「Wordに出てきた点線が消えない…」「何度Deleteしても線だけが残る!」
Word文書を使っていると、意図せず現れる点線に戸惑うことがあります。特に、自動で挿入された罫線や、表の枠線、段落罫線など、種類ごとに消し方が異なるため、正しい対処が必要です。
この記事では、「Wordで消えない点線」の主な原因と、その確実な削除方法を初心者にもわかりやすく解説します。
急いでいる人は、まず「Ctrl + Z」を試してみてください。直前に引かれた線であれば、これで消える可能性があります。
消えない点線の正体を知ろう

Wordに表示される点線の種類
Wordに出る「点線」には、主に以下の4つの種類があります。それぞれ原因と消し方が違うので、まずはどの種類なのかを確認しましょう。
自動罫線(じどうけいせん)
「—」や「***」を入力後にEnterキーを押すと自動で出現する横線です。
特徴:
- 文書の幅いっぱいに引かれる
- 黒い実線または点線で表示
- 印刷時にも表示される
段落罫線(だんらくけいせん)
特定の段落にだけ下線が付いている状態です。
特徴:
- 段落の文字の下だけに線が引かれる
- 文字を削除しても線は残る
- 段落全体の設定として付いている
表の枠線(ひょうのわくせん)
表のセルを区切る線が点線で表示される場合です。
特徴:
- グレーの点線で表示されることが多い
- 印刷時には表示されない場合がある
- 表の構造を示す補助線の役割
コメント・変更履歴の点線
校閲モード中の注釈を示す点線です。
特徴:
- コメントと本文を結ぶ線
- 修正箇所を示す線
- 校閲モードでのみ表示される
点線の種類を見分ける方法
どの種類の点線なのかを見分けるには、以下の点をチェックしてください:
- 線の位置: 文書全体の幅か、段落だけか、表の中か
- 線の色: 黒い線か、グレーの線か
- 線の種類: 実線か、点線か、破線か
- 印刷プレビュー: 印刷時に表示されるかどうか
自動罫線を削除する方法
自動罫線が作られる仕組み
Wordには「オートフォーマット」という機能があり、特定の文字を入力すると自動的に罫線を作成します。
罫線を作成する文字の例:
- 「—」(ハイフン3つ以上)+ Enter → 細い実線
- 「===」(イコール3つ以上)+ Enter → 太い実線
- 「***」(アスタリスク3つ以上)+ Enter → 点線
- 「~~~」(チルダ3つ以上)+ Enter → 波線
削除方法
方法1: すぐに元に戻す
線が引かれた直後であれば、以下の方法で削除できます:
- Ctrl + Z(Windows)または Command + Z(Mac)を押す
- 自動罫線が削除される
これが最もかんたんで確実な方法です。
方法2: 段落罫線設定から削除
時間が経ってしまった場合は、以下の手順で削除します:
- 線が引かれている段落の文字を選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「段落」グループの「罫線」ボタンをクリック
- 「罫線なし」を選択
自動罫線の再発防止
今後、自動的に罫線が引かれないようにするには:
- 「ファイル」メニューをクリック
- 「オプション」を選択
- 「文章校正」をクリック
- 「オートコレクトのオプション」をクリック
- 「入力オートフォーマット」タブを選択
- 「罫線」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
この設定により、特定の文字を入力しても自動で罫線が作られなくなります。
段落罫線を削除する方法
段落罫線の特徴
段落罫線は、特定の段落にだけ設定された下線です。文字を削除しても線は残り、段落全体の書式設定として保存されています。
削除手順
- 線が表示されている段落内の任意の場所をクリック
- 段落全体を選択(トリプルクリックで段落全体を選択可能)
- 「ホーム」タブの「段落」グループにある「罫線」ボタンをクリック
- 「罫線なし」を選択
複数の段落に線がある場合
複数の段落に線が引かれている場合は:
- 最初の段落から最後の段落まで範囲選択
- 「ホーム」タブの「罫線」→「罫線なし」を選択
- すべての段落から一度に罫線を削除可能
表の枠線を調整する方法
表の枠線の役割
表の枠線(グリッド線)は、表の構造をわかりやすくするための補助線です。多くの場合、印刷時には表示されません。
表示・非表示の切り替え
グリッド線を非表示にする方法
- 表内の任意のセルをクリック
- 「レイアウト」タブ(表ツール)をクリック
- 「グリッド線の表示」ボタンをクリックしてオフにする
表の罫線を完全に削除する方法
表自体の罫線を削除したい場合は:
- 表全体を選択
- 「デザイン」タブ(表ツール)をクリック
- 「罫線」→「罫線なし」を選択
印刷時の表示設定
表の罫線が印刷時にも表示されるように設定したい場合は:
- 表を選択
- 「デザイン」タブの「罫線」をクリック
- 「すべての罫線」または好みの罫線スタイルを選択
コメント・変更履歴の点線を削除する方法

