Word(ワード)で長い文書を作った後、「全部の文字を同じフォントに変えたい」「文書全体の文字サイズを大きくしたい」と思ったことはありませんか。そんなとき、一段落ずつ選択して変更するのは、とても時間がかかって大変です。
でも大丈夫です。Wordには「全選択」という便利な機能があります。この機能を使えば、文書の内容をすべて一度に選択して、まとめて変更することができます。
例えば、学校のレポートで提出前にフォントを統一したいとき、会社の資料で文字サイズを調整したいとき、友達から送られてきた文書の書式を整えたいときなど、様々な場面で役立ちます。
この記事では、Wordで全選択を行う方法を、初心者の方でもわかるように詳しく説明します。キーボードを使う方法とマウスを使う方法、どちらも覚えておくと、いろいろな場面で便利です。
作業効率を上げて、もっと楽にWord文書を編集できるようになりましょう。
全選択って何?どんなときに便利?

全選択とは
全選択とは、Word文書の中にあるすべての要素(文字、画像、表、図形など)を一度に選択する機能のことです。通常、マウスでドラッグして選択すると青く反転表示されますが、全選択を使うと文書のすべてが一度に選択状態になります。
どんなときに使うの?
学校での活用例
レポート提出前の体裁調整
- 先生から「フォントは明朝体で」と指定があったとき
- 文字サイズを12ポイントに統一したいとき
- 行間を1.5倍に揃えたいとき
友達との文書共有
- 友達から送られてきたレポートの書式を自分の環境に合わせる
- グループワークで作った資料の体裁を統一する
課題の最終確認
- 提出前に全体をコピーして、バックアップを作る
- 文字数をカウントしたいとき
仕事での活用例
会議資料の準備
- 会社の標準フォントに全体を変更
- 印刷用に文字サイズを調整
- 文字色を統一してプロフェッショナルな見た目に
文書のテンプレート化
- よく使う文書から、内容だけ削除してテンプレートを作成
- 書式設定を他の文書にコピー
印刷準備
- 印刷前に全体をコピーして、別ファイルに保存
- 印刷用の書式に一括変更
日常での活用例
メールやブログの文章作成
- Word で下書きした文章を、メールソフトにコピー
- ブログ投稿用に書式を調整
家庭用文書の作成
- 家族への連絡事項や案内状の体裁を整える
- 年賀状や挨拶状の文字を統一
キーボードで全選択する方法
最も速くて確実な方法
キーボードショートカットを使った全選択は、最も早くて確実な方法です。覚えてしまえば、どんな場面でもすぐに使えます。
操作手順
Windowsの場合
- Word文書を開きます
- 全選択したい文書を表示してください
- 「Ctrl」キーと「A」キーを同時に押します
- 左手で「Ctrl」キーを押しながら、右手で「A」キーを押してください
- 「Ctrl + A」と表記されることが多いです
- 文書全体が選択されます
- すべての文字、画像、表などが青く反転表示されます
Macの場合
- Word文書を開きます
- 「Command」キーと「A」キーを同時に押します
- 左手で「Command」キー(⌘マーク)を押しながら、右手で「A」キーを押してください
- 「Command + A」または「⌘ + A」と表記されます
- 文書全体が選択されます
- Windows版と同じように、すべてが選択状態になります
ショートカットキーのコツ
正しい押し方
同時に押すのがポイント
- 「Ctrl」(または「Command」)を先に押して、指を離さずに「A」を押します
- 両方のキーを同時に離します
慣れるまでの練習方法
- 最初はゆっくりと、確実に押すことを心がけてください
- 何度か練習すると、自然にできるようになります
よくある間違い
順番に押してしまう
- 「Ctrl」を押してから離し、その後「A」を押すと機能しません
- 必ず同時に押し続けてください
大文字の「A」を意識しすぎる
- 「Shift」キーは押す必要がありません
- 「Ctrl + A」だけで大丈夫です
マウスで全選択する方法
マウス操作に慣れている人におすすめ
キーボードショートカットが覚えにくい場合や、マウス操作の方が慣れている場合は、メニューから全選択することもできます。
基本の操作手順
Word 2016以降の場合
- Word文書を開きます
- 全選択したい文書を表示してください
