「MacでWordを使っているけど、行間が広すぎて読みづらい…」
「行間を詰めたいけど、どこで設定すればいいの?」
Mac版のWordは、Windows版とは操作画面が少し異なるため、慣れていないと行間調整に手間取ることがあります。
この記事では、MacのWordで行間を詰める方法を、基本と応用に分けて分かりやすく解説します。
Mac版Wordの特徴と基本操作

WindowsとMacの違い
主な相違点:
- メニューバーの位置:画面上部固定(Windows版はアプリ内)
- 右クリック:Control + クリック、または2本指タップ
- ショートカットキー:CommandキーがWindowsのCtrlキーに相当
- フォントレンダリング:Mac特有の美しい文字表示
Mac版Wordのバージョン確認
確認方法:
- 「Word」メニュー(画面左上)をクリック
- **「Wordについて」**を選択
- バージョン情報を確認
主要バージョン:
- Microsoft 365版:常に最新機能
- Word 2021:買い切り版
- Word 2019:旧バージョン
Mac版Wordで行間を詰める基本手順
方法1:段落ダイアログでの詳細設定
基本手順:
- 行間を詰めたい部分を選択(または
Command + A
で全選択) - 上部メニューの**「書式」→「段落」**を選択
- 「インデントと行間隔」タブを開く
- **「行間」から「固定値」や「最小値」**を選択
- 「間隔」に希望のポイント数(例:12ptなど)を入力
- **「OK」**をクリック
行間設定の詳細:
「固定値」の場合:
- 12pt:やや詰まった印象
- 14pt:標準的な読みやすさ
- 16pt:ゆったりとした印象
- 18pt:行間を広く取りたい場合
「最小値」の場合:
- 指定値以上の行間を保証
- 大きな文字や記号があっても文字が重ならない
- 柔軟性の高い設定
方法2:リボンメニューからの簡単変更
より簡単な方法:
- 「ホーム」タブをクリック
- **「行と段落の間隔」**のアイコン(線が重なったマーク)をクリック
- **「1.0」「1.15」「1.5」**などから選択
- **「行間のオプション」**をクリックすると詳細設定へ移動
プリセット値の説明:
- 1.0:最も詰まった行間
- 1.15:Word標準設定(少し広め)
- 1.5:読みやすさ重視
- 2.0:ダブルスペース(論文形式)
方法3:ショートカットキーでの高速調整
効率的なキーボード操作:
行間を詰める:
Command + 1
:1.0倍の行間Command + 2
:2.0倍の行間Command + 5
:1.5倍の行間
段落間隔の調整:
Command + 0
:段落後の間隔をオン・オフ
段落間の余白調整
段落前後の余白を詰める
行間だけでなく、段落ごとに余白が入っている場合の対処法:
操作方法:
- **「書式」→「段落」**を開く
- **「段落前」「段落後」の数値を「0 pt」**に設定
- **「OK」**で確定
段落間隔の種類:
- 段落前:段落の上の余白
- 段落後:段落の下の余白
- 行間:行と行の間の空き
スタイルでの一括調整
文書全体の統一:
- 「ホーム」タブ→「スタイル」
- 「標準」スタイルを右クリック
- **「変更」**を選択
- **「書式」→「段落」**で行間と段落間隔を設定
- **「このテンプレートを使用した新しい文書」**にチェック(必要に応じて)
Mac特有の操作とコツ
トラックパッドでの効率的操作
Mac特有の便利な操作:
- 2本指スクロール:文書内の移動
- ピンチイン・アウト:ズームイン・ズームアウト
- 3本指ドラッグ:テキスト選択(設定で有効化)
システム環境設定との連携
文字の表示設定:
- Appleメニュー→「システム環境設定」
- 「一般」→「外観」
- 文字サイズやコントラストの調整
フォントブックとの連携
Mac標準フォントの活用:
- ヒラギノ角ゴ:日本語文書に最適
- 游ゴシック:Windows互換性が高い
- San Francisco:Apple標準英字フォント
詳細な行間調整テクニック

文字サイズに応じた最適な行間
推奨設定値:
10.5pt文字の場合:
- 行間固定値:12pt~14pt
12pt文字の場合:
- 行間固定値:14pt~16pt
14pt文字の場合:
- 行間固定値:16pt~18pt
文書の種類別最適化
論文・レポート:
- 行間:1.5倍または2.0倍
- 段落後:6pt~12pt
- フォント:明朝系(ヒラギノ明朝など)
ビジネス文書:
- 行間:1.0倍~1.2倍
- 段落後:3pt~6pt
- フォント:ゴシック系(ヒラギノ角ゴなど)
プレゼン資料:
- 行間:1.2倍~1.5倍
- 段落後:6pt~9pt
- フォント:太字ゴシック系
よくある問題と解決法
改行による行間の広がり
問題:改行しても行間が広がるのはなぜ?
