Wordで文書を作っているとき、「もう1ページ追加したい」「章ごとにページを区切りたい」と思ったことはありませんか?でも、Enterキーを連打したり、行間で調整するのは非効率です。
この記事では、Wordで正しくページを追加する方法をわかりやすく解説し、トラブルの原因になりがちなポイントも紹介します。文書作成で困っている方や、きれいなレイアウトを保ちたい方は、ぜひ参考にしてください。
なぜ正しいページ追加が重要なのか

間違った方法の問題点
多くの人がやってしまいがちな「Enterキーの連打」には、以下のような問題があります。
- 文書の編集時にレイアウトが崩れやすい
- 印刷時にページがずれることがある
- 文字サイズや行間を変更すると配置が変わってしまう
- プロフェッショナルな文書として不適切
正しい方法のメリット
適切なページ追加方法を使うことで、以下のような利点があります。
- レイアウトが安定し、編集時も崩れにくい
- 印刷時に意図した通りのページ分けが実現
- 文書の構造が明確になり、管理しやすい
- どのような編集を加えても、ページ区切りが維持される
改ページを使った確実なページ追加方法
改ページとは何か
改ページ(かいぺーじ)とは、指定した位置から強制的に次のページに移動するWordの機能です。この機能を使うことで、どこにページの区切りがあるかが明確になり、文書の構造を保てます。
基本的な改ページの手順
Windows・Mac共通の操作方法
- 位置の確定:新しいページにしたい箇所にカーソルを置く
- メニューからの実行:「挿入」タブ→「ページ区切り(改ページ)」を選択
- ショートカット実行:Ctrl + Enter(MacではCommand + Enter)
ショートカットキーのメリット
ショートカットキーを覚えると、作業効率が大幅に向上します。特に長い文書を作成する際は、マウス操作よりもはるかに速く改ページを挿入できます。
改ページ挿入後の確認方法
改ページが正しく挿入されたかを確認するには、以下の方法があります。
編集記号の表示
- 「ホーム」タブの「編集記号の表示/非表示」をクリック
- 改ページ位置に「改ページ」の記号が表示される
- この記号により、どこでページが分かれているかが一目で分かる
ページ番号での確認
ステータスバーのページ番号を見て、意図した通りにページが増えているかを確認しましょう。
空白ページ挿入の方法と注意点
空白ページ機能の使い方
文章の途中に空のページを挿入したい場合は、以下の手順で行います。
- 空白ページを挿入したい位置にカーソルを置く
- 「挿入」タブ→「空白のページ」を選択
- 現在の位置に新しい空白ページが挿入される
空白ページ使用時の注意事項
レイアウト崩れのリスク
空白ページ機能は便利ですが、改ページよりもレイアウトが崩れやすいという特徴があります。特に以下の場合は注意が必要です。
- 文書の途中に挿入する場合
- 複雑な書式設定がある文書
- 表や画像を多用している文書
推奨される使用場面
空白ページ機能は、以下のような場面での使用が適しています。
- 文書の最後に新しいページを追加する場合
- 完全に独立したページが必要な場合
- レイアウトの微調整が不要な場合
応用テクニック:目的別のページ追加
章ごとのページ区切り
効果的な章分けの方法
長い文書で章ごとにページを区切りたい場合は、以下の手順が効果的です。
- 見出しスタイルの適用:各章のタイトルに見出しスタイルを適用
- 改ページの挿入:各章のタイトルの前に改ページを挿入
- 目次の自動生成:見出しスタイルを使っていれば、目次も自動生成可能
一貫性の保持
すべての章で同じ方法を使うことで、文書全体の一貫性が保たれます。
表紙と本文の分離
表紙ページの作成手順
プロフェッショナルな文書では、表紙と本文を明確に分けることが重要です。
- 表紙の作成:文書の最初に表紙の内容を作成
- 改ページの挿入:表紙の最後に改ページを挿入
- 本文の開始:2ページ目から本文を開始
ページ番号の調整
表紙にはページ番号を表示せず、本文から開始したい場合は、セクション区切りとページ番号設定を調整します。
セクション区切りとの使い分け
