Word(ワード)で文書を作っていると、「この行、いらないから削除したい」「なんで消えないの?」と困ることがありませんか。特に、友達から送られてきたファイルを編集するときや、インターネットからコピーしてきた文章を整理するときに、不要な行がたくさんあって困ってしまうことがあります。
実は、Wordの「行」には色々な種類があります。普通の文章の行、何も書いていない空白の行、線だけが引かれた行、表の中の行など、それぞれ削除する方法が違うんです。
「Delete キーを押しても消えない!」「なんで空白が残るの?」という悩みは、行の種類に合った削除方法を知らないことが原因です。でも大丈夫です。この記事を読めば、どんな行でもスムーズに削除できるようになります。
文書をきれいに整理して、見やすくかっこいい仕上がりにするために、行の削除方法をマスターしましょう。
Wordの「行」にはどんな種類があるの?

削除方法が違う4つのタイプ
まず、Wordにはどんな種類の行があるのかを理解しましょう。見た目は似ていても、実は中身が全然違うことがあります。
普通のテキスト行
文章が書かれている、一番よくある行です。レポートや手紙の本文などがこれにあたります。
空白行(からっぽの行)
何も文字が書かれていない行です。段落と段落の間を空けるために使われることがあります。
罫線の行
文字の代わりに線が引かれている行です。区切りや装飾として使われます。
表の行
表やリストの中にある行です。データを整理するために使われます。
なぜ削除方法が違うの?
それぞれの行は、Wordの中で異なる「仕組み」で作られています。だから、同じDeleteキーを押しても、うまく消えるものと消えないものがあるんです。
例えば、罫線は「文字」ではなく「装飾」なので、文字を削除するための方法では消えません。表の行は「表の構造」の一部なので、専用の削除方法が必要です。
普通のテキスト行を削除する方法
基本の削除方法
一番よく使う、文章が書かれた行の削除方法です。
1行まるごと削除する場合
- 削除したい行の文字をすべて選択します
- 行の最初から最後まで、ドラッグして選択してください
- 文字が青く反転表示されます
- 「Delete」キーを押します
- キーボードの「Delete」キーを1回押すだけです
- 選択した文字がすべて消えます
- 改行も一緒に削除されます
- 行が完全になくなり、下の行が上に詰まります
もっと簡単な選択方法
方法1:行の左端をクリック
- 削除したい行の左端(文字の外側)にマウスを持っていきます
- マウスの形が右向きの矢印に変わったらクリックします
- 行全体が選択されます
- 「Delete」キーを押します
方法2:キーボードで選択
- 削除したい行の最初にカーソルを置きます
- 「Shift」キーを押しながら「↓」キーを押します
- 行全体が選択されます
- 「Delete」キーを押します
方法3:トリプルクリック
- 削除したい行の中でマウスを3回連続でクリックします
- 段落全体が選択されます
- 「Delete」キーを押します
複数の行をまとめて削除する
連続した複数行の場合
- 最初の行の先頭にカーソルを置きます
- 「Shift」キーを押しながら、最後の行の末尾をクリックします
- 選択した範囲がすべて青く表示されます
- 「Delete」キーを押します
離れた複数行の場合
- 最初の行を選択します
- 「Ctrl」キーを押しながら、他の行もクリックして選択します
- 複数の行が同時に選択された状態になります
- 「Delete」キーを押します
よく使うショートカット
素早く削除するためのキーボード操作
「Ctrl + Shift + ↓」
- 段落全体を一気に選択できます
- 長い段落でも瞬時に選択完了
「Ctrl + Shift + →」
- 単語単位で選択範囲を広げられます
- 細かい調整に便利
「Ctrl + A」
- 文書全体を選択します
- すべての内容を削除したいときに使用
空白行を削除する方法
空白行って何?
