Word(ワード)で文章を編集していて、「この部分は残しつつ、訂正したことが分かるようにしたい」と思ったことはありませんか?
そんなときに使えるのが**訂正線(取り消し線)**です。
この記事では、Wordでの訂正線の引き方や、校正・共有時に役立つ活用法をわかりやすく紹介します。
訂正線をマスターして、プロフェッショナルな文書作成スキルを身につけましょう。
訂正線(取り消し線)とは

基本的な機能
訂正線とは、文字の中央に横線を引いて消したように見せるスタイルです。
「削除したが、元の文も見せておきたい」ときに使います。校正や議論中の文書でよく活用されます。
具体的な使用例
価格訂正の場合
修正前 この商品は高い。
修正後 この商品は~~高い~~お手頃。
内容変更の場合
修正前 会議は~~木曜日~~金曜日に開催します。
どんなときに使う?
校正作業 原稿の修正履歴を明確にしたいとき
議事録作成 発言の訂正や追加を明示したいとき
契約書や重要文書 変更箇所を明確に記録したいとき
チームでの文書共有 修正提案を分かりやすく示したいとき
訂正線の基本的な付け方
ボタンを使った方法
詳しい手順
- 訂正線を引きたい文字を選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「フォント」グループの取り消し線ボタン(abc)をクリック
取り消し線ボタンの見つけ方
アイコンの特徴 「abc」に横線が入ったマークです。
位置 太字(B)や斜体(I)の近くにあります。
結果の確認
すぐに選択した文字に取り消し線が付きます。
ショートカットキーを使った方法
Windows環境でのショートカット
Ctrl + Shift + X 最も確実な取り消し線のショートカット
Ctrl + D フォントダイアログを開いて詳細設定
フォントダイアログでの設定
- 文字を選択してCtrl + Dを押す
- 「取り消し線」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
右クリックメニューからの方法
手順
- 訂正線を引きたい文字を選択
- 右クリックでメニューを表示
- 「フォント」を選択
- 「取り消し線」にチェックを入れる
Mac環境での方法
Macでのショートカット
Command + Shift + X 取り消し線の適用
その他の方法 基本的にはWindows版と同じ手順で操作できます。
二重取り消し線の使い方
いつ使う?
通常の取り消し線よりも強調したい場合に「二重取り消し線」が使えます。
特に重要な訂正 契約条件の変更など
強調したい削除 重要な情報の訂正
公式文書 正式な記録として残したい場合
設定方法
詳しい手順
- 文字を選択
- Ctrl + D でフォントダイアログを開く
- 「二重取り消し線」にチェック
- 「OK」で反映
通常の取り消し線との違い
一重取り消し線 ~~普通の横線~~
二重取り消し線 ==二重の横線==(表示イメージ)
ビジネス文書での活用
契約書や提案書などで「特に訂正したことを明示したい」場合に有効です。
訂正線の削除方法
取り消し線を外す方法
同じ操作を繰り返す
- 取り消し線が付いた文字を選択
- 再度取り消し線ボタンをクリック
ショートカットで削除
Ctrl + Shift + Xを再度押すと取り消し線が外れます。
フォントダイアログで削除
- 文字を選択してCtrl + D
- 「取り消し線」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
文書全体の取り消し線を一括削除
置換機能を使った方法
- Ctrl + H で置換ダイアログを開く
- 「オプション」→「書式」→「フォント」
- 「取り消し線」を設定して検索
- 置換後は取り消し線なしに設定
他の編集機能との比較

