「飲み会の席決めやちょっとした抽選をExcelでやりたい」
「手軽にルーレットを作って楽しみたい」
そんなとき、専用ソフトを使わなくてもExcelでルーレットを簡単に作れるのをご存知ですか?
Excelにはグラフ機能や乱数を組み合わせることで、くじ引きや抽選ができる仕組みを作ることができます。職場のレクリエーションや学校のイベント、さらには家族での役割分担など、様々な場面で活用できる便利なツールになります。
円グラフを使った視覚的に楽しいルーレットから、関数を使ったシンプルな抽選システムまで、用途に応じて選べる方法があります。プログラミングの知識は一切不要で、基本的なExcel操作ができれば誰でも作成可能です。
この記事では、初心者でもわかりやすいように以下の内容を解説します:
- グラフを使ったルーレット風の見た目:本格的なルーレットのような視覚効果
- 簡単な乱数を使ったランダム選択:瞬時に結果が分かるシンプルな抽選
- 応用テクニック:より高度な機能を組み合わせた活用法
ぜひあなたのイベントや職場のレクリエーションに役立ててください。
Excelでルーレットを作る基本アイデア

ルーレット作成の2つのアプローチ
Excelでルーレットを作る方法は大きく2種類あります。それぞれに特徴があるので、用途に応じて選択しましょう。
① 見た目がルーレットの「円グラフ方式」
特徴:
- 視覚的に楽しい:本物のルーレットのような見た目
- カラフルで分かりやすい:各選択肢が色分けされて表示
- プレゼンテーション向き:大勢の前で使うときに効果的
- 参加型イベント:みんなで結果を見守る楽しさ
活用場面:
- 職場の歓送迎会
- 学校のクラスイベント
- プレゼンテーションの一部
- 子供向けのゲーム
② シンプルにランダムで選ぶ「乱数方式」
特徴:
- 瞬時に結果表示:ボタン一つで即座に抽選
- 手軽で簡単:複雑な設定が不要
- 連続抽選可能:何度でも繰り返し実行
- 効率重視:業務での使用に最適
活用場面:
- 業務の役割分担
- 発表順序の決定
- 簡単な景品抽選
- 日常的な選択肢決め
それぞれのメリット・デメリット
円グラフ方式
メリット:
- エンターテイメント性が高い
- 視覚的インパクトがある
- 参加者の注目を集められる
- 記念撮影にも映える
デメリット:
- 作成に少し時間がかかる
- 自動回転機能はない
- 結果判定に主観が入る可能性
乱数方式
メリット:
- 作成が非常に簡単
- 完全にランダム
- すぐに結果が分かる
- 大量の選択肢にも対応
デメリット:
- 視覚的な楽しさに欠ける
- エンターテイメント性が低い
- 演出効果が少ない
この章のまとめ
- 円グラフなら見た目が楽しいルーレット:イベントやプレゼン向き
- 関数なら一発で抽選結果:業務や効率重視の場面向き
次は、それぞれの作り方を順番に詳しく紹介します。
①円グラフでルーレットを作る方法
ステップ1:データを準備する
基本的なデータ構成
例えばA列に項目、B列に比率(均等なら1)を入力します。
A列(項目名) | B列(比率) |
---|---|
佐藤 | 1 |
鈴木 | 1 |
高橋 | 1 |
田中 | 1 |
伊藤 | 1 |
データ入力のコツ
項目名の工夫:
- 短くて分かりやすい名前にする
- 同じ文字数だと見た目が整う
- 記号や数字も使用可能
比率の設定:
- 均等にしたい場合:すべて「1」
- 重み付けしたい場合:異なる数値を入力
- 例:Aさんに当たりやすくしたい場合は「3」、他は「1」
より実践的なデータ例
席決めルーレット:
窓側1番 1
窓側2番 1
中央1番 1
中央2番 1
廊下側1番 1
廊下側2番 1
プレゼント抽選:
1等賞品 1
2等賞品 3
3等賞品 5
参加賞 10
ステップ2:円グラフを作成する
グラフ作成の手順
- データ範囲を選択
- A1:B5(項目名と比率を含む範囲)を選択
- ドラッグまたはShift+矢印キーで選択
- グラフの挿入
- 「挿入」タブをクリック
- 「グラフ」グループから「円グラフ」を選択
- おすすめ:「ドーナツグラフ」でより本格的な見た目
- グラフの配置
- 作成されたグラフを適切な位置に移動
- サイズを調整して見やすくする
グラフの種類による違い
円グラフ:
- シンプルで分かりやすい
- 中央部分も色で塗りつぶされる
- 項目数が少ない場合におすすめ
ドーナツグラフ:
- 中央に空間がある
- より本格的なルーレット感
- 中央に文字を入れることも可能