- 「ホーム」タブをクリックします
- Wordの上部にあるタブの中から「ホーム」を選択してください
- 「編集」グループを探します
- 「ホーム」タブの右側にある「編集」というグループを見つけてください
- 「選択」ボタンをクリックします
- 「編集」グループの中にある「選択」というボタンをクリックしてください
- 「すべて選択」を選択します
- ドロップダウンメニューが表示されるので、「すべて選択」をクリックしてください
- 文書全体が選択されます
- キーボードショートカットと同じように、すべてが選択状態になります
古いバージョンのWordの場合
古いバージョンのWordでは、メニューの場所が少し違います。
- 「編集」メニューをクリックします
- 上部のメニューバーから「編集」を選択
- 「すべて選択」をクリックします
- メニューの中から「すべて選択」を選択
マウスを使った別の方法
文書の余白をトリプルクリック
あまり知られていませんが、マウスだけで全選択する裏技もあります。
- 文書の左側の余白部分にマウスを合わせます
- 文字が書かれていない、左側の空白部分です
- マウスを3回連続で素早くクリックします
- トリプルクリックと呼ばれる操作です
- 文書全体が選択されます
- この方法でも全選択できます
注意点:
- クリックの間隔が空きすぎると、うまくいかないことがあります
- 3回のクリックは素早く行ってください
全選択後にできること

文字の書式変更
全選択した後は、文書全体に対して様々な変更を一度に適用できます。
フォントの変更
- 全選択した状態で「ホーム」タブをクリックします
- 「フォント」ボックスをクリックします
- 現在のフォント名が表示されている部分です
- 好きなフォントを選択します
- 例:「MS明朝」「メイリオ」「游ゴシック」など
- 文書全体のフォントが変更されます
文字サイズの変更
- 全選択した状態で「フォントサイズ」ボックスをクリックします
- 数字(例:11、12など)が表示されている部分です
- 希望するサイズを選択します
- よく使われるサイズ:10.5、11、12、14など
- 文書全体の文字サイズが変更されます
文字色の変更
- 全選択した状態で「フォントの色」ボタンをクリックします
- 「A」の下に色がついたボタンです
- 好きな色を選択します
- 黒、青、赤など、様々な色から選べます
- 文書全体の文字色が変更されます
段落の書式変更
行間の調整
- 全選択した状態で「ホーム」タブの「段落」グループを確認します
- 「行間」ボタンをクリックします
- 線が何本か引かれたマークのボタンです
- 適切な行間を選択します
- 1行、1.15行、1.5行、2行など
- 文書全体の行間が統一されます
文字揃えの変更
- 全選択した状態で「段落」グループの配置ボタンを確認します
- 希望する配置を選択します
- 左揃え:文章の左端を揃える(通常の状態)
- 中央揃え:文章を中央に配置
- 右揃え:文章の右端を揃える
- 両端揃え:左右両方の端を揃える
コピーと貼り付け
全体をコピーして他の文書に貼り付け
- 全選択した状態で「Ctrl + C」を押します
- 内容全体がコピーされます
- 新しいWord文書を開きます
- 「Ctrl + V」を押します
- コピーした内容が貼り付けられます
活用例:
- バックアップファイルの作成
- テンプレートから新しい文書を作成
- 別の形式で保存するための準備
部分的な選択テクニック
全選択以外の便利な選択方法
全選択以外にも、効率的な選択方法があります。
段落単位での選択
トリプルクリック
- 選択したい段落の中でマウスを3回連続クリックします
- その段落全体が選択されます
活用場面:
- 特定の段落だけフォントを変更したい
- 1つの段落だけ中央揃えにしたい
文単位での選択
文の中でダブルクリック
- 選択したい文の中でマウスを2回連続クリックします
- その文全体が選択されます
複数段落の選択
Shiftキーを使った選択
- 最初の段落の先頭をクリックします
- 「Shift」キーを押しながら、最後の段落の末尾をクリックします
- 指定した範囲がすべて選択されます
特定の要素だけを選択
画像だけを選択
- 「ホーム」タブの「編集」グループで「選択」をクリックします
- 「オブジェクトの選択」を選択します
