「Excel(エクセル)で引き算ってどうやるの?」「SUM関数は足し算だけど、引き算の関数はないの?」そんなふうに感じたことはありませんか?
Excelは多機能なので少し分かりづらいですが、実は引き算はとてもシンプルにできます。
この記事では、以下について分かりやすく解説します:
- Excelでの引き算の基本的なやり方
- 引き算専用の関数があるかどうか
- 実用的な引き算の活用例
- よくあるエラーと対処法
- 効率的な計算テクニック
これを読めば、Excelでの引き算を自由自在に使いこなせるようになりますよ。
Excelに引き算専用の関数はある?

結論:引き算専用の関数はありません
まず結論から言うと、Excelには引き算専用の関数はありません。
「えっ?SUMは足し算の関数なのに、引き算はないの?」と思うかもしれませんね。
なぜ引き算の関数がないのか
数学的な理由
- 足し算:複数の数値をまとめて計算する意味がある
- 引き算:基本的に2つの数値間の操作(A-B)
実用的な理由
- シンプルさ:-(マイナス)記号で直感的に書ける
- 柔軟性:複雑な計算式の一部として組み込みやすい
- 可読性:数式を見れば内容がすぐに理解できる
Excelでの引き算の基本概念
数式(Formula)とは
Excelでの引き算は数式で書きます。数式とは、「=」から始まる計算指示のことです。
基本的な書き方
=数値1 - 数値2
関数との違い
- 関数:SUM、AVERAGE、MAXなど決まった名前の機能
- 数式:演算子(+、-、×、÷)を使った計算
基本的な引き算のやり方
セル同士を引き算する
基本例
A1に「10」、B1に「3」が入っている場合:
=A1 - B1
結果:7
手順の詳細
- 引き算結果を表示したいセルをクリック
- 「=」を入力
- 最初のセル(A1)をクリック
- 「-」を入力
- 2番目のセル(B1)をクリック
- Enterキーを押す
実用的な例
売上から費用を引く
=B2 - C2
B2(売上)からC2(費用)を引いて利益を計算
在庫の増減計算
=D2 - E2
D2(入庫)からE2(出庫)を引いて在庫変動を計算
予算と実績の差額
=F2 - G2
F2(予算)からG2(実績)を引いて差額を計算
直接数値を引き算する
基本例
=100 - 25
結果:75
混在パターン
=A1 - 50
A1の値から50を引く
=200 - B1
200からB1の値を引く
複数項目をまとめて引き算する
連続する引き算
=A1 - B1 - C1
A1からB1を引き、さらにC1を引く
実用例:段階的な値引き計算
=定価 - 早期割引 - 会員割引 - キャンペーン割引
具体的には:
=A1 - B1 - C1 - D1
引き算を含めた応用計算

SUM関数と組み合わせる
基本的な組み合わせ
「A1からA5まで合計して、B1からB3までの合計を引きたい」場合:
=SUM(A1:A5) - SUM(B1:B3)
実用例
総売上から総費用を引く
=SUM(売上範囲) - SUM(費用範囲)
具体的には:
=SUM(B2:B10) - SUM(C2:C10)
複数月の収支計算
=SUM(収入1月:収入12月) - SUM(支出1月:支出12月)
パーセンテージ計算(割引など)
基本的な割引計算
「1000円から20%引く」場合:
=1000 - 1000*0.2
結果:800
より実用的な書き方
=A1 - A1*B1
A1(元の価格)からA1×B1(割引額)を引く
複数割引の計算
=元価格 - 元価格*割引率1 - 元価格*割引率2
日付の引き算
日数の計算
=終了日 - 開始日
具体例:
=B2 - A2
B2(終了日)からA2(開始日)を引いて日数を計算
営業日の計算
=NETWORKDAYS(開始日, 終了日)
土日を除いた営業日数を計算
時刻の引き算
時間の差を計算
=終了時刻 - 開始時刻
実用例:勤務時間の計算
=B2 - A2
B2(退勤時刻)からA2(出勤時刻)を引いて勤務時間を計算
よくあるエラーと対処法
#VALUE!エラー
原因
- 文字列と数値の混在:計算対象に文字が含まれている
- 空白セルの処理:空白セルを数値として扱えない
対処法
数値チェック機能を使う
=IF(ISNUMBER(A1), A1-B1, "数値を入力してください")
空白セルを0として扱う
=IF(A1="", 0, A1) - IF(B1="", 0, B1)
マイナス値(負の数)の扱い
負の数の表示
引き算結果がマイナスになると、Excelでは「-10」のように表示されます。
赤字表示の設定
- セルを選択
- 右クリック→「セルの書式設定」
- 「数値」タブ→「ユーザー定義」
- 種類に「#,##0;[赤]-#,##0」と入力
絶対値で表示したい場合
=ABS(A1 - B1)
ABS関数で絶対値を取得
ゼロ除算エラーの回避
割り算を含む引き算でのエラー
=A1 - B1/C1
C1が0の場合、エラーが発生
対処法
=IF(C1=0, A1, A1-B1/C1)
C1が0の場合はA1をそのまま表示
効率的な計算テクニック