ステップ3:色やラベルを調整する
データラベルの追加
- グラフをクリックして選択
- 右クリック→「データラベルの追加」
- または「グラフツール」→「レイアウト」→「データラベル」
ラベルの設定オプション:
- 項目名のみ:どの選択肢かが分かる
- パーセンテージ:当選確率が表示される
- 項目名+パーセンテージ:両方の情報を表示
色のカスタマイズ
自動色設定:
- Excelが自動的に色を振り分け
- 見分けやすい色の組み合わせ
手動色設定:
- 特定の部分をクリック
- 右クリック→「データ要素の書式設定」
- 「塗りつぶし」から好きな色を選択
色選びのコツ:
- 明るく鮮やかな色でルーレット感アップ
- 隣り合う部分は違う色にして見分けやすく
- 会社のコーポレートカラーを使用してブランディング
追加の装飾
境界線の設定:
- 各部分の境界をはっきりさせる
- 線の太さや色をカスタマイズ
3D効果:
- 「グラフツール」→「書式」→「図形の効果」
- 立体的な見た目でより迫力のあるルーレット
ステップ4:ルーレットとして使用する
結果判定の方法
指針の作成:
- 図形の挿入:「挿入」→「図形」→「矢印」
- グラフの上に配置
- 固定位置に設置
判定方法の例:
- 回転角度を手動で変える:グラフを少しずつ回転
- ペンなどを指す:物理的な指針を使用
- 目をつぶって指差し:ランダム性を高める
演出のアイデア
回転効果の演出:
- グラフを選択
- 「グラフツール」→「書式」→「回転」
- 角度を少しずつ変更
- 「ストップ!」の合図で確定
音響効果:
- カウントダウン:「3、2、1…」
- 効果音:太鼓の音やベルの音
- BGM:緊張感を高める音楽
この章のまとめ
- 円グラフを作るだけでルーレット風が完成
- 色やラベルで見た目を楽しく
- 回転は手動でも十分エンターテイメント性あり
次は、もっと簡単に自動抽選する方法を紹介します。
②RANDBETWEENでランダム抽選する方法

ステップ1:リストを用意する
基本的なリスト作成
例えば A1:A5 に以下のように入力:
佐藤
鈴木
高橋
田中
伊藤
リスト作成のポイント
項目の入力方法:
- 連続するセルに一つずつ入力
- 空行を作らない:関数が正しく動作するため
- 文字数制限なし:長い名前や文章も可能
様々なリスト例:
役割分担:
司会者
タイムキーパー
記録係
準備係
片付け係
ランチ選択:
中華料理
イタリアン
和食
ファストフード
カフェ
ステップ2:ランダム抽選の数式を作成
基本の数式
適当なセル(例:C1)に以下の数式を入力:
=INDEX(A1:A5, RANDBETWEEN(1, COUNTA(A1:A5)))
数式の詳しい説明
INDEX関数:
- 役割:指定した位置の値を取得
- 書式:INDEX(範囲, 行番号)
- 例:INDEX(A1:A5, 3) → A3セルの値を取得
RANDBETWEEN関数:
- 役割:指定した範囲の整数をランダム生成
- 書式:RANDBETWEEN(最小値, 最大値)
- 例:RANDBETWEEN(1, 5) → 1から5のいずれかの数字
COUNTA関数:
- 役割:空でないセルの個数を数える
- メリット:リストの項目数が変わっても自動対応
- 例:COUNTA(A1:A10) → A1~A10で値が入っているセル数
実行方法
再計算の方法:
- F9キー:ワークシート全体を再計算
- Ctrl + Alt + F9:すべてのワークブックを再計算
- 数式セルを選択してEnter:そのセルだけ再計算
ステップ3:より便利な機能を追加
抽選ボタンの作成
図形ボタンの作成:
- 「挿入」→「図形」→「四角形」
- 適当な大きさで描画
- 右クリック→「図形の書式設定」
- 色や文字を「抽選開始」に設定
マクロの割り当て:
- 図形を右クリック→「マクロの割り当て」
- 「新規作成」をクリック
- 以下のコードを入力:
Sub 抽選実行()
Application.Calculate
End Sub
抽選履歴の記録
履歴表示の設定:
- D列に「履歴」見出し
- E1セルに:
=C1
(抽選結果を参照) - 抽選のたびに:手動で下の行にコピー
自動履歴記録(応用):
- VBAを使用して自動的に履歴を蓄積
- タイムスタンプ付きで記録
- 重複チェック機能も追加可能
ステップ4:高度な抽選機能
重複を避ける抽選
既に選ばれた項目を除外:
=INDEX(A1:A5, RANDBETWEEN(1, COUNTA(A1:A5)))
