「チラシみたいに文字を二列に並べたい」「新聞のようなレイアウトにしたい」このような要望を叶えるのが、Wordの「段組み」機能です。
実は、この機能はワンクリックで簡単に設定できるのに、意外と知らない人が多いんです。覚えてしまえば、プロのような読みやすい文書を手軽に作成できますよ。
この記事では、Wordで文書を二列にする基本的な方法から、見栄えを良くするコツまで詳しく解説します。チラシ作成や会報制作で困っている方は、ぜひ参考にしてください。
段組みとは?文書を読みやすくするレイアウト技術

段組み(だんぐみ)とは、1ページの中で文章を複数の縦列に分けて表示するレイアウト方法です。新聞や雑誌、チラシなどでよく使われています。
段組みのメリット
読みやすさの向上 一行の文字数が短くなるため、目の動きが少なくて済み、読み疲れしにくくなります。
情報の整理 関連する内容をまとめて表示したり、異なる情報を分けて見せたりできます。
印刷物らしい仕上がり プロが作ったような、洗練された印象の文書になります。
スペースの有効活用 限られたページ数により多くの情報を盛り込むことができます。
段組みが活躍する場面
段組みは様々な文書作成で活用できます。具体例を見てみましょう。
ビジネス文書での活用
- 会社案内パンフレット
- 商品カタログ
- イベント告知チラシ
- 月次報告書
- ニュースレター
学校・教育関連での活用
- 学校だより
- 授業プリント
- 研究発表ポスター
- 卒業文集
- 部活動の会報
個人利用での活用
- 結婚式の招待状
- 同窓会の案内
- 地域のお知らせ
- 趣味のサークル通信
- 家族新聞
Wordで文書を二列にする基本操作
最も簡単な二列設定方法
まずは基本的な操作から覚えましょう。驚くほど簡単にできます。
- Wordファイルを開く 段組みにしたい文書を開きます
- 範囲を選択する(必要に応じて)
- 文書全体を段組みにする場合:何も選択しない
- 一部分だけ段組みにする場合:該当部分をドラッグで選択
- レイアウトタブを開く 画面上部のリボンにある「レイアウト」タブをクリックします
- 段組みボタンをクリック 「ページ設定」グループの中にある「段組み」ボタンをクリックします
- 「2段」を選択 表示されるメニューから「2段」をクリックします
これだけで、文書が左右二列のレイアウトに変わります。
段組み設定後の文字入力について
段組みを設定すると、文字入力の動作が少し変わります。
通常の入力 左の列から文字を入力していき、列の下端に達すると自動的に右の列の上部に移動します。
改行の動作 Enterキーで改行すると、同じ列内で次の行に移動します。
列の切り替え 手動で次の列に移りたい場合は、後で説明する「段区切り」を使います。
段組みの詳細設定と カスタマイズ
基本設定だけでも十分ですが、より細かく調整することで理想的なレイアウトを実現できます。
段組みの詳細設定画面を開く方法
- 「レイアウト」タブの「段組み」をクリック
- メニューの一番下にある「段組みの詳細設定」を選択
この画面では、以下の設定ができます。
段数の変更
二列以外の段組みも可能です:
- 1段:通常の一列レイアウトに戻す
- 2段:左右二列のレイアウト
- 3段:三列のレイアウト
- 左:左側が細く、右側が太い二列
- 右:右側が細く、左側が太い二列
段の幅と間隔の調整
幅の設定 各段の幅をセンチメートル単位で指定できます。左右の段を異なる幅にすることも可能です。
間隔の設定 段と段の間の空白部分の幅を調整できます。通常は1.25cmが標準ですが、内容に応じて変更しましょう。
等幅にする 「等幅にする」にチェックを入れると、すべての段が同じ幅になります。
境界線の追加
段と段の間に縦線を引くことで、より読みやすくできます。
- 段組みの詳細設定画面を開く
- 「境界線を引く」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
これで、段の間に細い縦線が表示されます。
適用範囲の設定
段組みを適用する範囲を指定できます:
- 文書全体:ファイル全体に段組みを適用
- これ以降:カーソル位置から文書末尾まで適用
- 選択した文字列:選択した部分のみ適用
段区切りを使った高度なレイアウト

