「400字詰めの原稿をWordで作成したい」
「応募規定に”縦書きで20×20の原稿用紙形式”とあるけど、どうすれば?」
Wordには原稿用紙のようなマス目付きの設定があり、文学作品・作文・小論文・シナリオなどで指定された形式に合わせて書くことが可能です。しかし、設定方法がわからず困っている方も多いのが現状です。
この記事でわかること
- Wordで400字詰め(20×20)のレイアウトを作る具体的な方法
 - 縦書き・横書きの切り替え方法
 - 原稿用紙スタイルでの正しい入力方法
 - 印刷時の注意点とトラブル対処法
 - 他の文字数設定への応用方法
 
初心者の方でも迷わず設定できるよう、画面操作の手順まで詳しく解説します。
原稿用紙設定とは?

原稿用紙スタイルの基本知識
なぜ原稿用紙形式が使われるのか
文学・出版業界での標準
- 文字数カウントが正確にできる
 - 読みやすさと統一感がある
 - 校正作業がしやすい
 - 投稿規定での指定が多い
 
400字詰めの意味
- 20文字 × 20行 = 400文字
 - 原稿用紙1枚分の標準的な文字数
 - 作文や小説投稿でよく使われる規格
 
Wordの原稿用紙機能でできること
主な機能
- マス目の表示・非表示
 - 縦書き・横書きの選択
 - 文字数・行数の自由設定
 - 句読点の自動調整
 - 原稿用紙ルールに沿った文字配置
 
Wordで原稿用紙レイアウトを設定する方法
基本的な設定手順
手順1:原稿用紙設定を開く
Word 2016以降の場合
- 「レイアウト」タブをクリック
 - 「ページ設定」グループの右下にある小さな矢印をクリック
 - 「ページ設定」ダイアログボックスが開く
 - 「原稿用紙設定」タブを選択
 
Word 2013以前の場合
- 「ページレイアウト」タブをクリック
 - 「原稿用紙設定」ボタンを直接クリック
 
手順2:400字詰め設定を入力
基本設定項目
- スタイル:「マス目付き原稿用紙」を選択
 - 文字数:20文字
 - 行数:20行
 - 文字の方向:縦書き(または横書き)
 
手順3:詳細オプションの設定
マス目の表示設定
- 「罫線を表示する」にチェック:マス目が見える
 - チェックなし:マス目は見えないが文字配置は原稿用紙形式
 
その他のオプション
- 文字色:通常は黒のまま
 - 罫線の色:薄いグレーが一般的
 - 余白:自動調整(通常は変更不要)
 
手順4:設定の適用
- すべての設定を確認
 - 「OK」ボタンをクリック
 - 文書全体に原稿用紙レイアウトが適用される
 
設定後の画面確認
正しく設定できた場合の表示
縦書きの場合
- 文字が右から左に配置される
 - 20個のマス目が縦に並ぶ
 - 20行のマス目が横に並ぶ
 
横書きの場合
- 文字が左から右に配置される
 - 20個のマス目が横に並ぶ
 - 20行のマス目が縦に並ぶ
 
原稿用紙スタイルでの正しい入力方法
基本的な入力ルール
1文字1マスの原則
対象となる文字
- 漢字:「愛」「美」など
 - ひらがな:「あ」「い」など
 - カタカナ:「ア」「イ」など
 - 数字:「1」「2」など
 - アルファベット:「A」「B」など
 - 記号:「!」「?」など
 
句読点の特殊ルール
行末の句読点処理
- 句読点が行末に来る場合、前の文字と同じマスに入る
 - これは原稿用紙の伝統的なルール
 - Wordが自動的に調整してくれる
 
具体例
正しい:「私は学生です。」(「。」は「す」と同じマス)
間違い:「私は学生です 。」(「。」が独立したマス)
段落と字下げの処理
段落の開始
字下げ(インデント)の方法
- 段落の最初にカーソルを置く
 - スペースキーを1回押す
 - 1マス分の字下げが自動適用される
 