原因: 通常のEnterキーは「段落改行」になるため、段落後の余白が入ります。
解決策:
- **
Shift + Enter
**を使用:行間の広がらない「改行」 - 段落後の間隔を0ptに設定
- 改行の種類を意識した文書作成
フォントサイズと行間のバランス
問題:文字が重なって表示される
原因: 固定値の行間がフォントサイズより小さい設定
解決策:
- 行間を「最小値」に変更
- フォントサイズ + 2pt以上の行間設定
- 行間の倍数設定(1.2倍など)を使用
印刷時の行間のずれ
問題:画面表示と印刷結果が異なる
原因:
- プリンタードライバーの設定
- 用紙サイズの設定ミス
- フォントの置き換え
解決策:
- 印刷プレビューでの事前確認
- PDF変換での中間チェック
- プリンター設定の確認
高度なカスタマイズ
カスタムスタイルの作成
独自スタイルの設定:
- 理想的な段落を作成
- その段落を選択
- 「ホーム」→「スタイル」
- **「新しいスタイル」**をクリック
- 名前を付けて保存
テンプレートでの標準化
組織内での統一:
- 最適な行間設定で文書を作成
- 「ファイル」→「テンプレートとして保存」
- チーム内で共有
- 新規文書作成時のテンプレート選択
他のOfficeアプリとの連携
PowerPointとの統一性
プレゼン資料での整合性:
- Word文書の行間設定をPowerPointでも使用
- フォントサイズと行間の比率を統一
- 文書からプレゼンへのコピー時の調整
Excelとの統合
表データの取り込み:
- Excel表をWordに貼り付け時の行間調整
- 表内テキストの行間設定
- 全体文書との統一性確保
アクセシビリティへの配慮
読みやすさの向上
ユニバーサルデザイン:
- 十分な行間での可読性向上
- コントラスト比の確保
- 文字サイズとのバランス
- 高齢者や視覚障害者への配慮
VoiceOverとの互換性
Mac標準読み上げ機能:
- 適切な行間での読み上げ改善
- 段落構造の明確化
- ナビゲーションの向上
パフォーマンスの最適化
大量文書での処理速度
重い文書での対策:
- 不要な書式設定の削除
- スタイルの統一による軽量化
- 画像の最適化
- 自動保存の間隔調整
メモリ使用量の管理
Mac特有の最適化:
- アクティビティモニターでの監視
- 他アプリとのメモリ競合回避
- 定期的な再起動
まとめ
MacでWordの行間を詰めるには、少しのコツが必要ですが、設定してしまえば文書がぐっと読みやすくなります。
基本的な調整方法:
- 「段落」設定画面で細かく調整
- **「固定値」**で行間をピンポイントに詰める
- 段落前後の余白にも注意
- ショートカットキーでの効率的操作
Mac特有のポイント:
- Windows版との操作の違いを理解
- トラックパッドを活用した効率的操作
- Mac標準フォントとの相性を考慮
- システム設定との連携
効果的な活用のコツ:
- 文書の用途に応じた行間設定
- スタイル機能での統一管理
- テンプレート化による効率化
- アクセシビリティへの配慮
実務での価値:
- プロフェッショナルな文書品質
- 読み手への配慮
- 印刷コストの削減
- 作業効率の向上
応用テクニック:
- カスタムスタイルの作成
- 他Officeアプリとの連携
- VoiceOverとの互換性
- パフォーマンス最適化
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