「ExcelでもWordみたいにルーラー(定規)を表示したい」
「印刷すると余白がズレるのが気になる…」
そんな悩みはありませんか?
ExcelにはWordのように上下左右に線が出る”ルーラー”機能があります。これを使うと用紙の余白や表の幅を視覚的に調整できるので、印刷レイアウトを整えたいときにとても便利です。
この記事では、Excelでルーラー(定規)を表示する方法をわかりやすく紹介します。さらに、ルーラーが表示されないときの原因や対処法もまとめました。
Excelのルーラーとは?

Excelのルーラーは、シート上部・左側に表示される目盛りのことです。
ルーラーでできること
基本的な機能:
- 用紙の左右余白を視覚的に確認
- 列幅や行の高さを正確に測定
- 図形やテキストボックスの配置を調整
- 印刷範囲の境界を把握
Wordとの違い:
- Wordほど細かいタブ操作はできない
- 印刷時のバランス調整に特化
- セル基準での測定が中心
ルーラーが役立つ場面
印刷関連の作業:
- レポートや報告書の体裁調整
- 表やグラフの配置最適化
- 余白設定の確認と調整
- ページ内での要素の均等配置
データ管理での活用:
- 列幅の統一
- 印刷範囲の最適化
- フォームレイアウトの調整
- ラベル印刷の位置合わせ
Excelでルーラーを表示する方法
表示は「ページレイアウトビュー」で行う
Excelには通常の「標準(標準ビュー)」ではルーラーが表示されません。ルーラーを表示するには「ページレイアウトビュー」に切り替える必要があります。
基本手順:
- 上部メニューの「表示」タブをクリック
- 表示方法の中から「ページ レイアウト」を選択
これだけで、上部と左側にルーラーが表示されます。
画面右下からの切り替え方法
より素早い方法:
- 画面右下にある表示切り替えボタンを確認
- 真ん中のボタン(ページレイアウトビュー)をクリック
3つの表示モード:
- 標準: 通常の作業画面
- ページレイアウト: ルーラー表示+印刷プレビュー
- 改ページプレビュー: ページ境界の確認
ショートカットキーでの切り替え
効率的な操作方法:
Alt + W + P
: ページレイアウトビューに切り替えAlt + W + N
: 標準ビューに切り替えAlt + W + I
: 改ページプレビューに切り替え
ページレイアウトビューの特徴と活用
ページレイアウトビューでできること
視覚的な確認:
- 実際の印刷プレビューに近い形でシートを確認
- ルーラーで用紙サイズや余白を直接操作
- ヘッダー・フッターの編集
- 改ページ位置の確認
直接編集機能:
- ルーラー上で余白をドラッグ調整
- 列幅を視覚的に変更
- 印刷範囲の境界を操作
- 図形やオブジェクトの精密配置
ルーラーの読み方と単位
ルーラーの目盛り:
- 通常はセンチメートル(cm)で表示
- インチ(inch)表示にも変更可能
- 細かい目盛りで精密な調整が可能
単位の変更方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「表示」セクションで「ルーラーの単位」を変更
- センチメートル、インチ、ミリメートルから選択
余白の調整方法
ルーラーでの余白調整:
- ページレイアウトビューでルーラーを表示
- ルーラー上の余白境界線にマウスを当てる
- カーソルが双方向矢印に変化
- ドラッグして余白を調整
調整可能な余白:
- 上余白:上部ルーラーの境界線
- 下余白:下部の境界線
- 左余白:左側ルーラーの境界線
- 右余白:右側の境界線
ルーラーが表示されないときの対処法
原因1:表示モードが間違っている
確認事項:
- 標準ビューや改ページプレビューではルーラーは表示されない
- 必ず「ページレイアウト」ビューに切り替える
- 表示タブから「ページ レイアウト」を選び直す
原因2:ルーラー機能が無効になっている
Excelにはルーラーのオンオフ設定があります。
確認手順:
- 「表示」タブをクリック
- 「表示」グループ内の「ルーラー」チェックボックスを確認
- 外れていたらチェックを入れる
注意点:
- この設定はページレイアウトビューでのみ有効
- 標準ビューでは「ルーラー」オプション自体が表示されない
原因3:Excelのバージョンによる違い
古いバージョンでの対応:
- Excel 2007以前では操作方法が異なる場合がある
- メニューの場所が現在のバージョンと違う可能性
- アップデートの確認を推奨
原因4:画面解像度や拡大率の問題
表示設定の確認:
- 画面の拡大率が高すぎるとルーラーが見えにくい
- Windowsの表示設定を確認
- Excel内のズーム設定も調整
対処方法:
- Excelのズーム設定を100%に調整
- Windowsの表示スケールを確認
- 必要に応じて画面解像度を調整
ルーラーを使った実践的な活用法