改行の種類
段落内改行
- Shift + Enter:段落を変えずに改行
 - 字下げなしで次の行に続く
 
段落改行
- Enter:新しい段落として改行
 - 次の段落は字下げありで開始
 
特殊文字の入力
括弧類の処理
開き括弧
- 「(」「「」「【」など
 - 通常通り1マス使用
 
閉じ括弧
- 「)」「」」「】」など
 - 句読点と同様、行末では前の文字と同じマスに配置
 
長音記号とダッシュ
縦書きでの注意点
- 「ー」(長音記号)は縦線で表示
 - 「―」(ダッシュ)も縦線で表示
 - 横書きとは向きが90度変わる
 
縦書き・横書きの切り替え方法

文字方向の変更手順
設定済み文書の方向変更
- 「レイアウト」タブ→「ページ設定」
 - 「原稿用紙設定」タブを選択
 - 「文字の方向」を変更
 - 「OK」をクリック
 
新規文書での方向設定
縦書き文書の特徴
- 日本語の伝統的な書字方向
 - 小説や作文でよく使用
 - 右から左に読み進める
 
横書き文書の特徴
- 現代的な書字方向
 - レポートや論文でよく使用
 - 左から右に読み進める
 
縦書き時の注意点
フォントの選択
適した日本語フォント
- MS明朝
 - MS P明朝
 - 游明朝
 - ヒラギノ明朝
 
避けるべきフォント
- 欧文専用フォント(Arial、Times New Romanなど)
 - デザイン性の高すぎるフォント
 
英数字の表示
縦書きでの英数字表示設定
- 英数字部分を選択
 - 「ホーム」タブ→「拡張書式」
 - 「縦中横」を選択(必要に応じて)
 
印刷時の注意点とトラブル対処
印刷前の確認事項
プレビューでの確認ポイント
レイアウトの確認
- 「ファイル」→「印刷」でプレビュー画面を開く
 - 以下の点をチェック
- マス目が正しく表示されているか
 - 文字がマス目に正しく配置されているか
 - ページの余白は適切か
 - 文字が切れていないか
 
 
用紙設定の確認
推奨用紙設定
- 用紙サイズ:A4(210×297mm)
 - 印刷の向き:縦書きの場合は横向き、横書きの場合は縦向き
 - 余白:自動設定のまま(通常2.5cm程度)
 
よくある印刷トラブルと対処法
マス目が印刷されない
原因と対処法
- 原因:「罫線を印刷しない」設定になっている 対処法:「ページ設定」→「原稿用紙設定」で「罫線を表示する」にチェック
 - 原因:プリンターの設定問題 対処法:プリンターのプロパティで「高品質印刷」を選択
 
文字がずれて印刷される
対処法
- プリンターの用紙設定を確認
 - 印刷倍率が100%になっているかチェック
 - プリンタードライバーを最新版に更新
 
一部が切れて印刷される
対処法
- 余白設定を確認・調整
 - 印刷領域がプリンターの印刷可能範囲内かチェック
 - 「ページに合わせて印刷」オプションを確認
 
PDF保存での注意点
高品質なPDF作成
- 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSの作成」
 - 「オプション」で以下を設定
- 最適化:印刷用
 - 解像度:600dpi以上
 - フォントの埋め込み:オン
 
 
応用:他の文字数設定への変更方法
よく使われる原稿用紙設定
800字詰め原稿用紙
設定値
- 文字数:40文字
 - 行数:20行
 - 計算:40 × 20 = 800文字
 
