「1」や「A」などの文字を”〇”で囲みたい。でも、どうやってやるの?
Word初心者にとって、丸で囲む操作は少しややこしく感じるかもしれません。実はWordには、文字を丸で囲むための方法がいくつかあり、用途や見た目に応じて使い分けができます。
この記事では、「囲い文字」「記号」「図形」の3通りの方法を目的別にわかりやすく解説します。
丸囲み文字が必要な場面

ビジネス文書での活用
丸囲み文字は、様々な場面で重要な役割を果たします。
- 手順番号:①→②→③の流れを示す
- 選択肢:Ⓐ、Ⓑ、Ⓒでの選択表示
- 重要度表示:優先順位の可視化
- カテゴリ分け:グループの識別
教育・学習資料での活用
- 問題番号:テストや練習問題
- 解答選択肢:多肢選択問題
- ステップ表示:学習手順
- 重要ポイント:注目すべき箇所
日常文書での活用
- チェックリスト:完了項目の表示
- ランキング:順位の表示
- 分類表示:項目の整理
- 強調表示:目立たせたい部分
方法①:「囲い文字」機能で丸囲み(最も簡単)
囲い文字機能の概要
1〜9やA〜Zなど、1文字を丸で囲みたい場合に最も便利な方法です。Wordの標準機能に含まれており、プロフェッショナルな仕上がりになります。
基本的な設定手順
Windows版での操作
- 丸で囲みたい文字を選択
例:「1」「A」「あ」など - 「ホーム」タブをクリック
画面上部のリボンから選択 - 「フォント」グループ右下の矢印をクリック
小さな矢印(ダイアログボックス起動ツール)をクリック - 「文字の効果」タブを選択
フォントダイアログボックスが開いたら「文字の効果」タブを選択 - 「囲い文字」ボタンを押す
囲い文字の設定画面が開く - 囲みスタイルで「○」を選択
円形の囲みを選択 - 「OK」をクリックして完了
文字が丸で囲まれる
Mac版での操作
Mac版でも基本的な流れは同じです。
- 文字を選択
- 「ホーム」タブ→「フォント」ダイアログ
- 「囲い文字」設定を選択
囲い文字の詳細設定
囲みの種類
囲い文字機能では、複数の囲みスタイルを選択できます。
| 囲みスタイル | 表示例 | 使用場面 |
|---|---|---|
| ○(円) | ①②③ | 一般的な手順表示 |
| □(四角) | 1 2 3 | フォーマルな番号表示 |
| ◇(ひし形) | 1 2 3 | 特別な強調表示 |
| △(三角) | 1 2 3 | 注意点の表示 |
サイズ調整
囲い文字のサイズも調整可能です。
- 文字に合わせる:文字サイズに自動調整
- 固定サイズ:指定したサイズで統一
- フォントサイズ連動:本文のフォントサイズに合わせて調整
囲い文字機能の制限事項
対応文字数
- 1文字のみ対応
- 複数文字には使用不可
- 全角・半角どちらも対応
フォントの影響
- 一部のフォントでは表示が崩れる場合あり
- 明朝体・ゴシック体での表示確認が重要
- 印刷時の見た目も事前確認が必要
方法②:記号を使って手軽に表現
Unicode囲み文字の活用
Unicodeに登録された**「囲み文字(例:①、②、Ⓐ、ⓑ)」**を直接入力する方法です。最も手軽で、多くの文書で互換性があります。
直接入力での方法
IMEを使った入力
- 「まるいち」と入力
日本語入力モードで「まるいち」と打つ - 変換候補から「①」を選択
変換リストに表示される囲み数字を選択 - **同様に「まるに」「まるさん」**などで②③も入力可能
よく使う囲み文字の入力方法
| 欲しい文字 | 入力文字列 | 変換結果 |
|---|---|---|
