「うっかり全部消してしまった!」
「上書き保存してしまったけど、元に戻せない?」
Wordを使っていてよくあるのが、「削除した内容を復元したい」という場面です。特に大事な資料を作成している最中や、上書き保存してしまったあとでは焦ってしまいますよね。
この記事では、Wordで削除した内容を復元する基本方法から、自動保存やバージョン履歴の活用法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
急いでいる人は、まず「Ctrl + Z」を試してみてください。これだけで9割の問題は解決できます。
直前の操作を元に戻す方法

基本的な元に戻し操作
最もかんたんで確実な方法は、キーボードショートカットを使うことです。
Windows の場合
- Ctrl + Z を押す
Mac の場合
- Command + Z を押す
画面上部の「元に戻す」ボタン(左向き矢印)をクリックしても同じ効果があります。
複数回の操作を元に戻したい場合
「Ctrl + Z」は何回でも使えます。削除してしまったテキストや操作を、順番に取り消すことができます。ただし、ファイルを閉じてしまうと、この履歴はリセットされてしまいます。
やり直し機能の使い方
「間違って元に戻してしまった」場合には、やり直し機能を使いましょう。
Windows の場合
- Ctrl + Y を押す
Mac の場合
- Command + Shift + Z を押す
この機能を使えば、元に戻しすぎてしまった操作を再実行できます。
自動保存ファイルから復元する方法
保存前にWordが終了してしまった場合
Wordには自動保存機能があり、定期的にファイルの内容を一時保存しています。ファイルを保存する前にWordが突然終了してしまっても、多くの場合は復元できます。
手順
- Wordを起動する
- 「ファイル」メニューをクリック
- 「情報」を選択
- 「ドキュメントの管理」をクリック
- 「保存されていない文書の回復」を選択
- 一覧から該当するファイルを選んで開く
- 内容を確認して、必要なら「名前を付けて保存」する
自動保存の設定を確認する方法
自動保存が無効になっている場合は、以下の手順で有効にできます。
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 「保存」を選択
- 「次の間隔で自動回復用データを保存する」にチェックを入れる
- 間隔を「10分」程度に設定する
この設定により、10分おきに作業内容が自動で保存されるようになります。
バージョン履歴で過去の状態に戻す方法
OneDriveやSharePointを使っている場合
WordファイルをOneDriveやSharePoint上に保存している場合は、バージョン履歴機能を使って過去の状態に戻すことができます。
手順
- 「ファイル」メニューをクリック
- 「情報」を選択
- 「バージョン履歴」をクリック
- 日時ごとのバージョンが表示される
- 確認したいバージョンの「表示」をクリック
- 内容を確認して、必要なら「復元」をクリック
バージョン履歴の利点
上書き保存してしまっても、過去の状態にさかのぼって復元できるのが大きな利点です。特に複数人で同じファイルを編集する場合は、誰がいつ変更したかも確認できます。
OneDriveを使っていない場合
OneDriveやSharePointを使っていない場合でも、以下の方法で復元できる可能性があります。
Windowsの場合(以前のバージョン機能)
- ファイルを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「以前のバージョン」タブをクリック
- 復元したい日時のバージョンを選択
- 「復元」または「コピー」をクリック
バックアップファイルを探す方法
一時ファイルの種類
Wordは作業中に以下の種類のバックアップファイルを作成することがあります。
- .wbk ファイル: Word のバックアップファイル
- .asd ファイル: 自動保存ファイル
- .tmp ファイル: 一時ファイル
バックアップファイルの探し方
Windows の場合
- エクスプローラーを開く
- 検索ボックスに「*.wbk」と入力して検索
- 見つからない場合は「*.asd」で検索
- 該当ファイルを見つけたらダブルクリックして開く
よくある保存場所
- C:\Users[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Word
- C:\Users[ユーザー名]\Documents
- 元のファイルと同じフォルダ
一時ファイルが見つからない場合
以下の設定でバックアップファイルの作成を有効にできます。
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 「詳細設定」を選択
- 「常にバックアップコピーを作成する」にチェックを入れる
よくあるトラブルと解決法

全部消したのに戻らない場合
原因: 操作履歴の上限を超えている、または別の原因がある
対処法:
- Ctrl + Z を20回ほど連続で押してみる
- ファイルを閉じていない場合は、一時ファイルから復元を試す
- バージョン履歴を確認する
自動保存が有効でない場合
原因: 自動保存設定が無効になっている
対処法:
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」をクリック
- 「次の間隔で自動回復用データを保存する」にチェック
- 間隔を適切な時間(10分推奨)に設定
上書き保存してしまった場合
原因: 同じファイル名で保存したため、元のデータが消えた
対処法:
- OneDriveのバージョン履歴を確認
- Windows の「以前のバージョン」機能を試す
- 今後は別名で保存するか、定期的にコピーを作成
ファイル自体が見つからない場合
原因: 保存場所を間違えた、または削除してしまった
対処法:
- 最近使ったファイルから探す(「ファイル」→「最近使ったファイル」)
- ファイル名で全体検索する
- ごみ箱を確認する
予防策と対策
定期的な保存の習慣
作業中は「Ctrl + S」で定期的に保存する習慣をつけましょう。重要な変更を加えたときは、すぐに保存することをおすすめします。
バックアップの作成
重要なファイルは以下の方法でバックアップを作成しておきましょう。
- OneDriveやGoogle Driveなどのクラウドサービスを利用
- USBメモリや外付けハードディスクにコピー
- 重要な節目で別名保存(例:レポート_v1.docx、レポート_v2.docx)
自動保存の設定
前述の自動保存設定を有効にして、データ損失のリスクを最小限に抑えましょう。
まとめ
Wordでうっかり削除してしまっても、「元に戻す」「自動保存」「履歴」など、復元の方法は複数あります。
緊急時の対応順序:
- まずは Ctrl + Z で直前操作の取り消し
- 保存前でも「保存されていない文書」から復元を試す
- OneDriveなら「バージョン履歴」を確認
- バックアップファイル(.wbk、.asd)を探す
予防策:
- 自動保存機能を有効にする
- 定期的に手動保存する
- 重要なファイルはクラウドサービスを利用
- 大きな変更前には別名保存でバックアップを作成
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