Word(ワード)で表を作っていて、「ここで表を分けたい」「1つの表を2つにしたい」ということはありませんか?
特に長い表を編集していると、ページをまたいだり内容が混ざったりして、管理が大変になります。
この記事では、Wordで表を途中からきれいに分割する方法を、わかりやすく解説します。
なぜ表を分割したいのか?

よくある理由と具体例
内容整理の観点:
- 内容ごとに表を分けたい:四半期別売上表を月別に分割
- カテゴリ別の管理:商品リストを種類別に分離
- 時系列での区分:年度別データの分割
- 部署・地域別の整理:組織別データの分離
編集・管理の観点:
- 表の一部だけ別の形式で編集したい:集計行の書式変更
- ページの構成上、区切りを入れたい:章の終わりでの表分割
- 印刷レイアウトの調整:用紙サイズに合わせた分割
- データ量の管理:大きすぎる表の分割
表分割のメリット
文書構成の改善:
- 文書全体の見やすさ向上
- 論理的な情報の整理
- 読み手にとっての理解しやすさ
- プロフェッショナルな文書品質
編集効率の向上:
- 部分的な編集作業の簡易化
- 書式設定の個別管理
- データ更新の効率化
- エラーの局所化
印刷・出力の最適化:
- ページ境界での自然な区切り
- 用紙サイズに適したレイアウト
- セクション別の印刷設定
- PDF出力時の見栄え向上
Wordで表を分割する基本手順
基本的な分割操作
手順:途中の行から別の表に切り分ける方法
- 分割したい位置の行を選択(例:3行目の先頭にカーソルを置く)
- 「レイアウト」タブ(表ツール)を開く
- 「表の分割」ボタンをクリック
結果: 表がその位置で2つの独立した表になります。
より詳細な操作手順
正確な位置設定:
- 分割したい行の最も左のセルをクリック
- カーソルが確実にその行内にあることを確認
- 表ツールが表示されることを確認
- 「レイアウト」タブが選択可能状態であることを確認
分割の実行:
- 「レイアウト」タブ内の**「データ」グループ**を確認
- 「表の分割」アイコン(表が分かれているマーク)をクリック
- 即座に分割が実行される
分割結果の確認:
- 元の表が2つの独立した表に分かれる
- 分割位置より上が「表1」
- 分割位置より下が「表2」
- それぞれ独立して編集可能
表の分割がうまくいかない場合の対処法
よくある問題と解決策
問題 | 原因 | 解決法 |
---|---|---|
「表の分割」ボタンが見つからない | 表ツールが表示されていない | 表内にカーソルを置く |
ボタンがグレーアウトしている | 表ツールの「レイアウト」タブが選択されていない | 正しいタブを選択 |
表全体が選択されている | 分割位置が特定されていない | 分割位置の行にカーソルを置く |
分割が実行されない | 表の構造に問題がある | 表の結合セルを確認 |
より詳細なトラブルシューティング
表ツールが表示されない場合:
- 表の外をクリックしてから
- 再度表内をクリック
- **リボンに「表ツール」**が表示されることを確認
結合セルがある場合の注意:
- 結合セルがまたがる位置では分割できない
- 結合を解除してから分割実行
- 分割後に再度結合を設定
複雑な表構造の場合:
- ネストした表では分割機能が制限される
- シンプルな構造に変更してから分割
- 別の方法(コピー・貼り付け)を検討
表を分割したあとの調整ポイント
見出し行の追加・調整
必要な調整作業:
- 上の表に見出し行を維持
- 下の表に新しい見出し行を追加
- 見出しの内容を適切に調整
見出し行追加の手順:
- 分割後の下の表の最上行を右クリック
- **「行を上に挿入」**を選択
- 見出し内容を入力
- 書式を他の見出し行と統一
罫線と書式の調整
境界線の整備:
- 分割境界の罫線確認
- 消えた線の復旧
- 線の太さや色の統一
- 表全体の一貫性確保
書式設定の統一:
- 各表の書式を確認
- フォント・色・配置の統一
- セル幅の調整
- 行高の整備
レイアウトの最適化
表間の余白調整:
- 表と表の間にEnterキーで改行を追加
- 適切な間隔の確保
- ページ境界での配置確認
- 全体バランスの調整
キャプション・タイトルの追加:
表1: 第1四半期売上実績
[分割された上の表]
表2: 第2四半期売上実績
[分割された下の表]
特殊な分割方法と応用

ページまたぎでの分割
ページ境界での自然な分割:
- 改ページの適切な位置を特定
- その位置で表を分割
- ページ設定の調整
- 印刷プレビューでの確認
強制的な改ページとの組み合わせ:
- 表分割後に手動改ページ(
Ctrl + Enter
)挿入 - 次ページに新しい表を配置
- 章や節の区切りとして活用
列による分割(疑似的な方法)
横方向の分割が必要な場合:
- 必要な列をコピー
- 新しい場所に貼り付け
- 元の表から該当列を削除
- 2つの表として再配置
条件付き分割
データの内容に基づく分割:
- 特定の条件(日付、カテゴリなど)で分割
- フィルター機能と組み合わせ
- データの論理的な整理
高度な表管理テクニック
分割表の再結合
必要に応じた表の結合:
- 下の表全体を選択
- 切り取り(
Ctrl + X
) - 上の表の最下行の後ろにカーソル
- 貼り付け(
Ctrl + V
)
複数表の一括管理
スタイル設定での統一:
- 表スタイルの一括適用
- カスタムスタイルの作成
- テンプレート化による標準化
動的な表分割
内容変更時の自動調整:
- 条件付き書式の活用
- マクロによる自動分割
- データ連携での動的更新
実務での活用例
財務報告書での活用
四半期別データの分離:
売上実績総表
↓ 分割
Q1売上実績表 + Q2売上実績表 + Q3売上実績表 + Q4売上実績表
プロジェクト管理での活用
フェーズ別タスク管理:
- 計画フェーズのタスク表
- 実行フェーズのタスク表
- 完了フェーズのタスク表
教育資料での活用
学習内容の段階的整理:
- 基礎編の学習項目
- 応用編の学習項目
- 実践編の学習項目
マクロによる自動化
基本的な分割マクロ
Sub SplitTableAtRow()
Dim tbl As Table
Dim splitRow As Integer
Set tbl = Selection.Tables(1)
splitRow = Selection.Row
Selection.SplitTable
End Sub
条件付き分割マクロ
Sub ConditionalSplit()
Dim tbl As Table, row As row
Dim i As Integer
Set tbl = Selection.Tables(1)
For i = 2 To tbl.Rows.Count
If tbl.Rows(i).Cells(1).Range.Text Like "*分割*" Then
tbl.Rows(i).Select
Selection.SplitTable
Exit For
End If
Next i
End Sub
まとめ
Wordで表を途中から分割するには、「表の分割」機能を使えば簡単にできます。
基本的な操作:
- 「レイアウト」タブ→**「表の分割」**で操作可能
- 分割位置の正確な指定が重要
- 分割後の調整作業も必須
効果的な活用のポイント:
- 文書の論理構造に合わせた分割
- 見出し行の適切な管理
- 書式設定の一貫性確保
- レイアウト全体のバランス
実務での価値:
- プロフェッショナルな文書品質
- 読み手の理解促進
- 編集効率の向上
- 印刷・出力の最適化
応用テクニック:
- ページ境界での戦略的分割
- マクロによる自動化
- スタイル設定での統一管理
- 他の機能との組み合わせ
注意すべきポイント:
- 結合セルがある場合の制限
- 複雑な表構造での注意事項
- 分割後の維持管理
- バージョン管理での配慮
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