用途
- 長編小説の投稿
 - 文字数の多いレポート
 - 雑誌投稿原稿
 
1000字詰め原稿用紙
設定値
- 文字数:25文字
 - 行数:40行
 - 計算:25 × 40 = 1000文字
 
用途
- 大学の課題レポート
 - 論文の草稿
 - 長文の作文
 
200字詰め原稿用紙
設定値
- 文字数:20文字
 - 行数:10行
 - 計算:20 × 10 = 200文字
 
用途
- 短い感想文
 - 履歴書の志望動機欄
 - ショートエッセイ
 
カスタム設定の作成
独自の文字数設定
設定手順
- 必要な総文字数を決める
 - 読みやすい文字数と行数の組み合わせを計算
 - 「原稿用紙設定」で数値を入力
 
計算例
- 1200字必要な場合:30文字 × 40行 = 1200文字
 - 600字必要な場合:30文字 × 20行 = 600文字
 
文字数カウントの確認方法
正確な文字数の確認
Word の文字数カウント機能
- 「校閲」タブ→「文字カウント」
 - または画面下部のステータスバーで確認
 - 「文字数(スペースを含めない)」を参照
 
原稿用紙形式での文字数計算
計算方法
- 完成ページ数 × 400文字 = 総文字数
 - 最終ページの文字数は実際にカウント
 
指定文字数への調整
文字数オーバーの場合
削減方法
- 冗長な表現を簡潔にする
 - 同じ意味の短い表現に変更
 - 不要な接続詞や副詞を削除
 
文字数不足の場合
追加方法
- 具体例や詳細説明を加える
 - 感想や考察を充実させる
 - 関連情報を補足
 
よくある質問と回答

Q: テンプレートとして保存できますか?
A: 可能です
- 原稿用紙設定を完了した文書を作成
 - 「ファイル」→「名前を付けて保存」
 - ファイルの種類を「Word テンプレート(.dotx)」に変更
 - 適切な名前を付けて保存
 
Q: 既存の文書を原稿用紙形式に変更できますか?
A: 可能ですが注意が必要です
- 元の書式が大きく変わる可能性がある
 - 改行位置や文字配置が変更される
 - 事前にバックアップを作成することを推奨
 
Q: スマートフォンやタブレットでも設定できますか?
A: 制限があります
- Word for iPad:一部機能は利用可能
 - Word for iPhone:機能が限定的
 - 詳細設定はPC版Wordが推奨
 
Q: 他のワープロソフトでも同様の機能はありますか?
A: あります
- 一太郎:「原稿用紙」機能
 - LibreOffice Writer:「ページ」設定で類似機能
 - Google ドキュメント:アドオンで部分的に対応
 
トラブルシューティング
設定が反映されない場合
よくある原因
原因1:バージョンの違い
- 古いバージョンでは機能が制限される場合がある
 - 最新版へのアップデートを検討
 
原因2:文書保護
- 文書が保護されている場合は設定変更不可
 - 保護を解除してから設定
 
原因3:テンプレートの制約
- 特定のテンプレートでは原稿用紙設定が制限される場合がある
 - 新規文書で設定を試す
 
文字がマス目からずれる場合
対処法
- フォントサイズの確認
- 自動調整されているかチェック
 - 手動で適切なサイズに調整
 
 - 行間設定の確認
- 「段落」設定で行間が固定値になっていないかチェック
 - 「1行」または「倍数」に変更
 
 - 文字間隔の確認
- 「フォント」設定で文字間隔を確認
 - 「標準」に設定
 
 
まとめ
Wordでは「原稿用紙設定」を使えば、400字詰めの本格的な縦書き文書を誰でも簡単に作成できます。特に作文、応募作品、大学提出書類など、フォーマットが指定されている場合に非常に便利です。
重要なポイント
- 「レイアウト」タブの「ページ設定」から「原稿用紙設定」にアクセス
 - 400字詰めは「20文字×20行」で設定
 - 縦書き・横書きは文書の用途に応じて選択
 - 印刷前は必ずプレビューで確認
 
今すぐできること
- 新規文書で原稿用紙設定を試してみる
 - 縦書きと横書きの両方を体験する
 - 実際に文章を入力して動作を確認
 - よく使う設定をテンプレートとして保存
 
  
  
  
  
              
              
              
              
              

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