- 用途:名刺、ショップカード
封筒サイズ(長3:120×235mm)
- 幅:12.0cm
- 高さ:23.5cm
- 用途:封筒の宛名印刷
ポストカードサイズ(148×100mm)
- 幅:14.8cm
- 高さ:10.0cm
- 用途:ポストカード、DM
チケットサイズ(210×60mm)
- 幅:21.0cm
- 高さ:6.0cm
- 用途:イベントチケット、クーポン
単位の変換
サイズを入力する際の単位変換の参考:
- 1cm = 10mm
- 1インチ = 2.54cm
- A4の実際のサイズ:21.0cm × 29.7cm
一部のページだけサイズを変更する方法

セクション区切りの活用
文書の一部のページだけ異なる用紙サイズにしたい場合は、「セクション区切り」機能を使います。
セクション区切りとは
セクション区切りは、文書を部分ごとに分けて、それぞれ異なる設定を適用できる機能です。例えば、1ページ目は表紙でA4、2-3ページは内容でB5、4ページ目は資料でA3といった設定が可能です。
設定手順
ステップ1:セクション区切りの挿入
- 用紙サイズを変更したいページの直前にカーソルを置きます
- 例:3ページ目だけB5にしたい場合、2ページ目の最後にカーソルを置く
- 「レイアウト」タブをクリックします
- 「区切り」ボタンをクリックします
- 「ページ設定」グループの中にあります
- 「次のページから開始」を選択します
- セクション区切りの種類から選択してください
ステップ2:用紙サイズの変更
- 新しいセクション(3ページ目)にカーソルを移動します
- 「レイアウト」→「サイズ」で希望するサイズを選択します
- 「適用先」で「このセクション」を選択していることを確認します
ステップ3:元のサイズに戻す(必要に応じて)
- 4ページ目以降を元のサイズに戻したい場合
- 3ページ目の最後にセクション区切りを挿入
- 4ページ目で元の用紙サイズを設定
実際の活用例
企画書での活用
構成:
- 1ページ目:表紙(A4)
- 2-5ページ目:企画内容(A4)
- 6ページ目:詳細資料(A3)
卒業文集での活用
構成:
- 表紙:A4
- 本文:B5(読みやすさ重視)
- 写真ページ:A4(写真を大きく表示)
イベント案内での活用
構成:
- 案内状本文:はがきサイズ
- 詳細地図:A4サイズ
よくある問題と解決方法
問題1:レイアウトが崩れる
症状
用紙サイズを変更したら、文字や画像の配置がおかしくなった。
原因
- 余白設定が新しい用紙サイズに合っていない
- フォントサイズが用紙サイズに対して大きすぎるまたは小さすぎる
- 画像や表のサイズが用紙からはみ出している
解決方法
余白の調整
- 「レイアウト」→「余白」をクリック
- 「ユーザー設定の余白」を選択
- 用紙サイズに適した余白を設定
- A4→B5:余白を少し小さくする
- B5→A4:余白を少し大きくする
フォントサイズの調整
- 文書全体を選択(Ctrl + A)
- フォントサイズを調整
- 小さい用紙:フォントサイズを小さく
- 大きい用紙:フォントサイズを大きく
画像・表のサイズ調整
- 画像や表を個別に選択
- サイズを用紙に合わせて調整
- 必要に応じてレイアウトを変更
問題2:印刷時に用紙サイズが合わない
症状
Wordでは正しく設定したのに、印刷すると用紙サイズが違う。
原因
- プリンター側の設定がWord の設定と一致していない
- プリンターが指定した用紙サイズに対応していない
解決方法
プリンター設定の確認
- 「ファイル」→「印刷」をクリック
- 「プリンターのプロパティ」をクリック
- 「用紙」または「メディア」設定を確認
- Wordで設定したサイズと一致させる
プリンター対応サイズの確認
- プリンターの仕様を確認
- 対応していない場合は別のプリンターを使用
- または対応サイズに変更
問題3:一部のページだけサイズが変わってしまう
症状
意図していないページの用紙サイズまで変わってしまった。
原因
- セクション区切りが正しく設定されていない
- 「適用先」の設定が間違っている
解決方法
セクション区切りの確認
- 「ホーム」→「編集記号の表示/非表示」をクリック
- セクション区切りの位置を確認
- 不要なセクション区切りを削除
- 必要な場所に正しく挿入
適用先の設定確認
- 「ページ設定」を開く
- 「適用先」が適切に設定されているか確認
- 「このセクション」「このセクション以降」「文書全体」から適切に選択