絶対参照と相対参照
相対参照(基本)
=A1 - B1
数式をコピーすると、A2-B2、A3-B3…と自動で変わる
絶対参照(固定)
=A1 - $B$1
数式をコピーしても、B1は固定のまま
混合参照
=A1 - B$1
行は固定、列は相対的に変化
名前定義を使った計算
名前の定義
- セル範囲を選択
- 名前ボックスに名前を入力
- Enterで確定
名前を使った引き算
=売上合計 - 経費合計
配列数式での一括計算
複数行の一括引き算
=A1:A10 - B1:B10
Ctrl+Shift+Enterで配列数式として入力
実用的な活用例
家計簿での活用
月次収支計算
=SUM(収入欄) - SUM(支出欄)
予算残高の計算
=予算 - SUM(実際の支出)
前月比の計算
=今月の支出 - 前月の支出
ビジネスでの活用
売上利益の計算
=売上 - 原価 - 販管費
在庫増減の管理
=期首在庫 + 仕入 - 売上原価
予算実績差異分析
=予算 - 実績
学習・教育での活用
成績の変化
=今回の点数 - 前回の点数
目標との差
=目標点 - 実際の点数
健康管理での活用
体重の変化
=今日の体重 - 昨日の体重
血圧の変化
=今回の血圧 - 前回の血圧
関連する便利な関数
条件付きの引き算
IF関数との組み合わせ
=IF(条件, A1-B1, A1)
条件が真の場合のみ引き算を実行
複数条件での引き算
=IF(AND(A1>0, B1>0), A1-B1, 0)
A1とB1が両方とも正の場合のみ引き算
統計関数との組み合わせ
平均値からの差
=A1 - AVERAGE(A1:A10)
A1の値と平均値の差を計算
最大値からの差
=MAX(A1:A10) - A1
最大値からA1の値を引く
検索関数との組み合わせ
VLOOKUP結果からの引き算
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列, FALSE) - B1
検索結果からB1の値を引く
まとめ
Excelで引き算をしたいときは、専用の関数ではなく数式を使います。
基本的な引き算の方法
シンプルな引き算
- セル参照:
=A1 - B1
- 直接数値:
=100 - 25
- 混在パターン:
=A1 - 50
応用的な引き算
- SUM関数との組み合わせ:
=SUM(A1:A5) - SUM(B1:B3)
- パーセンテージ計算:
=1000 - 1000*0.2
- 複数項目の引き算:
=A1 - B1 - C1
重要なポイント
エラー対策
- データ型の確認:数値以外のデータに注意
- 空白セルの処理:IF関数やISNUMBER関数で対処
- ゼロ除算の回避:事前に条件チェック
効率化のコツ
- 絶対参照・相対参照:コピー時の動作を制御
- 名前定義:分かりやすい数式の作成
- 配列数式:大量データの一括処理
実用的な活用場面
日常生活
- 家計簿:収支計算、予算管理
- 健康管理:体重変化、数値の推移
- 学習記録:成績の変化、目標との差
ビジネス
- 財務分析:売上、利益、差異分析
- 在庫管理:入出庫、残高計算
- プロジェクト管理:予算と実績の比較
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