セクション区切りが必要な場面
改ページとセクション区切りは異なる機能です。以下の場合はセクション区切りを使用します。
- ページの向きを変更したい場合(縦・横混在)
- ページ番号を途中からリセットしたい場合
- ヘッダー・フッターを部分的に変更したい場合
- 余白設定を部分的に変更したい場合
改ページとセクション区切りの違い
- 改ページ:単純にページを分けるだけ
- セクション区切り:文書の構造自体を分割し、異なる設定を適用可能
よくあるトラブルと解決方法
Enterキー連打の問題と対処法
問題の特定方法
文書で以下のような現象が起きている場合、Enterキー連打による問題の可能性があります。
- 文字サイズを変更するとページ分けが変わる
- 行間を調整するとレイアウトが崩れる
- 印刷時に意図しない位置でページが分かれる
修正方法
- 編集記号の表示:「ホーム」タブで編集記号を表示
- 不要な改行の削除:連続する改行マーク(段落記号)を削除
- 改ページの挿入:適切な位置に改ページを挿入
ページ番号の問題
ページ番号がおかしくなる原因
ページ番号に問題が生じる主な原因は以下の通りです。
- セクション区切りを意図せず挿入してしまった
- ページ番号の書式設定が適切でない
- ヘッダー・フッターの設定に問題がある
解決手順
- セクション区切りの確認:編集記号表示でセクション区切りを探す
- ページ番号設定の確認:「挿入」→「ページ番号」で設定を確認
- 連続番号の設定:必要に応じて「続き番号」に設定変更
改ページが表示されない場合
表示設定の確認
改ページを挿入したのに見えない場合は、表示設定を確認しましょう。
- 表示モードの確認:「表示」タブで「印刷レイアウト」が選択されているか確認
- 編集記号の表示:「ホーム」タブで編集記号を表示
- ページ区切りプレビュー:「表示」タブの「ページ区切りプレビュー」で確認
効率的な文書作成のコツ

事前計画の重要性
文書構造の設計
文書作成を始める前に、以下を決めておくと効率的です。
- ページ数の概算
- 章や節の構成
- 表紙や目次の有無
- 特別なレイアウトが必要な部分
テンプレートの活用
よく使う文書形式については、改ページなどを設定済みのテンプレートを作成しておくと便利です。
ショートカット活用術
よく使うショートカットキー
文書作成の効率を上げるために、以下のショートカットを覚えておきましょう。
- Ctrl + Enter:改ページ挿入
- Ctrl + Shift + Enter:改段(段組み使用時)
- F9:フィールドの更新(目次など)
- Ctrl + H:置換(不要な改行の一括削除に便利)
作業の自動化
VBAマクロを使えば、定型的なページ追加作業を自動化することも可能です。
プロフェッショナルな文書作成のポイント
見た目の統一性
スタイルの一貫使用
見出しスタイルを使用することで、文書全体の統一感が生まれます。また、目次の自動生成も可能になります。
ページレイアウトの調整
余白、行間、フォントサイズなどを統一することで、プロフェッショナルな印象を与えられます。
印刷を考慮した設計
ページ境界の確認
印刷することを前提とした文書では、以下の点を確認しましょう。
- 重要な情報がページ境界で分かれていないか
- 表や図が適切にページ内に収まっているか
- ページ番号が正しく表示されているか
まとめ
Wordでページを追加する最も確実で推奨される方法は、**改ページ機能(Ctrl + Enter)**を使用することです。この方法により、編集や印刷時にレイアウトが崩れることなく、安定した文書を作成できます。
重要なポイント:
- 改ページ:最も確実で安定したページ追加方法
- 空白ページ:簡単だがレイアウト崩れのリスクあり
- Enterキー連打:避けるべき方法
- 編集記号表示:改ページの位置確認に重要
文書作成の効率化テクニック:
- ショートカットキーの活用
- 事前の文書構造設計
- テンプレートの作成・活用
- スタイル機能の一貫使用
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