Word(ワード)で大切な文書を作っていて、「あっ、間違えて保存しちゃった!」「前の状態に戻したいのに、どうしよう」と焦ったことはありませんか。
特に、友達と一緒に作った文書を編集していたり、大事なレポートを直していたりするときに、うっかり間違った内容で上書き保存してしまうと、本当に困ってしまいますよね。
「Ctrl+Z」で戻せるのは、保存する前の操作だけです。一度保存してしまうと、普通の方法では元に戻すことができません。でも、諦める必要はありません。
この記事では、保存してしまった後でも元の状態に戻せる可能性がある方法を、初心者の方にもわかりやすく説明します。また、今後同じような失敗をしないための予防策も一緒にお教えします。
大切なデータを守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。
保存前に戻すことはできるの?

基本的には難しい、でも方法はある
正直に言うと、Wordには「保存前の状態に完全に戻す」というボタンはありません。一度上書き保存してしまうと、その前の状態は基本的に消えてしまいます。
でも、完全に諦める必要はありません。実は、いくつかの「裏技」的な方法があります。これらの方法が使えるかどうかは、あなたのパソコンの設定や保存場所によって決まります。
どんな場合に復元できる可能性があるの?
自動バックアップが設定されている場合
Wordには、自動的にバックアップファイルを作る機能があります。この設定がオンになっていれば、復元できる可能性が高いです。
OneDriveやGoogleドライブに保存している場合
クラウドサービスを使っている場合、過去のバージョンが自動的に保存されていることがあります。
Windowsのシステム保護が有効な場合
パソコン自体に「以前のバージョンを保存する」機能がある場合があります。
保存する前にWordが止まってしまった場合
パソコンがフリーズしたり、停電したりして、保存される前にWordが終了した場合は、自動回復機能で戻せることがあります。
自動バックアップ機能を使って復元する
バックアップファイルって何?
Wordの自動バックアップ機能がオンになっていると、元のファイルとは別に「.wbk」という拡張子のファイルが作られます。これは「前回保存したときの状態」を保存したものです。
つまり、間違って保存してしまっても、その前の状態がバックアップファイルに残っている可能性があります。
バックアップファイルを探す方法
手順
- Wordを開きます
- 「ファイル」をクリックします
- 画面の左上にある「ファイル」をクリックしてください
- 「開く」→「参照」をクリックします
- ファイルを開く画面が表示されます
- 元のファイルがあるフォルダを開きます
- 問題のファイルが保存されているフォルダを選びます
- バックアップファイルを探します
- 「バックアップ(元のファイル名).wbk」というファイルがあるか確認します
- 例:元のファイルが「レポート.docx」なら「バックアップ レポート.wbk」
- バックアップファイルを開きます
- 見つかったら、そのファイルをダブルクリックして開きます
バックアップファイルが見つからない場合
バックアップファイルが見つからない場合は、以下を確認してください:
ファイルの表示設定を確認する
- フォルダの「表示」タブをクリックします
- 「ファイル名拡張子」にチェックを入れます
- 「隠しファイル」にチェックを入れます
検索機能を使う
- Windowsの検索ボックスに「*.wbk」と入力します
- パソコン全体からバックアップファイルを探します
バックアップ機能を有効にする方法
今後のために、バックアップ機能をオンにしておきましょう。
- Wordを開きます
- 「ファイル」→「オプション」をクリックします
- 「詳細設定」を選択します
- 「保存」の項目を探します
- 「バックアップ コピーを作成する」にチェックを入れます
- 「OK」をクリックします
これで、今後は自動的にバックアップファイルが作られるようになります。
Windowsの「以前のバージョン」で復元する
システムの保護機能とは
Windowsには、ファイルの古いバージョンを自動的に保存してくれる機能があります。この機能が有効になっていれば、Wordファイルの過去の状態を復元できる可能性があります。
復元手順
ファイルから直接復元する場合
- 復元したいWordファイルを探します
- エクスプローラーでファイルの場所を開きます
- ファイルを右クリックします