コメント関連の点線
コメント機能を使っている場合、コメントと本文を結ぶ点線が表示されます。
コメントを削除する方法
- 「校閲」タブをクリック
- 削除したいコメントを右クリック
- 「コメントの削除」を選択
すべてのコメントを一括削除
- 「校閲」タブの「削除」ボタンをクリック
- 「文書内のすべてのコメントを削除」を選択
変更履歴の点線
修正履歴機能が有効になっている場合、変更箇所を示す点線が表示されます。
変更履歴を非表示にする方法
- 「校閲」タブをクリック
- 「変更履歴の表示」をクリック
- 「最終版」を選択
変更履歴を完全に削除する方法
- 「校閲」タブの「承諾」をクリック
- 「すべての変更を承諾」を選択
- 変更履歴が確定され、点線も消える
よくあるトラブルと解決策
何をしても点線が消えない場合
症状: 上記の方法を試しても点線が残る
原因と対処法:
原因1: 点線の種類を間違えている
- 再度、点線の種類を確認する
- 段落罫線、表の枠線、コメント線のどれかを特定する
原因2: 文書が保護されている
- 「校閲」タブの「編集の制限」を確認
- パスワード保護されている場合は解除が必要
原因3: テンプレートに組み込まれている
- 新規文書でも同じ点線が出る場合はテンプレートの問題
- 標準テンプレート(Normal.dotm)を初期化する
点線を消したのにまた出現する場合
症状: 削除したはずの点線が再び表示される
原因と対処法:
オートフォーマット機能が有効
- 前述の「自動罫線の再発防止」設定を行う
- 特定の文字入力パターンを避ける
段落スタイルに罫線が設定されている
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループを確認
- 使用しているスタイルを右クリック
- 「変更」→「書式」→「罫線」で設定を確認・変更
印刷時にだけ点線が出ない場合
症状: 画面では見えるが印刷すると線がない
これは正常な動作です:
表のグリッド線の場合
- 表示用の補助線なので印刷されない
- 印刷したい場合は「デザイン」タブで罫線を設定
コメントや変更履歴の場合
- 校閲用の表示なので通常は印刷されない
- 印刷したい場合は印刷設定で「マークアップ」を選択
予防策と対策

自動罫線を避ける入力方法
自動的に罫線が作られないようにするには:
- ハイフンやアスタリスクを連続で入力した後、すぐにスペースを入れる
- 罫線として認識される文字数(通常3つ以上)を避ける
- 必要に応じてオートフォーマット機能を無効にする
文書作成時の注意点
点線のトラブルを避けるために:
- テンプレートを使う前に罫線設定を確認
- 他の人から受け取った文書は校閲モードを確認
- 定期的に印刷プレビューで最終的な見た目をチェック
バックアップの重要性
重要な文書では:
- 編集前にコピーを作成
- 罫線削除前の状態も保存
- クラウドサービスでバージョン管理を活用
まとめ
Wordで「点線が消えない」場合は、その線が何由来かを見極めることがカギです。
主要な対処法まとめ:
- 自動罫線: Ctrl + Z または段落罫線設定から「罫線なし」
- 段落罫線: 段落を選択して「ホーム」→「罫線」→「罫線なし」
- 表の点線: 「レイアウト」タブで「グリッド線の表示」をオフ
- コメント履歴: 「校閲」タブからコメント削除または変更履歴の承諾
予防策:
- オートフォーマット機能の設定確認
- 文書作成前のテンプレート確認
- 定期的な印刷プレビューチェック
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