空白行とは、文字が何も書かれていない行のことです。見た目には何もないように見えますが、実際には「改行」や「スペース」などの見えない文字が入っていることがあります。
基本の削除方法
普通の空白行の場合
- 空白行の中にカーソルを置きます
- 何もない行の部分をクリックしてください
- 「Backspace」キーまたは「Delete」キーを押します
- Backspace:カーソルの前を削除
- Delete:カーソルの後ろを削除
- 空白行が消えて、前後の行がつながります
しつこい空白行の対処法
時々、何度削除しても消えない空白行があります。これは、見えない文字が隠れているからです。
編集記号を表示して確認する
- 「ホーム」タブをクリックします
- 「編集記号の表示/非表示」ボタンをクリックします
- ¶(段落記号)のマークがついたボタンです
- 見えない文字がすべて表示されます
- ・(スペース)、¶(改行)、→(タブ)などが見えるようになります
- 余計な文字を確認して削除します
- 不要な記号を選択して「Delete」キーを押します
- 編集記号を非表示に戻します
- もう一度同じボタンをクリックすると、普通の表示に戻ります
よくある空白行のパターン
インターネットからコピーした文章の場合
Web サイトから文章をコピーしてくると、余計な空白行がたくさん入ることがあります。
対処法:検索と置換を使う
- 「ホーム」タブの「編集」グループで「置換」をクリックします
- または「Ctrl + H」を押します
- 「検索する文字列」に「^p^p」と入力します
- これは「改行+改行」を意味します
- 「置換後の文字列」に「^p」と入力します
- これは「改行」を意味します
- 「すべて置換」をクリックします
- 連続する空白行がまとめて削除されます
表から文章をコピーした場合
Excel などの表からコピーしてくると、変な改行や空白が入ることがあります。
対処法:貼り付けオプションを使う
- コピーした内容を貼り付けるとき、「貼り付けオプション」を確認します
- 「テキストのみ保持」を選択します
- 余計な書式や空白行が除かれて、きれいに貼り付けられます
罫線(線だけの行)を削除する方法

罫線って何?
罫線とは、文字の代わりに線が引かれた行のことです。文書の区切りや装飾として使われます。例えば、章と章の間に引かれた横線などがこれにあたります。
なぜ普通の削除方法では消えないの?
罫線は「文字」ではなく「段落の装飾」として設定されています。だから、文字を削除するためのDeleteキーでは消すことができません。専用の方法で「装飾を解除」する必要があります。
罫線を削除する手順
基本の削除方法
- 罫線がある行にカーソルを置きます
- 線の上でも下でも、近くであれば大丈夫です
- 「ホーム」タブをクリックします
- 「段落」グループにある「罫線」ボタンを探します
- 四角い枠に線が引かれたマークのボタンです
- 「罫線」ボタンの右側にある小さな矢印をクリックします
- メニューが表示されます
- 「罫線なし」を選択します
- リストの中から「罫線なし」を探してクリックします
- 罫線が消えます
部分的な罫線を削除する場合
文書の一部だけに罫線が設定されている場合があります。
対象範囲を正確に選択する
- 罫線を削除したい部分を正確に選択します
- 罫線がある段落全体を選択してください
- 上記の手順で「罫線なし」を設定します
- 選択した部分の罫線だけが削除されます
自動で作られた罫線の場合
Wordには、特定の文字を入力すると自動的に罫線を作る機能があります。
自動罫線のパターン
- ハイフン(-)を3つ以上入力してEnter:細い線
- アスタリスク(*)を3つ以上入力してEnter:点線
- イコール(=)を3つ以上入力してEnter:太い線
- アンダーバー(_)を3つ以上入力してEnter:太い線
自動罫線の削除方法
すぐに削除する場合
- 罫線ができた直後に「Ctrl + Z」(元に戻す)を押します
後から削除する場合
- 上記の「罫線なし」の方法で削除します
自動罫線機能を無効にする方法
今後、自動で罫線が作られないようにしたい場合:
- 「ファイル」→「オプション」をクリックします
- 「文章校正」を選択します
- 「オートコレクトのオプション」をクリックします
- 「入力オートフォーマット」タブを選択します
- 「罫線」のチェックを外します
- 「OK」をクリックします
表の行を削除する方法
表の行削除は特別
表の中の行を削除するときは、特別な方法が必要です。普通にDeleteキーを押しても、セルの中身は消えますが、行の構造は残ってしまいます。
表の行を正しく削除する手順
方法1:右クリックメニューを使う
- 削除したい行のどこかをクリックします
- セルの中であれば、どこでも大丈夫です
- 行全体を選択します
- 行の左端にマウスを持っていくと、右向きの矢印が表示されます
- その状態でクリックすると、行全体が選択されます
- 選択した行の上で右クリックします
- メニューから「行の削除」を選択します
- 行が完全に削除されます
方法2:表ツールを使う
- 削除したい行をクリックして選択します
- 「表ツール」の「レイアウト」タブが表示されます
- 表を選択したときだけ表示される特別なタブです
- 「削除」ボタンをクリックします
- 「行の削除」を選択します
- 行が削除されます
複数の行をまとめて削除
連続する複数行の場合
- 最初の行をクリックします