- 対象のWordファイル上で右クリックします
- 「プロパティ」を選択します
- 「以前のバージョン」タブをクリックします
- 過去のバージョンがリストで表示されます
- 復元したいバージョンを選びます
- 日付と時刻を確認して、戻したい時点のものを選択します
- 「復元」をクリックします
- 確認メッセージが出るので「復元」をクリックします
フォルダ全体から復元する場合
ファイル単体で復元できない場合は、フォルダ全体を過去の状態に戻すこともできます。
- ファイルがあるフォルダを右クリックします
- 「プロパティ」→「以前のバージョン」を選択します
- 適切な日時のバージョンを選んで復元します
システムの保護を有効にする方法
この機能が使えない場合は、設定を確認してみましょう。
- 「コントロールパネル」を開きます
- 「システムとセキュリティ」→「システム」をクリックします
- 「システムの保護」をクリックします
- ドライブを選んで「構成」をクリックします
- 「システムの保護を有効にする」を選択します
- 「OK」をクリックします
これで、今後はファイルの以前のバージョンが自動的に保存されるようになります。
OneDriveのバージョン履歴で復元する

OneDriveとは
OneDriveは、マイクロソフトが提供するクラウドストレージサービスです。Wordファイルを ここに保存していると、過去のバージョンが自動的に保存されます。
バージョン履歴の確認方法
OneDriveアプリから確認する場合
- OneDriveアプリを開きます
- パソコンにインストールされているOneDriveアプリを起動します
- 対象のファイルを右クリックします
- 「バージョン履歴を表示」を選択します
- 過去のバージョンから選んで復元します
ブラウザから確認する場合
- ブラウザでOneDrive.comにアクセスします
- マイクロソフトアカウントでログインします
- 対象のファイルを右クリックします
- 「バージョン履歴」を選択します
- 復元したいバージョンを選んで「復元」をクリックします
OneDriveを設定する方法
OneDriveを使っていない場合は、今から設定することをおすすめします。
- Windowsの設定を開きます
- 「アカウント」→「サインインオプション」を選択します
- マイクロソフトアカウントでサインインします
- OneDriveの同期設定をオンにします
- Wordファイルを OneDriveフォルダに保存します
これで、今後は自動的にバージョン履歴が保存されるようになります。
未保存文書の回復機能を使う
どんなときに使えるの?
この機能は、以下のような場合に役立ちます:
- パソコンがフリーズして強制終了した
- 停電でパソコンが切れた
- 間違ってWordを閉じてしまった
- 保存前にエラーで止まった
回復手順
- Wordを起動します
- 「ファイル」をクリックします
- 「情報」を選択します
- 「文書の管理」をクリックします
- 「保存されていない文書を回復」を選択します
- 回復可能なファイルのリストが表示されます
- 該当するファイルがあるか確認してください
- 目的のファイルを選んで開きます
- 内容を確認して、問題なければ保存します
自動回復機能の設定
自動回復機能をより効果的に使うために、設定を確認しておきましょう。
- 「ファイル」→「オプション」をクリックします
- 「保存」を選択します
- 「次の間隔で自動回復用データを保存する」にチェックを入れます
- 間隔を「1分」など短い時間に設定します
- 「保存しないで終了する場合、最後に自動保存されたバージョンを残す」にチェックを入れます
- 「OK」をクリックします
Google ドライブでバージョン管理する方法
Google ドライブの活用
OneDrive以外にも、Google ドライブを使う方法があります。Google ドライブにも優秀なバージョン履歴機能があります。
設定と使用方法
- Google ドライブにWordファイルをアップロードします
- ファイルを右クリックして「版の履歴を管理」を選択します
- 過去のバージョンから選んで復元できます
- Google ドキュメント形式に変換すると、より詳細な履歴が残ります
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
バックアップファイルが古すぎる
バックアップファイルはあるけれど、それも古い状態の場合があります。
