「Excelで印刷したらページ番号を入れたい」
「提出資料に会社名を載せたい」
そんなときに役立つのがフッターです。
Excelのフッターを使えば、すべてのページの下部に共通の情報を入れられるので、印刷資料やPDF資料をより見やすく整えることができます。ビジネス文書や報告書、プレゼン資料などで、プロフェッショナルな印象を与えるためには欠かせない機能です。
フッターは単なる装飾ではなく、文書管理や情報共有において重要な役割を果たします。ページ番号があることで資料の順序が分かりやすくなり、作成日時が記載されていることで最新性が確認できます。
この記事では、Excelのフッターの基本設定から、ページ番号や日付の入れ方、さらに覚えておくと便利な使い方まで、初心者の方にもわかりやすく紹介します。
フッターとは?基本的な概念

フッターの定義
フッターとは、印刷したときにページの下部に表示される領域です。
Wordで言う「ヘッダー・フッター」と同じく、Excelでも印刷ごとに自動的に繰り返し表示されます。画面上の編集作業中には見えませんが、印刷プレビューや実際の印刷時に表示される重要な要素です。
フッターの役割
文書の管理
- ページ番号:複数ページの資料での順序管理
- 作成日時:文書の最新性確認
- ファイル名:どのファイルの印刷かを明確化
情報の共有
- 会社名:文書の作成元を明示
- 部署名:責任部署の明確化
- 連絡先:問い合わせ先の提供
プロフェッショナルな印象
- 統一感:すべてのページに同じ情報
- 見やすさ:重要な情報が整理されて表示
- 信頼性:きちんと管理された文書という印象
フッターに入れられる代表的な内容
基本的な情報:
- ページ番号(「1」「2」など)
- 印刷日(今日の日付)
- ファイル名やシート名
- 会社名や部署名
応用的な情報:
- 作成者名
- 機密レベル(「社外秘」など)
- バージョン情報
- 連絡先情報
Excelでフッターを設定する基本方法
ページレイアウトビューから設定する
最も直感的な方法
もっとも直感的に操作できる方法です。実際の印刷イメージを見ながら設定できるため、初心者の方にもおすすめです。
設定手順
- 下の表示モード切り替えで「ページレイアウト」をクリック
- 画面右下の表示モードアイコンを使用
- または「表示」タブ →「ページレイアウト」
- シート下部の「クリックしてフッターを追加」と表示される部分をクリック
- 左・中央・右の3つの領域に、文字やページ番号を入力
3つの領域の使い分け
領域 | 一般的な使い方 | 具体例 |
---|---|---|
左側 | 会社名・部署名 | 「株式会社△△」「営業部」 |
中央 | ページ番号 | 「ページ 1」「1/3」 |
右側 | 日付・時刻 | 「2025/1/15」「作成日:2025年1月」 |
ページ設定ダイアログから設定する
より詳細な設定が可能
細かい調整をしたい場合はこちらがおすすめです。書式設定や配置の調整などの高度な機能を使用できます。
設定手順
- 「ページレイアウト」タブをクリック
- 右下の小さな「ページ設定」マークをクリック
- 「ヘッダー/フッター」タブを選択
- 「フッターの編集」で詳細を入力
ダイアログでできること
- フォントサイズの変更
- 文字色の設定
- 太字・斜体の適用
- 配置の調整
フッターに挿入できる便利な項目
自動挿入コードの活用
Excelでは以下のようなコードを自動で置き換えてくれます。これらのコードを使うことで、動的な情報を自動的に更新できます。
コード | 意味 | 表示例 |
---|---|---|
&[ページ番号] | 現在のページ番号 | 1, 2, 3… |
&[総ページ数] | 全体のページ数 | 5, 10, 15… |
&[日付] | 印刷した日付 | 2025/1/15 |
&[時刻] | 印刷した時刻 | 14:30 |
&[ファイル名] | ファイル名(拡張子含む) | 売上データ.xlsx |
&[シート名] | シート名 | Sheet1, 売上, 集計 |
実用的な組み合わせ例
例1:ページ番号の表示
ページ &[ページ番号] / &[総ページ数]
表示結果:
ページ 1 / 3
例2:日付とファイル名
作成日:&[日付] ファイル:&[ファイル名]
表示結果:
作成日:2025/1/15 ファイル:売上データ.xlsx
例3:会社名とページ番号
左側:株式会社△△
中央:- &[ページ番号] -
右側:&[日付]
書式設定の活用
フォントサイズの変更
- 小さめ(8pt):目立たせたくない情報
- 標準(10pt):一般的なサイズ
- 大きめ(12pt):重要な情報を強調
文字色の設定
- 黒色:標準的な色
- グレー:控えめな印象
- 青色:会社のブランドカラー
フッターの詳細設定とカスタマイズ