| ①②③ | まるいち、まるに、まるさん | ①②③ |
| Ⓐ Ⓑ Ⓒ | まるえー、まるびー、まるしー | ⒶⒷⒸ |
| ⑪⑫⑬ | まるじゅういち、まるじゅうに | ⑪⑫⑬ |
| ㊀㊁㊂ | まるいち(旧字体) | ㊀㊁㊂ |
記号挿入での方法
より多くの囲み文字から選びたい場合の方法です。
操作手順
- 「挿入」タブをクリック
- 「記号と特殊文字」→「その他の記号」を選択
- フォントで「Arial Unicode MS」などを選択
- 「囲み英数字」のカテゴリから選択
- 目的の文字をクリックして「挿入」
利用可能な囲み文字の種類
数字の囲み文字
- ①〜⑳:基本的な丸囲み数字
- ㉑〜㉟:21〜35の丸囲み数字
- ㊱〜㊿:36〜50の丸囲み数字
- ⑴⑵⑸:括弧付き数字
アルファベットの囲み文字
- ⒶⒷⒸ〜Ⓩ:大文字の丸囲み
- ⓐⓑⓒ〜ⓩ:小文字の丸囲み
- ???:角括弧付きアルファベット
その他の囲み文字
- ㊊㊋㊌:曜日の囲み文字
- ㊗㊙:祝・秘の囲み文字
- ℹ❶❷:特殊な囲み記号
記号入力の注意点
フォントの互換性
- 一部のフォントでは表示されない場合あり
- 印刷時の確認が重要
- 共有時の注意:相手のPCでも正しく表示されるか確認
編集の制限
- 文字として扱われるため個別編集は困難
- 色やサイズ変更は通常の文字と同様
- 囲みの太さや形状は変更不可
方法③:「図形」で自由に囲む(複数文字対応)

図形機能の概要
自由な形・サイズ・複数行に対応した囲み方が可能です。見た目を細かく調整したいときや、複数文字を囲みたいときに最適です。
基本的な図形囲みの手順
円形図形の挿入
- 「挿入」タブをクリック
- 「図形」ボタンをクリック
- 「基本図形」から「楕円」または「円」を選択
- 囲みたい部分をドラッグして円を描く
Shiftキーを押しながらドラッグすると正円になる
図形の配置調整
- 描いた図形を右クリック
- 「最背面へ移動」を選択
文字の後ろに図形を配置 - 位置を微調整
ドラッグで正確な位置に移動
図形のスタイル設定
- 図形を選択
- 「図形の塗りつぶし」→「なし」を選択
図形内部を透明にする - 「図形の枠線」で色と太さを設定
好みの色と線の太さを選択
高度な図形設定
詳細なスタイル調整
線の種類
- 実線:標準的な囲み
- 点線:控えめな囲み
- 破線:カジュアルな囲み
線の太さ
- 0.5pt:細い線(上品な印象)
- 1pt:標準的な太さ
- 2pt以上:太い線(強調効果)
色の選択
- 黒:フォーマルな文書
- 青:ビジネス文書
- 赤:警告・注意
- 緑:安全・OK
影やぼかしの追加
より印象的な囲みにするための設定:
- 図形を選択
- 「図形の効果」をクリック
- 「影」や「光彩」を設定
- 適度な効果で視覚的魅力を向上
図形囲みの応用テクニック
複数文字・複数行の囲み
図形機能の最大のメリットは、自由度の高さです。
活用例
- 段落全体を囲む
- 表の一部を強調
- 複数行の文章をまとめて囲む
- 図表のキャプションを囲む
異なる形状での囲み
円以外の図形も活用できます。
- 角丸四角形:やわらかい印象
- 雲形:注意書きや補足
- 吹き出し:コメントや説明
- 星形:特別な強調
レイアウトとの調和
図形囲みを使う際の配置のコツ:
- 文字との余白を適切に確保
- 他の要素との統一感を保つ
- 印刷時の見た目も考慮
- 色の使いすぎを避ける
用途別の使い分けガイド
シンプルな番号表示
推奨方法:囲い文字機能
- ①②③などの連番
- 手順の表示
- 選択肢の番号