解決策:
- 複数の復元方法を組み合わせて試す
- OneDriveやGoogle ドライブの履歴も確認する
- 他の人が同じファイルを持っていないか確認する
復元したファイルが開けない
復元したファイルが壊れている場合があります。
解決策:
- Wordの「開いて修復」機能を使う
- ファイルを開くときに「開いて修復」を選択
- 別のバージョンのWordで開いてみる
- オンライン版のWordで開けることがある
- ファイル形式を変換して開く
- .docx を .doc に変える、またはその逆
設定したはずなのにバックアップが作られない
設定を確認しても、バックアップファイルができない場合があります。
確認ポイント:
- 保存先フォルダに書き込み権限があるか
- ドライブの容量に十分な空きがあるか
- ウイルス対策ソフトがファイル作成を妨げていないか
予防策:二度と失敗しないために
定期的な手動バックアップ
自動機能に頼るだけでなく、定期的に手動でバックアップを取りましょう。
「名前を付けて保存」を活用
- 重要な編集をする前に「名前を付けて保存」をします
- ファイル名に日付や時刻を追加します
- 例:「レポート_2024_01_15.docx」
- 重要な変更のたびに新しい名前で保存します
- 最終版ができたら、不要な中間ファイルを削除します
フォルダで管理
- プロジェクトごとにフォルダを作ります
- 「作業中」「完成版」「バックアップ」などのサブフォルダを作ります
- 定期的に整理して、必要なファイルだけ残します
複数の保存場所を使う
クラウドサービスの活用
OneDrive + Google ドライブ
- 重要なファイルは複数のクラウドサービスに保存
外付けドライブ
- USBメモリや外付けハードディスクにも定期的にコピー
メール添付
- 完成したファイルは自分のメールアドレスに送信
共同編集の工夫
リアルタイム共同編集を活用
- OneDriveやGoogle ドライブで共同編集機能を使います
- 変更履歴が自動的に保存されます
- 誰がいつ何を変更したかがわかります
コメント機能を活用
- 大きな変更をする前にコメントで相談します
- 変更理由をコメントで記録します
- 重要な箇所は変更履歴をオンにして編集します
応用テクニック

自動保存の間隔を細かく設定
より安全にするために、自動保存の間隔を短くしましょう。
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」を開きます
- 「自動回復用データの保存間隔」を1分にします
- 「オートセーブ」機能も有効にします
マクロで自動バックアップ
上級者向けですが、マクロを使って自動的にバックアップを取ることもできます。
簡単なバックアップマクロ
Sub AutoBackup()
Dim backupName As String
backupName = "backup_" & Format(Now, "yyyymmdd_hhnnss") & "_" & ActiveDocument.Name
ActiveDocument.SaveAs2 "C:\Backup\" & backupName
End Sub
このマクロを保存のたびに実行すると、自動的にタイムスタンプ付きのバックアップが作られます。
複数バージョンの比較
復元したファイルと現在のファイルを比較したい場合:
- 「校閲」タブをクリックします
- 「文書の比較」を選択します
- 元の文書と修正された文書を選択します
- 違いが色分けして表示されます
- 必要な部分だけを取り込むことができます
まとめ
Wordで保存前の状態に戻すのは簡単ではありませんが、諦める必要はありません。この記事で紹介した方法を順番に試してみれば、失ったと思ったデータを取り戻せる可能性があります。
重要なポイントをもう一度まとめると:
- 自動バックアップ機能:.wbkファイルを探してみましょう
- Windowsの以前のバージョン:ファイルのプロパティから確認できます
- OneDriveのバージョン履歴:クラウド保存なら過去の状態が残っています
- 未保存文書の回復:強制終了後なら回復できる可能性があります
今後の予防策として:
- 自動バックアップ機能をオンにする
- 定期的に「名前を付けて保存」でバックアップを取る
- クラウドサービスを活用する
- 重要なファイルは複数の場所に保存する
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