高度な書式設定
文字の装飾
- フッター編集画面でテキストを選択
- 「ホーム」タブの書式設定を使用
- 太字・斜体・下線などを適用
配置の調整
- 左揃え:会社名など
- 中央揃え:ページ番号など
- 右揃え:日付など
複数行のフッター
改行を使った設定
フッターに複数行の情報を入れる場合:
株式会社△△
営業部 売上管理システム
注意点
- 行数が多いと印刷領域が狭くなる
- 文字サイズを調整して読みやすくする
- 重要な情報を上の行に配置
条件付きフッター
シートごとに異なるフッター
- シート1:「月次売上レポート」
- シート2:「年間売上推移」
- シート3:「商品別分析」
設定方法
- 各シートを個別に設定
- シート名を活用:
&[シート名]
コードを使用 - 統一感を保つ:基本レイアウトは同じにする
実際の業務での活用例
売上レポートでの活用
設定例
- 左側:「月次売上レポート」
- 中央:「&[ページ番号] / &[総ページ数]」
- 右側:「作成日:&[日付]」
効果
- 資料の種類が一目で分かる
- ページ順序が明確
- 最新性が確認できる
会議資料での活用
設定例
- 左側:「営業部会議資料」
- 中央:「- &[ページ番号] -」
- 右側:「&[日付]」
効果
- 会議の種類が明確
- 配布資料として適切
- 議事録との関連付けが可能
提出書類での活用
設定例
- 左側:「○○株式会社」
- 中央:「&[シート名]」
- 右側:「&[ページ番号]」
効果
- 提出元が明確
- 書類の種類が分かる
- ページ管理が容易
フッターの印刷設定
印刷プレビューでの確認
確認手順
- 「ファイル」→「印刷」
- 右側のプレビューでフッターを確認
- 必要に応じて調整
確認ポイント
- 文字の大きさ:読みやすいか
- 配置:バランスが取れているか
- 情報の正確性:日付やファイル名が正しいか
印刷範囲との関係
フッターと印刷範囲
- フッターは印刷範囲外に表示
- 余白設定に影響される
- 用紙サイズを考慮する必要がある
余白の調整
- 「ページレイアウト」タブ→「余白」
- 「ユーザー設定の余白」
- 下余白を調整してフッター領域を確保
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
フッターが表示されない
原因:
- 標準表示モードで確認している
- 印刷範囲が設定されていない
- 余白が不足している
解決法:
- 印刷プレビューで確認
- 印刷範囲を確認
- 余白設定を調整
フッターの文字が切れる
原因:
- 文字サイズが大きすぎる
- 下余白が不足している
- 用紙サイズが小さい
解決法:
- 文字サイズを小さくする
- 余白を大きくする
- 用紙サイズを確認
日付が更新されない
原因:
- 固定の日付を入力している
&[日付]
コードを使用していない
解決法:
&[日付]
コードを使用- 手動入力の日付を削除
- 印刷時に自動更新されることを確認
フッターを削除する方法

完全削除の手順
不要になった場合は以下のように簡単に削除できます。
方法1:ページレイアウトビューから
- 「ページレイアウト」ビューに切り替え
- フッター部分をクリック
- すべての内容を削除(空白にする)
方法2:ページ設定ダイアログから
- 「ページレイアウト」タブ→「ページ設定」
- 「ヘッダー/フッター」タブを選択
- 「フッターの編集」で内容を削除
部分削除の方法
特定の領域だけ削除
- 左側だけ削除:左側の領域を空白にする
- 中央だけ削除:中央の領域を空白にする
- 右側だけ削除:右側の領域を空白にする
特定の情報だけ削除
- ページ番号だけ削除:
&[ページ番号]
を削除 - 日付だけ削除:
&[日付]
を削除 - ファイル名だけ削除:
&[ファイル名]
を削除
PDF出力時のフッター
PDFでのフッター表示
Excel→PDF変換
- 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPS」
- フッター設定が保持される
- 印刷品質を確認
PDFでの利点
- 検索可能:テキストとして認識
- コピー可能:情報の再利用
- 品質保持:きれいな表示
Webでの共有
オンライン表示
- Excel Onlineでもフッターは表示される
- 共有時も設定が保持される
- 印刷時に正しく表示される
応用テクニック
動的な情報の活用
計算式との組み合わせ
フッターに計算結果を含める場合:
合計:&[セルA1の値]件
条件分岐の活用
VBAと組み合わせて条件に応じてフッターを変更:
If 条件 Then
フッター = "緊急資料"
Else
フッター = "通常資料"
End If
複数シートの一括設定
すべてのシートに同じフッター
- すべてのシートを選択
- フッターを設定
- 一括で適用される
シートごとの個別設定
- 重要度に応じてフッターを変更
- 用途に応じて情報を調整
- 統一感を保つ基本レイアウト
まとめ
Excelのフッターを使うと、印刷資料に以下の情報を自動で入れられ、見やすくプロフェッショナルな資料になります:
主要な機能
- ページ番号:「1/3」「ページ 2」など
- 日付情報:作成日や印刷日の自動表示
- ファイル情報:ファイル名やシート名の表示
- 会社情報:会社名や部署名の表示
設定方法のポイント
- ページレイアウトビュー:直感的な設定
- ページ設定ダイアログ:詳細な調整
- 3つの領域:左・中央・右の使い分け
- 自動コード:動的な情報の活用
業務での活用メリット
- 文書管理:ページ番号と日付で整理
- プロフェッショナル:統一感のある資料
- 情報共有:必要な情報を自動表示
- 効率化:設定一度で全ページに適用
注意点
- 印刷プレビューで必ず確認
- 余白設定との関係を考慮
- 文字サイズを適切に調整
- PDF出力時の表示確認
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