メリット
- 設定が簡単
- 統一された見た目
- 印刷品質が高い
豊富な種類から選択
推奨方法:Unicode記号
- 多種類の番号が必要
- アルファベットの囲み
- 特殊な記号の使用
メリット
- 種類が豊富
- 入力が速い
- 互換性が高い
自由なデザイン
推奨方法:図形機能
- 複数文字の囲み
- 特殊な形状での囲み
- 色やスタイルの自由な調整
メリット
- 最大の自由度
- 複数文字対応
- 視覚的インパクト
実際の文書での活用例
ビジネス文書での活用
企画書での使用例
【プロジェクト進行手順】
①市場調査の実施
②競合分析の完了
③企画書の作成
④プレゼンテーションの準備
【選択肢の検討】
Ⓐ 新規開発による参入
Ⓑ 既存製品の改良
Ⓒ 他社との提携
報告書での使用例
- 重要ポイントを図形で囲む
- 結論部分を強調表示
- 数値データを目立たせる
教育資料での活用
学習教材での使用例
【練習問題】
⑴ 次の中から正しいものを選びなさい
①選択肢A ②選択肢B ③選択肢C
⑵ 以下の手順で実行しなさい
①準備 ②実行 ③確認
プレゼンテーション資料
- ステップ番号で流れを明確化
- 重要な概念を図形で強調
- まとめポイントを囲んで整理
よくある問題と解決方法

印刷時の問題
囲みが印刷されない
原因と対策
- プリンタ設定:カラー印刷の確認
- 図形の設定:線の色と太さの調整
- フォントの問題:対応フォントの使用
位置がずれる
原因と対策
- 図形の固定:「配置」設定で位置を固定
- 余白の調整:適切な余白設定
- 印刷プレビュー:事前確認の実施
共有時の問題
他のPCで表示されない
原因と対策
- フォントの統一:標準フォントの使用
- 図形の互換性:基本図形の使用
- PDF変換:確実な共有のため
レイアウトが崩れる
原因と対策
- バージョンの違い:同じWordバージョンでの確認
- 図形の設定:相対位置での配置
- テンプレート化:標準形式での保存
効率化のテクニック
ショートカットの活用
よく使う囲み文字の辞書登録
- よく使う囲み文字を辞書に登録
- 短いコードで素早く入力
- 作業効率の大幅向上
図形のコピー&ペースト
- 一度作った図形をコピー
- 同じスタイルで統一
- 位置だけを調整
テンプレート化
定型フォーマットの作成
よく使う囲み文字設定をテンプレートとして保存:
- 囲み文字設定を完了
- 「名前を付けて保存」でテンプレート形式
- 再利用で効率化
アクセシビリティの考慮
スクリーンリーダー対応
視覚障害者向けの配慮:
- 代替テキストの設定
- 構造的な文書作成
- 色に依存しない情報提供
色覚異常への配慮
- 色だけでの情報提供を避ける
- コントラストの確保
- 形や記号での区別も併用
まとめ
Wordで「丸で囲む」方法は、目的に応じて3種類を適切に使い分けることが重要です。
基本的な使い分け
- 1文字なら「囲い文字」:最も簡単で高品質
- 番号や記号なら「Unicode記号」:豊富な種類で便利
- 自由度が必要なら「図形の円」:複数文字や特殊形状に対応
選択のポイント
- 文字数:1文字か複数文字か
- デザイン自由度:標準的か特殊な見た目か
- 使用頻度:よく使うか一時的か
- 互換性:他のPCでも正しく表示されるか
効果的な活用のために
- 文書の目的に応じた方法選択
- 統一性を保った使用
- 印刷・共有時の確認
- アクセシビリティへの配慮


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