変更履歴の記録との違い
Wordには「変更履歴の記録」機能もあります。これは修正内容を自動で記録してくれる校正ツールです。
機能比較表
項目 | 訂正線 | 変更履歴の記録 |
---|---|---|
表示目的 | 目視で修正を伝える | 編集の履歴を管理・共有 |
操作方法 | フォント設定で手動 | 「校閲」→「変更履歴の記録」で自動 |
修正箇所の明示 | 一部のみ | 追加・削除すべて |
印刷への反映 | 常に印刷される | 設定により変更可能 |
複数人での作業 | 手動で管理 | 自動で作成者を記録 |
どちらを選ぶべきか
訂正線がおすすめの場合
- 簡単な修正を見せたいとき
- 印刷して配布する文書
- 自分なりの校正記録を残したいとき
変更履歴がおすすめの場合
- 複数人での協同編集
- 修正過程をすべて記録したいとき
- 最終的には修正履歴を消したいとき
コメント機能との組み合わせ
効果的な使い分け
訂正線 + コメント 修正内容に理由や説明を追加
例 ~~来週~~再来週に開催 (コメント:講師の都合により変更)
実用的な活用例
議事録作成での活用
発言訂正の記録
元の発言 「予算は~~100万円~~150万円です」
訂正理由 正確な金額を後から確認
決定事項の変更
変更前の決定 「会議室は~~A室~~B室を使用」
契約書・提案書での活用
条件変更の明示
変更箇所 「納期は~~3月末~~4月末までとする」
価格改定の記録
価格変更 「月額~~5,000円~~4,000円」
学術論文での活用
引用の訂正
不正確な引用の修正 「~~田中(2020)~~佐藤(2021)によると」
データの更新
統計数値の訂正 「参加者数は~~50名~~52名でした」
トラブルシューティング
訂正線が印刷されない場合
原因と対処法
印刷設定の確認
- 「ファイル」→「印刷」→「設定」
- 「文書の校正」が無効になっていないか確認
変更履歴と混同 訂正線と変更履歴を混同していないか確認
訂正線が表示されない場合
表示設定の確認
画面表示モード 下書き表示では一部の書式が表示されない場合があります。
ズーム設定 拡大率が低すぎると細い線が見えない場合があります。
訂正線と下線の併用
設定方法
- 文字を選択
- Ctrl + D でフォントダイアログを開く
- 「取り消し線」と「下線」の両方にチェック
- 「OK」で適用
活用例
重要度の明示 ~~削除予定~~かつ重要な項目
より効果的な使い方

色付きの訂正線
カラー設定の方法
- 文字を選択
- 「ホーム」タブの「フォントの色」で色を選択
- 訂正線を適用
色分けのルール例
赤色 削除や問題のある内容
青色 提案や検討事項
緑色 承認済みの変更
段階的な修正の表現
複数回の修正履歴
第1回修正 ~~初回案~~
第2回修正 ~~修正案~~
最終案 最終決定
チームでの活用ルール
統一したルール作り
訂正理由の明記 訂正線と合わせてコメントで理由を説明
修正者の明示 誰が修正したかを明確にする
期限の設定 いつまでに最終確定するかを決める
よくある質問
訂正線が印刷に反映されませんが?
通常は印刷されますが、印刷設定で「文書の校正」が無効になっている可能性があります。印刷設定を確認してください。
訂正線と下線は同時に使えますか?
はい、可能です。フォントダイアログで両方にチェックを入れることで併用できます。
訂正線の色を変えることはできますか?
はい、フォントの色を変更してから訂正線を適用することで、色付きの訂正線にできます。
訂正線を一括で削除する方法はありますか?
置換機能を使って、取り消し線の書式が設定された文字を検索し、書式なしの文字に置換することで一括削除できます。
MacでもWindowsと同じように使えますか?
基本的な機能は同じですが、ショートカットキーが一部異なります(Command + Shift + X など)。
まとめ
Wordでの訂正線は、文章をスマートに修正・提示するための便利な表現手段です。
主要なポイント
- ホームタブやショートカットで簡単に適用
- 二重取り消し線で強調もできる
- 校正・提案・議論など多くの場面で活躍
- 他の編集機能との使い分けが重要
効果的な活用方法
基本の使い方をマスター
- ボタンでの操作
- ショートカットキーの活用
- フォントダイアログでの詳細設定
応用テクニック
- 色分けによる分類
- コメント機能との組み合わせ
- チーム内でのルール統一
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