「文字を入力したら、なぜか後ろの文字が消えていく…」 「普通に打ちたいのに、上書きモードになっていて困る!」
Wordでよくあるこの現象、原因は「上書きモード」です。通常は文字を追加する「挿入モード」ですが、知らないうちに切り替わっていると、文字が上書きされてしまいます。
この記事では、Wordで上書きモードを解除する方法を、キーボード操作と設定画面の両方から丁寧に解説します。初心者の方でもすぐに実践できる内容になっています。
上書きモードとは?基本的な仕組みを理解しよう

挿入モードと上書きモードの違い
Wordには2つの文字入力モードがあります。
挿入モード(通常モード) 文字を入力すると、既存の文字が右にずれて新しい文字が追加されます。これが一般的な入力方法です。
上書きモード 文字を入力すると、既存の文字が消えて新しい文字に置き換わります。意図しない切り替えが多く発生するモードです。
なぜ勝手に上書きモードになるの?
上書きモードになる主な原因は以下の通りです。
- キーボードの「Insert」キーを誤って押した
- ショートカットキーの組み合わせで誤って切り替わった
- Wordの設定で上書きモードが有効になっている
- 外付けキーボードやワイヤレスキーボードの誤作動
上書きモードの解除方法(Windows・Mac両対応)
方法1:Insertキーで瞬時に切り替え(Windows)
最も簡単で素早い解除方法です。
手順
- キーボードの「Insert」キー(「Ins」と表記されている場合もあり)を1回押す
- 押すたびに「挿入モード ↔ 上書きモード」が切り替わる
Insertキーの場所
- デスクトップキーボード:テンキーの左上付近
- ノートパソコン:「Fn」キーと組み合わせて使用する場合が多い
- 一部のキーボード:「PrtSc」キーと同じキーに配置
方法2:Word設定から完全に無効化(より確実)
誤って上書きモードになることを防ぎたい場合におすすめです。
Windows版の手順
- Wordを開き、「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
- 左メニューから「詳細設定」をクリック
- 「編集オプション」の中から「上書きモードの使用」のチェックを外す
- 「Insキーで上書きモードを切り替え可能」のチェックも外す
- 「OK」をクリックして設定を保存
Mac版の手順
- Wordを開き、「Word」メニューから「環境設定」を選択
- 「作成および校正ツール」を選択
- 「編集オプション」の設定を確認し、上書きモード関連の項目を無効にする
- 設定を保存
方法3:ステータスバーでの確認と切り替え
現在のモードを視覚的に確認できる方法です。
手順
- Word画面の下部にあるステータスバーを確認
- 「挿入」または「上書き」の表示を探す
- 表示をダブルクリックするとモードが切り替わる
- ステータスバーに表示されない場合は、ステータスバーを右クリックして「上書き」にチェックを入れる
Mac特有の対処方法
MacにはInsertキーがないため、以下の方法を試してください。
Macでの解除方法一覧
方法1:Fnキーとの組み合わせ
- 「Fn + Enter」
- 「Fn + Delete」
- キーボードによって組み合わせが異なります
方法2:外部キーボード使用時 USB接続やBluetooth接続の外部キーボードを使用している場合、そのキーボードのInsertキーが使える可能性があります。
方法3:環境設定からの変更 前述の「方法2」の環境設定から変更するのが最も確実です。
上書きモードになっているか確認する方法
確認方法1:ステータスバーでの表示
Word画面の下部にあるステータスバーで現在のモードを確認できます。
- 「挿入」と表示:通常の挿入モード
- 「上書き」と表示:上書きモード(要注意)
確認方法2:実際に文字を入力してテスト
既存の文字がある場所にカーソルを置いて文字を入力し、動作を確認します。
- 既存文字が右にずれる:挿入モード
- 既存文字が消える:上書きモード
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
Insertキーが効かない場合
原因と対処法
Fnキーとの組み合わせが必要 ノートパソコンでは「Fn + Insert」で切り替わることがあります。
キーボードの設定問題 外付けキーボードの設定やドライバーの問題で正常に動作しない場合があります。
Word以外のソフトの影響 他のアプリケーションが同じキーを使用している可能性があります。
設定を変更してもモードが切り替わる場合
Word以外での設定確認 Windowsのシステム設定やキーボードドライバーの設定を確認してください。
Wordの再起動 設定変更後は一度Wordを再起動することで設定が反映されます。
アップデートの確認 Wordのバージョンが古い場合、アップデートで問題が解決することがあります。
Macで解除できない場合の対処法
キーボードの種類を確認 Apple純正キーボードか、サードパーティ製キーボードかによって操作が異なります。
システム環境設定の確認 macOSのシステム環境設定で、キーボードのショートカット設定を確認してください。
別の解除方法を試す 複数の方法を組み合わせて試してみましょう。
上書きモードを予防する設定
完全に無効化する設定
上書きモードを使わない場合は、完全に無効化することをおすすめします。
設定手順
- 前述の「方法2」で設定を変更
- Insertキーでの切り替えも無効にする
- 設定を保存して再起動
部分的な制限設定
上書きモードは残しつつ、誤操作を防ぐ設定も可能です。
注意アラートの設定 上書きモードに切り替わる際に確認ダイアログを表示する設定があります。
他のOfficeアプリケーションでの対処法
Excel での上書きモード
Excelでも同様の現象が発生する場合があります。基本的な解除方法はWordと同じです。
PowerPoint での対応
PowerPointのテキストボックスでも上書きモードが発生することがあります。
よくある質問と詳しい回答

Insertキーがないキーボードの場合は?
最近のコンパクトキーボードやワイヤレスキーボードにはInsertキーがない場合があります。この場合は設定画面からの変更が確実です。
上書きモードを使いたい場合は?
意図的に上書きモードを使いたい場合は、Insertキーで切り替えるか、設定で有効にしてください。
複数のバージョンのWordがある場合は?
各バージョンで個別に設定する必要があります。バージョンによって設定項目の場所が異なる場合があります。
まとめ
Wordで突然文字が消える「上書きモード」は、適切な方法で簡単に解除できます。
すぐにできる解除方法
- Insertキーを押す(Windows)
- ステータスバーの表示をダブルクリック
根本的な解決方法
- Wordの設定から上書きモードを無効化
- Insertキーでの切り替えも無効にする
Macでの対処法
- 環境設定から変更
- 外部キーボードのInsertキーを使用
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