- 文書内の画像や図形だけを選択できる状態になります
表だけを選択
- 表の中をクリックします
- 表の左上に表示される十字マークをクリックします
- 表全体が選択されます
よくある問題と解決方法
全選択がうまくいかない場合
問題1:ショートカットキーが効かない
考えられる原因:
- 他のソフトがキーボードを占有している
- Wordが正しく認識していない
- キーボードの故障
解決方法:
- Wordを一度閉じて、再度開いてみる
- 他の実行中のソフトを閉じてみる
- マウスでの全選択方法を試してみる
- 別のキーボードで試してみる
問題2:一部の要素が選択されない
考えられる原因:
- ヘッダーやフッターの内容
- テキストボックスの内容
- 保護された部分
解決方法:
- ヘッダー・フッター部分は別途編集
- 「挿入」タブ→「ヘッダーとフッター」から個別に編集
- テキストボックスは個別に選択
- テキストボックスをクリックして個別に編集
- 保護を解除してから全選択
- 「校閲」タブ→「編集の制限」で保護を解除
問題3:選択後の変更が反映されない
考えられる原因:
- 文書が保護されている
- 一部の書式が固定されている
- スタイルの設定が優先されている
解決方法:
- 文書の保護を確認
- 「ファイル」→「情報」で保護状態を確認
- スタイルを変更
- 「ホーム」タブ→「スタイル」で基本的なスタイルを適用
- 強制的に書式を適用
- 「ホーム」タブ→「書式のクリア」で一度リセットしてから再設定
ヘッダーとフッターの扱い
ヘッダーとフッターは別途編集が必要
通常の全選択では、ヘッダー(上部)とフッター(下部)の内容は選択されません。
ヘッダーの編集方法:
- 「挿入」タブをクリック
- 「ヘッダーとフッター」グループの「ヘッダー」をクリック
- 「ヘッダーの編集」を選択
- ヘッダー部分を編集
フッターの編集方法:
- 「挿入」タブをクリック
- 「ヘッダーとフッター」グループの「フッター」をクリック
- 「フッターの編集」を選択
- フッター部分を編集
効率化のための応用テクニック

スタイル機能との組み合わせ
スタイルを使った一括変更
全選択とスタイル機能を組み合わせると、より効率的に文書を整えることができます。
- 全選択を実行
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループで「標準」を選択
- 文書全体が統一されたスタイルになります
カスタムスタイルの適用
- 理想的な書式を1つの段落に設定
- その段落を選択して「新しいスタイル」として保存
- 全選択してから、保存したスタイルを適用
検索と置換との組み合わせ
特定の文字を一括変更
- 「ホーム」タブの「編集」グループで「置換」をクリック
- 「検索する文字列」に変更前の文字を入力
- 「置換後の文字列」に変更後の文字を入力
- 「すべて置換」をクリック
マクロを使った自動化
よく使う全選択と書式変更をマクロに記録
- 「表示」タブ→「マクロ」→「マクロの記録」
- 全選択→書式変更の操作を実行
- 「記録の停止」をクリック
- 次回からは記録したマクロで一発実行
まとめ
Wordの全選択機能は、文書編集の効率を大幅に向上させる基本的で重要な機能です。特にキーボードショートカット(Ctrl + A / Command + A)は、覚えておくと非常に便利です。
全選択の基本方法:
キーボード(最も効率的)
- Windows:Ctrl + A
- Mac:Command + A
マウス(わかりやすい)
- ホーム→編集→選択→すべて選択
その他の方法
- 余白部分をトリプルクリック
主な活用場面:
- フォントや文字サイズの統一
- 行間や文字揃えの調整
- 文書全体のコピーとバックアップ
- 書式のクリアと再設定
- 他の文書への内容移行
効率化のポイント:
- ショートカットキーを積極的に活用
- スタイル機能と組み合わせて統一感のある文書作成
- 部分選択テクニックも覚えて使い分け
- よく使う操作はマクロで自動化
注意すること:
- ヘッダーとフッターは別途編集が必要
- 保護された文書では一部機能が制限される
- テキストボックスは個別に処理が必要
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