この基本式に条件を追加して、選択済みを除外する仕組みを作成可能。
重み付き抽選
確率を変える方法:
- B列に重みを入力(数字が大きいほど当選しやすい)
- 累積確率を計算
- 乱数と比較して選択
複数同時抽選
複数の結果を一度に表示:
1位: =INDEX(A1:A10, RANDBETWEEN(1, COUNTA(A1:A10)))
2位: =INDEX(A1:A10, RANDBETWEEN(1, COUNTA(A1:A10)))
3位: =INDEX(A1:A10, RANDBETWEEN(1, COUNTA(A1:A10)))
実用的な応用例
会議の役割分担
設定例:
- A列:参加者名
- B列:役割(司会、記録、タイムキーパーなど)
- 自動割り当てで効率的な役割分担
プレゼンテーション順序
ランダムな発表順:
- 公平性を保つ
- 緊張感を演出
- 準備時間の調整
チーム分け
グループ分け抽選:
- 人数に応じた自動振り分け
- バランスの取れたチーム構成
- 新鮮な組み合わせの創出
この章のまとめ
INDEX
+RANDBETWEEN
でリストからランダム選択- 再計算で何度でも実行可能
- ボタンやマクロで使いやすさアップ
- 様々な応用パターンに対応
より高度なルーレット機能

アニメーション効果の追加
段階的な表示
カウントダウン機能:
=IF(NOW()-開始時刻<3, "3", IF(NOW()-開始時刻<4, "2", IF(NOW()-開始時刻<5, "1", "結果表示")))
視覚効果の工夫
点滅効果:
- 条件付き書式を使用
- 時間に応じて色を変更
- 注目度アップの演出
データ分析機能
抽選結果の統計
出現回数の集計:
=COUNTIF(履歴範囲, A1)
偏りの確認:
- 各項目の選択回数
- 確率の理論値との比較
- 公平性の検証
レポート機能
結果の可視化:
- 棒グラフで出現回数を表示
- 円グラフで割合を表示
- 時系列での変化を追跡
セキュリティと公平性
不正防止の仕組み
透明性の確保:
- 抽選方法の公開
- 結果の記録保存
- 第三者による確認
操作ログの記録:
- いつ誰が実行したか
- 設定変更の履歴
- 結果の改ざん防止
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
数式エラーの対処
#N/A エラー:
- 原因:リストに空のセルがある
- 解決法:空行を削除または数式を修正
#VALUE! エラー:
- 原因:数式の記述ミス
- 解決法:括弧や関数名を確認
結果が更新されない
自動計算の設定:
- 「ファイル」→「オプション」→「数式」
- 「自動」が選択されているか確認
- 手動の場合はF9キーで更新
マクロが動作しない
セキュリティ設定の確認:
- 「ファイル」→「オプション」→「トラストセンター」
- 「マクロの設定」を確認
- 必要に応じて設定を変更
まとめ
2つの方法の使い分け
Excelでルーレットを作るなら、用途に応じて以下のように使い分けると便利です:
円グラフ方式
おすすめの場面:
- エンターテイメント重視のイベント
- 大勢の前でのプレゼンテーション
- 視覚的なインパクトが必要な場合
- 参加型のイベントで盛り上がりたい時
メリット:
- 見た目が本格的で楽しい
- 参加者の注目を集められる
- 記念撮影にも映える
- カスタマイズの自由度が高い
乱数方式
おすすめの場面:
- 効率重視の業務場面
- 頻繁に抽選を行う場合
- 大量の選択肢から選ぶ時
- 公平性を重視する抽選
メリット:
- 作成が簡単で時間短縮
- 完全にランダムで公平
- 連続実行が可能
- データ分析も簡単
実際の活用場面
職場での活用
- 会議の役割分担:司会、記録係、タイムキーパー
- プレゼン順序:公平な発表順の決定
- ランチ選択:チームでの食事場所決め
- 研修グループ分け:ランダムなチーム編成
プライベートでの活用
- 家族の役割決め:掃除当番、料理当番
- 旅行先選択:候補地からのランダム選択
- 映画選択:見たい映画の抽選
- ゲームの順番:プレイ順序の決定
イベントでの活用
- 忘年会の出し物:誰が何をするか
- 景品抽選:公平な抽選システム
- チーム分け:スポーツやゲームのチーム編成
- 席決め:懇親会やパーティーの座席
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