- 「Shift」キーを押しながら、最後の行をクリックします
- 複数の行が同時に選択されます
- 右クリックして「行の削除」を選択します
離れた複数行の場合
- 最初の行をクリックします
- 「Ctrl」キーを押しながら、他の行もクリックします
- 複数の行が選択された状態になります
- 右クリックして「行の削除」を選択します
表の行削除でよくある間違い
間違い1:セルの内容だけ削除
Deleteキーを押すと、セルの中の文字は消えますが、行の枠は残ります。これでは完全な削除になりません。
間違い2:「セルの削除」を選ぶ
右クリックメニューで「セルの削除」を選ぶと、表の構造が崩れることがあります。必ず「行の削除」を選んでください。
間違い3:列の削除と間違える
「列の削除」を選ぶと、縦の列全体が削除されてしまいます。「行の削除」と間違えないよう注意してください。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1:「何をしても行が消えない」
原因と対処法
セクション区切りやページ区切りが原因
- 「ホーム」タブで編集記号を表示します
- 「セクション区切り」や「ページ区切り」の表示を確認します
- 不要な区切りを削除します
保護された文書
- 「校閲」タブで「編集の制限」を確認します
- 保護が設定されている場合は解除します
テンプレートの固定部分
- 使用しているテンプレートに固定された行がある可能性
- 別のテンプレートを使うか、新しい文書で作り直します
問題2:「削除したら変な空白ができた」
原因と対処法
段落間隔の設定
- 「ホーム」タブの「段落」設定を開きます
- 「段落前」「段落後」の間隔を確認します
- 不要な間隔を0に設定します
行間の設定
- 「ホーム」タブの「段落」設定を開きます
- 「行間」の設定を確認します
- 「1行」または「1.15行」に設定します
問題3:「表の行を削除したら表が崩れた」
原因と対処法
結合されたセルがある
- 削除前に、セルの結合を解除します
- 「表ツール」→「レイアウト」→「結合の解除」
表のスタイルが複雑
- 「表ツール」→「デザイン」で「表のスタイル」を確認
- シンプルなスタイルに変更してから削除
効率的な行削除のテクニック

大量の行を一気に削除
検索と置換を活用
特定のパターンの行をまとめて削除したい場合:
- 「ホーム」タブの「置換」をクリックします
- 「検索する文字列」に削除したい行の特徴を入力
- 例:「^p空白行^p」(空白行を検索)
- 「置換後の文字列」は空白にします
- 「すべて置換」で一気に削除
アウトライン表示を活用
長い文書で特定の章や節を削除したい場合:
- 「表示」タブで「アウトライン」を選択
- 削除したい章や節の見出しをクリック
- 「+」マークをクリックして内容全体を選択
- 「Delete」キーで削除
元に戻す方法
間違って削除してしまった場合
「元に戻す」機能を使う
- 「Ctrl + Z」:直前の操作を取り消し
- 複数回押す:さらに前の状態に戻る
「やり直し」機能
- 「Ctrl + Y」:取り消した操作をやり直し
バージョン履歴を使う
OneDriveに保存している場合:
- 「ファイル」→「情報」→「バージョン履歴」
- 削除前の状態に戻す
今後のために:行削除を効率化する設定
便利な設定をしておこう
編集記号を常に表示
見えない文字を常に表示しておくと、削除ミスが減ります:
- 「ファイル」→「オプション」→「表示」
- 「編集記号」の項目で必要なものにチェック
- 特に「段落記号」はオンにしておくと便利
ショートカットキーをカスタマイズ
よく使う操作にオリジナルのショートカットを設定:
- 「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」
- 「ユーザー設定」をクリック
- 「行の削除」などの操作にショートカットを割り当て
予防策:きれいな文書作りのコツ
最初から整理された文書を作る
段落スタイルを活用
- 見出し、本文、箇条書きなどのスタイルを統一
- 後からまとめて書式変更が可能
テンプレートを活用
- よく使う文書の型をテンプレートとして保存
- 余計な行が入りにくい構造を作る
定期的な整理
- 文書作成中に定期的に不要な行をチェック
- 最後にまとめて削除するより、途中で整理する方が効率的
まとめ
Wordで行を削除する方法は、行の種類によって大きく異なります。正しい方法を知っていれば、どんな行でもスムーズに削除できるようになります。
重要なポイントをもう一度まとめると:
普通のテキスト行
- 行を選択してDeleteキーで削除
- 左端クリックやShift+矢印キーで簡単選択
空白行
- カーソルを置いてBackspaceまたはDelete
- 編集記号表示で見えない文字をチェック
罫線の行
- 「ホーム」→「段落」→「罫線」→「罫線なし」
- 文字削除では消えないことを理解
表の行
- 行選択→右クリック→「行の削除」
- 「表ツール」からも削除可能
困ったときのチェックポイント:
- 編集記号を表示して見えない文字を確認
- セクション区切りやページ区切りの影響をチェック
- 保護設定や編集制限を確認
効率化のコツ:
- 検索と置換で大量削除
- ショートカットキーの活用
- アウトライン表示での構造的削除
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