文章の途中で強制的に次の段に移りたい場合は、段区切り機能を使います。
段区切りの挿入方法
- 段を切り替えたい位置にカーソルを置く
- 「レイアウト」タブの「区切り」をクリック
- 「段区切り」を選択
段区切りが役立つ場面
見出しごとの区切り 新しい話題を次の段から始めたい場合
図表の配置調整 図や表を段の上部にきれいに配置したい場合
バランスの調整 左右の段の文字数を調整したい場合
実用的な段組みレイアウトの作成例
チラシの作成例
タイトル部分 文書の上部はタイトルや大きな画像のために一列のままにします。
本文部分 商品説明や詳細情報を二列で見やすく配置します。
問い合わせ先 最下部は連絡先情報のために再び一列に戻します。
ニュースレターの作成例
ヘッダー 発行日や号数を一列で表示します。
記事本文 各記事を二列または三列で構成し、読みやすくします。
コラム欄 特別な情報やお知らせを独立した段として配置します。
会報誌の作成例
表紙 タイトルと目次を一列で大きく表示します。
活動報告 写真と説明文を二列で効果的に配置します。
会員紹介 プロフィールを段組みで整理して表示します。
段組みを使う際の注意点とコツ
よくある問題と解決方法
文字が読みにくくなる場合
- 段の幅が狭すぎる:一行の文字数を10〜15文字程度に調整
- 段間が狭すぎる:間隔を1.25cm以上に設定
- フォントサイズが小さすぎる:11pt以上を推奨
レイアウトが崩れる場合
- 図表のサイズが大きすぎる:段の幅に合わせてリサイズ
- 長い単語が入らない:ハイフネーションを有効にする
- 改ページ位置がおかしい:段区切りで調整
美しい段組みのコツ
余白の活用 段間の余白は情報を整理する大切な要素です。狭すぎず広すぎない適切な間隔を保ちましょう。
統一感の維持 見出しのスタイルや文字サイズを統一することで、プロフェッショナルな仕上がりになります。
バランスの調整 左右の段の文字数があまりにも違う場合は、段区切りを使って調整しましょう。
画像の配置 画像は段の幅に合わせてサイズ調整し、文章の流れを妨げないように配置します。
段組みを解除する方法
段組みを元の一列レイアウトに戻したい場合の操作方法です。
全体の段組みを解除
- 文書全体を選択(Ctrl + A)
- 「レイアウト」タブの「段組み」をクリック
- 「1段」を選択
一部分だけ解除
- 段組みを解除したい部分を選択
- 「レイアウト」タブの「段組み」をクリック
- 「1段」を選択
トラブルシューティング

よくあるトラブルと対処法
段組みボタンが見つからない Wordのバージョンによって、「レイアウト」タブが「ページレイアウト」という名前の場合があります。
設定が反映されない 文書の一部を選択している場合、選択範囲のみに段組みが適用されます。全体に適用したい場合は、何も選択せずに設定してください。
印刷時にレイアウトが崩れる 印刷設定で用紙サイズが正しく設定されているか確認してください。画面表示と印刷結果が異なる場合があります。
図表の配置がうまくいかない 図表のレイアウトオプションを「行内」以外に設定している場合、段組みと干渉することがあります。「行内」に変更してみてください。
パフォーマンスの改善
動作が重い場合 大量の画像や複雑なレイアウトがある文書では、段組み処理に時間がかかることがあります。定期的に保存しながら作業しましょう。
メモリ不足のとき 他のアプリケーションを閉じて、Wordで使用できるメモリを増やしてください。
まとめ
Wordの段組み機能を使えば、プロのような見栄えの良い文書を簡単に作成できます。
この記事のポイント
- 段組みはワンクリックで簡単に設定できる
- 二列以外にも三列や左右非対称の配置も可能
- 境界線や段区切りで更に見やすくカスタマイズ
- チラシ、会報、ニュースレターなど幅広い用途で活用
- 適切な段幅と間隔の設定が美しい仕上がりの鍵
段組みを効果的に使うコツ
- 読み手の目線を考えた段幅設定
- 統一感のあるデザイン
- 適切な余白の確保
- 段区切りを活用したバランス調整
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