印刷時の注意点

プリンターとの連携
対応用紙サイズの確認
使用予定のプリンターが、設定した用紙サイズに対応しているかを事前に確認しましょう。
確認方法:
- プリンターの仕様書またはマニュアルを確認
- プリンタードライバーの設定画面で対応サイズを確認
- テスト印刷で実際に確認
用紙のセット方法
A4以外のサイズを印刷する場合:
- プリンターに適切なサイズの用紙をセット
- プリンターの用紙ガイドを調整
- プリンター本体の設定を変更(必要に応じて)
印刷品質の最適化
解像度の設定
用紙サイズが小さい場合は、解像度を高めに設定することで、文字や画像がより鮮明に印刷されます。
カラー設定
- 白黒印刷:文字中心の文書
- カラー印刷:画像や図表を含む文書
両面印刷の考慮
両面印刷する場合の注意点:
- 用紙の厚さを確認
- プリンターの両面印刷機能の対応サイズを確認
- 裏写りしないようなレイアウト設計
目的別の用紙サイズ選択ガイド
ビジネス文書
企画書・提案書
推奨サイズ:A4
- 標準的で扱いやすい
- ファイリングしやすい
- プレゼンテーション用の資料にも適している
名刺
推奨サイズ:91×55mm(カスタム)
- 日本の標準的な名刺サイズ
- 名刺入れに収まりやすい
パンフレット・カタログ
推奨サイズ:B5またはA5
- 手に取りやすい
- 持ち運びしやすい
- コスト効率が良い
学校関連文書
レポート・論文
推奨サイズ:A4
- 学校の標準サイズ
- 参考文献や図表を含めやすい
- 製本しやすい
文化祭・学園祭のポスター
推奨サイズ:A3またはB3
- 遠くからでも見やすい
- インパクトがある
- 情報量を多く含められる
部活動の案内・募集
推奨サイズ:B5
- 配布しやすい
- 掲示板に貼りやすい
- 親しみやすい印象
個人用途
年賀状・挨拶状
推奨サイズ:はがき(100×148mm)
- 郵便料金が安い
- 伝統的で親しみやすい
- 保管しやすい
家族の案内状
推奨サイズ:B5
- 親しみやすい印象
- 必要な情報を適度に収められる
- 印刷コストが抑えられる
旅行の計画書
推奨サイズ:A5
- 持ち運びしやすい
- 折りたたんでポケットに入る
- 見やすいサイズ
効率的な作業のコツ
テンプレートの活用
よく使う用紙サイズのテンプレート作成
- 各用紙サイズで基本的なレイアウトを作成
- 適切な余白とフォントサイズを設定
- テンプレートとして保存
- 次回から簡単に使用可能
テンプレート保存の手順
- 理想的なレイアウトの文書を作成
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイルの種類で「Wordテンプレート(*.dotx)」を選択
- 分かりやすい名前で保存
ショートカットの活用
よく使う操作のショートカット
ページ設定を素早く開く
- Alt + P, S, P(レイアウト→サイズ→その他の用紙サイズ)
印刷プレビューを素早く確認
- Ctrl + P(印刷画面でプレビュー表示)
複数文書の一括変更
同じ変更を複数の文書に適用したい場合
- 最初の文書で理想的な設定を完成
- その設定をテンプレートとして保存
- 他の文書でテンプレートを適用
- または、スタイル機能を使って一括変更
まとめ
Wordでの用紙サイズ変更は、適切な方法を知っていれば非常に簡単な作業です。文書の目的や用途に応じて適切な用紙サイズを選ぶことで、より効果的で美しい文書を作成できます。
重要なポイントをまとめると:
基本的な変更方法
- 「レイアウト」→「サイズ」で簡単に変更可能
- 標準サイズからカスタムサイズまで幅広く対応
- 変更後はレイアウトの調整が必要な場合がある
一部ページの変更
- セクション区切りを活用
- 「適用先」の設定に注意
- 複雑なレイアウトも実現可能
トラブル対応
- プリンター設定との整合性確認
- 余白とフォントサイズの調整
- 印刷プレビューでの事前確認
効率的な作業
- テンプレートの活用
- ショートカットキーの利用
- 目的に応じた用紙サイズの選択
用紙サイズ選択の指針
- A4:一般的なビジネス文書、レポート
- B5:パンフレット、案内状、小冊子
- A3:ポスター、大型資料、プレゼン
- はがき:年賀状、挨拶状、招待状
- カスタム:名刺、チケット、特殊用途
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