印刷レイアウトの最適化
A4用紙での調整例:
- ページレイアウトビューでルーラーを表示
- 用紙幅(約21cm)を確認
- 左右余白を調整して表の幅を最適化
- 印刷プレビューで最終確認
余白設定の目安:
- 標準文書: 上下2.5cm、左右2cm
- レポート: 上下3cm、左右2.5cm
- フォーム: 上下2cm、左右1.5cm
表や図形の精密配置
中央配置の確認:
- 用紙の中央位置をルーラーで確認
- 表や図形を中央に配置
- 左右の余白が等しいかルーラーで確認
複数要素の整列:
- 図形やテキストボックスの上端を揃える
- 等間隔での配置を実現
- グリッドラインとの組み合わせ活用
列幅の統一と調整
ルーラーを使った列幅調整:
- 列境界線をルーラー上で確認
- ドラッグして統一幅に調整
- 印刷時の見栄えを確認
推奨する列幅設定:
- ID列: 1-2cm
- 名前列: 3-4cm
- 住所列: 5-7cm
- 備考列: 残りの幅を活用
印刷品質向上のためのルーラー活用術
印刷範囲の最適化
ページ境界の確認:
- ルーラーで用紙の境界を確認
- データが収まっているかチェック
- 必要に応じてフォントサイズや列幅を調整
改ページの調整:
- 表の区切りで改ページするよう調整
- ヘッダー行が各ページに表示されるよう設定
- 余白を活用した見やすいレイアウト
見出しとデータの配置
バランスの良い配置:
推奨レイアウト例:
左余白: 2cm
タイトル位置: 中央
表の配置: 左寄せまたは中央
右余白: 2cm
視覚的な印象の向上:
- 要素間の距離を統一
- 余白を効果的に活用
- 読みやすさを重視した配置
高度なルーラー活用テクニック
カスタム用紙サイズでの作業
特殊サイズの設定:
- 「ページレイアウト」タブ → 「サイズ」
- 「その他の用紙サイズ」を選択
- カスタムサイズを設定
- ルーラーで新しいサイズを確認
活用例:
- 名刺サイズ(9.1cm × 5.5cm)
- はがきサイズ(10cm × 14.8cm)
- 封筒サイズ(各種規格)
マクロとの組み合わせ
ルーラー表示の自動化:
Sub ShowRuler()
ActiveWindow.View = xlPageLayoutView
ActiveWindow.DisplayRuler = True
End Sub
Sub HideRuler()
ActiveWindow.View = xlNormalView
End Sub
便利な設定マクロ:
Sub OptimalPrintLayout()
' ページレイアウトビューに切り替え
ActiveWindow.View = xlPageLayoutView
' ルーラーを表示
ActiveWindow.DisplayRuler = True
' ズームを100%に設定
ActiveWindow.Zoom = 100
' 余白を標準設定に
With ActiveSheet.PageSetup
.TopMargin = Application.InchesToPoints(0.75)
.BottomMargin = Application.InchesToPoints(0.75)
.LeftMargin = Application.InchesToPoints(0.7)
.RightMargin = Application.InchesToPoints(0.7)
End With
End Sub
他のOfficeアプリとの連携

PowerPointでのルーラー活用
プレゼン資料での統一感:
- Excelで確認した配置をPowerPointでも適用
- 同じ余白設定で一貫性を保つ
- 図表の配置を統一
Wordとの比較
機能の違いを理解:
- Wordはより詳細なタブ設定が可能
- Excelは表計算に特化したルーラー機能
- 用途に応じた使い分けが重要
トラブルシューティング
ルーラーが途中で消える場合
考えられる原因と対策:
- 表示モードが変わった: ページレイアウトビューに戻す
- ズーム設定の問題: 100%に調整
- 画面サイズの制限: 大きな画面での作業を推奨
印刷時とルーラー表示の差異
確認ポイント:
- プリンタードライバーの設定
- 用紙サイズの設定ミス
- 印刷倍率の設定
対処方法:
- 印刷プレビューで最終確認
- PDFで出力して検証
- テスト印刷での確認
まとめ
Excelでルーラー(定規)を使うには、以下の2ステップでOKです:
基本操作:
- 「表示」タブ → 「ページレイアウト」に切り替える
- 「ルーラー」にチェックを入れる
効果的な活用方法:
- 印刷前の余白確認と調整
- 表やグラフの精密配置
- 列幅の統一と最適化
- ページ境界の視覚的確認
トラブル回避のポイント:
- 表示モードを正しく設定
- ズーム設定を適切に調整
- 印刷プレビューでの最終確認
- カスタム設定の活用
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